カテゴリー「7地方分権への提言」の記事

2019年4月22日 (月)

宇都宮市議会自民党単独過半数獲得は今後の選挙では微妙な情勢

地方統一選挙前の宇都宮市議会定数45のうち2議席が欠員でであったことから43議会の勢力分布図は、2つの自民党系議員の会派のうち【自民党議員会】の所属議員数は16人、【自民クラブ】が7人の合計23人でかろうじて過半数を超えていた。与党公明党は6人であったので連立与党としては29議席なので安定多数を確保していた。

2019年の宇都宮市議会議員選挙前に市議会会派【自民党議員会】所属16人の議員の中で3人が引退を表明、【自民クラブ】では1人が引退、1人が県議選立候補のため辞職を表明した。その結果、自民党系議員の現職は22人が再選を目指して立候補した。自民党系の新人の立候補者は6人で合計で28人が立候補したが、現職では3人が新人では1人が落選して24人が当選してこれも過半数を1議席上回っている状態である。政党色ががはっきりしない無所属の新人議員が3人当選したのでその議員が全員自民党会派に参加すれば27議席となり、6人の公明党と連立与党を組めば33議席となり、市議会は盤石の体制になる。

今回の選挙結果の特徴は野党陣営が4人の女性の新人候補を擁立して4人全員を当選させたことである。現職の女性議員は自民党2人、公明党2人、野党会派の【市民連合】1人、共産党1人の6人であったがこれで10人となり、全議員数の2割を超えたことになる。さらに自民党で目立ち出したのが世襲議員が徐々に増えていることである。今回は新人で福田富一現栃木県知事の次男福田陽(あきら)氏(35)が5729票を獲得して2位当選を果たした。福田氏の実父も政治家の出発点は宇都宮市議であった。4064票を得て6位当選した熊本和夫氏(44)と4015票の7位当選の篠崎圭一氏(53)、それに塚田典功(のりかつ)氏(60)も世襲議員である。落選した増渕一基氏(50)も父親は栃木県議であった。世襲議員は自民党の専売特許ではない。【市民連合】の4363票を獲得して5位当選した福田智恵氏(54)は【機械・金属産業労組】の組織内議員であるがこの労組を父親から受け継ぎ世襲議員である。

宇都宮市は昭和と平成の市町村合併によって人口と市域を拡大してきたが宇都宮市に編入された旧村には地域の縁故関係を基にした地域の組織が色濃く残っている。そうした宇都宮周辺地域の共同体の代表として選挙を戦う自民党の議員は選挙地盤が強固で上位当選する可能性が高い。今回3位当選した岡本芳明氏(70)は旧清原村、9位当選の小林紀夫氏(57)は旧豊郷村を地番にしている。さらに市議の登竜門と言えるのが公立小・中学校のPTA会長職を経験することである。今回の新人の当選者のうち4人はPTA会長経験者であった。地域の人たちとの繋がりが強固なるからである。

都市化が進めば進むほど地域社会が崩壊し、自民党議員が当選する可能性が低くなるのが全国的な傾向であろう。今回の市議選は宇都宮市では自民党が市議会で単独過半数を獲得することが困難になる時代に突入したことを示しているのかもしれない。政党や労働組合などの堅固な組織を後ろ盾にしない限り連続当選は難しいからである。   (おわり)

 

 

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2018年11月17日 (土)

