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2020年1月21日 (火)

イラン革命防衛隊クッズ部隊ソレイマニ司令官殺害にゴーサインを出したトランプ大統領の狙いは何か

イランの最精鋭部隊と言われるイラン革命防衛部隊クッズ部隊のガゼム・ソレイマニ司令官が2020年1月3日、イラクの首都バクダッドの国際空港で駐イラク米軍の無人機による攻撃で殺害された。

米NBCニュース(米国の3大ネットワークの一つNBC傘下)は1月14日、ソレイマニ司令官殺害の指令はドナルド・トランプ大統領が7カ月前に承認したと報じた。トランプ大統領は米国人の死者が出た場合には司令官殺害の指令を承認すると述べていたという。だが実際には死者が出る以前に殺害指令を承認していたことになる。

昨年の12月27日、イランの【クッズ部隊】の代理組織(クッズ部隊の支援を受けていた)で、イラクのシーア派武装組織の【カタイブ・ヒズボラ】(神の党旅団)がイラクのキルクーク近辺のイラク基地を攻撃し、少なくとも米国人1人を殺害し、米国兵4人を負傷させた。米軍が29日には報復に出て、イラクの3カ所とシリアの2カ所の【カタイブ・ヒズボラ】の拠点を攻撃した結果、【カタイブ・ヒズボラ】の戦闘員25人が死亡し、55人が負傷したとされる。報復ならばこれだけで十分なのに米軍は1月3日にイランの正規軍の司令官を殺害するという暴挙に出た。

イラン正規軍の司令官を殺害したということは米国とイランは戦争状態に突入したとイランから非難されても米国は弁明できないであろう。専門家によれば今回の駐イラン米軍の武力行使は法的にはいくつかの問題点があるとされる。

【国連憲章】の下では【他国への武力行使】は、国連安保理(安全保障理事会)が許可するか、それとも【自衛権の行使】以外は正当性を持たない。今回の武力行使は【安保理】の承認を得ていないから【自衛権の行使】の他は正当性を持たない。安保理の常任理事国の【中露】は今回の駐イラク米軍の【武力行使】を自衛権の行使とは認めていないし、他の常任理事国の英国もフランスも【自衛権の行使】とは是認していない。

さらに、駐イラク米軍は占領軍ではなく、イラクの脅威となっている【IS(イスラミック・ステイト)】に対抗するためにイラクの要請に基づいて米軍はイラクに駐留している。今回のソレイマニ司令官殺害に関してイラクは主権の侵害であると主張し、イラク議会は米軍を念頭に外国軍の撤退を議決した。米国憲法上でも疑義があるとされる。

トランプ大統領は何故イラン正規軍の司令官の殺害という暴挙に出たのであろうか。トランプ大統領の決断は全て大統領選での再選を念頭に置いている。現在の米国の負債額は2019年度会計年度末の時点で2400兆円である。今後も負債額は膨らんでいくであろう。2020年度の長期米国債の利払い額は3900億ドルで1ドル=109円として42兆5100億円となる。長期国債の金利は現時点では低下して2%程度であるが安全資産なので外国人投資家には人気がある。新興国からの金融緩和でだぶついた資金を呼び込むためには米国は株価高を人為的に維持しなければならないのである。現在の世界的な株価高は【経済回復なき株高】と表現されている。米国の実体経済は【ダウ平均株価29000ドル】に見合う状態とは言い難い。

トランプ大統領は株価が上がり難い状態になると米中貿易戦争やソレイマニ司令官などという株価の大幅下落要因を人為的に作り出して株価を乱高下させている。イランの軍事力は米軍との本格的な戦争に耐えられるものではなく、イランができる武力による報復は死者が出ないように小型ミサイルを発射するとか【カタイブ・ヒズボラ】などを唆して騒乱を引き起こすことであろう。   (おらり)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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