カテゴリー「6国政を斬る」の記事

2019年6月26日 (水)

昨年度の税収バブル最盛期の税収60兆1000億円を3000億円上回るが景気の本格的な回復を意味しない

政府は2018年の一般会計の税収を当初59兆9000億円台と見込んでいたが精査した結果60兆4000億円台であることが判明した。この税収額はバブル最盛期の1990年の一般会計の税収60兆1000億円を約3000億円上回り、史上最高となった。これは所得税の税収が増えたことに起因すると思われる。

バブル最盛期の1990年の税収は60兆1000億円であったがその税収の3本柱の【所得税】が約26兆円で前年比で4兆6000億円増え、【法人税】は18兆3800億円で前年の19兆円から4000億円減り、消費税は4兆6200億円で前年より1兆3500億円増えていた。昨年の税収の内訳は公表されていないので2017年の税収と比較すると、2017年の【所得税】は18兆8800億円、【法人税】は12兆円、【消費税】は17兆5100億円で、【所得税】は1990年に比べると7兆1200億円の減収、【法人税】は6兆3800億円の減収、【消費税】は12兆8900億円増収である。つまり所得税と法人税の減収分13t兆5000億円をほぼ【消費税】の増収分で補ったということになる。

【所得税】と【法人税】の大幅な減収には明白な理由がある。バブル期の所得税の最高税率は70%であったが現在では45%に引き下げられている。【所得税】の課税対象となる日本の所得はほぼ250兆円であるが各種の控除額を差し引くと課税対象となる所得は約110兆円である。【法人税】の税率はバブル期は約40%であったが現行の税率は23.2%にまで引き下げられている。高率の法人税率では日本の企業は国際競争力を失うために税率を引き下げたのである。【消費税】の増収もまた税率が深く関係している。バブル最盛期の消費税率は3%であったが2014年以降は税率は8%に引き上げられている。税率5%の差は大きいのである。

景気の回復のバロメーターは個人の消費の伸びでそれを反映するのは【消費税収】の伸びである。【消費税率】が8%になった翌年の2015年の【消費税収】は17兆4263億円、16年が17兆2282億円、17年が17兆5139億円と3年間で876億円しか増えていないのである。個人の消費が伸びない以上景気が回復したとは言い難いであろう。

個人消費が伸びない原因は日本は【非正規労働者】の比率が37%台と国際的に高いのである。日本は終身雇用制度にメスを入れる時期が来たのであろう。   (おわり)

 

 

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2019年6月17日 (月)

金融機関の金融商品販売にお墨付きを与えた金融庁金融審議会の報告書

金融庁の諮問機関である【金融審議会】は6月3日、【高齢社会における資産形成・管理】と題する「金融審議会市場ワーキング・報告書』を発表した。この報告書で問題視されたのは「高齢者夫婦無職世帯の平均的な姿で見ると、毎月の赤字額は5万円となっている」と「30年で約2000万円の取り崩しとなる」である。

【高齢者夫婦無職世帯】の家計の支出が毎月約5万円赤字になるという根拠になる資料は2017年の総務省の【家計調査】だ。【収入】は19万1880円の社会保障給与(厚生年金)とその他収入9041円の合計20万9198円、実支出は26万3718円で赤字額は厳密には5万4520円である。【高齢者夫婦無職世帯】の平均総貯蓄額は2484万円であるから現在の生活水準を落とさずに30年間生活をできることに数字の上ではなっている。但し物価の上昇率を無視しているので疑問は残るが。その上、現時点で95歳まで生きる高齢者はそれほど多いとは思えないので報告書はあくまで参考程度と考えるべきであろう、

この報告書の受け取りを麻生財務相兼金融担当相は拒否した。何とも腑に落ちないので調べてみると内閣総理大臣や金融庁長官、財務相の諮問を受け、【金融審議会】が開かれたわけではないので【高齢社会における資産形成・管理】と題する報告書は正規な報告書とは言えず麻生財務相がこの報告書を受け取るいわれはないということが判明した。

