カテゴリー「13国際経済」の記事

2020年5月12日 (火)

新型コロナウイルス感染拡大に翻弄される自動車産業

持ち分法適用会社として【スバル】をグループ企業に含めて、実質的に2019年度の世界販売台数が世界NO1となった【トヨタ】は2月26日、2020年3月期第3四半期(2019年4月1日~12月末 9カ月)の決算内容を発表した。

【売上高】は前年同期比1.6%の3540億円増の22兆8301億円、【営業利益】は前年同期比6.2%の1206億円増の2兆0587億8300万円、当期【純利益】は前年同期比41.4%の5897億円増の2兆0130億円。9カ月の【売上高】と【営業利益】としては史上最高である。

【トヨタ】単体の2020年3月期(2019年4月~2020年3月)の世界販売台数は前年同期比0.9%減の945万5868台、第4四半期(2020年1月1日~3月31日)の世界販売台数は前年同期比11.7%減の206万498台であるから第4四半期の販売台数減が【トヨタ】の世界販売台数前年割れの原因となった。

【トヨタ】の主力市場は米国、中国と日本で2019年の米国販売台数は238万台、中国が162万台そして日本が132万台。2020年の第1四半期(1~3月)の米国販売台数は前年比8.8%減の49万5747台で昨年同期より4万7600台減少したがこの原因はコロナウイルス感染拡大の影響よりも米国の販売代理店への【インセンティブ(販売奨励金)】を減額したしたことが主たる原因である。何故なら米国の都市封鎖は3月中旬から開始されたからである。

コロナウイルス感染拡大の影響で販売台数が激減したのが中国市場である。【トヨタ】の今年2月の販売台数は昨年同月比70.2%減の2万3809台、3月が15.9%減の10万1800台でこれら2カ月で10万1000台昨年同期より減っている。

中国での販売激減は【日産】と【ホンダ】も同様で日産の2月の販売台数は前年同月比80.3%減の15111台、3月が44.9%減の7万3297台、【ホンダ】の販売台数減少はさらに深刻で2月が前年同月比85.1%減の1万1288台、3月が50.8%減の6万0441台であった。

中国市場での販売台数の大激減の被害は日本メーカー以上に米国メーカー、ドイツメーカーと韓国メーカーに及んでいる。中国市場でここ数年年間400万台以上を販売しているドイツの【VW】(フォルクスワーゲン)も中国と本拠地欧州でコロナウイル感染拡大の打撃を被って今年の第1四半期のVWの世界販売台数は昨年同期より59万台減少した。

今年の第2四半期(4~6月)の販売台数は3月中旬から都市封鎖を実施した欧州と米国で激減することは必定で米国と中国への依存度が高い【日産】は経営難に陥るリスクが高まったことになる。   (おわり)

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2020年3月22日 (日)

欧米でのさらなる新型コロナウイルス感染拡大は2020年の世界の経済成長率を大幅に下げるリスクをもたらす。

【新型コロナウイルス】感染の被害拡大の舞台は発生地中国から欧州と米国に移動した感がある。3月21日正午時点での欧米の被害状況は、【イタリア】が【感染者数】4万7021人、死亡者4032人、【スペイン】が【感染者数】2万1500人、【死亡者数】1093人、【米国】が【感染者数】18563人、【死亡者数】227人、【ドイツ】が1万3957人と31人、【フランス】が1万2612人と450人、【英国】が3269人と102人、【スイス】が4812人と48人である。それに対して中国に次いで2番目に感染者が確認された日本の【感染者数】は1007人、【死亡者数】は35人と被害は軽微である。

欧米での【感染拡大】の影響は経済活動にまで波及し、【米国】では米国自動車メーカー3社の国内工場の稼働が3月に入って停止され、米国内に製造拠点を持つ日系メーカー4社(トヨタ、日産、ホンダ、スバル)も米国メーカーに倣っている。日本のビッグ3(トスウジツ前にホンダ)の中で昨年より業績不振が続いている【日産】は英国工場の操業を一時停止し、スペインでは約3000人の労働者を一時解雇すると数日前に発表した。

現在、世界の自動車関連産業の推進役を務めているのは日本メーカーである。2018年の世界の自動車生産台数は9570万台で日本メーカー10社の世界生産台数は2960万台で、全生産台数の30.93%を占めている。2018年の【日本メーカー】の日本国内の生産台数は約923万7000台、米国や中国、メキシコ、インド、タイなどでの海外生産台数は1946万7000台であった、

