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2019年7月24日 (水)

日本政府の韓国に対する半導体の3種類の原材料製品の輸出規制は日本経済に甚大な被害をもたらすのか

日本政府は、7月1日に電撃的に半導体製造に不可欠な【フッ化ポリイミド】、【フォトレジスト】、【フッ化水素】と3種類の原材料の韓国への輸出の規制を強化発表した。虚を突かれた韓国政府は即座には対応策を打ち出すことが1週間後の7月8日になって文在寅大統領は「韓国企業の被害が実際に発生した場合、政府は必要な対抗措置をとる」と発言するの精一杯であった。できずに文在寅大統領が8日の発言にはインパクトがないと判断したのかさらに1週間後の15日にはソウルの大統領府の会合の中で文大統領は「結局は、日本経済により大きな被害が産まれることを警告しておく」という根拠のない強気な発言をした。

2010年以降、韓国経済の牽引役は【サムスン電子】と【ヒュンデ(現代)自動車】であったが2013年以降【現代自動車】の営業利益が減少を続けていることによって韓国経済は【サムスン電子】の片肺飛行である。【現代自動車】の2017年の売上高は前年比2.9%増の96兆3760億ウォン(約9兆8300億円)、【営業利益】は前年比12%減の4兆5750億ウォン(約4670億円)、2018年が【売上高】は前年比4.8%増の97兆2520億ウォン、営業利益は前年比35.4%減の2兆4220億ウォンと6年連続の減益である。それに対して【サムスン電子】の2017年の【売上高】は、前年比18.7%増の239兆6000億ウォン(約25兆4000億円)、【営業利益】は83.3%増の53兆6400億ウォン(約5兆7000億円)と史上最高であった。2018年の【売上高】は前年比1.7%増の243兆7700億ウォン、【営業利益】は9.8%増の58兆8900億ウォンと史上最高を更新した。

だが好事魔多しで韓国が最も得意とする半導体記憶素子DRAM型半導体が生産過剰に陥り、2018年の第4四半期(10~12月)から減益に転じていた。2019年第1四半期(1~3月)の【売上高】は前年同期比で13.5%減の52兆3900億ウォン(5兆2390億円)、【営業利益】は60.2%減の6兆2300億ウォン(約6230億円)、第2四半期(4~6月)は売上高はまだ公表されていないが、【営業利益】は56%減の6兆5000億ウォン(約6000億円)と大幅な減益が続き、さらにウォン安が進行している。2019年第1四半期は半導体の売り上げ高のシェア1位の座は米国の【インテル】が奪還した。【サムスン電子】の大幅な減益の原因は在庫過剰による半導体価格の急激な下落である。

日本の半導体関連素材の輸出規制強化により日本の素材メーカーの売上高が減少するという悪影響が表れることになる。今年の1~5月の韓国半導体メーカーが輸入した【フッ化ポリイミド】(スマホのディスプレイに用いる)の94%、【フォトレジスト】(半導体の基盤に塗る)の92%、【フッ化水素】(半導体の洗浄に使う)の44%が日本メーカーの製品である。この輸出総額は3.4億ドル(約360億円)で日本の輸出総額81.5兆円の0.0004%であるから日本経済に与える影響はほとんどない。

韓国の半導体の製造が一時的に停止すれば韓国からの半導体に依存している日本のメーカーは打撃を受けると懸念するメディアの報道があるが日本の半導体の輸入の約40%は台湾で、韓国は30%程度である。現在、半導体は在庫が積みあがっているので2~3カ月は何ら懸念する必要がない。韓国からの輸入が困難になれば半導体の輸入先を米国に切り替えればいいのである。あるいは生産量で世界2位の東芝メモリから調達するとい方法もある。中国経済の減速が続く限り、製品の8割を中国への輸出に依存している【サムスン電子】などの韓国の半導体メーカーは業績悪化が続くことになる。日本の輸出規制の強化で苦しむのは韓国であろう。   (おわり)

 

 

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