カテゴリー「13国際経済」の記事

2020年9月18日 (金)

コロナ禍の直撃を受けている世界の自動車産業

日本の主要産業は【自動車産業】である。【自動車産業】それ自体の就業人口は部品メーカーなどを含めても91万2000人(2018年)と100万人に達していないが関連産業(運送業、バス会社、ガソリンスタンド、損害保険会社、資材メーカー、自動車販売店、整備工場など)を含めると542万人で日本の全就業人口(6724万人)の8.1%に該当する。

自動車産業は地方経済にも多大な貢献をしている。地方に生産拠点を持ち、雇用と税収の面で自動車産業は地方自治体にとってありがたい存在である。代表的な例はトヨタの本社がある愛知県豊田市、トヨタ系部品メーカーが多い刈谷市、【九州トヨタ】と【九州日産】がある福岡県や大分県、スズキ本社がある静岡県浜松市、スバルの主要工場がある群馬県太田市、【ホンダ】の生産拠点が集積している埼玉県などである。

日本の稼ぎ頭である自動車産業が【コロナ禍】の影響で販売台数を大きく落としている。現在、世界の自動車販売の3大市場と呼ばれているのが【中国】、【米国】、それに【EU】である。2019年の【中国新車販売台数】は前年比8.2%減の255576万9000台、【米国新車販売台数】は1.3%減の1705万台、【EU新車販売台数】は1.2%増の1575万7000台であった、

中国での販売台数1位の外資系メーカーはドイツの【VWグループ】(フォルクスワーゲン、アウディ、シュコダなど)で昨年上半期(1~6月)の販売台数は二輪車、商用車を含めて192万台そのうち乗用車は178万1965台(VWが140万7780台、アウディが25万8423台、シュコダが11万5762台)、2位の米国の【GM】が156万7899台、3位が【トヨタ】で前年同期比12.2%増の76万9800台であった。

今年の上半期の中国での【VW】の販売台数はコロナ禍の影響で前年比17%減の159万台(二輪車と商用車を含む)。【GM】はコロナ禍と米中貿易戦争のダブルパンチで前年比25%減の117万5352台、【トヨタ】は前年より約3万台減の74万台であった。中国でコロナ禍の被害が最も少なかったのは【トヨタ】である。

米国では昨年の上半期の販売台数1位は【GM】で前年同期比3.98%減の139万8879台であったが今年は前年同期比21.4%減の111万0824台でコロナ禍の影響が端的に現れている。3位の【トヨタ】は昨年が前年同期比4.32%減の115万2108台、今年の上半期の販売台数は前年同期比24.2%減の89万3776台。【VWグループ】が昨年は1.36%増の31万6305台であったが今年は前年同期比25.6%減の23万5385台であった。

EUでは1位の【VWグループ】の2019年上半期の販売台数は前年同比0.9%減の239万7500台であったが今年は前年同期比36.1%減の131万4672台、7位の【トヨタ】は前年が3.3%増の41万0289台、今年は前年同期比27.9%減の29万28万9819台であった。【GM】の今年上半期の販売台数は900台に満たない。

この結果、今年の上半期の世界販売台数は中国市場でのコロナ禍の影響が軽微であった【トヨタ】が前年同期比22%減の416万台(昨年は531万台)でトップ、【VWグループ】が前年同期比27%減の389万台(昨年は536万台)で2位、【GM】は前年同期比23.4%減の292万台であった。

今年の第2四半期(4~6月)にコロナ禍は欧米で拡大し、それを受けて世界の主要メーカーの第2四半期(4~6月)の決算は赤字であったが唯一黒字となったのが【トヨタ】であった。【トヨタ】の同期の売り上げは前年同期比40.4%減(販売台数は50.0%減の115万台)の4兆6007億円、【当期純利益】は74,3%減の1588億円の黒字であった。

