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2019年2月26日 (火)

辺野古への移設の沖縄県民投票の結果で何かが変わるのか

沖縄県宜野湾市に存在する米海兵隊【普天間基地】を沖縄県北部の名護市辺野古地区への移設に関する沖縄県民投票が2月24日(日)に実施された。
投票結果は、投票率が過半数をようやく超えた52.58%、【移設賛成票】が投票全体に占める割合は19.1%の11万4932票。【反対票】が占める割合は72.2%の43万4273票。【どちらでもない】が5万2682票であった。
【反対票】が有権者全体に占める割合は、有権者数が115万3591人であるから37.6%で、住民投票条例の規定により反対票が4分の1を超えたことから玉城沖縄県知事は安倍晋三首相とトランプ米大統領に県民投票の結果を通知することとなった。
そもそも【普天間基地】の移設問題の契機となったのが1995年の沖縄駐留の米海兵隊の2人の米兵を含む3人の米軍兵士による小学生少女暴行事件である。この事件によって沖縄の米軍基地に反対する運動や普天間基地の返還要求、基地の整理縮小や日米地位協定の見直しを要求する運動が起こった。
米軍基地移設問題は安全保障上や軍事戦略上の観点から議論すべき問題であるが基地返還や日米地位協定の見直しなどの政治課題が含まれたことが問題を複雑にしている。
日本側は普天間基地を移設するための論拠に「普天間基地は世界で一番危険な基地」という住民感情に訴える作戦を採用した。沖縄駐留の米海兵隊の幹部の見解は「普天間基地で一度も事故が起こっていない以上、世界一危険という日本側の見解は間違っている」ということになる。
1960年に締結された【日米安全保障条約】によれば日本は米軍に基地を提供する義務を負っている。1991年にベルリンの壁が崩壊して東西冷戦構造も崩壊した。その結果、日本にとっての安全保障上の脅威は韓半島や中国に移ったのである。つまり地政学的に日本にある米軍基地の75%が集中している沖縄の重要性が一段と増したのである。
さらに不都合なことは【安全保障音痴】のトランプ大統領と朝鮮戦争の際の北朝鮮からの難民という出自を持つ文在寅韓国大統領の誕生によって日本は現在、安全保障上最も危機的な状況下にあるのである。
トランプ大統領は米軍の韓国駐留経費は無駄であると明言している。トランプ大統領は人気取りと米軍の韓国駐留経費を削減するために北朝鮮の金正恩労働党委員長との首脳会談を行うということになる。米国内では政府関係者ばかりかマスメディアも会談は失敗すると予測している。北朝鮮が核兵器を放棄することはあり得ないと理解しているからである。
ところで、沖縄の重要性が増した以上、政府が沖縄県民投票の結果に影響を受けることなないであろうし沖縄の現状は何も変わらないであろう。   (おわり)

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2018年11月11日 (日)