幼児保育無償化で負担増となる内閣府案に市長会反発

自民党は2017年衆院選における選挙公約の項目の一つ【経済再生】の【人づくり革命】の中で「2020年度までに、3歳から5歳まですべての子供たち、低所得世帯の0歳から2歳児の幼稚園や保育園などの費用を無償化します。また、待機児童解消に向けて、「子育て安心プラン」を前倒しし、2020年度までに32万人分の保育の受け皿整備を進めます。」と記していた。
【幼児保育無償化】は2019年10月から始まるが【全国市長会】は11月14日、【幼児保育無償化】に関する会合を開いた。この会合で内閣府は消費増税で地方も収入が増えることから、私立保育所・幼稚園の運営費は国が2分の1、都道府県と市町村が各4分の1、公立保育所・幼稚園は市町村が全額という今の負担割合を無償化後も維持する案などを示した。
【全国市長会】とは全国809市の市長が加盟する連合組織で、市長間の連絡協調を図り、市政の円滑な運営と進展により地方自治の興隆繁栄に寄与することを目的とする。
ところで、政府は昨年秋の衆院選の際、【幼児保育無償化】の中身の詳細を決めずに選挙戦を闘い自民党は勝利した。2009年の第45回衆院選で民主党が政権を獲得するために【子ども手当】の給付を選挙戦の公約に掲げ、財源を示さずに闘い、政権獲得後その【つけ】を払わされた。
【幼児保育無償化】の財源は消費税の増税分を充てるので問題はないが無償化の費用の負担割合に関しては今後一波乱も二波乱もありそうである。
というのは菅義偉官房長官は6月6日と8月30日に市町村に対して「無償化については全額国費で負担するので、市町村には迷惑をかけない」と説明しているからだ。市町村側は【無償化】の費用は全額国の負担ということで安心していたところ菅官房長官のお膝元の【内閣府】が市町村側に負担を求めてきたからだ。
もっとも【内閣府】とすれば全額国費負担で決まってしまえば【内閣府】は政治家の圧力の前には無力であることを露呈し、存在価値を国民から問われかねないので菅官房長官の了解を得た上で市町村側の負担を求めたとも考えられる。最終的には全顎国費負担で落ち着くということであろうか。
それにしても日本の地方自治とは名ばかりで地方自治体は実質的には国の出先機関と化していると国民から批判されても弁解の余地はないかもしれない。【地方創生】を言葉だけで終わらせないためには現今の【地方交付税交付金】制度を廃止して消費税の地方への分配割合を多くして財政的に地方自治体の裁量権を高めるべきであろう。消費税は【地方】が稼ぎ出した税金だからだ。
日本国憲法では【地方自治権】が認められていながら日本の地方自治の実態は悲しむべき状態にある。   (おわり)

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2018年10月 3日 (水)

沖縄県知事選での与党推薦候補の大敗の原因は何なのか

9月30日投開票の沖縄県知事選終盤戦に関するマスメディアの見立ては自民党、公明党、日本維新の党が推薦する前宜野湾市長佐喜真淳候補(54)が先行する自由党前幹事長で衆院議員(沖縄3区)の玉城デニー候補(58)を激しく追い上げているというものであった。
ところが開票を終わってみれば玉城候補が39万6632票を獲得したのに対して佐喜真候補の票は31万6458票で約8万200票の大差がついた。まさに大敗であった。
沖縄県を考える場合に避けて通れないのが米軍専用の基地の存在である。米軍だけが使用している基地(米軍専用施設)は日本にあるもののうち、その面積の約70%が沖縄に集中して沖縄の県土の約15%を占めている。
今回の知事選の最大の争点は世論調査の結果によれば52%の有権者が【基地問題】を挙げていた。
ところが、佐喜真候補陣営の選挙戦略は意図的に【基地問題に触れない】ことであった。その戦略を端的に表していたのが菅義偉官房長官の街頭演説であった。
菅氏は9月16日、那覇市内での街頭演説で、候補者の佐喜真淳氏、小泉進次郎衆院議員と並び、「携帯料金4割値下げ」を徹底アピール。テレビカメラの前でパネルを使ったアンケート調査までやってみせた。しかし、携帯料金の価格決定の権限は県知事はもちろん政府にもない。知事選の争点にはなりえない事項を街頭演説で取り上げたどいうことは動員をかけられて集まった那覇市の自民党・公明党支持者に肩透かしを食わせたことになる。
沖縄県は野党勢力が強い県の一つである。民主党政権下で行われた2010年の参院選での自民党が獲得した比例代表の票は9万3385票、公明党が9万4905票、【民主党】が11万8415票、【社民党】が12万0044票、【共産党】が36155票であった。自民党が政権奪還した後の2013年の参院選で【自民党】が獲得した票数は14万0234票、【公明党】が90990票、【日本維新】が69237票、【民主党】34431票、【社民党】が10万7391票、【共産党】が51346票、【生活の党】(現自由党)が11411票であった。
2016年の前回の参院選では【自民党】の獲得票数は12万3197票、【公明党】が10万4388票、【日本維新】が59385票。【民主党】が40354票、【社民党】が18万3344票、【共産党】が27476票、【自由党】が15412票であった。
2014年の前回の知事選で野党勢力と自民党の一部勢力が支援した翁長雄志の得票数は36万9820票、自民党が支持した現職の仲井真弘多知事の票は26万1076票で10万票の大差で現職が敗れた。
今回の知事選ではこれまでの知事選では旗色を鮮明にしてこなかった【公明党】が自民党とともに【佐喜真候補】を推薦した。ところが選挙では一枚岩になると思われた【公明党】の票が佐喜真氏の得票に反映しているとは思えない選挙結果であった。
自民党の一部の関係者の間では、菅官房長官の街頭演説が【公明党】票を離散させてしまったと囁かれているという。自民党は普天間基地の名護市辺野古への移設を選挙の争点として堂々と取り上げるべきであったのかもしれない。だが最大の敗因は佐喜真候補後の知名度不足である。   (おわり)
 