金融庁の諮問機関である【金融審議会】は金融庁設置法に基づいて設置され、その役割は【内閣総理大臣、長官又は財務大臣の諮問に応じ、国内金融に関する制度等の改善に関する事項その他の国内金融等に関する重要事項を調査審議し」と規定されている。

それにしてもこの時期に唐突に正規な手続きを踏んでいない【金融審議会】を開催して【年金問題】に関する報告者を作成して公表したのであろうか。筆者の独断であるが消費税率引き上げ問題と密接に絡んでいると思われるのである。現時点では10月1日からの消費税率の10%への引き上げは9月中旬まで様子見をすべきだと筆者は考えている。米中貿易戦争の行方が判然としないからだ。米中貿易戦争が長引けば中国と表裏一体の関係にある日本の自動車以外の製造業は大打撃を受け、日本の経済成長率をマイナスにする可能性すら浮上する。

そのことを理解している財務省は金融庁と結託して年金問題で国民の不安を煽り年金問題の解決には消費増税が不可欠という国民世論を醸成したいのであろう。さらに金融機関の監督官庁の【金融庁】は年金の不安を煽って金融機関の金融商品の販売拡大を支援しようとしているのである。   (おわり)

 

 

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2019年5月30日 (木)

ガーデンツーリズム(庭園めぐり観光)登録制度は訪日外国人客数のさらなる増加に寄与するのか

内需拡大策の一環として国土交通省は2003年から外国人誘客のキャンペーン【ビジット・ジャパン】を開始した。2008年の【リーマンショック】と2011年の【東日本大震災】の勃発によって【訪日外国人客数】はその翌年には減少したがそれを乗り越えてきた。【訪日外客数】が初めて1000万にを超えたのは2013年でそれ以降、2015年は【非日外客数】は1341万3400人、15年が1973万7400人、16年が2400万9700人、17年が2869万1000人、18年が3119万1900人と伸び率は下降しているが【訪日外客数】は拡大の一途を辿っている。今年の1~4月までの累計の【外客数】は1051万9380人であるから昨年を上回る可能性はかなり高い。

【外客数】の大幅増に伴い【【訪日外客】の日本国内での旅行消費額は2014年は2兆0305億円であったが2018年は2倍以上の4兆5189億円となった。日本人の国内旅行消費額は18年が20兆5000億であるから18年の旅行消費額は21兆円となり、GDPの約4割近くを占めることとなった。【ビジット・ジャパン】は成功したということになる。

第二次安倍内閣の【訪日外客数】の当初の目標は2000万人にであったが4年でその目標を達成している。【国土交通省】は2000万人達成のプランの一つとして【ガーデンツーリズム】を検討していたが今年4月に【ガーデンツーリズム登録制度】(正式名称【庭園間交流連携促進計画登録制度】)を創設して、5月に開催した【第1回有識者審査会】において6つの地域の公園や庭園を巡る【ガーデンツーリズム】の取り組みを登録することを決定した。

登録された地域は①【北海道ガーデン街道】、②横浜市の【ガーデンネックレス横浜】、③静岡県の【富士・箱根・伊豆『皇室ゆかりの庭園』】ツーリズム、④新潟県の【にいがた庭園街道】、⑤静岡県西部浜松市の【アメイジングガーデン・浜名湖】、⑥宮崎県宮崎市の【宮崎花旅365】の6地域である。