曲がり角に来た外国人技能実習生制度

【法務省】によれば2017年12月末時点での日本在留の外国人実習生は27万4233人で、その数は茨城県の県庁所在地の水戸市(27万0289人 2018年10月1日)に匹敵するまでに増え、【外国人実習生】が日本の生産、加工、サービスの現場を支えている。
ところで、【外国人実習生制度】は1982年の「出入国管理及び難民認定法改正」によって【企業単独型】による外国人研修生の受け入れに端を発している。
経済のグローバル化の波が日本にも押し寄せ、日本企業が安価な労働力を求めて発展途上国に進出する際に現地従業員を採用しても研修の場がないために一時的に日本国内の工場などで研修を行うケースが大半であった。この場合研修が終了すれば研修生は帰国していた。
この流れが激変したのがバブル崩壊の前年の1990年に【団体管理型】による外国人研究生の受け入れを開始し、1993年に2年間の【研修・技能実習の在留】を認める【技能実習制度】を施行してからである。
日本は1995年に円高不況を克服すると日本経済は未曽有の好景気【バブル経済】を迎え、3K(汚い、危険、きつい)と呼ばれる職場である製造業は若年労働者に敬遠され、深刻な人手不足に陥った。産業界は人手不足解消のための苦肉の策として【外国人労働者受け入れ】を政府に要請した。
しかしながら1990年代前半という時期には【外国人労働者の受け入れ】は多くの国民の理解を得られなかった。そこで政府が産業界と国民の相克の矛盾の解消のために考え出した便法が【外国人技能実習制度】であった。【外国人労働者】は労働者でありながら労働者ではないという奇妙な存在になったということになる。
この制度の欠陥を巧みに利用したのが日本の暴力団であり、外国人犯罪組織であった、【外国人実習生】はこれらの組織の搾取の対象とされたのである。
【外国人実習生】を受け入れている企業の中には【実習生】は労働者ではないから労働に対する正当な対価を支払う意思のない企業が多く、その結果、賃金の未払いや最低賃金以下の支払いという不正行為に手を染めている。
一方、【技能研修生】という名目で来日した外国人労働者の大半は出稼ぎである。そのために賃金を契約通りに受け入れ企業が支払わなければその対抗措置として【失踪】という手段に訴えることになる。失踪を手引きするブローカーが存在するからだ。
【外国人技能実習生】の失踪件数は年々増え続けている。2011年は1000人弱であったが、12年には2005人、13年が3566人、14年が4867人、15年が5803人、2016年には前年を下回って508人、17年は7089人である。これはもう社会問題である。
政府も失踪した不法在留外国人の増加を看過しえなくなって2017年11月に新たな【実習制度】が施工され、【外国人技能実習機構】が創設された。この機構は実習生の受け入れ機関の審査や認可の厳格化、受け入れ機関の不正行為によって苦しむ実習生の保護などを行う。
日本は今後、アジアの国家として生きていかなければならない。そのためには日本に【技能実習生】を送り出している中国、ベトナム、インドネシア、カンボジア、ミャンマーなどの東アジアと東南アジアの国民の信頼を失ってはならないのである。   (おわり)

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2018年11月 7日 (水)

企業主導型保育所の運営には企業側の熱意が必要

大都市で深刻な社会問題と化している【待機児童数の削減】の目玉政策として政府が打ち出した【企業主導型保育所】が2016年度から始まった。2016年と2017年の2年間で企業が費用を負担して5万9703人(16年2万284人、17年3万9419人)の受け皿を作った。入所する児童の選定は自治体ではなく企業が行えることと、一定の基準さえ満たせば、国から認可保育所並みの助成金を受け取れる。そのために助成金目当ての【企業主導型保育所】の開設ブームが全国に広がったが、既に入居児童数の定員割れや短期間での保育所の閉鎖も目立ち始めている。
2016年度と17年度に開設された施設数は全国で2597施設で、施設の形態は【住宅地型】、【駅等近接型】、【事業所内設置型】、【大型施設型】、その他に分けられる。最も多いのは【住宅地型】である。
都道府県別の施設設置数は、【北海道】が168、そのうちの約70%の115施設が札幌市に集中している。東北地方では【青森県】が13、【岩手県】が全国で二番目に少ない9、【宮城県】が72でそのうち東北最大の都市【仙台市】に70%の施設が集積している。【秋田県】が全国で4番目に少ない11、【山形県】が22、【福島県】が33である。
【札幌市】と【仙台市】の事例は日本の人口動態の現況を如実に表している。地方の市町村の過疎化が進み、地域の主要都市に人口が集中している。
北関東では【茨城県】が43、【栃木県】と【群馬県】が22、【埼玉県】が80.首都圏では【東京都】が全国一の273,23の特別区の中では待機児童数が全国一の【世田谷区】が一番多い22である。【千葉県】が87、【神奈川県】が147。首都圏で開設された施設数は509施設で全国2597施設の19.4%である。
甲信越地方では【山梨県】が19、【長野県】が25、【新潟県】が24.東海地方では【静岡県】が76、【愛知県】が147、【岐阜県】が45、、【三重県】が28。北陸地方では【富山県】が全国で三番目に少ない10、【石川県】が13、【福井県】が全国一少ない6。
近畿地方では【大阪府】が全国で2番目に多い259、【大阪市】はそのうち50%を超える131でこれまで財政難のために保育園の整備が遅れていたことの証でもある。【滋賀県】が18、【京都府】が38、【兵庫県】が146、【奈良県】が27、【和歌山県】が14である。
中国地方では日本海側の【鳥取県】が16、【島根県】が12と少なく、瀬戸内海に面している【広島県】が59、【岡山県】38、【山口県】が31と多い。
四国地方では瀬戸内海に面している【愛媛県】が35、【香川県】29、太平洋側の【高知県】が10、【徳島県】が17.
九州地方では発展が著しい【福岡市】を抱える【福岡県】が223と全国3位である。【佐賀県】が19、【長崎県】が16、【大分県】が28、【熊本県】が42、【宮崎県】が12、【鹿児島県】が53である。
全国一貧しい【沖縄県】は共稼ぎ世帯が多く、出生率が高いことから保育所の需要が多いこともあって66である。
ところで、筆者の住む栃木県宇都宮市は日本最大級の内陸型工業団地【清原工業団地】が存在することから財政は豊かである。そのために【保育園】の整備にも予算を割いてきた。今回の【企業主導型保育所】事業の助成金を活用して6か所の施設が開設された。事業主体は【ホンダ】の子会社【ホンダ開発】、【トヨタ】の100%子会社のデベロッパー【トヨタウッドユーホーム】、信号機の大手【日本信号】、医療事務資格試験の大手【ニチイ学館】など運営費の調達に不安のない企業である。
施設開設後間もなく問題を起こしている【保育】は二の次で【助成金目当ての】の新規参入の事業者を排除するために助成金交付の基準を厳しくすべきであろう。   (おわり)