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2018年5月28日 (月)

日本初のLRT(次世代型路面電車)新設工事始まる。

栃木県の首都宇都宮市(2018年4月1日人口51万9025人)のJR宇都宮東口と芳賀町の本田技術研究所北門を結ぶ葯15kmのLRT(次世代型路面電車)の新設工事が5月28日始まった。このLRTは従来の鉄道路線を使用しないLRT全線線が新設される日本初のLRTである
総工費は458億円(宇都宮市区間の工事費約412億円、芳賀町区間工事費約46億円)で所要時間は約44分。LRTは1997年に当時の建設省(現国土交通省)が年間約5000億の剰余金が生まれる【ガソリン税】(道路特定財源)を活用して「路面電車(LRT)走行空間改築事業を創設したことが端緒である。
建設省はLRTを全国の都市に普及させようとしてまず白羽の矢を立てたのが公共交通が未発達の宇都宮市であったとされる。当時の渡辺文雄栃木県知事が農水省事務次官経験者であったことから事業主体となる宇都宮市ではなく栃木県に打診したと言われている。このボタンの掛け違いから当時の増山道保宇都宮市長は不快感を抱きLRT導入には背を向けたのである。
その結果、栃木県がLRT導入計画の主導権を握り、県は「LRT対策室を設置し、室長は国からの出向となった。ところが、LRT導入に積極的であった渡辺知事が2000年11月19日の知事選で5選を阻止され栃木県主導のLRT導入計画はとん挫してしまった。LRT計画が再び日の目を見たのはの2008年の市長選で佐藤栄一市長が再選されて以降である。
2008年の市長選ではLRT導入が選挙の争点になったがLRT反対の野党候補が3人出馬したために佐藤市長が次点の候補者ダブルスコアで圧勝した。但し、野党候補の得票の総計は80005票で当選した佐藤市長の得票は80529票なので野党候補が一本化されれば激戦となったかもしれない。LRT反対派は候補者を一本化できれば勝てる可能性があると淡い期待を抱く結果となった。
2012年はLRT導入反対派は候補者擁立を見送ったが2016年には野党は統一候補擁立してフェイクニュースを垂れ流し、その情報を信じた一部市民が野党候補者に投票したために予想外の接戦となり、佐藤市長は約6200票の僅差で3選を果たした。
LRT導入で恩恵を受けるのは宇都宮市の過疎地帯を含む地域の一部住民である。宇都宮市のLRT導入の目的の説明が【交通渋滞の解消】に拘りすぎたために多くの市民の共感を得られなかったという側面がる。政策の目的は時間の経過とともにその理由は変化していく。LRT導入の目的は観光客の誘客に寄与するツールとして近年はその価値が高まったのである。
2017年の宇都宮市の観光客入れ込み数は1483万人で年々増加の傾向にあり、全国的に知名度の高い日光市や那須地域(那須塩原市、那須町)の観光客入れ込み数を凌駕している。
日本最初の【LRT】が走る街宇都宮は観光客をひきつける魅力が増えることになるに違いない。   (おわり)