2018年の日本国内での自動車関連産業に就業している就業人口は約546万人で2018年の日本国内の全就業者6664万人の8.2%該当する。同年の【自動車製造品】の出荷額は60.7兆円でこの数値は全製造業の出荷額の総額319兆1667億円の19.0%を占めている。

【国内の就業人口】546万人の内訳は、【製造部門】が88万人、【利用部門】(運送業など)269万49000人、【関連部門】が34万9000人、【資材部門】が50万9000人、【販売・整備部門¥が103万1000人。

世界で日本の自動車メーカーの恩恵を受けている雇用者数は1100万人を超えていて、米国でのトヨタ関連の雇用者数だけでも150万人を上回っている。米国内で日本の自動車メーカーの雇用への貢献度が高いためにトランプ政権も日本車への輸出関税をたやすくは引き上げられないのである。

米国での【新型コロナウイルス】感染者数はこれからも増え続けることは確実で、米国の今年の第2四半期(4~6月)の経済成長率は近年稀にみる低成長率に陥ると予測されているがそれを回避する実効性のある経済政策をトランプ政権が実行できるかに世界経済の命運がかかっている。トランプ政権がそれに失敗すればトランプ大統領の再選は水泡に帰すであろうし、日本経済もその余波を受けてマイナス成長となる可能性大である。   (おわり)

 

 

 

 

 

 

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2020年3月19日 (木)

荒い値動きが続く世界の株式市場

今年に入っても米国の主要株式指数【ダウ平均株価】は史上最高値を更新を続け、【新型コロナウイルス】の感染拡大が深刻化していても米国内の感染者が確認されていなかったために株式市場は【新型コロナウイルス】を対岸の火事とさほど深刻には受け止めていなかったことから【ダウ平均株価】の上昇傾向は変わらず、2月12日の終値は史上最高の2万9568ドルであった。

この値をピークに【ダウ平均株価】は下降局面に入り、2月21日の【ダウ平均株価】は2万8991ドルであった。米国で初の感染者が確認されたのが2月22日で週明けの24日の終値は前週末の終値を1031ドル下回る2万77860ドルとなった。この日を契機に【ダウ平均株価】の値動きは上下動が激しい展開となった。27日の【ダウ平均株価】は前日比1190という過去最大の下げ幅の2万5576ドル。3月3日にはトランプ大統領が【新型コロナウイルス】の特効薬開発を製薬業界に要請したという情報が流れ、これを市場は歓迎し、【ダウ平均株価】は前日比1293ドル上昇して2万6703ドルであった。だがこの情報は当面の【新型コロナウイルス】感染防止には何の効果を齎さず、株価はその後も下がり続けた。

しかしながら、3月12日にWHO(世界保健機構)のテドロス事務局長が【新型コロナウイルス】の感染は【パンデミック】(世界的流行)と発言したことによりニューヨーク株式市場はパニックとなり、【ダウ平均株価】は2352ドルの過去最大の下げ幅となる2万1200ドルとなった。株価の暴落に歯止めをかけるためにトランプ大統領は13日に【新型コロナウイルス】に関して【国家非常事態】を宣言し、政策を総動員する姿勢を示したために投資家の景気に対する懸念が薄れ、【ダウ平均株価】は1985ドル高の2万3185ドルとトランプ大統領の目論見通り大幅に値上がりしたのである。

週明けの3月16日、トランプ大統領は記者会見を開き、【新型コロナウイルス】問題解決が7月か8月で、米国は【景気後退】入りするかもしれないと発言したことにより【ダウ平均株価】の下げ幅は12日の下げ幅をさらに上回り、過去最大を更新する2997ドルとなり、16日の終値は2万0188ドルであった。17日には米国政府の経済政策や企業への資金繰り措置への期待感から【ダウ平均株価】は1048ドル上昇して2万1237ドルとなった。

今回の世界同時株価大暴落の原因は【新型コロナウイルス】の感染拡大によって世界の経済活動が著しく阻害されていることである。この根本原因を解決しない限り【株価の乱高下】は止まらない。各国政府は感染拡大の収束に全力を投入して時間稼ぎをする以外に現時点では問題を解決できない。   (おわり)

