カテゴリー「2市議会便り」の記事

2013年10月 6日 (日)

前宇都宮女性市議に公民権停止5年の略式命令が出される。

7月21日投開票の第24回参院選の公示後に、民主党公認の谷ひろゆき候補への投票依頼の文書を配ったという【法定外文書頒布】(公職選挙法違反)の罪で略式起訴されていた福田智恵前宇都宮市議(48)に対し、宇都宮簡易裁判所は9月27日付で【罰金30万円、公民権停止5年】の略式命令を出した。
福田智恵前宇都宮市議は【公民権停止5年】は罪が重過ぎるとして、正式裁判を申し立てる意向である。福田氏の心情は察して余りがある。
8月下旬、筆者は事件のもう一方の当事者・谷前参院議員に宇都宮市のパルコ前で偶然立ち話をする機会に恵まれたが、周囲の人の目もあるので、谷氏は言葉少なめに、万感の思いを込めて、「裁判の行方が気がかりだ」と筆者に語っている。谷氏は、筆者の中・高の同級生の父親(衆参議員の経験者)の秘書だったという関係で筆者とは面識がある。
福田氏、あるいは支持者の「公民権停止5年」という略式命令に対する不満は不満として、法律違反を犯した事実は変わらないし、裁判に持ち込んでも略式命令の内容が変わる可能性は少ない。残酷な表現を許してもらうならば、福田氏は恐らく政治生命を断たれることになろう。
下野新聞は10月5日付けの朝刊で『7月の参院選で投票を依頼する法定外文書が有権者に送付された事件で、宇都宮簡裁は4日までに、公選法違反(法定外文書頒布)罪で略式起訴された福田智恵前宇都宮市議(48)に罰金30万円、公民権停止5年の略式命令を出した。9月27日付。
下野新聞社の取材に福田前市議は「公民権停止5年はあまりにも重い」とし、命令を不服として週明けにも同簡裁に正式裁判を申し立てる方針。
略式命令に不服がある場合、2週間以内に簡裁に正式裁判を申し立てることができる。手続きに不備がなければ受理され、公開の裁判が開かれる。福田前市議は「裁判でこれまでの主張をしっかり伝えた上で、判断していただきたい」としている』と報じている。
福田氏が有権者に送り付けた文書は7000通であるが、その文書の発送に関して、福田氏の署名は入れないように忠告した人がいたと言われている。しかし、福田氏はその忠告を無視したことになる。
何故、公職選挙法に抵触する文書を送付したのかという疑問が残るが、民主党県連の内情に詳しい知人によれば、11年の栃木県の県議選で落選した民主党の山田美也子氏が離党したために県議選宇都宮選挙区の民主党女性候補者の枠に空きが出たので福田氏は時期県議選に出馬の準備を始めていたのだという。
7000通の文書の郵送料は50万円はかかる。言葉は悪いが、福田氏は【他人の褌(ふんどし)】(谷氏の選挙費用)で自分の選挙を行おうとしたのである。
福田氏の落ち度は【法定外文書頒布】は「バレ」ないだろうと高を括っていたことであろう。警察がガサ入れをしたということは何らかの確信があってのことであろう。「内部告発の可能性が高い」と福田氏のある支持者は怒りを込めて語っていた。   (おわり)

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2013年8月28日 (水)

