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2019年9月 2日 (月)

米中、制裁関税合戦を再開

米国は、米国東部時間9月1日午前0時1分(日本時間同日午後1時1分)、1100億ドル(約12兆円)分の中国製品を対象に【制裁関税第4弾)を発動した。これによって1日午前0時1分以降、米国政府は税関を通過した中国製品から15%の【追加関税】徴収する。

今回の追加関税は【半導体メモリー】やテレビなどの家電関連製品や衣料、靴など合計3243品目が対象である。米国民の生活に直結する消費財が半分を占めているので米国民ばかりでなくメーカーや小売業などの企業にも影響が及ぶことになる。トランプ大統領は中国製品に対する関税を負担するのは中国であるなどとこれまでフェイクニュースを意図的にツイッターを駆使して流していたが関税を負担するのは企業と米国民であることを米国民は理解すべきである。

中国も9月1日の同時刻にに制裁関税を発動したため【米中制裁関税合戦】はいつ果てるとも知れない泥沼の戦いの様相を呈してきた。米中両政府は9月上旬、ワシントンで閣僚級の貿易協議を再開させる予定であるが具体的な日程は未だ決まっていない。たとえ、貿易協議が再開しても合意に達する可能性は極めて低い。そもそも、トランプ大統領が中国に対して制裁関税合戦を仕掛けた目的は、中国へ生産拠点の一部を移転させた米国の製造業を本国回帰させて米国の製造業を再生させることだからだ。トランプ大統領は製造業の本国回帰と製造業の再生を選挙公約に掲げ、選挙に勝利したので2020年の大統領選での再選を果たすためにはトランプ大統領は製造業の一部でも本国回帰させなければならないのである。

ところで、昨年3回に分けて米国が実施した【制裁関税】がもたらしたものは【大豆農家】の倒産の急増と米国が誇る【ビッグスリー】とかつて呼ばれた自動車メーカーの大幅な販売台数減である。

[大豆農家】は最大の輸出先であった中国が輸入先を米国からブラジルへシフトしたことによって米国の【大豆農家】は経営難に陥り、今年の2~6月の6か月間で農家の破産申請数は535件に急増した。トウモロコシも農家も中国からの輸入がほぼゼロとなり、今後、倒産が増えるかもしれない。

米国の色褪せた名称【ビッグスリー】のうち【GM】(ゼネラルモーター)の2017年の中国での販売台数は404万0789台であったが2018年の中国販売台数は364万5044台であったから報復関税合戦の影響によって【GM]は39万4200台減らしたことになら。減少幅は今年になってさらに拡大傾向にある。2019年上半期の中国販売台数は前年同期比15%減の156万7899台で、昨年が184万14396台であるから27万6500台減少したことになる。2019年通年では300万台前後にまで落ち込む可能性すら現実味を帯びてきた。

【フォード】も2018年の中国販売台数は105万5000台で前年より50万9000台減少した。【FCA】(フィアット・クライスラー・オートモビールズ】は中国販売台数は数万台程度であったことから2018年の販売台数は1万台程度である。

トランプ大統領が自動車メーカーを恫喝して本国回帰させようとしても米国での生産コストが他の地域の生産コストより高いので自動車メーカーの本国回帰は口言うほど簡単ではない。現時点ではトランプ大統領の【制裁関税】政策は米国を景気後退追い込んでいるだけである。   (おわり)

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