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2019年7月

2019年7月30日 (火)

2019年参院選、低投票率に喘ぎ、比例区で得票数を落とした主要政党

7月21日投開票の【第25回参議院選挙】の投票率は、国政選挙としては1995年の参議院選挙の投票率【44.52%】に次ぐ48.80%という史上2番目の低投票率であった。

2016年の前回の参議院選挙の投票率54.70%に比べて5.90ポイント下回り、地方選挙区では高知県(44.2%)を除く46都道府県で前回参議院選挙の投票率を下回った。最も投票率が低かったのは前回比12.37ポイント減の青森県の42.94%であった。低投票率の原因は投票前の台風や大雨被害、選挙の明確な争点の不在、統一地方選挙終了後で地方議員の動きが鈍かったなどがその要因として挙げられる。但し、期日前投票者数が1706万2771人で有権者の16.01%と史上最高であったことを考えると自然条件は原因とは言い難い。

今回の参議院選挙の議席獲得数は、【自民】は57議席で改選前より9議席減らし、【立憲民主党】は17議席で改選前より8議席増やし【公明党】は14議席で3議席増やし、【国民民主党】は6議席で2議席減らし、【日本維新】は10議席で3議席増やした。【共産党】は7議席で1議席減らし、社民党は1議席で増減なし、【れいわ新選組】は2議席で1議席増、【N国党】(NHKから国民を守る党)は1議席。

この結果、参議院の勢力分野は自民党が113議席、【立憲民主党】が32議席、【国民民主党】21議席。【日本維新】が16議席、【共産党】が13議席、【社民党】が2議席、【れいわ】が2議席、【N国】が1議席、野党系無所属が9議席であるので立憲、国民は議席を伸ばすことになる可能性が高い。

今回の参議院選挙の注目点の一つは憲法改正を推進する【改憲勢力】が憲法改正の発議に必要な3分の2を超えるかということであったが改憲勢力は自民党113議席、公明党28議席、日本維新が16議席の合計161議席であるから参議院の3分の2の163議席には2議席足りない。しかしながら国会で憲法改正の論議が進展すれば【国民民主党】から憲法改正に同調する動きが出てくるであろ

今回の参院選の勝者はどの政党かということになるとその判断は難しい。議席獲得数の観点からいえば、【立憲民主党】、【公明党】。【日本維新】、【れいわ】ということになるのであろうが比例たの得票数という観点に立てば低得票率という要素を加味すれば、【日本維新】と【れいわ】ということになる。

8議席増やした【立憲民主党】の比例区の投票数は、791万7720票であったが2016年にはまだ結党していないので比較するのは2017年の衆議院選の比例票ということになる。【立憲民主党】の比例の得票数は1108万4390票であった。差し引きで326万7000票減っている。つまり、【立憲民主党】の8議席増は、他の野党の協力の結果に他ならないのである。

【自民党】も比例票は前回参議院選に比較すると今回は240万票減らしているし、【公明党】も約103万6000票減らした。今回の参議院選挙は勝者なき参議院選であったというべきなのかもしれない。   (おわり)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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2019年7月27日 (土)

日本政府は韓国に対する貿易優遇措置撤廃を契機に新たな日韓関係を築くべきである。

WTO(世界貿易機関)の【一般理事会】の2日目の会合が,WTOの常設事務局が置かれているスイスのジュネーブで日本時間7月24日夕刻から始まった。出席者はWTO全加盟国(164ヵ国)の理事である。この日の議題は、韓国政府が申請した、日本が韓国に対して半導体の原材料などの輸出管理を厳しくした措置である。

本来、【一般理事会】は多国間の【貿易紛争】を討議すべき場であって2国間の【貿易紛争】について討議する場ではないので韓国の申請が受理され討議されたこと自体が異例で、韓国政府が水面下で一般理事会の議長国(タイ)に働きかけたと推測される。近年、国連やユネスコ、WTOなどの国際機関は新興国に主導権を握られている。そのことに一番不満を抱いているのが米国である

【一般理事会】の席上で【韓国】は日本の【貿易規制措置】は韓国の最高裁の徴用工判決に対する報復措置であるから【WTOルール】に違反していると主張したが、【日本】は【安全保障上の措置】であるから【WTOルール違反】ではないと反論した。両国の主張は平行線で韓国の主張に賛意を示した理事はいなかったとロイター通信は報じた。