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2020年3月15日 (日)

世界的な株価大暴落の特効薬は存在するのか

【株価】は経済の先行指標と言われて久しいが近年はそうした意義は薄れているようだ。【株式市場】にドラステイックな変化を齎したのは008年9月に起こった【リーマンショック】である。100年に一度の金融危機と言われた【リーマンショック】の震源地は米国であったが、米国はリーマンショックを乗り切るために2008年11月以降、三回に分けて日本円にして総額160兆円の【量的金融緩和】を実施した。

【リーマンショック】の影響を一番受けたのは米国製造業を代表する【自動車産業】である。米国の2008年の新車販売台数は前年比27%減の1324万2701台、2009年は前年比21.2%減の1042万9528台と281万3000台減少した。米国メーカー【GM】の2008年新車販売台数は前年比22.6%減、2009年の販売台数は前年比29.7%減の206万3039台。米3位のメーカーの【クライスラー】は2008年が前年比30%減、2009年は前年比35.9%減の93万1462台であった。

米国メーカーの販売台数減は2000年以降、顕著になってきた。2000年1月時点での米国メーカーの米国市場での市場有率(シェア)は67.9%、2005年12月時点の【シェア】は57.8%と10%低下したが、【日本メーカー】の【シェア】は23.9%から32%と8%上昇した。米国メーカーの販売台数の減少は【日本メーカー】の販売台数の増加と表裏一体の関係にある。この傾向は2010年まで継続した。この結果、リーマンショック後、【GM】は国有化され、現在は民営に戻った。【クライスラ―】はイタリアの【フィアット】の傘下に入った。

米国は量的金融緩和によって【リーマンショック】を乗り切った、【リーマンショック】後の景気減速を乗り切るために欧州諸国や日本は米国を見習って【量的金融緩和策】を採り入れた。米国が成功したのは【シェール原油・シェールガス】という新たな成長産業を育てたからである。欧州や日本は金融緩和によって生まれた資金を新興国の天然資源などに投資したがそれは長続きせず、市場の余剰資金は米国の株式市場を中心に世界各国の株式市場に流れ込んだ。

【米国経済の成長率】はトランプ大統領が選挙公約に掲げた3%にはトランプ大統領が就任以来達していない。大統領就任年後の17年の【経済成長率】は2.3%、米中貿易戦争が勃発した2018年には中国が課した制裁関税を敬遠して中国に進出していた製造業の一部が国内回帰を始めたことにより、【経済成長率】は0.6%上昇して2.9%、2019年は個人消費の伸び悩みから成長率は0.6%下がって2.3%であった。

経済成長率が低下したにも拘らず米国の【ダウ平均株価】は上昇を続け、今年の2月12日には史上最高の2万9568ドルの値を付け、その後、米国内でも【新型コロナウイルス】感染のリスクが高まると株価か大幅な乱高下を続け、3月12日には前日比2352ドルという史上最大の下げ幅で終値は2万1200ドルとなった。1カ月で【ダウ平均株価】は8368ドル下がったことになる。13日にトランプ大統領が【非常事態】を宣言したことを史上は歓迎し、株価は前日比1965ドルの高の2万3185ドルとなった。

現在の株価は世界的に実体経済とは関係なく貪欲な【ファンド】が株価を操作していることになる。【新型コロウイルス】騒動が収れんするまで株価の乱高下は世界の株式市場で続くことになる。経済的な要因に基づかない株価の極端な値下がり上昇をさせる特効薬は存在しないであろう。   (おわり)

 

 

 

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2020年3月 9日 (月)

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により日米の株価の低迷は当面は続く

3月8日時点の【新型コロナウイルス】による【新型肺炎】の中国本土以外で感染者の多い国は【韓国】が7041人、【イタリア】が5883人、【イラン】5823人、【フランス】が949人、【ドイツ】が795人、【日本】が452人、【米国】が380人、死者はイタリアが最も多く233人、続いて報道の正確さに疑問符が付くがイランが145人、韓国が50人、米国が19人、日本が13人、フランスが11人である。

