カテゴリー「5宇都宮の経済情勢」の記事

2019年1月 7日 (月)

栃木県の県民一人当たりの県民所得全国4位が続く

【内閣府】は毎年、日本のGDP(国内総生産)の算出のための資料として47都道府県の総生産高や総人口、都道府県民所得などを公表している。最新版でも2015年度の資料なので直近の経済情勢の分析には役立たない。
ところで、日本の経済は【東京の一極集中】が叫ばれて久しいが、2014年度と2015年度の【県民経済計算】を読む限り,その傾向は和らいでいる。
都道府県の総生産高ランクキングの1位は東京都で、総生産額は2014年が102兆3410億円、15年が104兆4339億円で14年比の成長率は2.0%、2位は愛知県で、2014年の総生産高は38兆4830億円、15年が39兆5590億円、成長率は2.8%、3位が大阪府で、総生産高は2014年が38兆1940億円、15年が39兆1070億円で成長率は2.4%であった。東京都の総生産高を押し上げた原因は金融とサービス業それに訪日外国人客の旅行消費である。愛知県はトヨタの業績が好調であったことが主たる要因である。大阪府の生産高増は外国人旅行者の旅行消費である。但し3都県とも成長率は2%台と経済活動は鈍化している。
【県内総生産】成長率の上位5県は①長崎県 7.6%、②福井県 6.5%、③岡山 5.9%、④長野県5.8%,⑤栃木県 5.7%である。栃木県が5位にランクインした要素は宇都宮市の新築住宅着工件数が急増したことと、これまで【県民経済計算】に加算されなかった芳賀町のホンダ技術研究所の【研究開発費】(R&D)が2015年から【県民経済計算】に加算されたことによる。
【県民経済計算】のもう一つの重要項目は【都道府県民一人当たりの所得】である。上位10の都道府県は①東京都537万8000円、②愛知県 367万7000円、③三重県 358万6000円、④栃木県 348万1000円、⑤富山県 337万3000円、⑥静岡県 331万6000円、⑦福井県319万6000円、⑧群馬県 314万5000円、⑨大阪府 312万7000円、⑩茨城県 307万9000円。
東京都の群を抜いた所得額は大手企業の本社が東京の23特別区内に集中しているからである。愛知県にはトヨタの本社工場はじめ系列の部品メーカーが集積していて2014年と15年はトヨタの世界販売台数は世界一でトヨタ社員は我が世の春を謳歌していたためである。
三重県の四日市には石油、化学の大手メーカが進出していて業績が好調であったためである。栃木県には自動車、電機を中心に大手企業が進出しいることと首都圏では不動産価格が高騰して土地の取得が困難になりつつある。そこで新幹線で通勤可能な栃木県の小山市や宇都宮市に土地を求め、住宅を投資を兼ねて建設する若いサラリーマンが増えている。その結果、宇都宮市を中心に土地バブルが発生している。
静岡県や群馬県も大手製造業の主力工場の稼働率が高いので地域経済の牽引役となっている。群馬県太田市には【スバル】の工場が立地して年間30万台以上の車両を米国へ輸出している。
2019年は米国と中国の新車販売台数が減少する可能性が高いので愛知や三重、静岡、栃木、群馬の総生産高が減少する可能性がある。   (おわり)

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2013年11月 1日 (金)

需要構造の変化の一つの象徴・JTの国内生産拠点の縮小

昭和という時代を生きた日本人の男性にとって一握の例外を除き、【喫煙】(煙草)と【飲酒】は人生のささやかな楽しみの一つであった。その最大の原因は、日本が高度成長を遂げたとは言え相対的にを貧しかったからであろう。煙草の需要は1996年をピークに年々下降し、2012年の時点で全盛時の40%減であるという。
この最大の原因は健康志向という世界的な潮流であろう。たとえ煙草を吸わなくても、煙草の煙のそばにいるだけでも健康に悪影響を及ぼすという観念が普及し、公共施設などでは禁煙が一般化してしまった。筆者は大学入学とともに煙草を吸いだしたが、山岳部に所属した関係で、上級生の真似をしてパイプ煙草であった。よく吸ったタバコの銘柄は【ボンド・ストリート】という英国製の安物である。
社会人となってからは紙巻タバコに転向し、缶入りピースを持ち歩くヘビースモーカーであった。10年前くらいから公共施設で煙草が吸えなくなったのを契機に、筆者は禁煙派の仲間入りを果たした。
ところで、戦後の日本の煙草メイカーは1949年(昭和24年)に旧大蔵省(現財務省)の外局であった専売局から分離・独立した特殊法人という公共事業体の【日本専売公社】だけであった。税収を上げるために国の直轄事業としたのだ。
公共事業体が民営化される流れの中で、専売公社も例外ではなく、1985年4月に、「日本たばこ産業株式会社法」により、政府が全株式の50%以上を保有する特殊会社【日本たばこ産業】(JT)として再スタートを切った。
【JT】が恵まれているのは国内には競争相手がいない点である。そのために売り上げが落ちても規模を縮小していれば倒産はない。JTは食品業界に属しているが、業界の大手112社の中で、業績が悪化の一途を辿りながらも従業員の給与は30歳で年収564万円で9位にランクされている。業界平均は491万円である。
今回JTは需要減に対応するために、国内9工場を5工場に縮小する計画を発表した。生産を停止するのは最終製品を製造している郡山工場(福島県)、浜松工場(静岡県)、と原料製造の平塚工場(神奈川県)と印刷工場の岡山工場であるという。
時事通信は10月30日午後、『日本たばこ産業(JT)は30日、たばこ需要の減少を受けて、国内9工場のうち4工場を2016年3月末までに閉鎖するとともに、本体社員の2割弱に当たる1600人を削減すると発表した。たばこの自動販売機を開発・製造する特機事業部(兵庫県明石市)も15年3月末に廃止し、自販機製造から撤退する。佐伯明副社長は「持続的成長を実現するために、コスト競争力の強化が不可欠だ」と説明した。
 4工場のうち郡山(福島県郡山市)と浜松(浜松市)、岡山印刷(岡山市)は15年3月末、平塚(神奈川県平塚市)は16年3月末に閉鎖する。人員の削減は希望退職の募集や退職勧奨が中心で、平塚工場を除き15年3月末に実施する。国内の25支店は15支社に再編する。
 国内のたばこ事業は「収益基盤の中核」(佐伯副社長)に位置付ける重要事業だ。しかし、たばこの国内販売量は12年度まで14年連続でマイナスが続き、ピーク時の半分強に縮小している。
 また、今後も健康志向の高まりで喫煙者数の減少が見込まれる上、14年4月以降の消費税率引き上げにより「市場規模の減少が想定される」(同)と判断、体制の再構築に踏み切った』と配信している。
健康志向に端を発する需要減という現実の前には独占企業の【JT】 にも打つ手はない。ただし、【JT】地方地方工場の工場の閉鎖が雇用の面と税収の面で地域経済に与える影響は少なくなく、地方自治体は独自の対応策に取り組む必要がある。宇都宮市も【JT】の主力工場の一つ【北関東工場】が清原工業団地に立地しているので対岸の火事とばかりに様子見を決め込んはいられない。   (おわり)

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