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2019年12月15日 (日)

英国分裂の危機を生み出した英国総選挙

12月12日投開票の英国下院議員選挙の結果、英国のEUからの離脱を推進している【保守党】が歴史的な大勝利を収めた。【保守党】の選挙前の議席数は298議席で過半数(326議席)を割り込んでいたが選挙の結果、議席数を67議席増やして下院の過半数を39議席上回る365議席を獲得した。

最大野党の【労働党】は掲げた政策が国民に受け入れられず改選前の議席243議席から40議席を減らす203議席となった。【労働党】ののコービン党首は、英国の主要産業の国有化や富裕層への増税など政府が経済に積極的に関与する政策を掲げていたが国民の反発を買って【労働党】が伝統的に強い北イングランドやウェールズで相次いで【保守党】に議席を奪われ、惨敗を喫した。

【保守党』の大勝利によって英国の来年1月末までの【EU離脱】が確実となった。離脱後には離脱に伴うの混乱を回避するために1年間の猶予期間である【移行期間】が設けられる。【EU離脱】が円滑に実施されるか否かは英国と【EU]間の協議によって英国が【EU関税同盟】に残留できるかの一点にかかっている。【英国】の【EU関税同盟残留】を条件を付けずに【EU】が認めれば今後【EU】を離脱する加盟国が続出しかねないので英国とEUの関税協議は難航するであろう。

英国からの独立を目指す【スコットランド民族党】は選挙前の35議席に13議席上積みしてスコットランド地域全体の議席の80%を占める48議席を獲得した。【スコットランド民族党】は英国からの独立後に【EU】に残留する意向を強め、独立に関する【住民投票】の実施を改めて求める動きを激化させることになる。スコットランドの独立に関する住民投票が認められれば、永年、英国からの独立を求めていた【北アイルランド】にも飛び火する。【スコットランド民族党】の躍進は英国の分裂を生み出す新しい火種となる可能性がある。

【英国】は歴史的な経緯によって誕生した【イングランド】、【スコットランド】、【ウェールズ】、【北アイルランド】という4つの【カントリー】(国)の連合体であり、地域の独立性が強い。今年のラグビーワールドカップに参加した英国チームは【イングランド】、【スコットランド】、【ウェールズ】の3チームである。

【英国】は【EU離脱】には成功するがスコットランドと北アイルランドの【英国離脱】のリスクに晒されることになった。   (おわり)

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