カテゴリー「14中国問題」の記事

2020年2月16日 (日)

収束の見通しが立たない新型肺炎

中国湖北省武漢市を発祥地とする【新型肺炎】の感染拡大が未だに止まらない。2月16日の時点で中国以外で感染者が確認されているのは日本、台湾、香港など28の国と地域で世界の感染者数は6万9191人、死者は1669人である。

【新型肺炎】の発生地の中国の【感染者】(症状が現れているものに限定)は6万8500人、【死亡者】は1665人である。中国政府はこの期に及んでも【新型肺炎】の被害を少なく見せるために感染が確認されながらその症状がまだ現れていない患者を感染者から除外している。このような隠蔽体質が【新型肺炎】の被害を拡大させた原因の一つとも言えるのである。

【新型肺炎】の原因の究明はまだされていないが、武漢市には病原菌の研究施設が存在すると噂されていることから【新型肺炎】の原因は「兵器化された病源体が流出したのではないかという疑念」を述べた数種類の記事が【You Tube】には投稿されている。

【新型肺炎】の感染者は比較的短時間に中国全土に広がったがそれは【武漢市】が中国の高速鉄道網の中でも乗降客数の多い要衝であることがその要因の一つに挙げられる。

【新型肺炎】の被害が拡大し始めた1月22日の中国の全土の感染者は440人、志望者は9人であったが、31日には被害はさらに拡大し、【感染者】は9692人、【死亡者】は213人となり、2月10日には【感染者】は4万0160人、【死亡者】は908人と10日間で被害は約4倍にまで拡大した。

拡大する一方の【感染者】と【死亡者】に不安を募らせた湖北省と武漢市の住民を鎮静化させるために【中国共産党中央委員会】は2月13日、湖北省の政治指導部のトップ蒋超良湖北省共産党委員会書記と馬国強武漢市共産党委員会書記を解任したと発表した。トカゲの尻尾切りである。この時期に湖北省と武漢市の最高権力者が解任されたことは中国共産党中央員会が【新型肺炎】にさほど興味がないというというよりも有効な手立てを思いつかないということなのかもしれない。

中国は官僚組織よりも共産党が上位の組織体である。その結果、共産党の地方組織の幹部は共産党の中央組織での出世を優先させるために、共産党の地方幹部の中央への報告は常に地方幹部の出世に役立つように捏造されることになる。

解任された湖北省の党書記と武漢市の党書記の共産党中央委員会への報告では【感染者数】と【死亡者数】は実数をかなり下回っていたと思われる。中国共産党のヒエラルキーが崩壊しない限り中国の将来の見通しは暗いのである。   (おわり)

 

 

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2020年2月10日 (月)

事態を楽観できない中国武漢市発新型肺炎

中国共産党中央委員会の機関紙【人民日報】は武漢市発の新型コロナウイルスによる【新型肺炎】の拡大は1~2か月後には収束するという楽観的な情報を意図的に流しているとしか思えない。もっとも【新型肺炎】の感染拡大が収束するには時間を要するなどという記事を【人民日報】が掲載すれば中国共産党が存亡の危機に陥りかねないので楽観論を掲載せざるを得ないのである。

【人民日報】の楽観論を担保したのが国連の一機関【世界保健機構】(WHO)の事務局長エチオピアの保健相と外相を歴任したテドロス・ゲブレイエスス氏である。エチオピアは膨大な財政赤字に苦しみ、中国からのインフラ投資に支えられている。2017年7月にゲブレイエスス氏はWHOの事務局長に就任したが同氏の就任に関して危惧する声があったと言われている。

ガブレイエスス事務局長は中国発の【新型肺炎】に関して【緊急事態宣言】を遅らせ、中国を訪問して1月28日には習近平国家主席と会談して、「中国政府が揺るぎない政治的決意を示し、迅速で効果的な措置を取ったことに敬服する」などと中立性が要求される国際機関の幹部としてはあるまじき発言をしている。こうした同氏の中国寄りの発言に対して米国では同氏の辞任を促す署名が30万人分集まっている。