製造費をはじめあらゆる経費の削減を続けてきた結晶がコロナ禍という状況下での【黒字】であった。【トヨタ】の凄さを同業他社は改めて認識したであろう。   (おわり)

 

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2020年8月18日 (火)

アベノミクスに落日が訪れた

内閣府は8月17日に2020年に第2四半期(4~6月)のGDP成長率を公表した。日本の第2四半期のGDP成長率は前期(第1四半期 1~3月)比でマイナス7.8%,【年率換算成長率】は27.8%で、カナダを除いた先進6カ国の中ではマイナス幅が一番小さい。【年率換算成長率は】は同じ成長ペースが1年間継続すると仮定して算出した数字である。

今年の第2四半期には欧米の先進5ヵ国(米国、ドイツ、英国、フランス、イタリア)は【新型コロナウルス】の感染拡大が深刻なため、各国政府は【非常事態宣言】を発動して国民の不要不急の外出を自粛さ経済活動を制限していた。つまり異常事態の下での経済活動であり、このような状況が1年間継続されることは考え難いのである。したがってGDP成長率の数字の落ち込みがいかに大きくともそれほど深刻にとらえる必要はない。

因みに【米国】の第2四半期の【GDP成長率】は前期比マイナス9.5%、【年率換算成長率】は32.5%、【ドイツ】の【成長率】は前期比マイナス10.1%で【年率換算成長率】は34.7%、【英国】の【成長率】はマイナス20.4%、【年率換算成長率】は59.8%、【フランス】は【成長率】がマイナス13.8%、【年率換算成長率】はマイナス44.8%、【イタリア】は【成長率】がマイナス12.4%、【年率換算成長率】は41.0%であった。第2四半期は【GDP成長率】がどん底まで落ち込んだので第3四半期の【GDP成長率】は前比で各国ともにプラスに転じることは間違いないであろう。

ところで、第2四半期の【GDP成長率】が前期比で大幅なマイナス成長となることを事前に察知していた内閣府は7月30日に会合を開き、【有識者研究会】は「平成30年(2018年)10月を転換点として景気が後退局面に入った。」と認定した。このことはコロナ禍以前から景気は悪化していたと安倍内閣のコロナ感染拡大後の一連の経済対策の不手際を擁護したのである。

第2次安倍内閣発足後以降の日本の【GDP成長率】はIMFの資料によれば2013年が2.00%、14年が0.38%、15年が1.22%、16年が0.61%、17年が1.94%、18年が0.81%と【アベノミクス】の成果を誇れるという状況にはない。経済が成熟した先進国では【GDP成長率】は2%を超えれば合格点が付けられると言われているが2%に達したのは安倍内閣が始動した初年度の2013年だけである。

そのことはドル換算の日本のGDPの総額が如実に示している。2013年のGDPは6兆2032億1000万ドル、14年が5兆1557億2000万ドル、15年が4兆8504億1000万ドル、15年が4兆3894億8000万ドル、16年が4兆9266億7000万ドル、17年が4兆8397億9000万ドル、18年が4兆9717億7000万ドルであった。ドル換算の場合は日本のGDP総額は円高であれば増え、円安になると減るという相関関係にある。

GDPを円換算にすると円高の年は総額は減り、円安の年は増える。日本が最も円安になった年は2015年でその年の年間平均のドル/円相場は1ドル=121円で前年より約15円円安であった。その結果、2015年の日本のGDP総額は前年より18兆円増加した。経済成長率が1.22%にも拘らずである。

【アベノミクス】は大規模な金融緩和によって円安局面を創出して【日経平均株価】を押し上げ、製造業の国際競争力を高めた結果製造業の業績を回復させた。さらに雇用も増やしたが雇用の大半は非正規の雇用で賃金の上昇にはつながらなかった。つまり【アベノミクス】の効果は限定的であったということになる。

第3四半期以降の日本経済のかじ取り役は誰が担当しても容易ではない。ただ言えることはコロナ感染拡大の状況が継続する限りプライマリー・バランスを無視してでも大幅な財政出動が必要であろう。   (おわり)