筆者の独断であるがこの6つの地域で欧米人の間で人気が沸騰しそうなのが①の【北海道ガーデン街道】と④の【にいがた庭園街道】である。【北海道ガーデン街道】は大雪―富良野―十勝を結ぶ全長約250kmの街道で、街道沿いに8つの周囲の自然と一体化した素晴らしい庭園が存在する。8つの庭園は、【大雪森のガーデン】(上川町)、【上野ファーム】(旭川市)、【風のガーデン】(富良野市)、【千年の森ガーデン】(清水町)、【真鍋ガーデン】(帯広市)、十勝ヒルズ【丘の上ガーデン】(幕別町)、紫竹ガーデン(帯広市)、【六花の森】(河西郡中札内村)で、日本庭園があるのは真鍋ガーデンだけで後の庭園はブリテイッシュスタイルで、ガーデンツーリズム発祥地のイギリスではこれらの庭園は高く評価されている。

【にいがた庭園街道】は村上市を起点とする新潟市までの全長約150kmの国道290号線である。この街道周辺は江戸時代~昭和初期にかけて日本有数の大地主(1000町歩以上を所有)であった豪農邸宅と日本庭園、見事な庭園のある寺院が集中している。さらに日本を代表する穀倉地帯なので日本の原風景とも言える里山や水田、棚田、集落や山々が続く潤いのある光景は訪れる欧米人を魅了すると思われる。

この登録制度によってこれからも【訪日外客数】は増え続ける可能性が高まったと言えるであろう。   (おわり)

 

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2019年5月22日 (水)

日米物品貿易協定交渉において日本政府は日本車の米国への輸出台数制限を受け入れるのか

2019年4月15~16日の両日にわたり【日米物品貿易協定交渉】の第1回の閣僚級会合が米国の首都ワシントンで開催された。出席者は日本側が茂木敏充経済再生大臣、米国側がハードなネゴシエイターとして知られるロバート・ライトハイザー米通商代表部代表であった。会談は双方の立場を主張しあっただけで終わった。米国が重要視している品目は【農産物】と【自動車】である。この2つの生産の中心地は、中西部から東海岸にかけての米国の穀倉地帯とラストベルト(寂れた工業地帯)が重なっている地域で、トランプ大統領誕生に大きく貢献した地域である。

2000年代前半までは世界の【自動車産業】をリードしていたのは米国で米国の【GM】(ゼネラルモーター)、【フォード】、【クライスラー】はビッグ3と呼ばれ他国のメーカーの追従を許さななかった。米国民の誇りであったビッグ3の凋落の契機となったのは2008年秋に起こった【リーマンショック】である。37年間、販売台数世界一の座に君臨してきた【GH】は破綻して、一時国有化され、【クライスラー】はイタリアメーカーの【フィアット】の傘下に入った。

昨年、【GM】は世界の7つの工場を閉鎖すると発表し、【フォード】は1昨日、世界の従業員の約10%に該当する7000人を解雇すると発表した。【クライスラー】も今年に入って主要市場の米国と中国で販売台数を減らしている。

今や世界の自動車産業をリードしているのは日本の乗用車メーカー8社(トヨタ、日産、ホンダ、スズキ、マツダ、スバル、三菱、ダイハツ)である。日本8社の2017年の世界生産台数は2847万0284台、2018年が2850万7298台で、国内生産が約1000万台、海外生産が約1900万台である。今後、海外生産は中国、東南アジア、インドを中心さらに増えるであろう。

トランプ大統領は日本やEUに対して25%の関税を上乗せする意向を示していたが米国市場が縮小傾向に陥っている現況から日本メーカーの米国への投資は多くを望めないと判断したと思われる。ここ数日の米国メディアはトランプ大統領は日本車の輸出台数制限を【日米物品貿易協定交渉】で要求するであろうと報じている。

日本メーカーは幾度となく米国政府の干渉に妨害されてきたがその都度企業努力によって日本車の販売台数の拡大を図ってきた。2018年の米国の新車販売台数は1772万台であったが、日本車は日本メーカー6社で663万台販売した。新車販売台数の37.1%が日本車であった。日本からの輸出台数を制限されてもメキシコやカナダなどから輸出して補えば販売台数は確保できるがトヨタは従業員や傘下の部品メーカーのために国内生産台数の下限を300万台に設定している。2017年のトヨタの北米向けの輸出台数は71万5000台であった。