【新型肺炎】の発生地で深刻な被害が明らかになっている【湖北省】は2月10日、【新型肺炎】によるによる死者が91人、感染者が2618人増えたと発表した。【新型肺炎】の死者の合計は約2カ月で902人となり、2002~03年に流行した【SARS】(重症呼吸器症候群】の02年11月~03年7月の約9カ月間の死者の合計774人を超えている。この死者数の急激な増加から判断しても中国政府が効果的な措置を取ったとは到底思えないのである。

湖北省の発表では感染者数は3万7000人を超えているが湖北省は8日間の突貫工事で1000人収容規模の隔離病棟を建設したが中国全土で同規模の隔離病棟が建設されているという情報がSNSを通して拡散している。さらに実際の感染者は10万人を超えているという情報が溢れている。こうした情報を分析すると【SARS】の感染拡大の収束に8カ月かかったように今回の【新型肺炎】の感染拡大の収束には6カ月程度の時間は必要であろう。

現在、首都北京では飲食店の開店が全面禁止され、個人消費は落ち込んでいると言われている。中国の輸出は減り続け、個人消費も今年の上半期は前年比でかなり落ち込むと予測されるので中国のGDP成長率は21世紀に入って最低水準となる可能性が高い。その影響は韓国や日本にも波及することになる。  (おわり)

 

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2020年2月 7日 (金)

中国からの撤退や生産拠点の移動を図る米国系企業

新型コロナウイルスに由来する【新型肺炎】の猛威は一向に衰える気配を見せず、「【新型肺炎】発生の震源地・湖北省を中心に2月4日以来4日連続で3000人を超える新感染者が確認されたが新たな感染者の7割は湖北省の住民である。2月6日の時点で中国の感染者は前日より3143人増えて3万1161人、死亡者は600人を超えた。重症患者は962死亡人増えて4821人である。」とNHKは2月6日夜、報じた。

湖北省の幹部は、中国全土から1万人以上の医師が支援に駆け付けたと述べる一方で、呼吸器や重症患者の対応にあたる医療従事者が2000人以上不足していることを明らかにした。

中国のメディア【東方網】は2月3日、拡大の一途を辿る状況に危機感を抱いた米アップルが2月1日に中国国内の支社や店舗などの全ての拠点の閉鎖を発表したと伝えている。【アップル】のスマホの販売台数はここ数年減り続けている。その原因は中国政府が【ファーウェイ】の支援のために【ファーウェイ製品】を購入した中国企業に補助金を出しているからである。

2018年7月の【米中貿易戦争】の開始以来、中国に進出している米国の製造企業の80%は中国から生産拠点の移転を検討していたが今回の【新型肺炎】の感染拡大によって中国脱出を決断する企業が増えたということである。

中国へ進出している日本の製造メーカーは中国を【自社小品の市場】と【自社商品の製造代替先】と捉えて莫大な投資をしていることから中国からの脱出をなかなか決断できないのである。【新型肺炎】の発生地の武漢市に3つの工場を稼働させている【ホンダ】は3工場の再稼働の時期を慎重に検討しているし、中国国内に4つの完成車工場を稼働させている【トヨタ】も再稼働の時期を見極めている状況である。

昨年、中国市場で大半の自動車メーカーが販売台数を減らした中で【トヨタ】と【ホンダ】は販売台数を伸ばしているので中国工場の再稼働を急いでいるのであろう。しかしながら、従業員の生命の安全が優先されなければならない。   (おわり)

 

 

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2020年1月 6日 (月)

化けの皮がはがれた中国の経済成長率の数値

中国の著名なマクロ経済学者で、中国人民大学国際通貨研究所理事兼副所長の向松祚教授は2019年1月20日、中国上海市で開かれた経済フォーラムで、2018年1月から2019年1月まで続いている中国経済の減速の具体的な数値について国内経済研究機関の内部資料では2018年の中国の【国民総生産】(GDP),の成長率が1.67%であると述べて世界の経済学者の注目を集めた。