【WTO】は【自由貿易の促進】のために1995年1月1日発足した国際機関である。毎年開催される【一般理事会】の下には【紛争解決機関】と【貿易政策検討機関】が設置されている。【一般理事会】の討議で国際世論を味方につけることができなかった韓国は、8月に入って日本政府が韓国を【包括輸出対象国】(ホワイト国)から除外した後に【WTO】の【紛争解決機関】提訴することになるであろう。

【紛争解決機関】には【小委員会」と【上級委員会】があり、そこで審査して裁定を公表する。審査の過程で日本政府は当然のことながら韓国企業が第三国に違法な輸出を実行していた事実を公表すると思われる。いずれにしろ【紛争解決機関】の裁定が出るまでに2~3年はかかるであろう。

ところで、7月27日の早朝、仰天するニュースが飛び込んできた。【共同通信】が「トランプ米大統領が26日、「『WTOで中国や韓国などが発展途上国として優遇措置を受けるのは不公平だ』と主張してWTOが制度を見直すよう【米通商代表部】(USTR)に取り組みを指示した」と配信したのである。

日本政府は米国政府と入念な打ち合わせの下に韓国に対する貿易規制の強化と貿易優遇措置の撤廃を実施するのであろう。日本が韓国に妥協する可能性は限りなくゼロに近い。日本政府は韓国に甘い幻想を抱かせないために韓国とは歴史問題は解決済みという姿勢を貫くのであろう。   (おわり)

 

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2019年7月24日 (水)

日本政府の韓国に対する半導体の3種類の原材料製品の輸出規制は日本経済に甚大な被害をもたらすのか

日本政府は、7月1日に電撃的に半導体製造に不可欠な【フッ化ポリイミド】、【フォトレジスト】、【フッ化水素】と3種類の原材料の韓国への輸出の規制を強化発表した。虚を突かれた韓国政府は即座には対応策を打ち出すことが1週間後の7月8日になって文在寅大統領は「韓国企業の被害が実際に発生した場合、政府は必要な対抗措置をとる」と発言するの精一杯であった。できずに文在寅大統領が8日の発言にはインパクトがないと判断したのかさらに1週間後の15日にはソウルの大統領府の会合の中で文大統領は「結局は、日本経済により大きな被害が産まれることを警告しておく」という根拠のない強気な発言をした。

2010年以降、韓国経済の牽引役は【サムスン電子】と【ヒュンデ(現代)自動車】であったが2013年以降【現代自動車】の営業利益が減少を続けていることによって韓国経済は【サムスン電子】の片肺飛行である。【現代自動車】の2017年の売上高は前年比2.9%増の96兆3760億ウォン(約9兆8300億円)、【営業利益】は前年比12%減の4兆5750億ウォン(約4670億円)、2018年が【売上高】は前年比4.8%増の97兆2520億ウォン、営業利益は前年比35.4%減の2兆4220億ウォンと6年連続の減益である。それに対して【サムスン電子】の2017年の【売上高】は、前年比18.7%増の239兆6000億ウォン(約25兆4000億円)、【営業利益】は83.3%増の53兆6400億ウォン(約5兆7000億円)と史上最高であった。2018年の【売上高】は前年比1.7%増の243兆7700億ウォン、【営業利益】は9.8%増の58兆8900億ウォンと史上最高を更新した。

だが好事魔多しで韓国が最も得意とする半導体記憶素子DRAM型半導体が生産過剰に陥り、2018年の第4四半期(10~12月)から減益に転じていた。2019年第1四半期(1~3月)の【売上高】は前年同期比で13.5%減の52兆3900億ウォン(5兆2390億円)、【営業利益】は60.2%減の6兆2300億ウォン(約6230億円)、第2四半期(4~6月)は売上高はまだ公表されていないが、【営業利益】は56%減の6兆5000億ウォン(約6000億円)と大幅な減益が続き、さらにウォン安が進行している。2019年第1四半期は半導体の売り上げ高のシェア1位の座は米国の【インテル】が奪還した。【サムスン電子】の大幅な減益の原因は在庫過剰による半導体価格の急激な下落である。

日本の半導体関連素材の輸出規制強化により日本の素材メーカーの売上高が減少するという悪影響が表れることになる。今年の1~5月の韓国半導体メーカーが輸入した【フッ化ポリイミド】(スマホのディスプレイに用いる)の94%、【フォトレジスト】(半導体の基盤に塗る)の92%、【フッ化水素】(半導体の洗浄に使う)の44%が日本メーカーの製品である。この輸出総額は3.4億ドル(約360億円)で日本の輸出総額81.5兆円の0.0004%であるから日本経済に与える影響はほとんどない。