日本政府は国内の農業を保護するために再度日本の自動車メーカーを犠牲にするのであろうか。輸出台数の制限を受け入れれば最も影響を受けるのは【トヨタ】と【スバル】である。   (おわり)

 

 

 

 

 

 

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2019年5月20日 (月)

世界標準から外れている日本の最低賃金

5月14日に開かれた政府の【経済財政諮問会議】で民間議員の一人サントリーホールディングスの新浪剛志社長が最低賃金の5%程度の引き上げを求めたことが議事録から判明し、注目を集めている。【最低賃金】とは雇用主が支払うことができる賃金の下限を定め、その限度額以上の支払いを法的強制力を以て義務付ける制度である。

パリに本部を置き、加盟国の経済発展や開発途上国への経済援助などを目的とする国際機関【OECD(経済協力開発機構】の資料によれば、オランダを100とする【購買力平価】に対する最低賃金の国際比較は【フランス】が96.3%、【英国】が90.1,【カナダ】が89.9、【米国】が79.5、それに対して【日本】は65.2と最も低い。中間賃金に対する最低賃金の比率でも、【フランス】が60.0%、【オランダ】が47.1%、【英国】46.1%、【カナダ】が45.0%、【米国】が38.8%に対して【日本】は37.0%とここでも日本は最低である。つまり日本の最低賃金は先進国の中ではイタリアを除けば一番低い。但し日本の物価は先進国の中では低い部類に入るので一概に非難はできない。

【最低賃金】の決定の仕方は以下のように3通りある:①ドイツに代表される【労使間の労働協約】、②米国の法定最低賃金、連邦政府の公正労働基準法と9割の州が定めた州別【最低賃金】を加味して決定する。③公労使三者構成の審議会で決定する。

日本では厚労省の中央最低賃金審議会(厚労相の諮問機関)の審議によって決まる。日本の【最低賃金】が国際的に異常なのは地域によって最低賃金が異なることだ。因みに2018年10月1日から導入された【最低賃金】の全国平均は874円であるが1位の東京は最低賃金は985円、2位の神奈川県が983円、3位の大阪府が936円、筆者の住む栃木県は13位で826円、最低の31位の鹿児島県の最低賃金は761円と東京都とは時給で224円もの差がある。地域別の【最低賃金】決定は東京、神奈川への一極集中を促進するという皮肉な結果に終わっている。この地域格差を是正しようという動きが当然のことながら国会議員の間で広がっている。

最低賃金の引き上げは内需の拡大を意図しているのであるが地域別最低賃金の引き上げではさしたる効果は望めないと思われる。痛みを伴うが全国均一の【最低賃金】を目指すべきであろう。さらにその先には日本は終身雇用制度に決別して非正規雇用の比率を引き下げることを視野に入れるべきであろう。約4割の非正規雇用はあまりにも異常である。   (おわり)

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2019年4月24日 (水)

設置企業の真剣度が問われる企業主導型保育所

東京都の23の特別区をはじめとして人口が増え続けている大都市圏では【待機児童】問題は行政が解決すべき喫緊の課題であった。その【待機児童問題】の解決の切り札として政策化されたのが【企業主導型保育所】の設置である。この【企業主導型保育所】は地方自治体にとっては【待機児童】の解消に寄与するし、設置する企業にとっては従業員の確保を容易にし、定着率を高め、従業員の福利厚生の充実に役立つ。さらに保育児童を抱える保護者にとっても深夜時間や短時間の託児が可能などという利点があった。この制度がうまく機能すればであったが。

【企業主導型保育所】の事業費は2016~18年度の3年間で約3800億円が【施設整備費】や【運営費】名目の助成金として【企業主導型保育所】に支払われている。2018年1月31日の時点で新設された施設は2190施設で定員は50万0091人分であったが11月30日の時点では407施設増えて2597施設となった。助成金の支払額の一例を挙げれば東京都の23区内で新設する場合、定員12人、保育士比率50%以上で【施設整備費】が8000万円、【運営費】が2600万円である。

