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2019年10月 2日 (水)

日米貿易協議において日本は何を得たのか

歴代の米国大統領の中でドナルド・トランプ大統領ほど【再選】を意識して選挙公約を実現しようと苦闘している大統領はいないであろう。トランプ大統領の選挙公約の一丁目一番地は【製造業の雇用増】である。製造業の中でもトランプ大統領が重視しているのが【鉄鋼】と【自動車】だ。

【鉄鋼業】を象徴する都市はペンシルベニア州のピッツバーグ市である。ピッツバーグにはアメリカの鉄鋼業最大手の【USスチール】の本社が置かれている。【USスチール】の最盛期の1960年のピッツバーグ市の市域人口は76万人であったが現在の人口は30万人にしか過ぎない。さらに【自動車産業】を象徴する都市は【ミシガン州】のデトロイト市であるがその全盛期の1950年のデトロイトの人口は185万人であったがトランプ大統領が大統領に就任した年の2017年の人口は67万人で現在は人口は回復傾向にある。【デトロイト市】には米国自動車メーカーのビッグ3の【GM]、【フォード】それに【FCA](フィアット・クライス―・オートモビールズ)の本社が存在する。

ところで、4年に1度、11月の第一月曜日の翌日に実施される米国の大統領選挙の一般選挙は大統領を選ぶ選挙での投票権を持つ【選挙人】(538人)を選ぶ間接選挙である。大統領選挙の本選は12月に選挙人538人の選挙人によって行われる。選挙人の数は人口に応じて米国の50州とワシントン特別区に割り当てられる。

米国は2大政党制なので大統領選の立候補者を共和党と民主党が1人づつ擁立するが1981年に誕生したレーガン大統領以降、共和党の強固な地盤となった州は中西部の農業が盛んな州と南部諸州である。それに対して民主党の地盤となっているのが北東部の諸州とカリフォルニア州などの西部の諸州である。政党の地盤が安定していない11の州は【スウィング・ステイト】(揺れ動く州】と呼ばれ、大統領選挙の激戦区となる。

【スウィング・ステイト】は、フロリダ州(選挙人29人)、ペンシルベニア(20人)、オハイオ州(18人)、ミシガン州(16人)、ノースカロライナ州(15人)、バージニア州(13人)、コロラド州(9人)、アイオワ州(6人)、ネバダ州6人)、ニューハンプシャー州(4人)、ニューメキシコ州(5人)、ウイスコンシン(10人)である。トランプ大統領が25%関税を課して保護しようとした鉄鋼と自動車産業はこの【スウィング・ステイト】に入っている。つまり関税の目的は選挙対策と増税のためであったということにある。中国に対する関税の結果、米国の一般市民が2018年に負担した関税分は一人当たり1000ドルを超えたという調査結果が出ている。

4月から始まった日米貿易協議は9月に決着したが実利を得たのは米国産農産品の関税引き下げに成功した米国で、日本はトランプ大統領の再選に有利になるように協力したということになる。   (おわり)

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