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2018年10月11日 (木)

日本最強の政党組織を誇る公明党の崩壊の始まり

法華経系の在家仏教の団体で、国内に公称827万世帯を擁する【創価学会】政治部が【公明党である。 だが学実調査によれば日本の人口の2%程度であるのでその調査結果を信じれば【創価学会員】の数は250万人前後である。但し、沖縄県は全国で創価学会員の比率が最も高く県議会選挙や市町村議会選挙の公明党の得票から判断すれば5%を超え、公明党支持者の数は7万人を超えている。
【創価】とは【価値創造】の意味。創価学会は価値の中心の【生命の尊厳】の確立を置き、それに基づいた【万人の幸福】と【世界の.平和】に実現を目指している。創価学会を日本最大の宗教団体にまで成長させた最大の貢献者は創価学会3代目会長の池田大作現名誉会長で、熱心な創価学会会員にとって池田氏は神のような存在に他ならない。
池田名誉会長は現在、病気療養中と噂され、この10年間公式の場に姿を現すことはなかった。その結果、現在の【創価学会の最高権力者】は原田稔会長と言われている。
池田名誉会長は【世界平和】の実現を目指していたことから【集団的自衛権の行使】には反対の立場を堅持していた。ところが安倍内閣は2014年7月1日に【集団的自衛権の行使容認】を閣議決定した。自民党と連立与党を形成していた【公明党】は連立与党に残ることを優先して苦渋の選択として【集団的自衛権の行使】の容認に舵を切った。創価学会現執行部の同意を得た上で。だが池田名誉会長の教えを金科玉条としてきた高齢者の会員は【集団的自衛権行使容認問題】で【公明党支持】に疑念を抱くようになったのである。
9月30日の沖縄県知事選で【公明党沖縄県連】は自民党とともに前宜野湾市長の佐喜真淳候補を推薦したが玉城デニー候補に8万票もの大差を付けられて大敗した。この結果は沖縄の創価学会員の多くが棄権か対立候補の玉城氏に一票を投じた結果であろう。
【公明党】ほど各種選挙において【票割】ができる政党はない。筆者の住む栃木県宇都宮市は人口約51万人であるが2015年の統一地方選挙の宇都宮市議会議員選挙で投票率40%という低投票率の中で公明党は6人の市議を誕生させた。その合計得票数は1万7694票。
市議選の2週間前に実施された栃木県県議会議員選挙の宇都宮市・上三川町選挙区では2人の県議を誕生させた。【公明党】の2人の候補者が獲得した票数は野澤和一候補が11318票、山口恒夫候補が1万1167票の合計2万3034票でそのうちの1351票は上三川町の票であった。2人の候補の票数の差が僅か151票ということは票割を行ったという証である。投票率が低かった県議選の票が市議選の票を3500票上回ったことは市議選で創価学会会員の棄権票が県議選よりも多かったことを意味する。
ところで、来年は統一地方選挙の年である。これまで選挙の実戦部隊の指揮を執ってきた地区幹部と言われる創価学会の地域の世話役が解任されている事例が増えているという。【集団的自衛権行使容認】に納得できない会員が処分されているのである。綻びの見え始めた【公明党】が従来通りの票を出せるかどうか筆者は今から注目している。   (おわり)