【企業主導型保育所】が3年間で約2600も新設された原因は都道府県の監督を受けることなく、申請すれば施設の設置を認められたこと、認可保育園より人員(保育士)の配置基準が緩和されたこと、助成金を支給する権限を与えられた内閣府管轄の公益財団法人【児童育成協会】が施設数を増やすことと事業費を消化することを優先させたためチェックが厳しくなかったことなどが挙げられる。

施設の【質】より【量】を追求した結果、【企業主導型保育所】は多くの問題が噴出し、国会でも取り上げられることとなった。国の税金の使途を精査する【会計検査院】が【全国200の企業主導型保育所】を調査した結果、開所から1年以上経過しても定員の半数以下の施設が72カ所と3割を超え、定員が20%未満という施設は27施設で国の助成金などの効果が表れていないことが判明した。この調査結果を受けて会計検査院は内閣府に改善を要請した。

企業側は施設を作りはしたがその運営を【パソナ】などの保育施設運営業者に運営を委託したために、委託業者は利用者の要望を優先することなく利益を優先したために、保育士の待遇は悪く、保育士不足に陥り、利用者からはそっぽを向かれたのである。設置企業自らが運営に携わることなくして定員の充足率の向上はない。   (おわり)

 

 

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2019年4月19日 (金)

安倍首相の側近萩生田自民党幹事長代行が消費税率引き上げ延期を示唆する発言を個人的見解と弁明

安倍晋三首相の側近中の側近の一人というマスメディアからの評価を得ている萩生田(はぎゅうだ)光一自民党幹事長代行は4月18日の【DHCテレビ】のネット番組で「6月の数字(7月1日に発表される日銀短観=企業短期経済観測調査)をよく見て『この先危ないぞ』と見えてきたら、崖に向かって皆を連れていくわけにはいかない。違う展開はあると思う。」と述べ、【日銀短観】を含め各種の指数に景気悪化の兆しが見えた場合には【消費税率の引き上げ】延期もありうるとの見解を示唆した。

この【萩生田発言】に対して麻生財務大臣、菅義偉官房長官や経済3団体の一つの【日本商工会議所】の三村明夫会頭などから批判的な見解が続出して萩生田氏は19日に釈明会見を開き、「安倍総理大臣と意思の疎通をしたわけではなく、政治家的として私個人の見解だ。政府の方針に異議を唱えたつもりはない】と弁明した。政府与党の幹部は時折、世論の反応をみるためにアドバルーン発言を行うのが常套手段で、当然のことながら安倍総理の了解は得ているのであろう。

2014年4月1日から消費税率が5%から8%に引き上げられたがその際に財務省は消費税対策は十分に行ったので税率引き上げ後に景気が悪化する可能性は極めて低いと安倍首相を説得して消費税率引き上げに成功した。しかし、景気はその後減速してた。前例があるので安倍内閣は消費税率引き上げには慎重なのである。そのために安倍首相は2回消費税率10%への引き上げを延期してきた。

10月1日に予定通り消費税を10%に引き上げた結果、経済状況が悪化すれば安倍内閣は任期を2年を残して【レイムダック(死に体)】化する可能性がある。古今東西の歴史を紐解けば解るように権力者が引退を明言した時から求心力が急激に衰えるのである。歴史に名を残したい安倍首相は引退寸前まで求心力を維持したいのであろう。あるいはロシアのプーチン大統領や中国の習近平国家主席のように長期政権を夢見て自民党総裁4選を視野に入れているのであろうか。

ともかく、萩生田発言は政界に波紋を広げたことになる。消費税率引き上げ延期の際には国民の信を問う必要があるとも萩生田氏は言及している。衆参同日選を示唆する発言で野党にブラフをかけているとも考えられる。   (おわり)