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2020年5月12日 (火)

新型コロナウイルス感染拡大に翻弄される自動車産業

持ち分法適用会社として【スバル】をグループ企業に含めて、実質的に2019年度の世界販売台数が世界NO1となった【トヨタ】は2月26日、2020年3月期第3四半期(2019年4月1日~12月末 9カ月)の決算内容を発表した。

【売上高】は前年同期比1.6%の3540億円増の22兆8301億円、【営業利益】は前年同期比6.2%の1206億円増の2兆0587億8300万円、当期【純利益】は前年同期比41.4%の5897億円増の2兆0130億円。9カ月の【売上高】と【営業利益】としては史上最高である。

【トヨタ】単体の2020年3月期(2019年4月~2020年3月)の世界販売台数は前年同期比0.9%減の945万5868台、第4四半期(2020年1月1日~3月31日)の世界販売台数は前年同期比11.7%減の206万498台であるから第4四半期の販売台数減が【トヨタ】の世界販売台数前年割れの原因となった。

【トヨタ】の主力市場は米国、中国と日本で2019年の米国販売台数は238万台、中国が162万台そして日本が132万台。2020年の第1四半期(1~3月)の米国販売台数は前年比8.8%減の49万5747台で昨年同期より4万7600台減少したがこの原因はコロナウイルス感染拡大の影響よりも米国の販売代理店への【インセンティブ(販売奨励金)】を減額したしたことが主たる原因である。何故なら米国の都市封鎖は3月中旬から開始されたからである。

コロナウイルス感染拡大の影響で販売台数が激減したのが中国市場である。【トヨタ】の今年2月の販売台数は昨年同月比70.2%減の2万3809台、3月が15.9%減の10万1800台でこれら2カ月で10万1000台昨年同期より減っている。

中国での販売激減は【日産】と【ホンダ】も同様で日産の2月の販売台数は前年同月比80.3%減の15111台、3月が44.9%減の7万3297台、【ホンダ】の販売台数減少はさらに深刻で2月が前年同月比85.1%減の1万1288台、3月が50.8%減の6万0441台であった。

中国市場での販売台数の大激減の被害は日本メーカー以上に米国メーカー、ドイツメーカーと韓国メーカーに及んでいる。中国市場でここ数年年間400万台以上を販売しているドイツの【VW】(フォルクスワーゲン)も中国と本拠地欧州でコロナウイル感染拡大の打撃を被って今年の第1四半期のVWの世界販売台数は昨年同期より59万台減少した。

今年の第2四半期(4~6月)の販売台数は3月中旬から都市封鎖を実施した欧州と米国で激減することは必定で米国と中国への依存度が高い【日産】は経営難に陥るリスクが高まったことになる。   (おわり)

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2020年3月22日 (日)

欧米でのさらなる新型コロナウイルス感染拡大は2020年の世界の経済成長率を大幅に下げるリスクをもたらす。

【新型コロナウイルス】感染の被害拡大の舞台は発生地中国から欧州と米国に移動した感がある。3月21日正午時点での欧米の被害状況は、【イタリア】が【感染者数】4万7021人、死亡者4032人、【スペイン】が【感染者数】2万1500人、【死亡者数】1093人、【米国】が【感染者数】18563人、【死亡者数】227人、【ドイツ】が1万3957人と31人、【フランス】が1万2612人と450人、【英国】が3269人と102人、【スイス】が4812人と48人である。それに対して中国に次いで2番目に感染者が確認された日本の【感染者数】は1007人、【死亡者数】は35人と被害は軽微である。

欧米での【感染拡大】の影響は経済活動にまで波及し、【米国】では米国自動車メーカー3社の国内工場の稼働が3月に入って停止され、米国内に製造拠点を持つ日系メーカー4社(トヨタ、日産、ホンダ、スバル)も米国メーカーに倣っている。日本のビッグ3(トスウジツ前にホンダ)の中で昨年より業績不振が続いている【日産】は英国工場の操業を一時停止し、スペインでは約3000人の労働者を一時解雇すると数日前に発表した。