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2018年5月27日 (日)

加計学園は獣医学部新設のために愛媛県に偽情報を流したのか

岡山市に本拠を置く「加計学園】が運営する岡山理科大学が愛媛県今治市に2018年4月【「国家戦略特区」を活用して開設した獣医学部の新設関連文書を愛媛県が5月21日、国会に提出したが提出した文書の中に、【加計学園】からの報告として、今治市が国家戦略特区に提案する以前の平成27年2月25日に、加計理事長と安倍総理大臣が面会し、獣医学部の構想を説明したなどと記載されていた。
安倍総理大臣は、当然のことながら文書に記載された2015年2月25日には加計孝太郎加計学園理事長には面会はしていないと面会の事実を否定し、文書の内容をも否定している。安倍首相は【面会否定】の根拠として大手新聞各社が伝える【首相の動静】に加計氏の名前が記されていないことを挙げている。
「【首相の動静】に記される首相官邸訪問者は官邸の正面入り口から入邸する訪問者だけである」と某新聞社の首相官邸詰めの記者は証言している。首相官邸にはほかに2~3の入り口があるので首相の説明は完ぺきとは言い難い。首相官邸への訪問者の入邸記録が既に廃棄されているというのも俄かには信じ難い。
加計学園側は5月26日、面会を記した文書の内容について「当時の担当者が、実際にはなかった総理と理事長の面会を引き合いに出し、県と今治市に誤った情報を与えてしまったように思う」というコメントを出し、面会について否定した。
加計学園が出したコメントがもし真実であれば【加計学園】は【今治市】という愛媛県の基礎自治体を安倍首相の名を出してペテンにかけて【岡山理科大学獣医学部新設】に漕ぎつけたこととなり、学部新設許可を取り消される罰則を科せられるに値する犯罪を犯したことになる。【加計学園】も【森友学園】と同じように真実を隠蔽するために嘘に嘘を塗り重ねる【負のスパイラル】に陥ったという見解が該当するかもしれない。
【加計学園】の5月26日のコメントに関して愛媛県の中村時広知事は「「「ありえない。事実なら県や今治市に謝罪し、記者会見して発表するという手順を踏むべきだ」と述べ、加計学園の対応を批判した。
加計学園がコメントを出したことにより【岡山理科大学獣医学部新設問題】は加計学園が【国家戦略特区】を活用して規制の壁を突破するために今治市を詐欺にかけたという【犯罪疑惑】が新たに浮上することになってしまった。
「加計学園問題】は際限のない政治問題化の様相を帯びてきた。長引けば長引くほど安倍首相の自民党総裁選の3選は遠のくことになる。   (おわり)

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2018年2月 9日 (金)