米国で【新型コロナウイルス感染者】が初めて確認されたのが2月22日であった。中国本土以外の感染者が拡大傾向にあったことを受けて2月24日の【ダウ平均株価】の終値は、先週末の2月21日の2万8991ドルから1031ドル下落して2万7960ドルであった。25日は前日より879ドル下がって1万7080ドル、26日は123ドルと下げ幅は減少したが2万6957ドル、27日は過去最大の下げ幅の1190ドルで2万55766ドル、28日も1000ドルを超える下げ幅で終値は2万4681ドルと5営業日で4310ドルの大暴落であった。

【ダウ平均株価高】で米国の好景気を吹聴してきたトランプ大統領は株価引き上げに素早く動いた。再選が覚束なくなるからだ。だが打てる手は限定されている。米国の中央銀行の役割を担う【FRB】(連邦準備制度理事会)の金利引き下げである。それだけでは足りないとアドバイスを受けたのであろうトランプ大統領は製薬業界との会合を持ち【新型肺炎】の特効薬の早期開発を要請したという情報をツイッターで例のごとく発信した。

値上げ材料を求めていた株式市場はこれに飛びつき、3月3日の【ダウ平均株価】は1293ドル高の2万6703ドルにまで上昇した。だが利下げも特効薬開発促進も【株価大暴落】の根本原因の【新型肺炎】の感染防止の即効薬とならない。株価下落と軌を一にして米国内の【新型肺炎】感染者数は急増し、3月7日には感染者は380人となり日本の感染者増加のペースを上回った。その間、米国ではカリフォルニア州、フロリダ州、ニューヨーク州、メリーランド州の4州が【非常事態】を宣言した。感染者数が最も多いのがニューヨーク州で70人である。結局、【ダウ平均株価】は3月4日から4日連続で下がり続け、3月7日には2万5864ドルとなった。

日本の【日経平均株価】も3連休明けの2月25日には【ダウ平均株価】の値下がりの影響を受けて先週末の21日の2万3386円より791円下落して2万2605円、その後も値下がりを続け、3月6日の終値は2万0749円、10営業日で2637円と大きく値を下げた。政府も当然のことながら株価引き上げの手立てを講じるに違いないが米国の例から判断しても有効な手立てがあるとは思えない。打つ手は日銀の更なる0金利の引き下げであろう。日本は0金利政策を導入して長期間にわたるがその間地方銀行は業績が悪化し、合併などで凌いでいるが更なる金利引き下げは地方銀行の倒産ラッシュを招きかねない。地方銀行にとって【新型肺炎】は疫病神であろう。

【新型肺炎】の感染拡大が収束しない限り、日米の株価が上昇局面に入る可能性は低い。当面株価はもみ合い状態が続くのであろう、   (おわり)

 

 

 

 

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2020年2月27日 (木)

世界同時株安は長期化するのか

【新型肺炎】の感染拡大が深刻な様相を呈してきた2月20日、【米国】の【ダウ平均株価】の終値は前日比115.84ドル高の2万9348ドルの史上最高値であった。しかし、トランプ大統領の【新型肺炎】に関する強気なツイッター投稿にも拘らず、翌21日には128ドル、22日には227ドルと【ダウ平均株価】は下落していた。

【米国疾病予防センター(CDC)】は2月22日、日本への渡航に関して注意レベルを1から2へと引き上げ、22日にはイタリアとイランに関しても注意レベルを2に引き上げた。さらに【CDC】は25日に米国内での【新型肺炎】の感染拡大に注意を喚起した。これを受けて、24日の【ダウ平均株価】は先週の終値を1031ドル下回る2万7960ドルとなった。25日も前日比879ドルという大幅な値下がりで2万7081ドル、27日は123ドルの値下がりで終値は2万7000円を下回る2万6957ドルとなった。【ダウ平均株価】は3日間で2033ドル下落した。

2月の3連休明けの2月25日の【日経平均株価】は先週末の終値よりも781円の大幅下落の2万2605円、26日には前日比で179円のn値下がりで2万2426円、27日の前場は前日に比べ280円ほど安い。

【ダウ平均株価】の大幅下落に嫌気がさして資金は比較的安全資産とされる米国長期国債になれ込み、2月25日午後の米国長期国債(10年物)の金利は一時史上最低水準の1.31%のまで下がり、3カ月物の米国短期国債の金利が上がって、短期国債の金利が長期国債の金利を上回るという【逆イールド】現象が起こった、この現象が続くことは米国の景気後退の前触れと言われている。