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2018年9月12日 (水)

加計学園は持続可能な教育機関なのか

日本では少子化が急速に進行しており、それに伴い、大学進学適齢年齢の18 歳人口も当然のことながら減少傾向が続いている。1992 年には18歳人口は 204.9 万人で大学進学者数は54.2万人あったが、23年後の 2015 年には18歳人口は 120.8万人にまで減少したが大学進学者は逆に61.8万人と増えた。。これは大学進学率が51.5%と50%を超えたためである。18歳人口は今後も減少を続けると思われるが進学率は地方の所得が向上しない限り大幅には上昇しないことから大学進学者数は今後、減少する可能性すらある。
一方、大学数は1992年の 523 校から2015年には779 校へと、年平均 11校のペースで増加している。その結果、多くの大学が入学者の定員割れを起こしており、604校ある私立大学ではおよそ 4 割が企業の損益決算書に相当する【事業活動収支計算書】がマイナスに陥っている。このことは大学が赤字経営に陥っていることを示している。
この現状を憂慮した大学を監督する立場にある【文部科学省】は7月30日、各私立大学の学長宛に【経営指導強化指標】を送付した。この指標は「①貸借対照表の運用資産(現預金、特定資産、有価証券の合計)が外部負債(長短期の借入金、学校債、手形、未払い金の合計)を下に回ってないか、②【事業活動収支計算書】の経常収支差額が3年連続でマイナスになっていないか」に関して2019年から指導を実施するという内容である。
今回の【経営指導強化指標】は文科省が【加計学園獣医学部新設】問題をうやむやにはしないという文科省の意思の表明と筆者は感じている。文科省は獣医学部新設には否定的な立場を堅持していた。認可を急ぐ官邸サイドは文部省の幹部職員の天下り斡旋の情報をマスメディアにリークして最後まで頑強に抵抗していた前川喜平文科省事務次官を辞任に追い込んだのである。
文科省は省庁再編で旧文部省と旧科学技術庁が合併してできた省で、職員は文部省派とと科学技術庁派に分かれて勢力争いを展開していた。旧文部省の幹部職員の天下り斡旋情報を官邸に流したのは旧科学技術省出身の幹部職員であろう。
【経営指導強化】の標的は愛媛県今治市に岡山理科大学獣医学部を開校した加計学園が経営する【岡山理科大学】、岡山県倉敷市の【倉敷芸術科学大学】、千葉県銚子市の【千葉科学大学】であろう。3つの大学を運営する学校法人【加計学園】の理事長の加計孝太郎氏は安倍首相ばかりでなく、側近No1の下村博文元文科相と側近No2の萩生田光一元内閣官房副長官とは親しい関係にある。萩生田氏は千葉科学大学の名誉教授である。
ところで、加計学園の屋台骨である【岡山理科大学】の今年度予算の経常収支の差額が約10億円のマイナス、【倉敷芸術科学大学】と【千葉科学大学】の経常収支差額も数億円単位の̠マイナスである。
特に経営危機が叫ばれているのが【千葉科学大学】で2018年の薬学部の入学者数は定員155人に対して52%の81人、【危機管理学部】の入学者数は定員300人に対して49%の146人である。これでは経営は成り立たない。大学の経営にとって最も必要なことは募集定員を満杯にすることで募集定員と入学者に大きな乖離のある加計学園傘下の大学は持続可能な教育機関とは言い難い。   (おわり)