韓国の半導体の製造が一時的に停止すれば韓国からの半導体に依存している日本のメーカーは打撃を受けると懸念するメディアの報道があるが日本の半導体の輸入の約40%は台湾で、韓国は30%程度である。現在、半導体は在庫が積みあがっているので2~3カ月は何ら懸念する必要がない。韓国からの輸入が困難になれば半導体の輸入先を米国に切り替えればいいのである。あるいは生産量で世界2位の東芝メモリから調達するとい方法もある。中国経済の減速が続く限り、製品の8割を中国への輸出に依存している【サムスン電子】などの韓国の半導体メーカーは業績悪化が続くことになる。日本の輸出規制の強化で苦しむのは韓国であろう。   (おわり)

 

 

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2019年7月23日 (火)

韓国政府、日本の対韓輸出優遇措置撤廃に対する有効な手立てがなく迷走を続ける

人権派弁護士出身で、経済や外交問題の素人の文在寅韓国大統領にとって政権運営は荷が重いようである。文大統領の支持率低下の切っ掛けを作ったのは【最低賃金額】の大幅な引き上げであろう。文大統領が2017年5月に就任した当時の1時間当たりの【最低賃金額】は6470ウォンであったが2018年1月1日から適用された【最低賃金額】は前年比16.4%増の7530ウォン(741円)となった。2017年までの数年間の【最低賃金額】の上昇率は7~8%(平均7.4%)であったから一挙に最低賃金上昇率は2倍となった。このような異常な上昇率になった原因は【最低賃金額】を決定する公的機関が文大統領の「2020年までに最低賃金を10000ウォン(984円)に引き上げる」という選挙公約に配慮したためであろう。

2桁台半ばを超える【最低賃金上昇率】は異常であることを認識していた韓国政府は上昇分の50%を税金を投入して負担する措置を採った。この【最低賃金】の大幅引き上げに対して経営者側からも労働者側からも懸念が表明されている。経営者側の懸念は人件費の負担増は経営破綻のリスク増であり、労働者側の懸念は雇用の減少であった。懸念通り【最低賃金】の引き上げは中小企業の倒産の増大と雇用の減少をもたらした。その結果、韓国の2018年の【最低賃金】政策は失敗したというのが国際的な通説である。2019年の【最低賃金額】は前年比10.4%増の8350ウォンとなり、さらなる倒産件数増と雇用減を招来し、今年の4月の第1週の文大統領の支持率は就任時の支持率の半分以下の41%となった。

韓国の民主化以降に誕生した歴代政権は政権基盤が弱体化すると【反日政策】に舵を切ることを常套手段としてきたが朴槿恵大統領以降、韓国の中国依存度が高まると中国の意向を忖度して就任当初から反日の姿勢を鮮明にしている。韓国の歴代政権にはどのような無理難題を日本に押し付けても最終的には日本は韓国側の要求を受け入れるという甘えがあったのである。日本が韓国に対して優柔不断な態度を取り続けた遠因の一つは【日米韓軍事同盟】が存在しているからである。

だが、日本政府はG20首脳会議の終了直後の7月1日に韓国に対する【輸出優遇措置撤廃】を通告した。この措置に踏み切った理由として【経済産業省】は、「①日韓間の信頼関係の喪失と②大韓民国(韓国の正式名称)に関連する輸出管理をめぐり不適切な事案が発生した」とういう二つの理由を挙げている。

日本政府の強硬な措置を全く予想していなかった韓国政府は大混乱に陥り、文大統領の発言も強気になったり、弱気になったり、支離滅裂である。韓国は米国に日韓関係修復のための仲裁を依頼しているが韓国民に対する説明と米国政府に対する説明に乖離がありすぎて米国政府からは突き放されているといった状況下にあるらしい。

今夕(7月23日夕刻)からWTO(世界貿易機構)の理事会が開かれ、日韓貿易問題が議題の上り理論される予定であるがその議論の行方を見守る必要が日本政府にはある。   (おわり)

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2019年7月18日 (木)

