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2019年8月25日 (日)

日米物品貿易協定協議大筋合意

4月に始まった【日米物品貿易協定】協議の茂木敏充経済再生相とロバート・ライトハイザー米国通商代表部代表による閣僚級会合は4月から開始され、6月までに3回の閣僚級協議が行われたが、日本の参議院選への影響に配慮して7月には協議は中断していた。4回目の閣僚級会合は8月22日に始まり、大筋合意に至ったので8月24日に協議は終了した。

トランプ米国大統領は就任以降、前任者のオバマ大統領の施策をことごとく否定、大統領就任直後にはオバマ政権が苦心して締結にまで漕ぎつけた【TPP(環太平洋連携協定】からの離脱を表明した。トランプ大統領は【TPP】を無効にして【TPP】参加国の11カ国と個別に米国に有利な【FTA】(自由貿易協定)を締結することを目論んだのである。ところが日本が他の参加10カ国に呼びかけて11カ国で構成される自由貿易協定【TPP11】を発足させ、昨年の末の12月30日に【TPP11】を発効させた。

日本は米国にとって重要な米国産農産品の輸出先である。特に米国産【牛肉】の最大の輸出先は日本であり、米国産【豚肉】も日本はメキシコに次ぐ輸入国である。2017年の米国産【牛肉】の冷蔵品を13万6793トン日本は輸入し、全輸入量の51%を米国産冷蔵品が占めた。米国産【牛肉】の冷凍品を10万2270トン輸入したが全輸入品の31%に該当する。

【TPP11】の発効により、今年の4月1日からカナダ産やオーストラリア産【牛肉の輸入関税】は26.5%となり、自由貿易協定を結んでいない米国産牛肉の関税は38.5%のままであるから、米国産【牛肉】の日本への輸出量は減少する可能性が高まったのである。

米中貿易戦争の勃発によって米国産大豆や牛肉、豚肉の中国の輸入量は激減したために、米国では農産物の在庫が積みあがっている。来年の大統領選を考慮すれば米国は農産物の在庫を減らさなければならない状況に追い込まれたのである。現時点で米国産農産物の大量の購入可能な国は日本しかないのである。トランプ大統領は米国の国内向けに日本に【TPP11】より低い関税率を飲ませるなどと強気な発言をしていたが日本が優位な立場に立っているのでそのような要求を日本政府に飲ませることは不可能である。

閣僚級協議で合意に達した内容は、米国の農産品に課す関税は【TPP11】と同率ということである。さらに日本が要求していた【自動車関税】の撤廃は米国は拒絶したので現行の関税率2.5%の維持である。日本メーカーに対する輸入関税率を引き上げることになれば今や自動車の最大の市場は中国であるので日本メーカーは米国への投資を減らし、中国への投資を増やすことになる。米国メーカーは米国での販売は微減であり、中国では大幅減である。米国メーカが国内投資の余力がない以上米国での販売台数が4割を占めている日本メーカーを米国から締め出すような高率の関税を課す選択は米国政府にはないであろう。

トランプ大統領は農業と自動車産業の雇用の増加を選挙戦中に約束していたが現時点では公約違反となっている。貿易戦争によって米国の自動車メーカーは中国での販売台数を大きく減らしている。その結果、トランプ大統領誕生の原動力となった農業と自動車産業の中心地の中西部でのトランプ支持が揺らいでいるのである。米国のためにも、世界のためにもトランプ大統領の再選を米国民は許してはならないのである。  (おわり)

 

 

 

 

 

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