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2018年9月 4日 (火)

既存の政党に拒否反応を示す一般国民

TBS系のJNN(ジャパン・ニュース・ネットワーク)が先週末(8月25~26日)に実施した世論調査によれば9月20日投開票の【自民党総裁選】に関しては安倍首相の支持率は41%、石破茂元幹事長の支持率は40%で拮抗した結果となった。今後、総裁選中に安倍首相と石破氏の討論会が実施されれば支持率が逆転する可能性は極めて大きい。
石破氏は対外的には庶民的感覚を失わず人気の高かった故田中角栄元首相の薫陶を受けた【最後の高弟】と呼ばれ、現在の日本政界では第一の論客であるという評価を受けている。総裁選では安倍首相の勝利は動かないと思われるが来年の参院選を考えた場合自民党は難しい選択を迫られることになる。安倍首相の支持率は自民党支持層では石破氏を圧倒しているが無党派層では石破氏支持46%、安倍首相支持29%と石破氏が大きく首相を引き離している。
8月中旬に実施されたNHKの月例政治意識調査では自民党の支持率35.6%、野党第一党の【立憲民主党】が5.6%で約1年で立憲民主党の支持率は半減した。問題なのは【支持政党なし】のいわゆる【無党派層】が46.2%と50%に近づき、【わからない、無回答】の3.8%を加えると50%に達したことだ。
JNNの調査での政党支持率では【自民党】30.5%、【立憲民主党】5.5%、【支持政党なし】54.2%となった。来年の参院選で【キャステイングボード】を握るのは過半数を超えた支持政党なしの【無党派層】になる。【無党派層】増大の原因の一つは国民の目から見た場合公平性を欠き、縁故主義政治を招来した安倍首相にある。
来年の参院選を考えた場合来年改選期を迎える参院議員にとっては今回の総裁選は悩ましい総裁選となる。無党派層に不人気な安倍首相で参院選は勝てるのかという懸念が出てきたからだ。自民党第3派閥の竹下派の参院議員21人全員が石破氏支持となった根本原因はここにある。
石破氏は総裁選で勝利できるとは思っていないであろう。石破氏は、総裁選後、新党設立を視野に入れていると言われている。国民の政治に対する絶望感は【無党派層の50%超え】に表れているのである。
【NEWSポストセブン】が8月28日に政治記者、評論家、学者52人による【戦後歴代最低の総理大臣】というテーマの実名アンケート調査結果の記事を配信した。
不名誉な第1位となったのは民主党政権時代の菅直人首相、2位が現職の安倍晋三首相、3位が民主党政権時代の鳩山由紀夫首相であった。この人選は国民が政治に絶望している原因を端的に表している。
野党には政権担当力がないことと現在の自民党政治は公平性が著しく欠落しているということだ。アンケート調査には表れなかったが国民の政治への絶望のもう一つの要因は一向に改善されない大都市と地方の所得格差である。【アベノミクス】で日本の経済は改善したかのように政府は喧伝しているが2013年から2017年の日本のGDPの推移を見れば政府の主張を鵜呑みできないことが理解できる。
【IMF】(国際通貨基金)の資料によれば安倍内閣が政権運営を始めた2013年の日本GOPは508兆7805億円、前年の498兆8031億円より約10兆円増えたがこの大きな要因は円安がもたらしたものである。2014年が510兆6010億円、2015年が517兆6010億円で15年までのGDPの増加も【円安】が大きく貢献している。2016年が522兆4568億円、2017年が531兆4043億円でGDPは数字の上では順調に拡大したことになっている。
ところが16年から日本は諸外国に遅れること6年でGDPの計算方式を国連が改定した新国際基準の計算方式を採り入れたのである。新しい計算方式では【研究開発費】をGDPに加算することになった。
日本の2016年の【研究開発費】は18.4兆円であるから旧来の方式では2016年のGDPは504兆円と前年比で2,5%のマイナスということになる。2017年の【研究開発費】は18.9兆円であるから2017年のGDPは従来の計算方式では約512兆7000億円で2015年のGDPを下回った状態で経済成長が続いたとは言い難い。日本は依然として低成長時代が続いているというべきであろう。    (おわり)