民主党女性市議の辞職

何人かの友人、知人から7月に実施された参院選期間中に【法定外文書】を発送して投票依頼をしたとして【法定外文書頒布】で書類送検された宇都宮市議会の民主党系会派【市民連合】所属の福田智恵宇都宮市議(48)の辞職についてコメントを求められた。
感想を一言で言えば、『同情に値する』ということだ。自らの選挙でなく、他人の選挙で頑張りすぎて辞職を余儀なくされたのだから。そして中央政界においては【責任をとらない】議員集団として評価が定着している民主党の中にあって地方議員とはいえ責任の所在をはっきりさせた点において敬意を払われてしかるべきであろう。
福田氏の議員辞職に関して地元紙下野新聞電子版は【Soon】が8月23日正午、『7月の参院選で投票を依頼する文書を有権者に送付したとして、公職選挙法違反(法定外文書頒布)の疑いで書類送検された福田智恵宇都宮市議(48)が23日同市議会各派代表者会議で、市議を辞職する意向を表明した。
福田市議は「市民に信頼される議会を汚した。道義的責任から辞職する」と述べた』と配信している。
筆者は、福田氏の辞職を聞いて当初上述したように【美談】だと感じたがどうもピント外れであったらしい。今回の福田氏が【法定外文書頒布】で書類送検された原因は、福田氏が次期地方統一選挙で県議に転出する意向があり、参院選を利用して他人の政治資金で自己PRしようとして、違法文書発送という過ちを犯したのである。
民主党栃木県連は2001年の宇都宮選挙区の県議選補欠選挙で山田美也子氏を当選させてから03年の県議選以降3人の議員を擁立している。11年の県議会議員選挙で山田氏が落選し、その後、山田氏が民主党を離党したので女性県議の枠が空いたのである。福田氏はそのための準備に入っていたというべきであろう。
福田氏は道義的責任を取ったというが、書類送検された以上起訴され、裁判の結果【公民権停止】になる可能性が高い。公民権停止になれば自動的に市議を失職する。そのうえ次期地方統一選挙には立候補できず、政界引退ということになりかねない。福田氏は辞職することによって裁判で裁判官の心証をよくし、何とか【公民権停止】を免れたいために辞職という賭けに出たのだ。
福田氏の選挙違反事件に関して、民主党関係者の間では福田氏は【福・福戦争】(民主党福田昭夫衆院議員と福田富一知事)の犠牲になったという声が専(もっぱ)らである。
自民党県議団の間では福田知事は次期の知事選には立候補せず、次期衆院選で2区から立候補して国会に転出すると噂されている。福田昭夫衆院議員サイドでもそれを警戒して、県が宇都宮市を訴えるという異例の事態となっている食品産業廃棄物処理会社【エコシティ宇都宮】の補助金詐欺問題で参院選公示直前の7月2日、福田衆院議員の公設秘書船山幸雄氏が福田富一知事を告訴した。エコシティ宇都宮の唐木正信会長は福田知事の私設秘書だった人物で、エコシティ宇都宮が補助金申請をし、その指導をした当時の宇都宮市長は福田富一氏というなんとなくきな臭い事件ではある。
福田衆院議員側の告訴に対する知事サイドの意趣返しかどうか分からないが、ともかく。参院選終了後、落選した谷博之氏の選挙事務所が家宅捜査され、その一連の捜査の中で福田氏の違反文書が見つかったので、福田氏にとっては青天の霹靂のような選挙違反の摘発だった。   (おわり)

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2012年9月 1日 (土)

地方議員の歳費削減は地方自治を劣化させる

地域政党【大阪維新の会】の政権公約『維新八策』が発表された。具体性があるのは衆院議員定数を半減すると議員歳費の3割削減だけである。有権者の中には喝采を叫ぶ方が多いかもしれない。                          しかし、この公約を実現すれば、日本の政治が官僚機構に完全に支配される危険性を孕んでいる。                           民主党政権になって、【政治主導】の美名の下に各省庁の大臣、副大臣それに政務官でそれぞれの省庁の政策を推進したとされている。日本の行政府には12府省があり、大臣、副大臣、政務官の人数の合計は66人である。仮に衆議院の議員定数を240人とし、参議院議員の数を0(維新の会は参議院の廃止を公約に掲げている)にすれば、240人で国政を切り盛りすることになる。政権与党の議員数は変化するが、一般的には150人程度になるであろう。150人前後の人数では物理的に国家の運営は不可能である。                          その結果起こる事態は官僚への依存が顕著になる。議員数を削減すれば政治が劣化する可能性が高くなるのである。                           翻って宇都宮市議会に目を転じてみると、宇都宮市議会は定数47人で、議員歳費は2年前から2年続けて削減され、現在の歳費は2年前の92%となった。一般議員の歳費は月額で、616400円であるという。ところがこの支給額の中から、所得税、住民税、議員会費や所属政党の党費などを引かれると44,5万円になる。                         この金額で生活し、日常の議員活動(冠婚葬祭など)に勤(いそ)しみ、次回の選挙の費用を積み立てて置くのは至難の業らしい。議員報酬だけで生活している議員は月々の収支はマイナスでそれを年4,5カ月分程度支給される手当てで補っているのが現状らしい。                          その結果、議員を続けられる議員は、別途の収入があるか、労働組合の支援があるか、政党の庇護があるものに限定される。若者が政治を志すにしても経済的な裏付けがない限り立候補は、不可能なのである。                         ここ数年、地方議員に対する風当たりが強くなっている。その最大の原因は地方自治体の財政難であるが、それに拍車をかけているのが、地方議員の活動が有権者には見えないということがある。地方議会が単なる地方の首長部局の追認機関に堕していて、地方の住民にその存在価値が理解されないのである。そのため住民の感覚では常勤でない地方議員の歳費は高すぎるということになる。                          だが議員報酬を8%削減しても捻出できる財源は約3000万円で微々たるものである。それよりも宇都宮市では今年度の予算で約320億円を占める職員の給与を国並みに7,8%削減すれば24億円程の財源が生まれる。議員歳費の削減より職員の給与の削減ある。                             ところで、現在の日本の国の制度の枠組みの中で、地方自治体の職員に大胆な発想の転換を求めるのは酷なのであろう。それよりも地方議員に政策提言をさせて、採用された提言には名称はともかく実現化に向けた経費を支出してもいいのではなかろうか。                          地方議会の能力を引き出すためには政党や企業や労働組合の影響から自立できる30~40代の議員が地方議会で3,40%の比率を占めない限り地方自治は発展しないであろう。とにかく他の市町村議会はいざしらず、宇都宮市議会で若手を育成できる制度を検討してもらいたい。   (おわり)