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2019年3月29日 (金)

日本の現状を反映した2019年度予算成立

2018年度予算が3月27日に成立した。【一般会計予算】の総額は初の100兆円を超える101兆4564億円である。                    【歳入】の内訳は【税収】が前年比5.8%増の62兆5000億円、【税外収入】が前年比27.5%増の6兆3000億円、【国債発行額】が前年比3.0%減の32兆7000億円。                                          税収増の要因は法人税増と10月1日から始まる消費税率の2%アップである。【税外収入】は日本銀行や中央競馬会の国庫納付金や【特別会計】の積立金や剰余金と【独立行政法人】の基金返納のいわゆる【霞が関埋蔵金】である。今年度の税外収入の増加の原因は【預金保険機構】からの繰入金(埋蔵金)1兆3601億円。                                           【国債発行額】の減少は日銀が購入した国債のうち満期を迎えた国債は日銀が廃棄処分にして元金を国から回収しないので返済のために確保した国債費が余って毎年繰り越されているからである。繰り越された国債費は補正予算の財源などに転用されている。            【歳出】の内訳は金額が多い順から【社会保障費】前年比3.2%増の34兆1000億円、【国債費】が前年比0.9%増の23兆5082億円、【地方交付金】が前年比3.0%増の15兆9895億円、【その他】が前年比6.6%増の15.7兆円、【公共事業費】が前年比15.6%増の6兆9099億円、【防衛費】が前年比1.3%増えて5兆2574億円。

今年度予算が100兆円の大台を超えた原因は10月からの導入される消費増税への対策のための臨時の特別の措置の費用2兆0280億円である。その内訳は、キャッシュレス決裁をする人のためのポイント還元費用としての2798億円と2歳以下の子どもがいる家庭と低所層向けの【プレミアム付き商品券】発行費用の1723億円さらに消費税対策とは言い難い防災・減殺対策の1兆3475億円。         予算額の3分の1を超える【社会保障費】は自然増分の費用が4768億円と幼児教育無償化や子育て支援のための7157億円の合計1兆1925億円が前年より増えた。                                                 【公共事業費】は昨年の西日本の豪雨や北海道胆振地震の復旧のための費用などで昨年より9310億円増えた。この結果、公共事業費は07年当時の高い水準となっている。                                                 【防衛費】は陸上配備型ミサイル防衛システム【イージス・アショア】や最新鋭スティルス戦闘機【F35A】の米国の高額武器の購入費用で前年より663億円増えた。高額武器の購入は日米貿易摩擦の解消対策という側面がある。                      【その他】の予算の中で比重が高いのが前年比4.7%増の【文教・科学振興費】の5兆6025億円。日本の経済を支えているのはGDPの約20%を占めている【製造業】であるが製造業の発展を支えるのは科学技術である。【文教・科学振興費】は未来への投資であり、惜しんではならないのである。                                                      今年度予算は日本の現状の課題に対応した予算という意味で評価されるべきであろう。   (おわり)

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2019年2月12日 (火)