名護市長選の敗北で翁長知事の再選の可能性が低下が

2月4日投開票の米海兵隊の普天間飛行場の移設先となる辺野古を市域に含んでいる【名護市】の市長選で自民・公明・維新が推薦した元名護市議の渡具知(とぐち)武豊氏が辺野古移設の強硬な反対派の現職市長の稲嶺進氏を予想外の3000票を超える大差で破った。この選挙結果は辺野古移設反対派の革新陣営には衝撃を与えたに違いない。
今年は沖縄県は地方統一選挙イヤーである。本土の地方統一選挙は2019年4月であるが沖縄県は本土より1年早い1946年に米軍の施政下で地方統一選挙を実施したので本土より1年早く地方統一選挙が行われるのである。
ところで、2014年には地方統一選挙の一環として知事選が実施され、自民党の辺野古移設推進派であった翁長雄志(おながたけし)元那覇市長が沖縄県内の革新系勢力の支援を受けて知事選に出馬して当選した。その結果、翁長知事は宗旨替えをして辺野古移設反対勢力の旗頭となった
翁長知事がこの4年間で最も精力を注入してきたの【辺野古移設反対】に係る事柄であった。本来地方自治体の首長は自治体の住民の生活の質の向上に心血を注ぐべきなのである。翁長知事は知事本来の業務とは真逆なことを実行してきたことになる。
沖縄県では2014年以降2017年までに、宜野湾(ぎのわん)市長選(人口9万7149人、2018年1月1日現在)、石垣市長選(4万7801人)、糸満市長選(5万9830人)、宮古島市長選(5万1207人)、浦添市長選(11万4567人)、うるま市長選(12万160人)と6つの市長選が実施されたが自民党の推薦候補がいずれも大差で選挙戦を制している。
2018年に入って南城市長選(4万2988人)では辺野古移設反対派の革新系の新人が僅差で勝利を収めた。だが冒頭で述べたように2月の【名護市長選】では現職の移設反対派の市長が大差で敗れている。
5月には沖縄第2の都市【沖縄市(人口14万833人)、11月には豊見城(とみぐすく)市長選(人口6万2868人)、沖縄最大の都市那覇市長選(31万9167人)が実施される。
沖縄県の11の市の中で市長は辺野古移設反対派は翁長知事と中学、高校の同期生であった城間幹子那覇市長と市長に就任したばかりの南城市長の2人しかいない。
城間那覇市長を支える那覇市議会の与党の革新系市議団は前回の市議選で大敗を喫し、野党自民党に市議会の主導権を握られている。最大の票田那覇市の市長選で城間市長が知事選前の11月に敗れるような事態が発生すれば翁長知事の再選の可能性は極めて低くなる。
那覇市議会の自民党と公明党は新年度予算案の審議で強硬に抵抗し、新年度予算を成立させないという事態が起こりかねない。新年度予算案が否決されれば那覇市政は混乱し、城間市長の支持率は低下し、再選に赤信号が灯る。城間市長の支持率低下は翁長知事に波及するであろう。   (おわり)

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2017年12月10日 (日)