[逆イールド】に関して、ロイターは2月26日、「米国債の長短利回りの逆転(逆イールド)は、米国経済悪化に関する信頼できる先行指標とみなされており、実際、過去50年間でほぼすべてのリセッション(景気後退)を予告していた」という記事を配信した。

米国の景気後退は世界経済に悪影響を及ぼすことは間違いない。米国が景気後退局面に突入するか否かは偏に【新型肺炎】の収束時期にかかっている。5月までに収束すれば世界景気に及ぼす影響は軽微で済むと言われている。   (おわり)

 

 

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2019年11月19日 (火)

GDP成長率にそぐわない日米の株価高

2008年9月15日に発生した100年に1度と言われた米国発の金融危機である【リーマンショック】後の金融市場の混乱を回避する目的で米国は同年12月から【量的金融緩和策】を導入した。その第一弾(QE1)では1兆7250億ドルの米国債と住宅ローン担保証券(MBS)を、第2弾(QE2)では6000億ドルの米国債を市中銀行から買い取った。雇用環境の改善を目的とする第3弾(QE3)では毎月400億ドルのMBSと450億ドルの長期国債を購入している。この【量的金融緩和策】は2014年9月に終了している。この【量的金融緩和策】の結果、潤沢な資金が金融市場に流れ、その一部は株式購入資金として活用された。

住宅バブル最盛期の2007年の米国の代表的な株価指数の【ダウ平均株価】は1万3264ドルであったがリーマンショックが起こった2008年の【ダウ平均株価】は8776ドルと約4500ドル下落した。その後、2014年9月にまで継続された【量的金融緩和策】によって株価は上昇し続けた。2018年の【ダウ平均株価】は2万3327ドル、今年の11月までの【ダウ平均株価】は2万7046ドルで、11月15日は史上初の2万8000ドルを突破した。

ところで、トランプ大統領が誕生した2017年の米国の【GDP成長率】は2.37%、トランプ政権は2018年の【GDP成長率】の目標値を3.0%に設定していたが18年の【GDP成長率】は2.93%で目標値に届かなかった。2019年の第1四半期(!~#月)の【GDP成長率】は輸出が急増したことによって前期比(2018年第4四半期)3.2%増、第二四半期(4~6月)は2.0%増、第3四半期(7~9月)は1.9%%増と実体経済は減速傾向にある。

実体経済の成長率が鈍化傾向に対して【株価】の上昇はアンバランスと言わざるを得ない。【株価高】を誘導しているのは【米中貿易戦争】が終結しそうであるという情報で、株式市場がその情報を歓迎して機関投資家などが買いに入るりその結果株価は上昇する。米国や日本では政権の支持率を安定させるために【株価高】を演出する必要があるからである。

日本経済は今年も低成長が続いている。2019年の第1四半期の【GDP成長率】は前期比2.1%増、第2四半期は1.7%増、第3四半期が1.2%増と成長率は下がっている。それにも拘らず【日経平均株価】は年初の1月4日の終値1万9241円から11月12日には今年の最高値2万3520円と4279円上昇している。10月15日から約1カ月で1313円の値上がりである。米国も日本も株価の値上がりは異常である。   (おわり)

 

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2019年11月10日 (日)

トヨタ2020年3月期上半期決算で売上高、純利益過去最高を達成

【トヨタ】は11月7日、2020年3月期の上半期(2019年4~9月)の連結決算の内容を発表した。【トヨタグループ】(ダイハツと日野自動車を含む)の【売上高】は前年同期比4.2%増の15兆2855億円、【営業利益】は前年同期比11.3%増の1兆4043億円、【純利益】は2.6%増の1兆2749億円でいずれも過去最高。世界販売台数も前年同期より22万台増えて過去最高の545万台であった。

ところで、【トヨタ】のライバルである【VW(フォルクスワーゲン)グループ】(VW、アウディ、ポルシェ、セ゚アト、シュコダなど)の2019年第2と第3四半期(4~9月)の決算内容は【売上高】が15兆3500億円、【営業利益】が1兆1733億円、【純利益】はほぼ1兆円である。【VWグループ】は【売上高】こそ【トヨタ】を上回ったが【純益】では【トヨタ】に約2800億円引き離された。昨年よりその差は縮小したが。

