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2019年9月17日 (火)

日米貿易交渉の合意内容の大筋が判明

今月末に行われる予定の日米首脳会談で【日米物品貿易】の協定書の署名が行われる。それに先立ち【日米貿易交渉】の閣僚級会談で【日米物品貿易】の内容が確定する関

【日米物品貿易】の米国側の関心の焦点は【米国産農産品】の関税を日本側がどこまで引き下げるかであり、日本側の関心の焦点は米国が日本車に課している輸入関税の撤廃を受け入れるかであった。9月15日に【共同通信】が配信した記事によれば、米国産農産品の関税は昨年12月30日に発効した【TPP11】の水準で合意したとされる。新たに報じられた内容は「日本が米国に設定した最大7万トンの【コメ無関税枠】を大幅に縮小する」ということである。日本への米国のささやかな譲歩ということであろう。

日本人にとっての最大の関心事は現行の日本車に課されている2.5%の輸入関税の撤廃であるがこれは現状維持ということで日本の要求は受け入れられなかった。トランプ大統領は日本車に25%関税を課す可能性を示唆して日本に対して脅しをかけていた。だが25%の関税は単なる脅しであり、実行される可能性は限りなくゼロ%に近かったのである。

膠着状態に入っている【米中貿易戦争】の現況を視れば簡単に理解できる。米国の大手自動車メーカー【フォード】の2017年の中國販売台数は156万6000台であったが、米中貿易戦争が勃発した2018年には【フォード】の中国販売台数は105万5000台と51万1000台激減した。この流れは今年に入っても継続していて2019年上半期(1~6月)の【フォード】の中国販売台数は前年同期の40万0443台から24万1000台とこれまた大幅に減少している。

【フォード】の2017年の世界販売台数は660万台7000台であったが翌18年には前年比9.5%減の598万2000台でその減少分の約82%は中国での販売減少分である。米国が日本やEUに高率の自動車関税を課せば年間150万台を販売しているEUでもEUの報復関税によって【フォード】の販売台数は100万台を割ることは必至であろう。【フォード】にとってドル箱市場であったEUと中国を失えば【フォード】身売りする事態に追い込まれかねないのである。

任期2年を超えたトランプ大統領の経済政策に対して日本でも著名なノーベル経済学賞を受賞したジョセフ・スティグリッツ・コロンビア大教授やポール・クルーグマン・ニューヨーク市立大学教授は批判的な見解を述べている。トランプ政権が実行した【大型企業減税】は、上場企業によって自社株買い取り資金や株主の配当金として支出され、従業員にはさほど還元されず、減税と関税という矛盾する政策によって米国の中間・低所得層の負担を増やしたというのが両教授の見立てである。

【日米物品貿易協定】の締結は安倍首相からトランプ大統領への再選の【前祝】という意味合いが強い。   (おわり)

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