2019年上半期(1~6月)の日本の貿易収支の赤字によって浮かび上がった中国経済の減速

財務省は7月18日、2019年6月の【貿易統計】を発表した。【輸出】は、前年同月比で6.7%の減少の6兆5845億円で、輸出の減少は7カ月連続である。【輸入】は、前年同月比で5.2%減の5兆9950億円、輸入の減少は2カ月連続である。【輸出額】から【輸入額】を差し引いた【貿易収支】は5895億円の黒字であった。貿易収支の黒字は2カ月ぶりである。

日本の貿易相手国の中で日本が黒字を積み上げている相手国は【米国】で6月の対米輸出額は前年同月比4.8%増の1兆3555億円で9カ月連続の増加。【輸入額】は2.5%減の6856億円で【貿易収支は】前年比で13.5%の6699億円であった。一方、日本が【貿易赤字】を垂れ流している相手国の【中国】への【輸出額】は前年同月比で10.1%減の1兆2450億円、中国からの【輸入額】は前年同月比で5.3%減の1兆3772億円。【貿易収支】は1313億円の赤字で、赤字は15カ月連続である。対中国の赤字が常態化している原因は中国からの輸入品の大半は日本のメーカーが中国で製造した製品を逆輸入しているからである。

【輸出】で増加したのは自動車で前年同月比で78.7%増えている。これは米中貿易戦争によってアメリカで生産された高級車(ドイツのメルセデス・ベンツやBMWなど)に35%の関税がかけられるので日本のレクサスなどの高級車に価格の面で太刀打ちできないために日本の高級車の売れ行きが好調なのである。日本から輸出する【レクサス】の関税は10%である。日本からの輸出品で減少しているのは半導体製造装置(27.1%減少)、自動車部品(30.5%減少)、半導体電子部品(21.5%減少)などである。

【半導体製造装置】の輸出量が減っているのは半導体の在庫が積みあがって値崩れを起こしているために半導体工場の稼働率が低下しているためだ。自動車部品の輸出の減少は中国の自動車生産量が昨年から減っていることが原因である。つまり、中国経済が減速している証なのである。

昨年の上半期(1~6月)の日本の【貿易収支】は【輸出】が40兆1314億円、【輸入】が39兆5282億円であったから6032億円の黒字であった。ところが今年の上半期の【貿易収支】は、【輸出】が前年同期比4.7%減の38兆2404億円、【輸入】は39兆1292億円で8888億円の赤字である。輸出が大幅に減っているのは【半導体製造装置】(18.5%減)、鉄鋼・自動車部品(21%減)である。

国別の【貿易収支】で赤字額が一番大きかったのが中国で2兆0439億円、【黒字額】が最も大きかったのが米国で3兆4590億円である。日本は米国と中国を除いた東アジアと東南アジアで稼ぎ、【中国】と【EU]さらに【中東】では恒常的に赤字である。日本の【貿易収支】に重大な影響を与えるのは原油価格と中東である。  (おわり)

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2019年7月17日 (水)

米中の間で揺れ動く韓国

2019年の第1四半期(1~3月)の国別で対中国貿易額が大きいの上位3カ国は①米国1196億ドル、②日本742億ドル、③韓国671億ドルである。【韓国】の中国への輸出額は410億ドル、輸入額は261億ドルであるから韓国の2019年第1四半期の【対中国貿易収支】は149億ドルの黒字である。それに対して同期の韓国の対米輸出額は179億7400万ドル、【輸入額】は146億4200万ドルであるから韓国の【対米貿易収支】は33億3200万ドルの黒字である。韓国のGDPに対する貿易の依存度は約37%であるから韓国が中国への依存度を高めるのはある意味では当然なのである。

だが【安全保障】という観点からは韓国は現時点では米国に依存せざるを得ないのである。韓国には米軍が駐留し、最新鋭の戦闘機や艦船などの武器の供与を受けられるからである。中国が戦闘機や航空母艦の国産化に成功したと言っても米国との技術格差は簡単には埋められないのである。経済面では中国に依存し、軍事面では米国に依存するという立場から矛盾する立ち位置を韓国独力では現時点では解消できない。だが筆者の独断であるが日本が米国の了解を得た上で韓国に対して安全保障上の観点から【貿易規制】を通告したことから韓国は中国の核の傘の下に入るのか従来通り米国の傘の下に入り続けるかの選択をせざるを得ない状況に追い込まれたのである。

これまでの日韓関係は韓国が日本に対して無理難題を持ち掛けても最終的には日本が韓国の要求を受け入れてきた。昨年は韓国は日本との国際協定を一方的に破棄して日本政府及び日本国民の神経を逆なでしてきた。日本政府は抗議をしても最終的にはうやむやになると韓国政府は高を括っていたのである。しかしながら日本政府は7月1日に韓国政府の楽観的な予測を打ち砕く厳しい対応を表明した。