【トヨタ】単体の世界販売台数は2017年が938万台、2018年は953万台である。それに対して【VW]単体では世界販売台数は2017年が623万台、18年は前年比で1.9%減少しているからおおよそ610万台で【VW】ブランドの車は【トヨタブランド】(レクサスを含む)の3分の2程度の販売台数にしか過ぎない。当然【純益】では通年は1兆円以上の差が生まれる。

【トヨタ】単体の2019年4~9月の世界販売台数【463万9000台】の内訳は主力の米国が前年同期より1万6600台減って123万5586台、中国が前年同期より7万4700台増加して83万3300台、日本が80万台、その他(アジア、欧州、北米など)が約177万台。3つの主力市場の販売台数の総数は286万台で世界販売台数の61.7%を占めている。今期の販売台数増の原因は、中国では高級車の【レクサス】の販売が好調であったこと欧州ではハイブリッド車の人気が高かったことである。【VW】単体では中国での販売不振で世界販売は前年同期比で1.9%減少している。

【トヨタ】は現在起こっている自動車産業の革命に対応するために日本の【日産グループ】(日産と三菱)と【ホンダ】以外の乗用車メーカーと連携を強めている。技術と資本の提携の強化だ。技術提携では【マツダ】とは米国アラバマ州に共同で工場建設を行っている。【スバル】には【ハイブリッド】技術を無償で提供している。

【資本提携】では、【トヨタ】は【スバル】の株式保有率を16.83%をら20%に引き上げ、【マツダ】株式を5.07%保有し、【スズキ】とは4.9%の株式を保有することで合意している。この先にあるのは【トヨタ】を盟主とする【日の丸連合】の結成である。研究開発費を出し合って【CASE】と呼ばれる自動車産業の技術革命に対応するためだ。

日本が21世紀においても経済発展を維持していくためには世界の【自動車産業】の盟主であり続けなければならないからである。   (おわり)

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2019年11月 6日 (水)

経営危機を取り沙汰されているソフトバンクは危機を盛り切れるのか

今や投資会社となった【ソフトバンクグループ】は2つの【投資ファンド】を運営している。一つはIT関連のベンチャー企業への投資ファンドとしては世界最大規模の9兆9036億円の資金を運用している【ビジョンファンド】と5月8日の2019年3月期決算発表会見で公表された【デルタファンド】である。

【ビジョンファンド】は80数社に投資しているがその運用資金9兆9036億円のうち3兆0346億円は【ソフトバンク】が出資し、残りの6兆8688億円のうち4兆8500億円は【サウジアラビヤ政府】が出資し、残りの2兆0188億円は米国の【ゴールドマン・サックス】などの外部投資家が投資している。

【デルタファンド】は【ビジョンファンド】の2倍の出資金を調達する計画で今年の6月以降から出資金を募っているが現時点(11月5日)での出資金の総額は【ソフトバンク・グループ】の6480億円と外部投資家の1728億円の合計8208億円にすぎない。【デルタファンド】の挫折の原因は【ビジョンファンド】が1兆円を投資したニューヨーク市に本拠を置く、シェアオフィスの大手【WEWORK】(ウイワーク)の価値が今年に入ってから急落して新規上場して大儲けしようとして企んでいた【ソフトバグループ】の思惑が外れたからである。

【ウイワーク】は数回にわたり【ハイリスク、ハイリターン】のジャンク債と呼ばれる【コラクタライズド・ローン・オブリゲーション】(CLO)を発行して資金を調達して2010年以降、事業を拡大し、2018年には世界の29カ国の111都市に528の拠点を置いている。日本には2018年の初頭に進出し、現時点では23カ所の拠点を確保している。

【ウイワーク】の企業価値は2019年の年初の時点では5兆円と言われていたが2018年の売上高が2000億円で2084億円の赤字を抱えていることが判明したことによって9月末には8000億円にまで下落した。英国の著名な経済紙【FT】(フィナンシャル・タイムズ)の評価では3000億円である。その結果【ウイワーク】の米国での新規上場は中止された。。

【ビジュアルファンド】は【ウイワーク】の未公開株式の30%を保有していることから【新規上場】によって1兆5000億円の利益を見込んでいたががそれは水泡と消えた。新規上場の失敗により【ウイワーク】は資金繰りに窮し、【ソフトバンク・グループ】が子会社と化した【ウイワーク】に1兆円を超える資金を投入せざるを得なくなった。本来ならば【ビジュアルファンド】が資金を投入すべきなのであるが【ブジュアルファンド】には【ウィワーク】を支援する余力がなかったのである。