戦後日本の官庁が手を染めた最大の不正は財務省の国民借金説

ここ数年日本の官僚機構の退廃は目を覆いたくなるような惨状を呈している。
2014年5月に各省庁の審議官以上の幹部職員の人事権を握る【内閣人事局】が内閣府の中に新設された。これが官僚機構退廃の最大のげんいんであろう。これまでの各省庁の人事権は各省庁が掌握していて各省庁のトップである大臣にさえ幹部職員の人事に例外はあったが嘴(くちばし)を挟ませなかった。
各省庁は政策を実現させるために政策の基となる資料の数値の水増しなどの不正を日常茶飯事のように実行していた。全ては【省益】のためであったと言われている。
だが14年の6月以降から各省庁の人事権が【内閣人事局】に移譲されたことによって各省庁の個人的なスキャンダル以外の不正行為は【安倍内閣】に迎合するために(【忖度】と呼ばれている。)実行されるようになった。高級官僚は人事権を【内閣人事局】に握られ、内閣に逆らえなくなったためである。
審議官以上の幹部職員が内閣の方針に【異】を唱えれば昇進が停止し、左遷か事務次官争いから脱落し、退職(天下り)を余儀なくされるからだ。一方、【忖度】によって内閣人事局に評価された官僚は出世をすることになる。
これまで一枚岩と思われていた各省庁は一枚岩ではなくなり、上昇志向の異常に強い一部の幹部職員は【内閣】に迎合して省益を無視する行為を平然と行うようになった。その典型的な例が財務省の理財局長であった佐川氏の【森友学園】への国有地売却に関連する文書の改竄の指示である。佐川氏は財務省の財務畑や理財畑出身の官僚の最高位の国税庁長官の座を射止めた。
【森友学園】と【加計学園】の問題が国民の反発を買って2016年と17年には安倍内閣の支持率が下がったこともあり、昨年はさすがに新たな官僚機構の不祥事は発覚しないと思っていたが年末の12月になって【厚労省】の継続して行われている【毎月勤労統計】の不正が火を噴いた。 【毎月勤労統計】とは、賃金の動向等を調査し、景気の分析や労働保険の給付金等の算定に用いられる重要な統計である。
【毎月勤労統計】の不正は、本来ならば東京都の常用労働者数500人以上の事業所を全て調査すべきところを、2004年からサンプル調査で手抜きし、3分の1の事業所しか調査してこなかったのである。
東京都の勤労所得は全国で一番高い。ところが調査では東京都の企業数のが少なかったことにより賃金の水準が実勢賃金を下回ることになり、賃金の統計値は実際より低くなった。
手抜き調査の実態に気付いた【厚労省】は2018年1月に調査方法を改善した。その結果、賃金水準は高くなった。ところが、2017年までの調査の統計数値は改めなかったので2018年になって賃金の上昇率が高くなったのである。賃金の伸びが高く見えるような修正が18年に安倍政権の下で行われた。これは【厚労省】の統計担当部門の安倍内閣に対する【忖度】ということになるのであろう。
ただこの問題は今国会で騒いでいるが真相は解明されることはないであろう。証拠となる文書が存在する可能性は極めて低いからだ。
これまでの最悪の不正というか国民を騙した行為は財務省が発表する日本政府の債務問題である。財務省は2018年5月10日、2018年3月31日時点での日本政府の債務残高は1087兆8130億円で、そのうち国債残高が959兆円1413億円と発表した。この発表を受けて【日本経済新聞】は同日に配信した記事の中で「国民一人当たりの借金は859万円」と記している。
借金をしているのは日本政府であって、日本国民ではない。その証拠に日本政府が発行した国債はメガバンクを中心に金融機関が購入し、金融機関は購入した国債をその金融機関の預金者などに売却している。国債を購入した一般国民は毎年、1%にも満たない国債の利息を得ている。利息を得ている人が借金主であるはずがない。
日本国債は財政赤字を埋め合わせするために発行される赤字国債(普通国債あるいは特例国債)と財政投融資債に分かれていて政府が返済の義務のある国債は厳密に言えば赤字国債分だけで2018年3月末の赤字国債残高は約864兆で残りの約95兆は財政投融資債であるからこれらは特別会計で処理されていて日本政府の借金ではない。
残りの128兆円の国債は90%以上は短期国債で、短期国債は米国債などの外国債の購入に使われているので借金とは言い難い。日本政府の借金は約864兆円というのが正しい。さらに日本政府は650兆円を超える資産を保有している。そのうちすぐに換金できる金融資産(独立行政法人などへの出資金、NTTやJT、日本郵政の株式など)が300兆円を超えている。864兆円から300兆円を差し引くと564兆円程度となる。
日本政府の子会社の日本銀行は2018年3月末の時点で国債445兆9000億円を保有している。国債には財政投融資債が含まれているので日銀保有の普通国債は440兆円程度となる。政府は子会社日本銀行の保有する国債に利息を払っていないし、満期が来ても元金を返済もしない。日銀保有の普通国債約440兆円は実質的には債務とならないので日本政府の実質的な債務残高は124兆円程度となり、日本政府は世界一の健全な財政状況を維持していることになる。
財務省も日本のマスコミも長年、嘘をつき続けたので今さら真実を公表できないのである。   (おわり)