東西冷戦が終結後の約3年後の1996年7月にオランダのワッセナーで協議を重ね、【通常兵器及び関連汎用品・技術移転・輸出管理に関するワッセナー・アレンジメント(協約)が制定された。42か国が参加したこの協約が順守されているかを管理するための事務局はウイーンに置かれている。日本も韓国もこの協約に参加している。日本政府の見立てではこの協約は法的強制力はないが韓国はこの協約に違反している。それ故に輸出管理が厳密にできていない韓国に対して【貿易規制】をすることにしたのである。

日本の韓国に対する経済制裁や韓国最高裁の徴用工判決への報復措置などと騒ぎ立てている韓国政府は的外れな主張を繰り返している。韓国政府も遅ればせながらWTO(関あ貿易機構)への提訴や日本メーカーの海外子会社経由で【フッ化水素】を調達する可能性を模索していたが的外れな対応策だとやっと理解したらしく【フッ化水素】などの国産化を目指すということで落ち着いたらしい。

国産化のためには日本から破格な給与で日本人技術者を引き抜かなくてはならない。電機製品の場合は日本企業の人員削減で退社を余儀なくされた優秀な技術者がいたが今回は事情が違う。サムスンやSKハイニクスに販売できなくなってもNAND型半導体の生産量世界2位の東芝や半導体販売高世界2位の米国【マイクロン】など売り先は新たに開拓できるので優秀な人材が韓国企業に流れる可能性は低いと思われる。

サムスンの半導体製品の8割は中国企業が購入している。だが中国も半導体の生産の7割を国産化するという目標掲げている。【サムスン】の前途は多難である。  (おわり)

 

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2019年7月15日 (月)

中国環境車規制でハイブリット車優遇に転換、トヨタとホンダに順風

【EV】(電気自動車)と【PHV】(プラグインハイブリット車)を【新エネルギー車】と規定し、これらの車の一定比率の生産を義務付ける【NEV規制】が中国で2019年から始まったが,【新エネルギー車】の生産台数はガソリン車やディ―ゼル車の製造・販売台数に基づいて複雑なポイント制によって算定される。

中国市場で【EV】や【PHV】が発売されたのは2011年で、【EV】の販売台数は5579台、【PHV】の販売台数は2000台に満たなかった。昨年の【EV】の販売台数は78万8000台、【PHV】は26万5000台であった。中国の北京などの大都市の大気汚染は深刻でその対策として新エネルギー車の販売の促進と世界の自動車産業の主導権を握ろうとして中国政府は【EV】の製造に注力しているのであるが【EV】の販売台数は中国政府が期待したほど増えてはいない。充電施設の整備と【EV】の航続距離がそれを阻んでいるのである。しかしながら、【大気汚染】の解消は喫緊の課題なので中国政府は苦肉の策として低燃費で省エネ車と中国政府が位置付けている【HV】(ハイブリット車)を優遇する方針に転換した。

中国で自動車行政を担当する【工業情報化省】の当初の計画では【ガソリン車】を100万台製造するメーカーは【EV】を2万台製造することが義務付けられていた。【HV】は【ガソリン車】のカテゴリーに分類されていたので【HV】を100万台製造するメーカーの【EV】製造台数は2万台であった。だが新たな【修正案】で【HV】はガソリン車のカテゴリーから離れたので【EV】の製造台数は大幅に引き下げられて6000台となった。【ガソリン車】は逆に【EV】製造台数が引き上げられて2万9000台となった。【工業情報化省】が7月に公表した【修正案】は8月中にメーカーや専門家の意見の聞き取り調査を終えて年内には決定する見通しであるという。

昨年の【HV】の世界販売台数は229万台であったが日本の【トヨタ】と【ホンダ】2社の販売台数の合計は200万台を超えている。因みに【トヨタの2018年の【HV】の世界販売台数は公表されていないが2017年の販売台数は152万台であった。

今年の上半期の中国新車販売台数は前年比で12.4%減1232万3000台で【トヨタ】と【ホンダ】以外の中国に生産拠点のある各国のメーカーは前年比で販売台数は減少している。【トヨタ】は前年同期比12.2%増の76万9000台で昨年より販売台数は8万9000台増えた。【ホンダ】は前年同期比で22.4%増の74万5400台で昨年同期より13万6300台の大幅増である。【HV】の販売が好調だったからだ。