  

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2018年7月20日 (金)

平成30年7月豪雨の被害で鉄道路線の復旧越年

【平成30年7月豪雨】の人的被害は、7月19日夕刻の時点で広島、岡山、愛媛の3県を中心に13県で死者が223人、行方不明者が11人である。【広島県】の死者は最も多く112人、次いで岡山県が61人、愛媛県が26人であった。
【3県の死者197人】の内訳は【広島県】では、呉市で24人、広島市で20人、坂町で16人、東広島市で12人、熊野町で12人、三原市で8人、竹原市で4人、福山市で2人、尾道市で2人、府中市で2人、安芸高田市で2人、海田町で1人、今回の記録的な豪雨で広島県内の死者はは合わせて112人に上っている
【岡山県】では、倉敷市が最も多く52人で、このうち51人が広範囲が浸水した真備町である。さらに、総社市で4人、笠岡市で3人、井原市で2人の合わせて61人の死者。
【愛媛県】では、宇和島市で11人、西予市で5人、大洲市で4人、松山市で4人、今治市で2人の、合わせて26人の死者が発生した。
【死者】多かったっ地域は住宅の損壊、河川の氾濫、河川の堤防の決壊、橋梁の崩落、土砂の流失、浸水、断水などの被害も甚大である。
鉄道の被害が広範囲にわたっているのも広島、岡山、愛媛の3県である。
東海道本線と連結しているJR西日本管内の【山陽線】(神戸駅―北九州市門司駅 534.4km)は日本の大動脈であるが63カ所で被災して全線が復旧するには数カ月を要する模様である。駅構内の線路が瀬野川の氾濫で土砂で埋まった広島県安芸郡海田町海田市(かいたいち)駅―広島県広島市安芸区瀬野駅間の復旧は8月中旬、瀬野ー三原駅(広島県三原市)間の復旧は10~12月中旬。山陽線全線の復旧は来年1月になる見通し。山陽線の復旧が遅れれば中国地方の製造業への部品の供給に支障をきたし経済への影響は計り知れない。
【JR呉(くれ)線】(三原駅ー海田市駅 87.0km)の海田市―坂間の復旧は8月中旬、坂―広間の復旧は11月中旬。呉線全線の再開も来年1月の見通し。
広島市と岡山県北部の都市新見市を結ぶ【JR芸備線】(広島駅―岡山県新見市備中神代(こうじろ)駅 159.1km)は広島市安佐北区の狩留家(かるが)駅―白木山駅間の三篠川に架かる鉄橋が増水のため崩落、その結果、芸備線の全線復旧には最低1年は要する。
広島県の瀬戸内海沿岸の都市、福山市と広島県北部の三次(みよし)市を結ぶ【JR福塩(ふくえん)線】(福山駅―三次市塩町駅 78.0km)は塩町―府中間の復旧には1年間は必要なので全線復旧は来年の7月以降。
島根県松江市と広島県北部の都市庄原市を結ぶ【JR木次(きすき)線】も出雲横田―備後落合(庄原市)間の復旧に1年の歳月を要することから全線復旧は来年の7月以降になる見通し。
広島県と岡山県の内陸部の重要な輸送手段が破壊されたので地域経済に及ぼす悪影響は予測不能である。1日も早いローカル鉄道の復旧が望まれる。   (おわり)

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2018年7月17日 (火)