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2019年1月16日 (水)

東京地検とゴーン前日産会長の法廷闘争は長期化の見通し

【東京地検特捜部】は18年11月19日、ルノー・日産・三菱自動車の会長を兼務するカルロス・ゴーン容疑者を【金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載】容疑で逮捕した。ゴーン氏逮捕の報道は世界中を駆け巡り、世界中に衝撃を与えた。
世界を代表する大手自動車メーカーの一つの【ルノー・日産連合】の代表取締役会長のゴーン氏の逮捕に【東京地検特捜部】が踏み切れたのは、容疑を裏付ける供述をする代わりに、罪を減免する司法取引が日本でも18年6月から施行されることになからであり、ゴーン氏逮捕は日本における【司法取引】の第1号となった。
【東京地検特捜部】が【金融商品取引法違反】(有価証券報告書の虚偽記載)という形式犯の違反容疑でゴーン氏を逮捕したのは日本の国内捜査の範囲内で裁判に勝てると判断したためと言われている。
【有価証券報告書】は投資家の投資判断の材料となる企業の毎年の財務状況や役員情報を記載したもので虚偽の記載は禁じられている。役員情報の一環である役員報酬の個別開示は、09年度の決算から1億円以上の役員報酬の開示が義務付けられた。ゴーン氏の逮捕容疑の【有価証券の虚偽記載】は株式市場に対する重大な裏切り行為である。
【金融商品取引法違反】は10年以下の懲役か1000万円以下の罰金であり、決して軽い罪ではない。
【東京地検】は18年12月20日にゴーン容疑者の10日間の勾留延長を【東京地裁】に求めたが地裁は地検の請求を却下した。地裁の【勾留申請却下】は東京地検にとっては想定外であった。これまでの例では勾留延長がみとめられていたからだ。
この勾留申請却下は容疑者の長期勾留を認める日本の司法制度に対する国際的な非難に東京地裁が配慮した結果と思われる。ゴーン容疑者が短期間で保釈となれば司法取引に応じて東京地検特捜部の捜査に協力した日産の役員や社員が態度を翻すことを恐れた【東京地検】は21日にゴーン容疑者を会社法違反(特別背任)容疑で再逮捕した。
ゴーン容疑者の逮捕容疑が市場への裏切り行為から日産への裏切り行為へ力点が移ったことによってフランスのマスコミの論調に変化が表れ出した。19年1月15日、フランスの夕刊紙で国際的な評価の高い【ル・モンド】は論説委員の「ゴーン氏をルノーのCEO(経営最高責任者)から解任すべき」と主張する記事を掲載した。
この記事に呼応するかのように16日にはフランスで最も古い歴史を持つ日刊紙【フィガロ】は、 【ルノー】が20日の取締役会で新しいCEOに現在暫定CEOのティエリー・ボロレ氏、会長にフランス・タイヤ大手ミシュランCEOのジャンドミニク・セナール氏を選任する可能性があると報じた。また、経済紙【レゼコー】はトヨタ自動車のディディエ・ルロワ副社長が新たなCEOとして浮上していると報道。ゴーン被告が保釈されないことを受け、ルノー側が日産との提携関係を強化する戦略に舵を切ったと思われる。
いずれにしろ日産とゴーン氏の法廷闘争は長期化することは必定であろう。   (おわり)


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