【NEV規制】で【HV】が優遇されるので、【HV】製造では他のメーカーに先んじている両社の中国での販売台数は今後大幅に増加する可能性が高まってきた。   (おわり)

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2019年7月12日 (金)

日米政府の対韓国観の変化を読み違った韓国政府

【日・米・韓】の関係の中でも特に【日韓】関係は本来脆弱な関係である。時の韓国政府が政権浮揚策のために韓国国民の反日感情を煽ってきたからである。それにも拘らず【日・米・韓】関係が曲がりなりにも均衡を保っていたのは米国が日韓両国の緩衝材として機能していたからである。ところが2017年1月米国にドナルド・トランプ大統領という異色の大統領が誕生してから米韓関係に亀裂が生じ始めた。国家あるいは地域の安全保障という観念を理解しようとしないトランプ大統領は在韓米軍の駐留経費を米国が負担することを【無駄】と考えており、これを韓国に負担させと考えている。

4カ月後の5月には韓国にも異色の大統領が誕生した。文大統領は1950年に勃発した【朝鮮戦争】の際に脱北した避難民を両親に持つ。文大統領も避難民であれば北朝鮮に対する心象風景は変わっていたと思われるが1953年生まれの文大統領は失意のうちに死亡した父親の北朝鮮への強い望郷の念を受け継いだと思われる。大統領就任以来の文大統領の北朝鮮への肩入れは尋常ではない。

戦後の日本の政治家、殊に自民党の政治家には朝鮮民族への贖罪(しょくざい)の意識から韓国に対しては寛大であり、韓国側からの過大な要求も最終的には受け入れてきた。その結果、韓国の歴代政権はどんな要求でもごり押しすれば日本は要求を受け入れるという甘えが常態化したのである。だが安倍政権の主要閣僚は贖罪の意識を持つ閣僚は存在しないのである。だからこそ国連の経済制裁を受けている【北朝鮮】を支援する韓国に毅然とした態度で接することを決断し、輸出の面での優遇措置を与えている【ホワイト国】から除外することになったのである。

韓国は米国に働きかけて米国から日本に対して輸出上の優遇措置を継続するよう働きかけているが米国が韓国の要求を受け入れて日本を説得するとは考え難い。というのはトランプ大統領は韓国抜きで北朝鮮と直に北朝鮮の非核化協議をしようとしているからだ。成功する確率は現時点では低いと考えられているがトランプ大統領の最優先事案は【再選】であるから【再選】に有利になると判断すれば北朝鮮の核所有を容認し、韓国との軍事同盟を破棄するという世界を仰天させる選択をするかもしれない。

韓国が最も恐れている事態は今回の日本による輸出規制によって韓国最大の稼ぎ頭【半導体】製造企業が甚大な損害を被ることである。2018年の半導体業界の売上高ランキングで韓国が誇る【サムスン電子】は1位でシェアは15.5%、2位が米国の【インテル】で14.0%、3位が韓国の【SKハイニクス】で7.6%、4位が米国【のマイクロンテクノロジー】で6.3%、5位~7位まではシェアが3%台で米国の【ブロードコム】、【クアルコム】、【テキサインスツルメント】と続く。9位には東芝と提携している【ウェスタンデジタル】で1,9%である。半導体業界の主導権を握っているのは米国である。

韓国は今回の輸出規制措置は米国の半導体企業もダメージを受けるなどと米国の政府首脳に説明をしていると言われているが【サムスン】と【SKハイニクス】がダメージを受ければ米国の半導体企業にとってはシェァを拡大する絶好の機会なのである。今回のことがなくても数年後には中国は半導体の国産率が40%程度になるので【韓国企業】の凋落は確定していると言えるのである。

安倍首相はトランプ大統領の了解を取り付けて韓国に対する輸出規制措置に踏み切ったと想像すべきであろう。韓国の半導体の輸出先は80%が中国で、日本の半導体は10%と言われている。【東芝】にとってもシェアを回復すべき絶好の機会なのである。   (おわり)

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2019年7月10日 (水)

電動自動車の開発を加速されるトヨタ連合

【トヨタ】は6月7日、【トヨタのチャレンジーEVの普及を目指して】と題する記者会見を開いた。その会見の趣旨は車両電動化の取り組みを説明することで解説役を務めたのはトヨタの最高技術責任者で副社長の寺師茂樹氏である。