中国の国家統計局が発表する経済成長率の数値に関しては従来から西側経済学者の間では疑問符が付いていた。毎年公表される経済成長率の目標値と国家統計局が発表するその年の成長率が毎年ほぼ一致していたからである。中国の経済成長率の統計の取り方は地方政府が集計したデータを基に国家統計局が集計する。地方政府のトップは共産党の党員で、実績を上げて共産党中央委員会の政治局員への昇進を熱望しているために、設定された【経済成長率】以上の数字を国家統計局に報告することが常態化している。

100年に一度と言われた金融危機【リーマンショック】が起こったのが2008年9月であるがその前年の07年は米国の景気は住宅バブルに沸いていた。米国への輸出の増大によって中国の2007年の【経済成長率】は史上最高の14.25%であった。【リーマンショック】が起きたために08年の経済成長率は9.65%、09年は9.40%と下落しているが下落幅が4%台に収まったのは膨大な金額の財政出動の効果であった。

2010年には中国の【経済成長率】は10.56%と前年比で1.16%上昇して中国経済は持ち直すかと思われたが2011年からは【経済成長率】の下落に歯止めがかからなくなった。2011年の【経済成長率】は9.50%、12年が7.90%、13年が7.80%、14年が7.30%である。15年には6.90%と6%台に突入し、16年が6.73%、17年が6.76%、18年が6.56%、19年は1~10月間の【経済成長率】は6.14%である。19年の【経済成長率】の目標値は【6.50%~6.0%】で、かろうじて目標値はクリアーできそうである。だが中国の【経済成長率】は捏造されている可能性が極めて高い。

向教授は2019年の国家統計局が発表する【経済成長率】は6.0%を超える可能性が高いが計算してみると計算が合わないと不信感を抱いている。中国経済の減速は米中貿易戦争の勃発によって加速したというのが世界の経済専門家の見立てであるが中国経済の減速は【リーマンショック】後から起こっている。経済の減速を隠蔽するために中国の地方政府は債券を発行して財政出動の原資を調達し、何とか経済の減速を凌いできたのであるがそれも限界に達したというのが真相なのであろう。

中国の経済研究機関の担当者は2019年は中国の10の省の【経済成長率】はマイナスとなったと述べている。2019年には国営企業のデフォルト(債務不履行)が話題に上るようになっている。今年の【経済成長率】は更なる下げ圧力がかかることになると思われる。   (おわり)

 

 

 

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2019年10月30日 (水)

信憑性に欠ける中国国家統計局発表の2019年第1四半期~第三四半期のGDP成長率

2019年3月5日、中国の国会と言われる【全人代】(全国人民代表大会)における【政治活動報告】で李克強首相は今年度の経済成長率の目標を「GDP成長率6.5%~6.0%とする」と発表した。因みに昨年のGDP成長率の目標は6.5%であった。

ところで、今年の中国のGDP成長率は第1四半期(1~3月)が6.4%増、第2四半期(4~6月)は6.2%増、第3四半期(7’~9月)は6.0%増、1~9月の成長率は6.2%であった。第3四半期の6.0%は1992年の四半期統計開始以来最低であった。

しかしながら中国国家統計局が公表する「GDP成長率は信憑性に欠ける」というのが欧米の経済専門家の間では定説となっている。李克強首相でさえ、遼寧省共産党委員会書記(遼寧省のトップ)時代に中国駐在の米国大使に国家統計局が発表する数値には信頼を置いていないという主旨の発言をしているのである。

米国の経済紙【WSJ】(ウオール・ストリート・ジャーナル)は偵察衛星が撮影した中国本土の画像を解析した専門家の意見として2019年1~9月の中国のGDP成長率は3%程度という見解を記事として掲載している。

ここ数年の中国経済の牽引役の御三家は【最終消費支出】(消費)、【総固定資本形成】(投資)、【外需】(輸出)である。これらのGDPへの寄与率は【消費】が60.5%,【投資】が19.8%、【輸出】が19.6%であるから中国は輸出主導国家からは脱却しつつある。

