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2020年1月 6日 (月)

化けの皮がはがれた中国の経済成長率の数値

中国の著名なマクロ経済学者で、中国人民大学国際通貨研究所理事兼副所長の向松祚教授は2019年1月20日、中国上海市で開かれた経済フォーラムで、2018年1月から2019年1月まで続いている中国経済の減速の具体的な数値について国内経済研究機関の内部資料では2018年の中国の【国民総生産】(GDP),の成長率が1.67%であると述べて世界の経済学者の注目を集めた。

中国の国家統計局が発表する経済成長率の数値に関しては従来から西側経済学者の間では疑問符が付いていた。毎年公表される経済成長率の目標値と国家統計局が発表するその年の成長率が毎年ほぼ一致していたからである。中国の経済成長率の統計の取り方は地方政府が集計したデータを基に国家統計局が集計する。地方政府のトップは共産党の党員で、実績を上げて共産党中央委員会の政治局員への昇進を熱望しているために、設定された【経済成長率】以上の数字を国家統計局に報告することが常態化している。

100年に一度と言われた金融危機【リーマンショック】が起こったのが2008年9月であるがその前年の07年は米国の景気は住宅バブルに沸いていた。米国への輸出の増大によって中国の2007年の【経済成長率】は史上最高の14.25%であった。【リーマンショック】が起きたために08年の経済成長率は9.65%、09年は9.40%と下落しているが下落幅が4%台に収まったのは膨大な金額の財政出動の効果であった。

2010年には中国の【経済成長率】は10.56%と前年比で1.16%上昇して中国経済は持ち直すかと思われたが2011年からは【経済成長率】の下落に歯止めがかからなくなった。2011年の【経済成長率】は9.50%、12年が7.90%、13年が7.80%、14年が7.30%である。15年には6.90%と6%台に突入し、16年が6.73%、17年が6.76%、18年が6.56%、19年は1~10月間の【経済成長率】は6.14%である。19年の【経済成長率】の目標値は【6.50%~6.0%】で、かろうじて目標値はクリアーできそうである。だが中国の【経済成長率】は捏造されている可能性が極めて高い。

向教授は2019年の国家統計局が発表する【経済成長率】は6.0%を超える可能性が高いが計算してみると計算が合わないと不信感を抱いている。中国経済の減速は米中貿易戦争の勃発によって加速したというのが世界の経済専門家の見立てであるが中国経済の減速は【リーマンショック】後から起こっている。経済の減速を隠蔽するために中国の地方政府は債券を発行して財政出動の原資を調達し、何とか経済の減速を凌いできたのであるがそれも限界に達したというのが真相なのであろう。

中国の経済研究機関の担当者は2019年は中国の10の省の【経済成長率】はマイナスとなったと述べている。2019年には国営企業のデフォルト(債務不履行)が話題に上るようになっている。今年の【経済成長率】は更なる下げ圧力がかかることになると思われる。   (おわり)

 

 

 

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