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2020年2月10日 (月)

事態を楽観できない中国武漢市発新型肺炎

中国共産党中央委員会の機関紙【人民日報】は武漢市発の新型コロナウイルスによる【新型肺炎】の拡大は1~2か月後には収束するという楽観的な情報を意図的に流しているとしか思えない。もっとも【新型肺炎】の感染拡大が収束するには時間を要するなどという記事を【人民日報】が掲載すれば中国共産党が存亡の危機に陥りかねないので楽観論を掲載せざるを得ないのである。

【人民日報】の楽観論を担保したのが国連の一機関【世界保健機構】(WHO)の事務局長エチオピアの保健相と外相を歴任したテドロス・ゲブレイエスス氏である。エチオピアは膨大な財政赤字に苦しみ、中国からのインフラ投資に支えられている。2017年7月にゲブレイエスス氏はWHOの事務局長に就任したが同氏の就任に関して危惧する声があったと言われている。

ガブレイエスス事務局長は中国発の【新型肺炎】に関して【緊急事態宣言】を遅らせ、中国を訪問して1月28日には習近平国家主席と会談して、「中国政府が揺るぎない政治的決意を示し、迅速で効果的な措置を取ったことに敬服する」などと中立性が要求される国際機関の幹部としてはあるまじき発言をしている。こうした同氏の中国寄りの発言に対して米国では同氏の辞任を促す署名が30万人分集まっている。

【新型肺炎】の発生地で深刻な被害が明らかになっている【湖北省】は2月10日、【新型肺炎】によるによる死者が91人、感染者が2618人増えたと発表した。【新型肺炎】の死者の合計は約2カ月で902人となり、2002~03年に流行した【SARS】(重症呼吸器症候群】の02年11月~03年7月の約9カ月間の死者の合計774人を超えている。この死者数の急激な増加から判断しても中国政府が効果的な措置を取ったとは到底思えないのである。

湖北省の発表では感染者数は3万7000人を超えているが湖北省は8日間の突貫工事で1000人収容規模の隔離病棟を建設したが中国全土で同規模の隔離病棟が建設されているという情報がSNSを通して拡散している。さらに実際の感染者は10万人を超えているという情報が溢れている。こうした情報を分析すると【SARS】の感染拡大の収束に8カ月かかったように今回の【新型肺炎】の感染拡大の収束には6カ月程度の時間は必要であろう。

現在、首都北京では飲食店の開店が全面禁止され、個人消費は落ち込んでいると言われている。中国の輸出は減り続け、個人消費も今年の上半期は前年比でかなり落ち込むと予測されるので中国のGDP成長率は21世紀に入って最低水準となる可能性が高い。その影響は韓国や日本にも波及することになる。  (おわり)

 

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