« 国家行事を自身の後援会行事に矮小化させた安倍首相 | トップページ | レイムダック化する安倍晋三首相 »

2019年11月27日 (水)

米中貿易戦争の被害者米自動車メーカー

2016年の米大統領選挙のドナルド・トランプ氏の選挙スローガンは【偉大なアメリカを取り戻そう(Make America great  again)]】で、これを実現するには新たな雇用を生み出す必要が不可欠であった。トランプは10年間で2500万人の雇用の創出を選挙公約で謳った。

2008年9月に米国発の世界経済を揺るがす【リーマンショック】が起こり、米国では2009年以降、倒産件数が増大し、それに伴い失業者も増加した。リーマンショック前年の2007年の失業者数は754万1000人であったが08年の失業者数は1110万8000人、09年は1527万5000人と急増している。09年10月の失業率は10%にまで上昇したがその後の各種の経済対策によって2016年の年間平均失業率は4.9%にまで低下した。トランプ大統領が誕生した2017年の失業率は4.4%と前年より0.5%低下し,直近の2019年10月の失業率は3.6%と史上最低の水準である。

失業率の低下は雇用者数が増えることを意味するがトランプ政権が目指していた製造業の雇用者数はそれほど増えてはいない。2000年の雇用者数を100とすると【リーマンショック】の影響が最も顕著になった2010年の雇用者数は67となり、その後上昇に転じたが2016年の雇用者数は72である。雇用者総数に占める製造業の雇用者の割合は8%に過ぎない。

ところで、失業率の低下とダウ平均株価の上昇にも拘らず米国の勤労者の賃金は伸び悩み、所得格差は拡大の傾向にある。その結果所得が少ない10~20代の勤労者の間では最近の世論調査によれば社会主義支持者が51%と過半数を超えている。

昨年の3月から始まった米国の【追加関税】の発動によって米国の鉄鋼業とアルミニュウㇺ製造業はその恩恵を受け、業績は回復したがトランプ大統領が注力している自動車産業は大きな被害を受けている。米国の自動車市場では乗用車の販売台数が他の車種を圧倒していたが2017年以降は【SUV】の全盛期に突入し、【乗用車】部門に強み発揮していた最大手の【GM】は2018年末には北米7工場の閉鎖を発表し、【フォード】は段階的に乗用車製造からの撤退を発表してている。

【米中貿易戦争】が勃発した昨年の7月以降、米国メーカーのドル箱であった中国で【GM】は2018年第3四半期(7~9月)~2019年第3四半期の販売台数は2017年の404万台から約83万台減少し、【フォード】は同期で約100万台販売台数を減らしている。

現時点で米国の自動車メーカーにとってはトランプ大統領の【追加関税政策】は悪夢である。   (おわり)

 

 

|

« 国家行事を自身の後援会行事に矮小化させた安倍首相 | トップページ | レイムダック化する安倍晋三首相 »

16アメリカ問題」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 国家行事を自身の後援会行事に矮小化させた安倍首相 | トップページ | レイムダック化する安倍晋三首相 »