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2020年2月 2日 (日)

日米貿易協定の継続協議となった自動車及び自動車部品の関税交渉は合意に達するのか

日本と米国の二国間の自由貿易協定である【日米貿易協定】は1月1日から発効した。この貿易協定は昨年の8月9~10日の両日に米国の首都ワシントンDCで茂木敏充経済再生相とライトハイザー米通商代表部代表による第一回の閣僚級会合が開かれ、10月7日には協定の署名が完了した。

この貿易協議の交渉の過程で米国が強く要求したのは米国産農産品の関税の低減であり、日本の要求は【自動車及びその部品】の現行の関税率2.5%を0%にすることであった。米国の農産品の関税は低減されたが【自動車及びその部品】の関税0%は継続協議となった。日本側からみればこの【日米貿易協定】は不平等協定と言わざるを得ない。今後の交渉によって日本側が要求する【自動車及びその部品】の関税0%が実現する可能性は極めて低い。

【自動車産業】は米国の製造業を代表する産業であったが近年はその地位を【IT関連産業】に奪われている。20世紀の世界の自動車産業をリードしていたのは米国の【ビッグ3】と呼ばれた【GM(ゼネラル・モーター)】、【フォード】、【クライスラー】の3メーカーであった。2008年に起きた金融危機【リーマンショック】の影響で【GM】は倒産して国有化され、【クライスラ―】は経営不振に陥り、イタリアの【フィアット】に買収されて現在【FCA】となっている。

米国の新車販売台数が史上最高の1755万台となったのは2016年であるがその年の【GM】の販売台数は304万2421台、【フォード】が259万9211台、【FCA】が224万4315台であった。昨年の【GM】の販売台数は287万7590台、【フォード】が240万6188台、【FCA】が220万3643台で、3メーカーとも2016年比で販売台数が減少している。中国は【GM】にとってドル箱の市場で2017年の【GM】の販売台数は404万台であったが2019年1~9月の販売台数は前年同期比15.8%減の225万7432台であるから19年通年の販売台数は300万台前後であろう【GM】は中国で約100万台販売台数を減らしたことになる。【フォード】も2017年の販売台数は約120万台であったが昨年は52万台で約70万台販売台数を減らしている。

【GM】は主要市場の米国でと中国で販売台数を減らしてしまった。米国市場はセダンの需要が激減し、クロスオーバーSUVの販売台数が約40%を占めるようになった。そのためセダンに依存していた【GM】はセダンの組み立て工場を中心に北米で5つの工場の閉鎖を2018年11月に発表した。工場閉鎖に伴い1万4000人の社員を削減することとなった。【フォード】は数年後にはセダンの製造の停止を発表している。

米国の2大自動車メーカーが経営不振に陥っているので米国政府としては日本が要求する自動車関税の撤廃を受け入れるわけにはいかないのである。自動車関税が撤廃されれば米国では日本車が今でも約4割を占めているのに関税が0%になれば日本車の米国シェアは50%を超えることになりかねない。その結果、米国メーカーはさらなるリストラが必要になり、米国メーカーの雇用は減少し、トランプ大統領の再選に黄色信号がが点滅することになる。   (おわり)

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