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2020年5月19日 (火)

日本の民主主義の根幹を破壊しかねない検察庁法改正案の今回の成立を安倍内閣断念

安倍内閣は1月31日、黒川弘務東京高等検察庁検事長の定年を6カ月延長するという閣議決定をした。何故、唐突に黒川氏の定年延長が閣議決定されたかと言えば黒川氏は2月7日に定年退職が予定されていたからである。だがこの閣議決定は政界や法曹界に大きな波紋を呼んだ。というのは安倍政権に大きな打撃を与えかねなかった【森友学園】問題などの政界スキャンダルを単なるスキャンダルに終わらせて【安倍内閣の守護神】と呼ばれていた黒川氏が検察庁のトップの検事総長の座を射止めることがほぼ確実となったからだ。つまり検察が内閣に屈服することになるからである。

ところで、【民主主義制度】の根幹は【立法権・司法権・行政権】という三権が分立している点にある。黒川氏に関する定年延長の脱法行為に近い閣議決定は内閣(行政)が司法権を犯す行為に等しく看過できない行為であるばかりでなく、日本に根付いた民主主義を崩壊させる行為でもある。

こうした非難を回避するためと黒川氏の定年延長の正当性を後付けするために政府は「検察官の現行の63歳定年を65歳に引き上げ、内閣の判断で【検察幹部】の役職の定年を延長可能にする」【検察庁法改正案】を【国家公務員の定年延長】を盛り込んだ【国家公務員法改正案】とセットで国会に提出した。【国家公務員法改正案】は国家公務員の定年を現行の60歳から65歳に引き上げる内容である。。

検察官の定年延長と国家公務員の定年延長をセットにしたところが政府の狡猾さを表している。連合傘下の産業別組合である【国家公務員労働組合連合会】(組合員6万7000人)は公式には政党支持はなしを標榜しているが組合員の大半は共産党や立憲民主党を支持している。そのために共産党も立憲民主党も【国家公務員法改正案】には反対できないのである。

5月8日、【検察庁法改正案】は衆院内閣委員会で審議入りして5月21日には野党の反対を押し切って強行採決で自民党はこの法案を成立させる予定であった。しかしながら5月16~17日に実施された朝日新聞の世論調査で安倍内閣の支持率が先月の41%から33%に急落したことから安倍首相は今国会での【検察庁法改正案】の成立を断念した。だが安倍首相は【検察庁法改正案】の成立を完全に断念したわけではなく成立を先送りしたに過ぎない。

安倍首相が法案成立の強行突破を断念した最大の原因はこの法案成立に強く反対している石破元幹事長への支持率が自民党員の間ばかりでなく自民党支持層の間でもが益々上がって石破首相誕生を後押しするという皮肉な結果を招来しかねないことに気付いたからであろう。

安倍首相の変心によって多くの国民が危惧していた【黒川検事総長】の実現は杞憂に終わりそうである。   (おわり)

 

 

 

 

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