現在、世界の自動車関連産業の推進役を務めているのは日本メーカーである。2018年の世界の自動車生産台数は9570万台で日本メーカー10社の世界生産台数は2960万台で、全生産台数の30.93%を占めている。2018年の【日本メーカー】の日本国内の生産台数は約923万7000台、米国や中国、メキシコ、インド、タイなどでの海外生産台数は1946万7000台であった、

2018年の日本国内での自動車関連産業に就業している就業人口は約546万人で2018年の日本国内の全就業者6664万人の8.2%該当する。同年の【自動車製造品】の出荷額は60.7兆円でこの数値は全製造業の出荷額の総額319兆1667億円の19.0%を占めている。

【国内の就業人口】546万人の内訳は、【製造部門】が88万人、【利用部門】(運送業など)269万49000人、【関連部門】が34万9000人、【資材部門】が50万9000人、【販売・整備部門¥が103万1000人。

世界で日本の自動車メーカーの恩恵を受けている雇用者数は1100万人を超えていて、米国でのトヨタ関連の雇用者数だけでも150万人を上回っている。米国内で日本の自動車メーカーの雇用への貢献度が高いためにトランプ政権も日本車への輸出関税をたやすくは引き上げられないのである。

米国での【新型コロナウイルス】感染者数はこれからも増え続けることは確実で、米国の今年の第2四半期(4~6月)の経済成長率は近年稀にみる低成長率に陥ると予測されているがそれを回避する実効性のある経済政策をトランプ政権が実行できるかに世界経済の命運がかかっている。トランプ政権がそれに失敗すればトランプ大統領の再選は水泡に帰すであろうし、日本経済もその余波を受けてマイナス成長となる可能性大である。   (おわり)

 

 

 

 

 

 

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2020年3月19日 (木)

荒い値動きが続く世界の株式市場

今年に入っても米国の主要株式指数【ダウ平均株価】は史上最高値を更新を続け、【新型コロナウイルス】の感染拡大が深刻化していても米国内の感染者が確認されていなかったために株式市場は【新型コロナウイルス】を対岸の火事とさほど深刻には受け止めていなかったことから【ダウ平均株価】の上昇傾向は変わらず、2月12日の終値は史上最高の2万9568ドルであった。

この値をピークに【ダウ平均株価】は下降局面に入り、2月21日の【ダウ平均株価】は2万8991ドルであった。米国で初の感染者が確認されたのが2月22日で週明けの24日の終値は前週末の終値を1031ドル下回る2万77860ドルとなった。この日を契機に【ダウ平均株価】の値動きは上下動が激しい展開となった。27日の【ダウ平均株価】は前日比1190という過去最大の下げ幅の2万5576ドル。3月3日にはトランプ大統領が【新型コロナウイルス】の特効薬開発を製薬業界に要請したという情報が流れ、これを市場は歓迎し、【ダウ平均株価】は前日比1293ドル上昇して2万6703ドルであった。だがこの情報は当面の【新型コロナウイルス】感染防止には何の効果を齎さず、株価はその後も下がり続けた。

しかしながら、3月12日にWHO(世界保健機構)のテドロス事務局長が【新型コロナウイルス】の感染は【パンデミック】(世界的流行)と発言したことによりニューヨーク株式市場はパニックとなり、【ダウ平均株価】は2352ドルの過去最大の下げ幅となる2万1200ドルとなった。株価の暴落に歯止めをかけるためにトランプ大統領は13日に【新型コロナウイルス】に関して【国家非常事態】を宣言し、政策を総動員する姿勢を示したために投資家の景気に対する懸念が薄れ、【ダウ平均株価】は1985ドル高の2万3185ドルとトランプ大統領の目論見通り大幅に値上がりしたのである。