市民を置き去りにした対立を繰り返す福岡県太宰府市長と議会

一期目の市長との対立が続く福岡県太宰府市議会(定数18)は10月27日、臨時市議会を開き、芦刈茂市長(68)への不信任決議案を提出し、全会一致で可決した。これに対抗して、市長は地方自治法に基づき10月30日議会を解散した。
議会が解散されれば50日以内に市議会議員選挙が実施されるが太宰府市議会選挙が12月3日行われ18人の新議員が誕生した。しかしながら新市議会議員の中で市長支持を明言する議員は1人もいない。12月12日に開会予定の新たに選出された市議たちにとって初の市議会となる定例会で芦刈市長不信任決議案が再可決され、芦刈市長が失職する可能性が大きい
。地方自治法では、新議会で不信任案が再可決されれば市長は失職する。芦刈市長はその場合、市長選に再立候補するとみられ、市長選は来年1月中に実施されることになる。12月の市議選の費用は約4000万円、市長選の費用は約2500万円が見込まれているが市長選が実施されれば約6500万円が市民にとっては無駄な支出となる。。
芦刈市長は2015年4月の市長選で3選を目指した井上保広市長を390票の僅差で破り、激戦を制して市長の座を得た。芦刈氏は井上市長が有権者の11%を超える6478人の反対署名が集まったにも拘らず市の年間予算233億円(2017年度予算)の13%に相当する32億2000万円を投入して【総合体育館】建設を強行したたことに対して【箱物行政の象徴】として厳しく批判して【市政の刷新】を選挙公約に掲げ選挙戦に臨んだ。【市政の刷新】が一部市民の共感を得たことが勝利の原因である。しかし選挙の投票率が42.18%と前回よりも10.73%下がったことが芦刈氏の勝利の最大の要因かもしれない。
大宰府市は7世紀に九州の統治機関太宰(おおみこともち)を起源として発展してきたが、学問の神・菅原道真を祀る太宰府天満宮などの歴史遺産が豊富で年間700万人を超える観光客が訪れる観光都市である。その資源を活用する施策を打ち出すことなく芦刈氏が掲げた施策は中学校の完全給食の実施と市長給与の3割削減であった。芦刈市長は就任以来2年半が経過したが【中学校の完全給食の実施】は財源を捻出できず断念、市長給与の3割削減も実現していない。芦刈市長は【市政刷新】を公約に掲げたのであるから当選直後に市長給与の3割削減を実行して身を以て改革の強い意志を示すべきであった。
【箱物行政】の無駄を指摘しながら当選後は議会対策を怠り、議会との対立を激化させてその結果やらずもがなの市議会選挙を行い、来年の1月には市張選が行われる公算が大きい。市長選が行われれば2017年の太宰府市の当初予算には盛り込まれていなかった選挙費用の約6500万円が無駄な費用となる。
太宰府市の人口は約7万2000人(2017年10月1日の推定人口)で全国の地方の小都市の過疎化が進む中で人口が増えているという稀な玲である。現在日本の都市の中で最も発展している福岡市の商業圏(福岡市から16km)に含まれている影響なのであろう。
太宰府市の最大の資源は【観光資源】なのであるからこれを利用しない選択肢はない。福岡市を訪れるインバウンド(訪日外国人客)の誘客活動に官民一体となって太宰府市は取り組むべきである。芦刈市長は市議会で再び不信任決議案が可決されたならば市政を混乱させないために潔く身を引く決断をしてもらいたい。   (おわり)

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2017年11月20日 (月)

待機児童解消には企業の協力が不可欠

厚生労働省は9月1日に恒例の最新の(2017年)4月1日時点の全国の自治体別の待機児童数を発表した。ただし、この統計資料は日本の官僚機構の姑息さを映し出している。というのは日本では4月1日が官公庁でも地方自治体でも企業でも教育機関でも年度切り替えの初日に該当する。
教育機関では新入生はまだ入園や入学以前であり、児童数が一番少ない時期になる。保育園では待機児童数が一番少ない時期なのだ。一番少ない時期の待機児童数を公表しても待機児童数の実態を反映しているとは思えない。
それはそれとして全国の待機児童数は26,081人と前年比で2,528人も増えている。待機児童数の増加は雇用がが増えたことと表裏一体の関係にあり日本経済にとっては悲観すべき材料ではない。
【待機児童数】が最も多かった自治体は、昨年同様に東京都の世田谷区であったが、その数は861人と昨年の1,198人から337人減っている。これはここ数年【待機児童数】全国一であったことを奇禍として世田谷区が懸命な努力の結果が実った証でもある。
2位以下のランキングは2位が昨年同様、岡山市で849人、3位は東京都目黒区の617人、4位は千葉県市川市の576人、5位は東京都大田区の572人、6位は兵庫県明石市の547人、7位は大分市の463人、8位は沖縄市の440人、9位は東京都江戸川区の420人、10位は東京都府中市の383く。
【待機児童問題】の根幹には保育士の給与の官民格差と私立保育園の保育士の給与の低さと保育園の用地の確保の困難さが存在する。
基礎自治体の【市区町村】が運営する公立の保育園の保育士は一般行政職の公務員である。自治体によって多少の差はあるが40歳㈹前半で平均給料は月額31~33万台、賞与は130万円台後半である。それに対して2014年の資料で多少古いが私立の保育士の30歳代半ばの平均給料は21万6000円、賞与は67万円台であるから年収で200万円の差がある。
平均年齢で10歳前後の差があるにしても公務員は毎年昇給することを考慮すれば年収格差は年齢とともに拡大する傾向にある。給料の官民格差を解消するには国が保育士に直接給料を補てんする必要がある。補助金を保育園に給付しても保育士に渡らない可能性があるからだ。
用地確保に関しては待機児童数が多い自治体は東京の特別区や地方の主要都市で人口が多く、地価も高く、一定規模の土地は入手困難である。さらに用地を確保できたとしても周辺住民の反対運動が起こって開園が阻止される事例が多い。
これらの難問をクリアーする一つの方法は民間企業に要請して企業の事業所内に従業員の幼児専用の保育園を開設してもらうことである。余裕のある企業にとっては人手不足の解消にもなり、従業員の勤労意欲を高める動機にもなり、さらに従業員の定着率の向上に寄与する。減税と引き換えに厚労省は大手企業を中心に企業内保育園の開園を要請すべきであろう。厚労省は来年度予算に企業内保育園関連の予算を盛り込む予定であるという。   (おわり)