豪雨の影響で浸水や断水に見舞われた医療機関危機的な状況に

西日本に甚大な被害を齎した【平成30年7月豪雨】で数多くの医療機関が被災した。医療機関と言えば声明に直接かかわる極めて重大な施設であるだけに水害から医療機関の重要な機能を保護することが必要不可欠であるが豪雨が原因で浸水や断水などを理由として被災地の地域医療に広く影響が及んでいる。。
今後、被災した医療機関の機能が回復した後に将来的な水害(浸水、断水)対策を専門家たちによって検討される必要がある。
厚生労働省によると、断水や浸水、停電の被害を受けた医療機関(精神科病院を除く)は京都から長崎にかけての6府県で94施設。うち71施設は14日正午時点で、給水などの支援を必要としているという。
人工透析を行っている医療機関では、断水は喫緊の問題となっている。腎臓の機能低下が進んだ患者は週数回、血液を濾過(ろか)する人工透析が欠かせない。透析器大手のニプロによると、一般的に1回の治療と配管洗浄などで計450リットルのきれいな水が必要となる。
【朝日新聞デジタル】は7月15日午前、断水で緊急事態下にある医療機関に関して『三原城町病院(広島県三原市)では、普段1日30~40人が透析を受けるが、一部の患者を断水していない別の病院に受け入れてもらった。残りの患者は医師の判断を踏まえ、普段4時間かかる透析を3時間に短縮して、水を節約している。
三原市や同県尾道市は取水場を急きょ動かすなどして、緊急を要する病院に優先して給水を始めるなど対策を急いだ。
7日から断水した済生会呉病院(同県呉市)は、海上自衛隊などから給水を受けたが、当初は病院で必要な1日約90トンの半分程度しか確保できなかった。
呉市の高齢化率は全国平均より7ポイント高い33%(2015年国勢調査)で、約100人いる入院患者の多くが高齢者。猛暑で冷房に使う水を止めるわけにはいかず、不急の手術や検査機器の洗浄を控えた。12日に水道が復旧したが、万田祐一・事務部長は一時は「もはや限界に近い」と危機感を募らせた。中国労災病院(同市)も必要な水量を確保するまで、手術は全て延期し、手術などが必要な救急患者の受け入れも中断した。
県立安芸津病院(同県東広島市安芸津町)は1階が浸水。地下の電源室などが泥につかり、自家発電も動かず、一時停電した。12日まで診療は行わず、かかりつけの患者への薬の処方などに限った。』と配信した。
秋の台風シーズンに備え医療機関に対して台風による2次災害を防ぐために今回の豪雨で激甚災害の指定を受ける自治体は緊急の浸水・断水対策を急ぐべきであろう。   (おわり)

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2018年7月 9日 (月)

西日本を襲った記録的豪雨の被害拡大の一途

気象庁が【平成30年7月豪雨】と命名した記録的な豪雨は、広い地域で河川の堤防を決壊させ河川の氾濫や土砂災害を引き起こした、その結果、死者は広島、岡山、愛媛3県を中心に死者は116人、3人が意識不明の重体、さらに77人が依然として行方不明であることが各地の警察や消防へのマスコミの取材で判明している。消防や自衛隊による捜索活動が続いているが、依然77人以上が安否不明である。
被害は人的被害ばかりでなく高速道路や鉄道、電力などインフラにも広範囲で及び、企業活動にも影響が出ている。被害の全容は見えておらず、政府は救援や復旧に全力を挙げるよう被災地域の自治体に指示を出している。
被災各地には避難所が設けられ、総務省消防庁によれば7月8日午後9時時点で少なくとも15府県で約2万3千人が避難所に身を寄せた。9日午前5時時点でもなお避難指示・勧告が17府県の174万世帯、385万人に出されている。
河川の堤防の決壊は199か所、橋梁の流失も相次いだ。岡山県倉敷市真備町地区では近くを流れる小田川の堤防が少なくとも2カ所で決壊し、地区の約3割が浸水。同市によると、8日午後6時時点で周辺の家屋4600戸が浸水した。
広島県では熊野町の住宅地で土砂崩れが発生。12人が巻き込まれたとみられ、1人の死亡が確認された。福山市でも、ため池の決壊で家屋ごと流された女児(3)が遺体で見つかった。愛媛県宇和島市や北九州市などでも土砂崩れによって犠牲者が出ている。
国土交通省によると、9日午前5時半現在、JR東海などの13鉄道事業者が管理する37路線で、土砂の流入や橋の流失などが起きて運行を休止している。JR東海高山線の飛騨萩原―猪谷駅間は土砂が流入しており、再開は11日までずれ込む見込み。
高速道路は12路線13区間で通行止めが続く。中国自動車道の滝野社インターチェンジ(IC)―吉川IC間、岡山自動車道の有漢IC―賀陽IC間でのり面が崩壊。国道も67路線185区間が通行止めとなった。
こうした甚大な被害を受けて政府は9日午前、非常災害対策本部の2回目の会合を首相官邸で開き、安倍晋三首相は「自治体が全力で応急対応、復旧に当たれるよう、しっかりと財政措置を講じていく」と表明した。これにより今回の記録的豪雨の【平成30年7月豪雨】の被災自治体は復旧にかかる費用を政府が支援する【激甚災害】に指定される見通しとなった。
ところで、7月5~8日にかけての記録的な大雨で西日本の各地に大きな被害が出たことを受け、自民党の石破茂・元幹事長は8日、石破氏の地元鳥取市での講演の中で、「復興庁を改組し、防災省を作っていかねばならない」と述べた。
2011年の東日本大震災後に設置された【復興庁】の存続機関は2021年までである。日本は近年毎年のように大災害に見舞われ、【激甚災害】指定が常態化している。石破氏の提言は時宜を得たというべきであろう。   (おわり)