年間売上高が2000万元(約3億円)超える工業系企業(鉱業、製造業、エネルギー関連)が2019年1~8月の期間に稼ぎ出した利益は総額4兆0164億元で、前年同期比で全国平均で1.7%減少した。深刻なのはGDPの多い中国東部の10の市・省の減少率が全国平均よりも大きいのである。GDP全国一の【上海市】は19.6%減、【北京市】が14.4%、【天津市】5.8%減、【山東省】13.0%、【江蘇省】3.5%などである。これらの市や省から労働集約型企業(衣料品製造業)などが生産拠点をベトナムなどに移転した結果、工業系企業の利益が減少したのであろうが利益の減少額は公表された金額よりも多い可能性が高い。

【GDP成長率】の鈍化を下支えするために中央政府は大規模な減税を実施したり、地方政府は【地方債】発行してインフラ投資を増やしている。こうした景気対策の効果が第4四半期に表れるか否かが中国経済の復活の鍵を握っている。   (おわり)

 

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2019年7月15日 (月)

中国環境車規制でハイブリット車優遇に転換、トヨタとホンダに順風

【EV】(電気自動車)と【PHV】(プラグインハイブリット車)を【新エネルギー車】と規定し、これらの車の一定比率の生産を義務付ける【NEV規制】が中国で2019年から始まったが,【新エネルギー車】の生産台数はガソリン車やディ―ゼル車の製造・販売台数に基づいて複雑なポイント制によって算定される。

中国市場で【EV】や【PHV】が発売されたのは2011年で、【EV】の販売台数は5579台、【PHV】の販売台数は2000台に満たなかった。昨年の【EV】の販売台数は78万8000台、【PHV】は26万5000台であった。中国の北京などの大都市の大気汚染は深刻でその対策として新エネルギー車の販売の促進と世界の自動車産業の主導権を握ろうとして中国政府は【EV】の製造に注力しているのであるが【EV】の販売台数は中国政府が期待したほど増えてはいない。充電施設の整備と【EV】の航続距離がそれを阻んでいるのである。しかしながら、【大気汚染】の解消は喫緊の課題なので中国政府は苦肉の策として低燃費で省エネ車と中国政府が位置付けている【HV】(ハイブリット車)を優遇する方針に転換した。

中国で自動車行政を担当する【工業情報化省】の当初の計画では【ガソリン車】を100万台製造するメーカーは【EV】を2万台製造することが義務付けられていた。【HV】は【ガソリン車】のカテゴリーに分類されていたので【HV】を100万台製造するメーカーの【EV】製造台数は2万台であった。だが新たな【修正案】で【HV】はガソリン車のカテゴリーから離れたので【EV】の製造台数は大幅に引き下げられて6000台となった。【ガソリン車】は逆に【EV】製造台数が引き上げられて2万9000台となった。【工業情報化省】が7月に公表した【修正案】は8月中にメーカーや専門家の意見の聞き取り調査を終えて年内には決定する見通しであるという。

昨年の【HV】の世界販売台数は229万台であったが日本の【トヨタ】と【ホンダ】2社の販売台数の合計は200万台を超えている。因みに【トヨタの2018年の【HV】の世界販売台数は公表されていないが2017年の販売台数は152万台であった。

今年の上半期の中国新車販売台数は前年比で12.4%減1232万3000台で【トヨタ】と【ホンダ】以外の中国に生産拠点のある各国のメーカーは前年比で販売台数は減少している。【トヨタ】は前年同期比12.2%増の76万9000台で昨年より販売台数は8万9000台増えた。【ホンダ】は前年同期比で22.4%増の74万5400台で昨年同期より13万6300台の大幅増である。【HV】の販売が好調だったからだ。

【NEV規制】で【HV】が優遇されるので、【HV】製造では他のメーカーに先んじている両社の中国での販売台数は今後大幅に増加する可能性が高まってきた。   (おわり)

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2019年4月17日 (水)