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2010年12月 9日 (木)

宇都宮市議会は財政削減を提言すべきではないのか(1)

12月定例会を傍聴した。市議会議員の質問を拝聴していて奇異に感じたことがある。この日最初の質問に立った南木清一議員〈自民党〉が【一般質問発言通告書】の3項目目の【産業政策に就いて】の質問の中で『環太平洋パートナーシップ協定〈TPP〉について』と題する質問をし、その直後に登壇した塚原毅繁議員〈民主党)も【一般質問発言通告書】の2項目目の質問【環太平洋戦略的経済連携協定〈TPP〉参加について】で同じことを問うている。本来、【国防と外交】問題は中央政府の専権事項で地方議会が容喙すべき問題ではないはずである。質問をされた佐藤市長にとってはいい迷惑で、答えようもないというのが本音であろう。質問者の真意は理解できないが、質問通告書を提出した時点では【TPP参加】の関係国との協議開始が閣議決定された〈11月9日)との事実をマスコミ報道で知り、単に新しい情報を先取りして質問をしただけの可能性が大である。ところが、菅首相は身内の民主党の地方出身の議員や農業団体などの反発に遭い、【TPP参加】への議論を開始すという意気込みは例の如くトーンダウンしてしまった。最も、【TPP参加協議】の党の検討プロジェクト・チームの山口壮座長は『半歩前進』と評価をしているが。そのために両議員の思惑ははずれ、タイミングを失した何の意味もなさない質問と化してしまったと思われる。【TPP】に参加或いは不参加に関し、国の方針が決定しない限り地方自治体が取り組むべき課題は生じない。                                                   その他傍聴をして強く感じたことがある。それは、宇都宮市の財政状況の悪化が急激に訪れたという実感だ。百年に一度起こるかどうかといわれた、アメリカの急成長を遂げた投資銀行リーマンブラザーズの破綻に端を発した世界的な【金融危機】により、アメリカの住宅バブルが弾けた。アメリカの消費が一気に冷え込んだためにその影響は北米市場に依存していた日本の自動車や電機・家電産業を直撃したのである。宇都宮の工業団地に進出している企業は自動車・電機・家電産業が多かった。そのためにこれらの産業の税収に依存していた宇都宮市の税収入も激減し、地方交付金不交付団体から一気に交付団体に転落している。その上、終戦後間もなくから小中学校の建設費の財源であった競輪開催による収入も多くは望めないない状況だ。かといって一地方団体の宇都宮市だけの努力だけで税収が短期間に好転するとも思えない。                            【政権交代】をする以前から一部の経済専門家の間で不安視されていたことであるが、民主党には経済運営に長(た)けた議員集団が存在しないためにタイムリーな経済政策が打てないということであった。案の定、今年7・8月の急激な円高に対して対策は後手後手に回っていたと国民からは思われている。日本経済の一方の柱【内需】振興策は自動車の減税や補助金、家電製品のエコポイント制の導入など麻生政権時代に実施した経済対策の遺産を受け継いだにすぎない。アメリカの金融政策の量的緩和によっていま日本を含む世界経済は小康状態を得ている。しかしアメリカでは、さらなる経済危機の到来を予測する経済専門家すら出始めた。日本でも経済音痴の菅政権の下では、当分の間、内需の拡大はありえない。ということは、宇都宮市の財政状態は今後も悪化するということである。毎日新聞社系の週刊経済誌【エコノミスト】最新号によれば宇都宮市の公債比率は9,2%で全国主要地方都市〈県庁所在地)の中では公債依存率が上位にランクされている。問題なのは今後一層、公債比率が急速に上昇する可能性が増大していることなのだ。市議会は率先して自らの報酬の削減を含めて宇都宮市の財政削減の検討に入るべきであろう。     (おわり)


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