週明けの3月16日、トランプ大統領は記者会見を開き、【新型コロナウイルス】問題解決が7月か8月で、米国は【景気後退】入りするかもしれないと発言したことにより【ダウ平均株価】の下げ幅は12日の下げ幅をさらに上回り、過去最大を更新する2997ドルとなり、16日の終値は2万0188ドルであった。17日には米国政府の経済政策や企業への資金繰り措置への期待感から【ダウ平均株価】は1048ドル上昇して2万1237ドルとなった。

今回の世界同時株価大暴落の原因は【新型コロナウイルス】の感染拡大によって世界の経済活動が著しく阻害されていることである。この根本原因を解決しない限り【株価の乱高下】は止まらない。各国政府は感染拡大の収束に全力を投入して時間稼ぎをする以外に現時点では問題を解決できない。   (おわり)

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2020年3月15日 (日)

世界的な株価大暴落の特効薬は存在するのか

【株価】は経済の先行指標と言われて久しいが近年はそうした意義は薄れているようだ。【株式市場】にドラステイックな変化を齎したのは008年9月に起こった【リーマンショック】である。100年に一度の金融危機と言われた【リーマンショック】の震源地は米国であったが、米国はリーマンショックを乗り切るために2008年11月以降、三回に分けて日本円にして総額160兆円の【量的金融緩和】を実施した。

【リーマンショック】の影響を一番受けたのは米国製造業を代表する【自動車産業】である。米国の2008年の新車販売台数は前年比27%減の1324万2701台、2009年は前年比21.2%減の1042万9528台と281万3000台減少した。米国メーカー【GM】の2008年新車販売台数は前年比22.6%減、2009年の販売台数は前年比29.7%減の206万3039台。米3位のメーカーの【クライスラー】は2008年が前年比30%減、2009年は前年比35.9%減の93万1462台であった。

米国メーカーの販売台数減は2000年以降、顕著になってきた。2000年1月時点での米国メーカーの米国市場での市場有率(シェア)は67.9%、2005年12月時点の【シェア】は57.8%と10%低下したが、【日本メーカー】の【シェア】は23.9%から32%と8%上昇した。米国メーカーの販売台数の減少は【日本メーカー】の販売台数の増加と表裏一体の関係にある。この傾向は2010年まで継続した。この結果、リーマンショック後、【GM】は国有化され、現在は民営に戻った。【クライスラ―】はイタリアの【フィアット】の傘下に入った。

米国は量的金融緩和によって【リーマンショック】を乗り切った、【リーマンショック】後の景気減速を乗り切るために欧州諸国や日本は米国を見習って【量的金融緩和策】を採り入れた。米国が成功したのは【シェール原油・シェールガス】という新たな成長産業を育てたからである。欧州や日本は金融緩和によって生まれた資金を新興国の天然資源などに投資したがそれは長続きせず、市場の余剰資金は米国の株式市場を中心に世界各国の株式市場に流れ込んだ。

【米国経済の成長率】はトランプ大統領が選挙公約に掲げた3%にはトランプ大統領が就任以来達していない。大統領就任年後の17年の【経済成長率】は2.3%、米中貿易戦争が勃発した2018年には中国が課した制裁関税を敬遠して中国に進出していた製造業の一部が国内回帰を始めたことにより、【経済成長率】は0.6%上昇して2.9%、2019年は個人消費の伸び悩みから成長率は0.6%下がって2.3%であった。

経済成長率が低下したにも拘らず米国の【ダウ平均株価】は上昇を続け、今年の2月12日には史上最高の2万9568ドルの値を付け、その後、米国内でも【新型コロナウイルス】感染のリスクが高まると株価か大幅な乱高下を続け、3月12日には前日比2352ドルという史上最大の下げ幅で終値は2万1200ドルとなった。1カ月で【ダウ平均株価】は8368ドル下がったことになる。13日にトランプ大統領が【非常事態】を宣言したことを史上は歓迎し、株価は前日比1965ドルの高の2万3185ドルとなった。