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2017年7月29日 (土)

大雑把な問題発言を繰り返す山本幸三地方創生相

7月27日に岩手県盛岡市で開かれた全国知事会の席上で山本幸三地方創生相がまたしても検証不十分な「アメリカを見てみれば、よい大学は田舎にしかない。それで、ニューヨークやワシントンの国際競争力がなくなったことはない。ハーバード大はボストンの郊外にあり、スタンフォード大だって田舎にある。大学は田舎にあって全然問題がない。むしろいい勉強ができる。東大を(地方へ)移した方がよいくらいに思っている。」という発言をして問題視されている。
アメリカの【よい大学】と言えば17~19世紀に創立された東部の【アイビーリーグ】を形成している以下の8つの私立大がまず念頭に浮かぶ。【ハーバード大学】は1636年創立のアメリカ最古の大学でマサチューセッツ州最大の都市ボストン(人口66万7000人)と川を挟んだ対岸の都市ケンブリッジ(人口10万人)に立地している。ケンブリッジ市は田舎とは言い難い、
【イエール大学】は1701年に創立され、コネティカット州南部の人口約13万人のニューヘイブン市に立地している。【ハーバード】のライバル校として知られ、法学と政治学では全米一の評価が高い。
【プリンストン大学】は1746年に創立され、ペンシルベニア州の学術都市プリンストン(人口2万8000人)に立地している。数学と物理学の分野で評価が高い。【コロンビア大学】は1754年に設立され、ニューヨーク市のど真ん中マンハッタン地区に立地している。【ペンシルべニア大学】は1755年に設立され、人口150万人のペンシルベニア州の最大都市ペンシルベニア市に立地している。【ブラウン大学】は1764年創立でロングアイランド州の州都プロビデンス(人口15万人)に立地。【ダートマス大学】1769年創立でニューハンプシャー州の小さな町ハノーバーにある。
アイビーリーグ加盟の大学の中で一番歴史が新しいのが山本幸三氏が大蔵省時代に留学した1865年設立の【コーネル大学】である。【コーネル大学】はニューヨーク州の人口2万9000人の小都市イサカ市にキャンパスがある。山本氏の発言は自身の留学体験が反映されているのであろう。
山本大臣が言及したもう一つの大学の【スタンフォード大学】はカリフォルニア州スタンフォードに本拠を置く大学であるが、広大な大学のキャンパスの一部を工業団地に造成してシリコンバレーを作り上げたのである。今や世界最先端の企業が集積している地域で田舎とは呼ぶには相応しくない。
山本地方創生相はマクロ経済を専攻したために個々の詳細に拘ることがないのであろう。そういう意味では各自治体によって状況が異なリ、きめ細かな対策を必要とする地方創生相に最も相応しくない政治家の範疇に入る。【アベノミクス】の提唱者とも言われる山本氏は息切れしている【アベノミクス】とともに8月3日の内閣改造で閣僚の座を去るべきであろう。閣僚の発言は【きめ細かな】配慮が欠かせないのである。
【観光】に関する滋賀県で開かれたセミナーでの「「一番のがんは文化学芸員といわれる人たち。一掃しなければダメだ」という事実を検証もせずに吐いた山本氏の暴言は許されるものではない。   (おわり)