寺師副社長は「トヨタがハイブリットカー開発で20年以上にわたり蓄積してきた【モーター】、【バッテリー】、【パワーコントロールユニット】の3点を車両電動化の【核心技術】と位置付け、【核心技術】にエンジンや充電器、FCスタックなどの固有ユニットを組み合わせることによってハイブリットカー、EV(電気自動車)、FCV(燃料電池車)といった種々の電動化車両が誕生するというトヨタの法則」を披露した。

さらに、寺師氏は「電動車と【自動運転】や【コネクテイッド】(インターネットと繋がる)などの先端技術を融合させることで【MaaS】(Mobility  as a Service サービスとしての移動)といった次世代モビリティが生まれるが、電動車が【MaaS】の新しいビジネスモデルの鍵となる」と解説した。

この記者会見の前日の6月6日には【トヨタ】と【スバル】は「中・大型乗用車専用のBEV(バッテリー電気自動車)のプラットフォームとCセグメントSUVモデルBEVを共同開発することで合意した」と発表している。

【トヨタ】は資本・業務提携をしている【マツダ】(トヨタが第2位の株主)とトヨタ系列の部品メーカー【デンソー】とBEV開発専門会社【EVCAスピリット】(寺師茂樹代表取締役プレジデント)を立ち上げており、この会社にトヨタグループの【ダイハツ】と【日野】さらに【スズキ】が参加の意向を表明している。

【トヨタ】は【スバル】株式の16.77%を保有し、米国ではトヨタはスバルにハイブリットシステム・THS-Ⅱを供給しており、スバルは2018年に販売を開始したPHEV【クロスレック】にTHS-Ⅱを搭載している。

【トヨタ】は日系自動車メーカー5社と連携してBEVの開発に本格的に乗り出したのである。しかも電動車の発売時期を5年前倒しして2025年に中国市場を皮切りにグローバル市場に投入すると発表した、当初の販売計画ではハイブリッドカーとPHVの販売台数を450万台以上、EVとFCVは100万台以上、電動車の販売台数の目標は550万台以上である。世界の主要自動車市場では環境対策が強く求めれているために【トヨタ】としても電動車の発売を前倒しせざるを得なかったのである。【トヨタ】にとっても電動車の販売は社運を賭けた戦いとなる。(おわり)

 

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2019年7月 9日 (火)

米中貿易戦争は米国の製造業界に富と雇用を齎(もたら)したのか

6月28~29日に大阪で行われ行われた【G20首脳会談】を利用して米中首脳会談が開かれ、注目を集めていた米国の第4弾の約3000億ドル(約33兆円)分の中国からの輸入品に対する25%(現行10%)への関税引き上げが期限限定なしで先送りされた。

トランプ大統領が習近平国家主席に譲歩した形となったがことはそれほど単純ではないであろう。第4弾の関税引き上げ品目の中にはスマートフォンなどの輸入額の大きい代表的な消費財の関税率が引き上げられれば米国の経済を支えている個人消費が冷え込み、米国の好調な経済にダメージを与えることを回避したというのが真実だと思われる。第4弾の関税引き上げに関しては米財界はこぞって反対を表明していたし、アップル社も引き上げの中止を要請していた。

トランプ大統領は、関税の引き上げ分は中国が負担するなどとツイッターで投稿していたが関税を負担するのは最終的には消費者であり、トランプ大統領は意図的にフェイクニュースを垂れ流していたことになる。トランプ大統領の側近として知られる経済評論家出身の米国の経済政策の諮問機関【国家経済会議】のラリー・クドロー委員長ですらトランプ大統領のツイッター投稿の内容を明確に否定していた。

ところで、米中貿易戦争は1年を経過したが、トランプ大統領が主張していたように米国の製造業は活気を取り戻し、雇用は増大してのであろうか。米中貿易戦争(関税引き上げ)の恩恵を受けたのは鉄鋼業やアルミ業界であろう。それに対して被害を受けたのはハイテク産業や自動車産業であり、製造業ではないが農業である。

米国を代表するハイテク産業の【アップル】は、貿易戦争の影響で景気が後退した中国市場でアイフォンの販売量が減少し、2019年の売り上げ高の見通しを引き下げたし、半導体業界のトップの座を永年維持してきた【インテル】も中国での需要低下を受けて売上高を下方修正した。