現在の株価は世界的に実体経済とは関係なく貪欲な【ファンド】が株価を操作していることになる。【新型コロウイルス】騒動が収れんするまで株価の乱高下は世界の株式市場で続くことになる。経済的な要因に基づかない株価の極端な値下がり上昇をさせる特効薬は存在しないであろう。   (おわり)

 

 

 

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2020年3月 9日 (月)

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により日米の株価の低迷は当面は続く

3月8日時点の【新型コロナウイルス】による【新型肺炎】の中国本土以外で感染者の多い国は【韓国】が7041人、【イタリア】が5883人、【イラン】5823人、【フランス】が949人、【ドイツ】が795人、【日本】が452人、【米国】が380人、死者はイタリアが最も多く233人、続いて報道の正確さに疑問符が付くがイランが145人、韓国が50人、米国が19人、日本が13人、フランスが11人である。

米国で【新型コロナウイルス感染者】が初めて確認されたのが2月22日であった。中国本土以外の感染者が拡大傾向にあったことを受けて2月24日の【ダウ平均株価】の終値は、先週末の2月21日の2万8991ドルから1031ドル下落して2万7960ドルであった。25日は前日より879ドル下がって1万7080ドル、26日は123ドルと下げ幅は減少したが2万6957ドル、27日は過去最大の下げ幅の1190ドルで2万55766ドル、28日も1000ドルを超える下げ幅で終値は2万4681ドルと5営業日で4310ドルの大暴落であった。

【ダウ平均株価高】で米国の好景気を吹聴してきたトランプ大統領は株価引き上げに素早く動いた。再選が覚束なくなるからだ。だが打てる手は限定されている。米国の中央銀行の役割を担う【FRB】(連邦準備制度理事会)の金利引き下げである。それだけでは足りないとアドバイスを受けたのであろうトランプ大統領は製薬業界との会合を持ち【新型肺炎】の特効薬の早期開発を要請したという情報をツイッターで例のごとく発信した。

値上げ材料を求めていた株式市場はこれに飛びつき、3月3日の【ダウ平均株価】は1293ドル高の2万6703ドルにまで上昇した。だが利下げも特効薬開発促進も【株価大暴落】の根本原因の【新型肺炎】の感染防止の即効薬とならない。株価下落と軌を一にして米国内の【新型肺炎】感染者数は急増し、3月7日には感染者は380人となり日本の感染者増加のペースを上回った。その間、米国ではカリフォルニア州、フロリダ州、ニューヨーク州、メリーランド州の4州が【非常事態】を宣言した。感染者数が最も多いのがニューヨーク州で70人である。結局、【ダウ平均株価】は3月4日から4日連続で下がり続け、3月7日には2万5864ドルとなった。

日本の【日経平均株価】も3連休明けの2月25日には【ダウ平均株価】の値下がりの影響を受けて先週末の21日の2万3386円より791円下落して2万2605円、その後も値下がりを続け、3月6日の終値は2万0749円、10営業日で2637円と大きく値を下げた。政府も当然のことながら株価引き上げの手立てを講じるに違いないが米国の例から判断しても有効な手立てがあるとは思えない。打つ手は日銀の更なる0金利の引き下げであろう。日本は0金利政策を導入して長期間にわたるがその間地方銀行は業績が悪化し、合併などで凌いでいるが更なる金利引き下げは地方銀行の倒産ラッシュを招きかねない。地方銀行にとって【新型肺炎】は疫病神であろう。

【新型肺炎】の感染拡大が収束しない限り、日米の株価が上昇局面に入る可能性は低い。当面株価はもみ合い状態が続くのであろう、   (おわり)

 

 

 

 

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2020年2月27日 (木)

