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2019年11月 6日 (水)

経営危機を取り沙汰されているソフトバンクは危機を盛り切れるのか

今や投資会社となった【ソフトバンクグループ】は2つの【投資ファンド】を運営している。一つはIT関連のベンチャー企業への投資ファンドとしては世界最大規模の9兆9036億円の資金を運用している【ビジョンファンド】と5月8日の2019年3月期決算発表会見で公表された【デルタファンド】である。

【ビジョンファンド】は80数社に投資しているがその運用資金9兆9036億円のうち3兆0346億円は【ソフトバンク】が出資し、残りの6兆8688億円のうち4兆8500億円は【サウジアラビヤ政府】が出資し、残りの2兆0188億円は米国の【ゴールドマン・サックス】などの外部投資家が投資している。

【デルタファンド】は【ビジョンファンド】の2倍の出資金を調達する計画で今年の6月以降から出資金を募っているが現時点(11月5日)での出資金の総額は【ソフトバンク・グループ】の6480億円と外部投資家の1728億円の合計8208億円にすぎない。【デルタファンド】の挫折の原因は【ビジョンファンド】が1兆円を投資したニューヨーク市に本拠を置く、シェアオフィスの大手【WEWORK】(ウイワーク)の価値が今年に入ってから急落して新規上場して大儲けしようとして企んでいた【ソフトバグループ】の思惑が外れたからである。

【ウイワーク】は数回にわたり【ハイリスク、ハイリターン】のジャンク債と呼ばれる【コラクタライズド・ローン・オブリゲーション】(CLO)を発行して資金を調達して2010年以降、事業を拡大し、2018年には世界の29カ国の111都市に528の拠点を置いている。日本には2018年の初頭に進出し、現時点では23カ所の拠点を確保している。

【ウイワーク】の企業価値は2019年の年初の時点では5兆円と言われていたが2018年の売上高が2000億円で2084億円の赤字を抱えていることが判明したことによって9月末には8000億円にまで下落した。英国の著名な経済紙【FT】(フィナンシャル・タイムズ)の評価では3000億円である。その結果【ウイワーク】の米国での新規上場は中止された。。

【ビジュアルファンド】は【ウイワーク】の未公開株式の30%を保有していることから【新規上場】によって1兆5000億円の利益を見込んでいたががそれは水泡と消えた。新規上場の失敗により【ウイワーク】は資金繰りに窮し、【ソフトバンク・グループ】が子会社と化した【ウイワーク】に1兆円を超える資金を投入せざるを得なくなった。本来ならば【ビジュアルファンド】が資金を投入すべきなのであるが【ブジュアルファンド】には【ウィワーク】を支援する余力がなかったのである。

一連の【ウイワーク】を巡る騒動で【ソフトバンク】の株価は2019年年初の5800円から10月末の時点では4000円を割っている。【ソフトバンクグループ】の時価総額は27兆円とされるが2018年11月末の時点の有利子負債の総額は18兆円を超え、株式を保有する企業の株価が下がり続ければ【ソフトバンクグループ】の倒産のリスクは高まる。

「来年には世界的な金融危機が発生する」と予測する経済の専門家や金融市場関係者が存在するが予測が的中すれば株価に支えられている【ソフトバンクグループ】が倒産する可能性は極めて高い。  (おわり)

 

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