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2020年5月26日 (火)

新型コロナウイルス感染拡大によって生産計画に狂いが生じた化粧品メーカー

【新型コロナウイルス】の感染拡大によって甚大な被害を受けた国々は国民の生命を守るために国民の出国禁止や外国人の入国禁止あるいは都市封鎖を実施した。日本は法的な制約があって国民の出国制限や外国人の入国制限あるいは不要不急の外出の自粛要請という法的強制力のない措置で感染拡大を阻止している。

こうした禁止令や措置によって大打撃受けた産業は観光業を筆頭に数は多い。その一つが化粧品製造業である。第2次安倍内閣の誕生以降、【アベノミクス】の3本の矢の一つである【大胆な金融緩和】によって円安状況が生まれ、【訪日外国人旅客数】(訪日外客数)は飛躍的に増加した。

民主党政権の最後の年の2012年のドル/円相場はi1ドル=100円以下で民主党政権末期の11月16日には1ドル=80円という超円高であった。12年の【訪日外客数】は835万8100人、安倍内閣の実質的な初年度の13年の【訪日外客数】は200万人増えて1036万3900人、14年が300万人増えて1341万3400人、15年の【訪日外客数】は630万人増えて1973万7400人、18年には3119万1800人、19年が3188万2000人であった。2015年以降の【訪日外国人客】の日本での旅行消費額増加に最も貢献したのが訪日中国人であった。

2019年の【訪日中国人数】は959万4000人で、中国人の日本での旅行消費額は7704億円でそのうちの34.7%は買い物代金であるから約6000億円が日本の商品の購入に充てられている。最も購入される商品が資生堂のスキンケア製品やメイクアップ製品である。こうした傾向を分析したうえで【資生堂】は2018年から国内に3つの工場を新設すことを決断した。

2019年12月24日に【資生堂】は栃木県大田原市中田原の工業団地に年間1億2000万個のスキンケア商品を生産する能力のある【那須工場】を稼働させた。今年の後半には大阪府茨木市に建設中のスキンケア商品製造の工場を稼働されると発表している。

ところが【新型コロナウイルス】感染拡大によって【訪日中国人】の数は激減し、日本の入国制限措置によって4月の訪日中国人数はたったの200人である。5月は恐らく0人であろう、

さらに追い打ちをかけたのが【外出自粛要請】で4月7日以降は7都府県は巣ごもり生活を余儀なくされ、その結果、女性は外出の機会は激減し、マスクの着用によって化粧をする必要もなくなり、スキンケア商品やメイクアップ商品の売り上げは激減しているという。口紅の売り上げが最も落ち込んで、前年比で26,3%しか売れていない。

こうした状況では約350億円を投入した【那須工場】も生産調整をせざるを得ないであろうし、【茨木工場】の今年度中の稼働は難しいかもしれない。天災なので【資生堂】の経営陣は手の打ちようがないのではなかろうか。   (おわり)

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