世界同時株安は長期化するのか

【新型肺炎】の感染拡大が深刻な様相を呈してきた2月20日、【米国】の【ダウ平均株価】の終値は前日比115.84ドル高の2万9348ドルの史上最高値であった。しかし、トランプ大統領の【新型肺炎】に関する強気なツイッター投稿にも拘らず、翌21日には128ドル、22日には227ドルと【ダウ平均株価】は下落していた。

【米国疾病予防センター(CDC)】は2月22日、日本への渡航に関して注意レベルを1から2へと引き上げ、22日にはイタリアとイランに関しても注意レベルを2に引き上げた。さらに【CDC】は25日に米国内での【新型肺炎】の感染拡大に注意を喚起した。これを受けて、24日の【ダウ平均株価】は先週の終値を1031ドル下回る2万7960ドルとなった。25日も前日比879ドルという大幅な値下がりで2万7081ドル、27日は123ドルの値下がりで終値は2万7000円を下回る2万6957ドルとなった。【ダウ平均株価】は3日間で2033ドル下落した。

2月の3連休明けの2月25日の【日経平均株価】は先週末の終値よりも781円の大幅下落の2万2605円、26日には前日比で179円のn値下がりで2万2426円、27日の前場は前日に比べ280円ほど安い。

【ダウ平均株価】の大幅下落に嫌気がさして資金は比較的安全資産とされる米国長期国債になれ込み、2月25日午後の米国長期国債(10年物)の金利は一時史上最低水準の1.31%のまで下がり、3カ月物の米国短期国債の金利が上がって、短期国債の金利が長期国債の金利を上回るという【逆イールド】現象が起こった、この現象が続くことは米国の景気後退の前触れと言われている。

[逆イールド】に関して、ロイターは2月26日、「米国債の長短利回りの逆転(逆イールド)は、米国経済悪化に関する信頼できる先行指標とみなされており、実際、過去50年間でほぼすべてのリセッション(景気後退)を予告していた」という記事を配信した。

米国の景気後退は世界経済に悪影響を及ぼすことは間違いない。米国が景気後退局面に突入するか否かは偏に【新型肺炎】の収束時期にかかっている。5月までに収束すれば世界景気に及ぼす影響は軽微で済むと言われている。   (おわり)

 

 

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2019年11月19日 (火)

GDP成長率にそぐわない日米の株価高

2008年9月15日に発生した100年に1度と言われた米国発の金融危機である【リーマンショック】後の金融市場の混乱を回避する目的で米国は同年12月から【量的金融緩和策】を導入した。その第一弾(QE1)では1兆7250億ドルの米国債と住宅ローン担保証券(MBS)を、第2弾(QE2)では6000億ドルの米国債を市中銀行から買い取った。雇用環境の改善を目的とする第3弾(QE3)では毎月400億ドルのMBSと450億ドルの長期国債を購入している。この【量的金融緩和策】は2014年9月に終了している。この【量的金融緩和策】の結果、潤沢な資金が金融市場に流れ、その一部は株式購入資金として活用された。

住宅バブル最盛期の2007年の米国の代表的な株価指数の【ダウ平均株価】は1万3264ドルであったがリーマンショックが起こった2008年の【ダウ平均株価】は8776ドルと約4500ドル下落した。その後、2014年9月にまで継続された【量的金融緩和策】によって株価は上昇し続けた。2018年の【ダウ平均株価】は2万3327ドル、今年の11月までの【ダウ平均株価】は2万7046ドルで、11月15日は史上初の2万8000ドルを突破した。

ところで、トランプ大統領が誕生した2017年の米国の【GDP成長率】は2.37%、トランプ政権は2018年の【GDP成長率】の目標値を3.0%に設定していたが18年の【GDP成長率】は2.93%で目標値に届かなかった。2019年の第1四半期(!~#月)の【GDP成長率】は輸出が急増したことによって前期比(2018年第4四半期)3.2%増、第二四半期(4~6月)は2.0%増、第3四半期(7~9月)は1.9%%増と実体経済は減速傾向にある。