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2018年7月 6日 (金)

倫理観欠如が常態化した日本の官僚機構

東京地検特捜部は7月4日文部科学省事務方トップの事務次官就任を確実視されていた文部科学省科学技術・学術政策局長の佐野太(ふとし)(58)容疑者を受託収賄容疑で逮捕した。
【私立大学研究ブランデイング事業】と銘打った2016年から開始された新たな補助金を給付する【私立大学支援事業】を巡り、佐野容疑者は、【東京医科大学】の関係者から請託を受けて同大学に便宜を図る見返りに自らの子息を合格させてもらったとして逮捕された。
2014年5月30日に【内閣人事局】が設置されて国家公務員である各省庁の幹部職員の人事権を首相官邸が掌握するようになり、上昇志向の強い各省庁の幹部職員は国家公務員の本来の【国民に奉仕する】という任務を放棄し、官邸の意向に忠実な出世欲の権化と化した。その結果、起こった事件が【森友学園】への国有地売却に関連する決裁文書の改竄事件であり、【加計学園】の国家戦略特区制度を活用した不透明な【獣医学新設】疑惑であった。
この2つの事件の中心的な役割を果たした佐川宣寿元財務省理財局長と柳瀬唯夫元首相秘書官は自身の栄達が目的とはいえ首相官邸を擁護するという堅固な意思を持っていた。ある意味では個人を犠牲にして組織に忠実であった。
しかし、今回の収賄事件の容疑者佐野太氏は我が子の大学合格を成功させるというあまりにも個人的な動機で官僚としての【モラル(倫理観)】の欠如を露呈している。日本の中央官庁の官僚のモラル崩壊はゆゆしき問題で筆者は日本の将来に危機感を抱かざるを得ない。
ところで、今回の逮捕劇は文部科学省の【内部告発】という風評が流れている。現在の【文部科学省】は2001年1月の中央省庁再編で旧文部省と総理府の外局であった旧科学技術庁が統合されて誕生した省である。統合された組織となって17年が経過した現在でも旧文部省に入省した職員と旧科学技術庁に入庁した職員の間には微妙な感覚の相違が存在し、2つの目に見えない派閥が存在していると言われている。
文科省の主流派は組織として格が上であった旧文部省出身者のグループであったが【天下り就職斡旋問題】で主流派は前川喜平事務次官をはじめ主要幹部は責任を取らされた。しかし反主流派の科学技術庁出身グループはトップの当時官房長であった佐野氏は無傷であった。
【科学技術庁派】のエース佐野氏は事務次官への登用コースの【官房総務課長】、【官房長】、さらに【科学技術・学術政策局長】を歴任して今回か次回の人事異動で事務次官への昇進が約束されていた。
文科省内部の権力闘争の一環で佐野氏は失脚する可能性が高まったが官僚としての倫理観の欠如が明確になった以上佐野氏は取り調べで真実を語り、潔く責任を果たすべきであろう。   (おわり)

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