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2019年7月17日 (水)

米中の間で揺れ動く韓国

2019年の第1四半期(1~3月)の国別で対中国貿易額が大きいの上位3カ国は①米国1196億ドル、②日本742億ドル、③韓国671億ドルである。【韓国】の中国への輸出額は410億ドル、輸入額は261億ドルであるから韓国の2019年第1四半期の【対中国貿易収支】は149億ドルの黒字である。それに対して同期の韓国の対米輸出額は179億7400万ドル、【輸入額】は146億4200万ドルであるから韓国の【対米貿易収支】は33億3200万ドルの黒字である。韓国のGDPに対する貿易の依存度は約37%であるから韓国が中国への依存度を高めるのはある意味では当然なのである。

だが【安全保障】という観点からは韓国は現時点では米国に依存せざるを得ないのである。韓国には米軍が駐留し、最新鋭の戦闘機や艦船などの武器の供与を受けられるからである。中国が戦闘機や航空母艦の国産化に成功したと言っても米国との技術格差は簡単には埋められないのである。経済面では中国に依存し、軍事面では米国に依存するという立場から矛盾する立ち位置を韓国独力では現時点では解消できない。だが筆者の独断であるが日本が米国の了解を得た上で韓国に対して安全保障上の観点から【貿易規制】を通告したことから韓国は中国の核の傘の下に入るのか従来通り米国の傘の下に入り続けるかの選択をせざるを得ない状況に追い込まれたのである。

これまでの日韓関係は韓国が日本に対して無理難題を持ち掛けても最終的には日本が韓国の要求を受け入れてきた。昨年は韓国は日本との国際協定を一方的に破棄して日本政府及び日本国民の神経を逆なでしてきた。日本政府は抗議をしても最終的にはうやむやになると韓国政府は高を括っていたのである。しかしながら日本政府は7月1日に韓国政府の楽観的な予測を打ち砕く厳しい対応を表明した。

東西冷戦が終結後の約3年後の1996年7月にオランダのワッセナーで協議を重ね、【通常兵器及び関連汎用品・技術移転・輸出管理に関するワッセナー・アレンジメント(協約)が制定された。42か国が参加したこの協約が順守されているかを管理するための事務局はウイーンに置かれている。日本も韓国もこの協約に参加している。日本政府の見立てではこの協約は法的強制力はないが韓国はこの協約に違反している。それ故に輸出管理が厳密にできていない韓国に対して【貿易規制】をすることにしたのである。

日本の韓国に対する経済制裁や韓国最高裁の徴用工判決への報復措置などと騒ぎ立てている韓国政府は的外れな主張を繰り返している。韓国政府も遅ればせながらWTO(関あ貿易機構)への提訴や日本メーカーの海外子会社経由で【フッ化水素】を調達する可能性を模索していたが的外れな対応策だとやっと理解したらしく【フッ化水素】などの国産化を目指すということで落ち着いたらしい。

国産化のためには日本から破格な給与で日本人技術者を引き抜かなくてはならない。電機製品の場合は日本企業の人員削減で退社を余儀なくされた優秀な技術者がいたが今回は事情が違う。サムスンやSKハイニクスに販売できなくなってもNAND型半導体の生産量世界2位の東芝や半導体販売高世界2位の米国【マイクロン】など売り先は新たに開拓できるので優秀な人材が韓国企業に流れる可能性は低いと思われる。

サムスンの半導体製品の8割は中国企業が購入している。だが中国も半導体の生産の7割を国産化するという目標掲げている。【サムスン】の前途は多難である。  (おわり)

 

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