実体経済の成長率が鈍化傾向に対して【株価】の上昇はアンバランスと言わざるを得ない。【株価高】を誘導しているのは【米中貿易戦争】が終結しそうであるという情報で、株式市場がその情報を歓迎して機関投資家などが買いに入るりその結果株価は上昇する。米国や日本では政権の支持率を安定させるために【株価高】を演出する必要があるからである。

日本経済は今年も低成長が続いている。2019年の第1四半期の【GDP成長率】は前期比2.1%増、第2四半期は1.7%増、第3四半期が1.2%増と成長率は下がっている。それにも拘らず【日経平均株価】は年初の1月4日の終値1万9241円から11月12日には今年の最高値2万3520円と4279円上昇している。10月15日から約1カ月で1313円の値上がりである。米国も日本も株価の値上がりは異常である。   (おわり)

 

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2019年11月10日 (日)

トヨタ2020年3月期上半期決算で売上高、純利益過去最高を達成

【トヨタ】は11月7日、2020年3月期の上半期(2019年4~9月)の連結決算の内容を発表した。【トヨタグループ】(ダイハツと日野自動車を含む)の【売上高】は前年同期比4.2%増の15兆2855億円、【営業利益】は前年同期比11.3%増の1兆4043億円、【純利益】は2.6%増の1兆2749億円でいずれも過去最高。世界販売台数も前年同期より22万台増えて過去最高の545万台であった。

ところで、【トヨタ】のライバルである【VW(フォルクスワーゲン)グループ】(VW、アウディ、ポルシェ、セ゚アト、シュコダなど)の2019年第2と第3四半期(4~9月)の決算内容は【売上高】が15兆3500億円、【営業利益】が1兆1733億円、【純利益】はほぼ1兆円である。【VWグループ】は【売上高】こそ【トヨタ】を上回ったが【純益】では【トヨタ】に約2800億円引き離された。昨年よりその差は縮小したが。

【トヨタ】単体の世界販売台数は2017年が938万台、2018年は953万台である。それに対して【VW]単体では世界販売台数は2017年が623万台、18年は前年比で1.9%減少しているからおおよそ610万台で【VW】ブランドの車は【トヨタブランド】(レクサスを含む)の3分の2程度の販売台数にしか過ぎない。当然【純益】では通年は1兆円以上の差が生まれる。

【トヨタ】単体の2019年4~9月の世界販売台数【463万9000台】の内訳は主力の米国が前年同期より1万6600台減って123万5586台、中国が前年同期より7万4700台増加して83万3300台、日本が80万台、その他(アジア、欧州、北米など)が約177万台。3つの主力市場の販売台数の総数は286万台で世界販売台数の61.7%を占めている。今期の販売台数増の原因は、中国では高級車の【レクサス】の販売が好調であったこと欧州ではハイブリッド車の人気が高かったことである。【VW】単体では中国での販売不振で世界販売は前年同期比で1.9%減少している。

【トヨタ】は現在起こっている自動車産業の革命に対応するために日本の【日産グループ】(日産と三菱)と【ホンダ】以外の乗用車メーカーと連携を強めている。技術と資本の提携の強化だ。技術提携では【マツダ】とは米国アラバマ州に共同で工場建設を行っている。【スバル】には【ハイブリッド】技術を無償で提供している。

【資本提携】では、【トヨタ】は【スバル】の株式保有率を16.83%をら20%に引き上げ、【マツダ】株式を5.07%保有し、【スズキ】とは4.9%の株式を保有することで合意している。この先にあるのは【トヨタ】を盟主とする【日の丸連合】の結成である。研究開発費を出し合って【CASE】と呼ばれる自動車産業の技術革命に対応するためだ。

日本が21世紀においても経済発展を維持していくためには世界の【自動車産業】の盟主であり続けなければならないからである。   (おわり)

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