被害の大きい自動車産業では、【GM】は今年の製造コストの上昇を関税引き上げと素材関連で10億ドルと見込み、【クライスラー・フィアット】は関税引き上げの影響でコモディティ(汎用品)関連のコスト上昇を7億5000万ユーロと見込んでいる。

【GM】の2019年第1四半期(1~3月)の米国での販売台数は前年より5万台減って81万台、中国では前年の98万6000台から前年比で17万200台減って81万4000台、【フォード】は米国では前年比で9900台減の59万6800台、中国では前年より台数にして10万7000台減の11万5000台。【クライスラー・フィアット】は米国では前年比極ではで1満5300台減の49万8400台、中国では前年比30%減の3万9000台。自動車メーカーは惨憺たる状況である。最大の雇用を生み出す自動車産業の業績がこの体たらくでは米国の製造業の雇用は減ることはあっても増えることはない。

【米中貿易戦争】の先行きは不透明である。単なる経済闘争から米国を中心とする民主主義に裏打ちされた【自由主義社会】と中国共産党独裁型管理型社会】の争いという政治闘争に発展している。それ故に米国と中国の政治指導者の心の中に国家の存亡をかけた闘いに突入した意識が芽生えているために解決策は存在しないかもしれない。唯一被害の最小化を図れる解決策は米国民がトランプ大統領の再選を阻止することかもしれない。   (おわり)

 

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2019年7月 4日 (木)

日本政府トランプ大統領流の韓国への輸出規制強化を発動

日本政府は7月4日午前0時から韓国に対する半導体や有機ELパネル製造に使用される【フッ化ポリイミド】、【レジスト】、高純度の【フッ化水素】の韓国への輸出規制の強化を開始した。

韓国への【輸出規制】は2段階で強化される。第一段階は【フッ化ポリイミド】、【レジスト】、【フッ化水素】の3品目で個別の審査や許可が必要となる。第二段階は、8月までに韓国を安全保障上の友好国である「ホワイト国」の指定からはずす。

ところで、日本の輸出規制を受けた韓国の【韓国貿易協会】の資料によれば、テレビ、スマートフォーン用の【有機ELパネル】などに使用される【フッ化ポリイミド】の今年1~5月の日本からの輸入額は1214万ドル(約13億円)で同期の全輸入額の93.7%を占めている。日本の主な製造メーカーは年商約5000億円の【JRS】(東京、旧社名日本合成ゴム)であるから日本企業の損失は軽微である。韓国側は有機ELパネル製造の世界首位の【サムスン電子】であるので輸出規制が長期化すればサムスンの市場シェアが下落することになるであろう。

【半導体】の基盤に塗る感光材として用いられる【レジスト】の韓国の同期の輸入額は1億0350万ドル(凡そ110億円)は全輸入額の91.9%に該当する。【レジスト】の日本国内の主なメーカーは【JSR】、【東京応化工業】、【信越化学】、【富士フィルム】といずれも東証一部上場のメーカーなので売上高の減少は各メーカーにとってさほど痛手にはならない。半導体製造の世界首位のサムスン電子】と同3位の【SKハイニクス】の韓国企業にとっては市場シェアを他国のメーカーに奪われかねない状況に追い込まれるリスクに晒されることになる。21世紀に入って大躍進した韓国経済の推進役であった【サムスン電子】の業績が悪化すれば韓国経済は崩壊の危機に瀕することになりかねない。

それに対して【半導体】の基盤の洗浄に使用される高い純度の【フッ化水素】(エッチングガス}の韓国の日本メーカーからの輸入額は輸入額全体の43.9%に相当する約2843万ドル(30億円余)である。韓国企業にとっては3品目の中では最もダメージが少ない。他の外国メーカーの製品で代替が可能であるからだ。但し、日本の製品に比べ輸送コストが上昇する。

韓国は2年前に文在寅大統領が誕生以来、【反日・反米路線】を突き進み、従来の対日・米協調路線を破壊してきた。今回の日本政府が発動した【対韓国輸出規制】はトランプ大統領による独善的な輸入関税引き上げという前例が存在するので日本に対する国際的な非難はそれほど高まらないであろう。

日本政府はこれまで韓国に対しては贖罪という意識があって韓国の要求には摩擦が生じても最終的には応じてきた。だが文大統領の度重なる国家間の信義を裏切る行為に対して日本政府が初めて明白に【NO】を突き付けたことになる。賽は投げられたのである。韓国がどのような回答を出すのを日本政府は見守るだけであろう。   (おわり)

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