中国の景気減速に歯止めがかかる

中国国家統計局は4月17日、2019年第1四半期(1~3月)のGDP(国民総生産)統計を公表した。GDP成長率は前期比(2018年第4四半期)の6.4%と同じであった。ということは中国の経済成長率は前期と横ばい状態で3月に設定した2019年の経済成長率の目標値6.0%~6.5%の範囲に収まっているということである。中国経済の減速が目立ち始めたのは米中貿易戦争が勃発した7月以降である。

2017年の中国の新車販売台数は史上最高の2887万8900台であったが2018年は上半期は、長期休暇となる【春節】が2月であったために2月の新車販売台数は前年同月比でマイナスとなったがそれ以外の月はいずれも前年同月比を上回っていた。ところが7月以降は全て前年同月比で販売台数が前年を下回り、通年では前年比で2.8%減の2808万1000台となった。台数としては79万7900台減少したことになる。

新車販売台数の減少の傾向は2019年に入っても継続し、1月が前年同月比で15.76%減、2月が13.77%減、3月が5.18%減と減少は続いているが減少幅は縮小している。2019年の1~3月の第1四半期の販売台数の累計は前年同期比11.32%減少の637万2400台で前年同期の販売台数の累計数よりも81万0300台減っている。

中国政府は顕在化した景気の減速に歯止めをかけるために3月に入ると景気対策を打ち出した。一つ目は2兆元(約33兆円)の減税である。大幅減税には落ち込んでいる個人消費を回復させる狙いがある。しかし財源の手当ては容易ではないであろう。今日発表されたGDP統計では個人消費が回復している兆候はない。減税の効果が表面化するには多少の時間が必要であろう。

中国は08~09年のリーマンショックに端を発する世界金融危機を乗り切るために4兆元(約57兆円)の公共投資を実行して世界経済を救ったと言われている。中国の李克強(リー・クオーチャン)首相は世界金融危機の際のように洪水のような景気刺激策に頼ることはないと明言しているが3月に入って中国の地方政府の債権発行と中央政府のインフラ投資は急増して、中国政府が従来型の景気対策に回帰したことが見て取れる。

中国の銀行による融資は1~3月に5兆8000億元に達し、四半期としては過去最高を記録した。融資した資金の大半は投機用の住宅建設に注ぎこまれることになるであろう。住宅バブルを起こさない限り、中国経済は減速から脱出できないからである。

中国政府は負債の削減を図ると宣言しながらその一方では債務を拡大させる真逆な政策を実行している。これでは国民は混乱するばかりで景気の回復には時間が必要であろう。   (おわり)

 

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2019年3月 7日 (木)