一連の【ウイワーク】を巡る騒動で【ソフトバンク】の株価は2019年年初の5800円から10月末の時点では4000円を割っている。【ソフトバンクグループ】の時価総額は27兆円とされるが2018年11月末の時点の有利子負債の総額は18兆円を超え、株式を保有する企業の株価が下がり続ければ【ソフトバンクグループ】の倒産のリスクは高まる。

「来年には世界的な金融危機が発生する」と予測する経済の専門家や金融市場関係者が存在するが予測が的中すれば株価に支えられている【ソフトバンクグループ】が倒産する可能性は極めて高い。  (おわり)

 

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2019年9月26日 (木)

中国市場で明暗が分かれた外資系自動車メーカー

中国汽車工業協会の発表によれば、2019年8月の中国新車販売台数は前年同月比6.9%減の196万台であった。1~8月の累計販売台数は前年同期比11%減の1610万台。台数にして201万台の減少である。これで米中貿易戦争の影響が出始めた昨年9月から14カ月連続で前年実績を下回った。販売減少の要因は米中貿易戦争に端を発した中国経済の減速と自動車需要の減少である。その結果、中国国内に生産拠点を持つ米国、ドイツ、フランス、韓国の自動車メーカーは販売減少に見舞われ、中国国内の工場の稼働率は大幅に低下しているという。昨年比で販売率の低下が大きいのは国別に列挙すれば、①フランス(ルノーと【PSA(プジョーグループ)】で、2019年上半期(1~6月)の【【ルノー】の販売台数は前年同期比24.5%減の8万9700台、【プジョーグループ】が60.6%減の6万4100台。②米国(GMとフォード)、GMの上半期の販売台数は157万台で前年同期比で14.6%、台数にして27万台の減少,【フォード】は、2019年上半期の販売台数は前年同期比で39.8%、台数にして15万9400台の減少。③【韓国】は、【現代】が29万4700台、前年同期比で21.0%の減少。【起亜】は14万4947台で、前年同期比17.2%減.④【ドイツ】の【VWグループ】(VW,アウデイ、ショコダなど)は191万6600台で、前年同期比で3.9%の減少、【メルセデス・ベンツ】は、29万7914台で、前年同期比11.2%の増加、【BMW】は27万4562台で、32.4%増。

2019年上半期にドイツの高級車メーカー2社以外で中国市場で販売量が前年同期比で伸びたのは日本のビッグ3の【トヨタ】、【ホンダ】、【日産】である。【トヨタ】(レクサスを含む)は前年同期比12.2%増の76万9800台、【ホンダ】が22.4%増の74万5409台、【日産】が0.6%増の71万8268台であった。日本車の販売が伸びた要因は【燃費の良さ】と【ブランド名】が中国で浸透したことであろう。ブランド名浸透に貢献したのは【訪日中国人】で、【訪日中国人】が増え続けていることである。今年の1~8月の【訪日中国人数】は前年同期比13.6%増の658万人でそのうちリピーターは6割を超えているという。最終的には年間900万人を超えると思われる。日本ほど自国車が国内を走っている国はないのである。来日して中国人は日本製の自動車のブランド名を覚えることになる。

ところで、中国では富裕層が増え、低価格車が売れる時代は終わり、高価格でも性能の良さを求める顧客が増えたのである。韓国車の低迷はそうした中国市場の変化を反映しているのであろう。さらに中国市場では高級車が売れる時代に突入したようである。ベンツやBMWの販売台数が増え、さらにトヨタの【レクサス】の今年上半期の販売台数は約9万5000台で、前年同期比で136%の増加である。GMの高級車キャデラックも販売台数を伸ばしている。

このような販売台数の結果、中国に進出したメーカの稼働率が100を超えているのは日本の3社と【メルセデス・ベンツ】と【BMW】だけである。他のメーカーの工場稼働率は70%を下回り、採算割れを起こしている。特にひどいのが【フォード】で20%台前半、【現代】は26%である。

現時点では日本のビッグ3の業績は好調であるがいつ風向きが変化するのか一寸先は闇である。   (おわり)

 

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