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2017年7月18日 (火)

地方公務員の正規と非正規職員の収入格差の是正を急ぐべき

日本経済が高度成長期に入ったのは1960年代からであるがその切っ掛けとなったのが東京五輪の開催である。東京五輪開催に合わせた新幹線や東名高速道路の開通などのインフラ整備事業が経済成長の起爆剤となった。それに伴い地方自治体は企業誘致などによって人口増となり、地方自治体の職員である地方公務員数が増加した。s昭和40年(1965年)の地方公務員数は223万3000人であったが31年後の平成8年(1996年)には地方公務員の総数は328万2000人と105万人増えている。教育部門の充実や警察、消防部門の体制強化によって地方公務員の数は飛躍的に増えたのである
。平成8年をピークに地方公務員の数は減少に転じた。その主たる原因はバブルが弾けて公共事業費が大幅に削減され、建設関連部門の職員の新規採用が減ったからである。
地方公務員の7..5%削減を目指す自治省(現総務省)による【集中改革プラン】が始まった翌年の平成18年(2006年の地方公務員数は299万3000人に減っていたが10年後の平成28年4月1日時点の地方公務員数は273万7263人となった。
【地方公務員】の内訳は一般行政部門の総数は91万0880人、そのうち福祉関係を除く一般行政公務員数が54万6305人(全体ンp20.2%)、福祉関係公務員が36万4575人(13.1%)。【教育部門】公務員が102万1527人(37.3%)、【警察部門】公務員が28万6971人(10.5%)、【消防部門】公務員が16万0327人(5.8%)、【公営企業等会計部門】公務員が35万7558人(13.1%)である。
ところで、【集中改革プラン】によって地方公務員数は25万6000人削減したが人員削減によって住民サービスの質の低下は免れない。人員削減の原因は地方自治体の財政難であるので住民の不満を抑える苦肉の策として地方自治体は給与の安い非正規の公務員の採用に踏み切った。
その結果、地方公務員の非正規職員が増えている。都道府県と市区町村を合わせて2016年は約64万人と、【手中改革プラン】の実施を開始した05年に比べて4割増加した。全職員に占める比率は2割近くに達し、小規模な市町村では半数以上を占めるところがある。公立保育所の保育士などのほか、退職者の補充を非正規で対応してきた結果だ。ただ、5月に待遇改善を求めた【改正地方自治法】などが成立し、自治体は正規と非正規公務員の賃金格差の是正に向けての対応を迫られる。
【日本経済新聞】(電子版)は7月17日正午過ぎ、非正規公務員の増加について『全国1788自治体の非正規比率は19%で、05年より6ポイント高まっている。全体では国(17%)を上回る程度で、政令市を除く市区は32%、町村が35%と高い。財政難で非正規職員を増やして経費を抑制する動きがあるためだ。小規模自治体では民間委託が進んでおらず、直営事業を非正規が担うケースも多い。
 一方で、「官製ワーキングプア」といった批判もある。総務省によると時給は約千円。フルタイムでも年収は200万円程度にしかならないうえ、原則として契約は毎年更新で昇級もないためだ。地方自治総合研究所の上林陽治研究員は「賃金の安い非正規職員を都合良く使っているだけ」と指摘し、「同じ職場で正規、非正規の年収に2~3倍の差があるのは不合理だ」と批判する。』と配信した。非正規公務員の待遇改善のために、財政力のない自治体は55歳以上の職員の昇給を停止したりして財源を確保すべきであろう。   (おわり)」」

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