経済の減速を公式に認めた全人代で発表された経済成長率目標

日本の国会に相当する中国の第13期全国人民代表大会(全人代)第2回会議が3月5日北京で開幕した。この大会は例年全国から約3000人(中国の憲法で3000人以下と規定されている)の代表が集まり、ほとんど決定事項を追認するだけの約10日間の大会である。
今年の【全人代】の最重要議題は、新しい【外商投資法】を可決すること。これは外資合弁会社(外資系企業の出資の上限は50%)や100%外資系企業を規制する既存法に代わるもので、中国の投資環境を巡る海外の懸念を払拭しようという目論みがある。中国は現時点で米国と貿易摩擦の解消を目指して協議中だ。
事前に公表された草案によると、新法では、中国に進出している外国企業の技術を中国に強制的に移転させることと、外資系企業の慣行に政府が違法に「干渉」することを禁じている。
海外のマスコミや経済専門家が注目したのが李克強首相の大会初日の演説で、今年の主要な経済目標を発表したことだ。その中でも最も注目が集まったのが、今年の経済成長率の目標を昨年の6.5%前後から今年は6.0─6.5%に引き下げたことである。経済成長率に0.5%の幅を持たせたことは初めてである。それだけ中国政府は経済の著しい減速を認識し、中国発の金融危機を回避するために大規模な景気浮揚策を打ち出さざるを得なかったということなのであろう。
李克強首相は5日開幕した全人代の政治活動報告で中国が経済減速を視野に入れた大規模な景気対策を打ち出した。その内容は、2019年に2兆元(約33兆円)規模の減税と社会保険料引下げを実施することと経済成長率の6%割れを避ける方針を明確にしたことである。中国政府は米中貿易戦争の影響が顕在化するなか、企業や地方政府の債務膨張を防ぎながら景気のてこ入れを図る「背水の陣」の経済運営を強いられる。
景気対策の柱は企業向け減税である。税収の柱である増値税(付加価値税 日本の消費税に該当)を製造業で116%から13%に引き下げるほか、公的年金保険料の企業負担分をいまの18~20%から16%まで下げる。各種の税率の軽減規模は18年当初より8割も拡大し、国内総生産(GDP)の2%超に相当する。税収が減り、支出が増えるのであるから中国政府の財政運営は厳しくなる。
中国政府首脳が真に恐れているのは実体経済の減速ではなく、中国発の金融危機が起こることである。【全人代】開催前の2月1日に中国の民営最大手の投資会社【中国民生投資集団】(中民投)の社債の一部が【債務不履行(デフォオルト)】となった。このことは中国で過去最大級の【デフォルト】に発展するリスクが高まったことを意味する。民間企業59社の共同出資で2014年に事業を開始した【中民投】の昨年6月末の時点での債務残高は2320億人民元(約3兆8000億円)あり、これが連鎖反応が起こせば収拾がつかない大混乱が中国金融市場に生まれることになる。
【中民投】がデフォルトを起こした原因は、中国経済に詳しい評論家宮崎正弘氏によれば中国政府は太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギー事業に補助金を給付して後押ししていたが昨年の第1四半期に補助金を打ち切ったという。その結果、【中民投】は投資資金の回収が困難になり、高利の社債を発行して凌いでいたのであるが高利の負担に耐えられなくなったということである。
このデフォルトが引き金となって中国発の金融危機に発展しないことを願うばかりである。   (おわり)

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2019年3月 3日 (日)

中国電子商取引法が訪日中国人需要に悪影響

2003年に内需振興策として始まった【ビジットジャパン】のキャンペーンの予想以上の成果が表れ、2018年の【訪日外国人客数】は3119万人と3000万人の大台を突破した。増加のトレンドは2019年に入っても衰えず1月の【訪日外国人客数】は前年同月比7.5%増の268万9000人と前年1月の250万1000人を約18万人上回り、1月としては過去最高となった。
3000万人超えに最も貢献したのは中国人で、2008年の100万人から昨年は838万人と8倍以上増えた。
中国人は日本旅行中の買い物金額でも昨年の第3四半期(10~12月)の1人平均金額は前年同期より1503円減ったがそれでも11万7813円と他国人を圧倒していた。
中国人の昨年の第4四半期の買い物金額が減った最大の原因は今年の1月から施行された【中国電子商取引法】(新EC法)の影響である。日本を訪れる中国人の約2割は転売を目的とする代理購入者と言われている。
【新EC法】はEC出店者などに政府への登録を義務付けて納税を義務化している。その上で脱税者には罰則を科している。
ECへの転売を目的に日本で商品を購入する【代理購入者】も登録の対象者となった。その影響を受けて【新EC法】の施行前の昨年末から転売目的の商品購入が減少し、さらに中国国内での流通在庫処分によって商品価格が下落した。商品の価格が下落すれば転売の旨味が少なくなるので代理購入が減ったのである。
この商品購入減は昨年の第4四半期から日本の大手メーカーの売上高の減少に表れている。【紙おむつ】の大手【花王】の2018年の第3四半期までのベビー用品に含まれる【紙おむつ】の売上高は前年同期比で3%程度増えていたが第4四半期に入って売り上げが激減して最終的に2018年の売上高は9%の減少となった。ベビー用品の【紙おむつ】を含む花王のヒューマンヘルス事業の最終的な売上高は7%の減少となった。
近年、百貨店はインバウンド(訪日外国人)需要の恩恵を受けているが、今年の1月から中国人の代理購入減少により【高島屋】の免税売上高は前年同月比15.1%減少し、高島屋でも外国人の比率が高い大阪店は20.5%減、新宿店は19.5%の減少であるという。
【三越伊勢丹ホールディングス】の新宿、日本橋、銀在の主要3店舗の免税売上高も1月には10.3%減った。今年に入っての売上高の減少は【新EC法】が原因ばかりとは言えないようだ。昨年の日本円/人民元の為替相場は1人民元=17円台で推移していたが今年に入っては1人民元=15円台と円高に振れている。人民元安で商品購入額が減っているのである。
ところで、ここ数年の医薬品、化粧品、日用品の売上高の急増で、化粧品最大手の【資生堂】や同2位の【花王】、、日用品の【ライオン】は国内工場への投資に事業戦略を転換したが暗雲が立ち込め出したようだ。しかし、最終消費者の個人の購買者の日本メーカーの製品に対する信頼は篤く、【資生堂】は商品供給力不足による売り上げ減少を危惧しているので国内の生産設備への投資の中止は全く念頭にないようである。   (おわり)

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2019年1月30日 (水)

中国の悪行が国際社会で白日の下に晒されるのか

米国の司法省は1月28日、記者会見を開き、中国の通信機器製造大手の【華為技術(ファーウェイ)】の副会長兼兼財務最高責任者(CFO)の孟晩舟(モンワンチョウ)被告を、米国のイラン制裁を回避しようとして米国の金融機関に虚偽の説明をしたとして【詐欺罪】など13の罪状で起訴した発表した。
米国司法当局は近々カナダ司法当局にカナダのバンクーバーの自宅に滞在中の孟被告の身柄引き渡しを要請する見通しである。
孟氏は中国共産党の諜報部門を担う【人民解放軍】の諜報機関の幹部の肩書を持ち、諜報活動のために世界を舞台に暗躍しているとされる。孟氏の身柄が米国に引き渡され、中国の諜報活動の一端が米国に把握されるような事態になれば中国は国際社会で孤立する状況に陥る可能性があるので中国は孟氏の身柄引き渡しに強く反発しているのである。
さらに米司法当局は法人としての【ファーウェイ】、同社の米国の関連会社【ファーウェイデバイスUSA】、ファーウェイのイランの関連会社【スカイコム】の3社も起訴した。一方で、米司法当局はイラン制裁違反とは別にファーウェイの2つの関連会社を米携帯電話大手の【Tモバイル】から企業秘密を盗んだなどの10の罪状で起訴した。
企業秘密の盗用に関してFBI(連邦連邦捜査局)のレイ長官は「ファーウェイは意図的にアメリカ企業の知的財産を盗もうとしていた」と発言している。
起訴された関連2会社は競合他社の秘密情報入手に躍起になり、重要な情報を盗み出した社員には特別報酬を支給していたと指摘されている。まさに企業ぐるみの犯罪に【ファーウェイ】は手を染めていたことになる。
米国が【ファーウェイ】に対して危機感を抱いていたのは2012年からである。米国の【議会下院・特別委員会】はこの年に調査報告書を作成して公表している。報告書の内容は要約すれば、中国通信機器製造大手の【ファーウェイ】と【ZTE(中興通訊)】を名指しで「両社の製品は『強力なスパイ活動の道具になりうる。』し『安全保障上の脅威になりかけない』」と警告しているものであった。
両社が製造しているIT機器にはインターネット連結部分にあたる【ルーター】や基地局の設備でその世界シェアは50%を超えていた。別の表現をすれば世界のサイバー空間の過半を支配していたことになる。
ファーウェイなどの製品は価格の安さから米国はじめ世界主要国の政府関連機関で採用されたために各国政府の機密情報が中国に流れていたということになる。
今回の米政府の告発によって中国は各国政府の機密情報を入手することが困難になったことになる。中国のことであるから別の手立てを考え出すであろうが。
カナダ政府が米国の要請に応じて孟晩舟被告の身柄を引き渡せば中国政府の悪行が暴かれ、中国に対する国際社会の警戒感は沸点に達することになる可能性が高い。
もっとも中国政府はあらゆる手段を講じて孟被告の身柄引き渡しを阻止するであろう。   (おわり)

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