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2019年6月 4日 (火)

販売台数拡大の【つけ】は大きかった日産自動車

【日産自動車】は1990年代後半には有利子負債2兆円を抱えていたことから自主再建は困難と判断して1999年フランスの大手自動車メーカー【ルノー】の傘下に入った。この年の【日産】の世界販売台数は253万台で改革が始まった2000年の世界販売台数は263万3000台と10万台増えた。ライバルの【トヨタ】の20世紀末の2000年の世界販売台数は338万2800台であったからその差は75万台であった。

【トヨタ】はその後、順調に販売台数を伸ばし、米国の住宅バブルのピークの2007年には世界販売台数(海外622万9300台、国内169万2200台)は842万万9000台となり、400万台に届かなかった【日産】に大きな差をつけた。リーマンショックの影響が顕著になった2009年の【トヨタ】の販売台数は697万9500台でリーマンショック前後の販売台数の落差は146万台となった。それに対して【日産】の2007年の世界販売台数は358万5000台、2009年は351万5000台であるからトヨタに比較すれば販売台数減は軽微であった。但し【日産】も主力市場の米国では07年の106万8000台から09年には77万台と29万8000台という大激減に見舞われた。

日産にとっての主力市場の一つ米国市場の立て直しが急務となり、販売台数の増加を図るために値引きの原資となる系列の販売会社への販売促進費(販売奨励金)を増額し、車両を大量に購入するタクシー会社やレンターカー会社への売り込み(フリート販売)合戦に参戦した。その結果、2009年の77万台から2017年には159万台と販売台数は2倍以上となった。

だが「好事魔多し」で【販売奨励金】の急増とフリート販売は【日産】の純益を著しく低下させる結果となった。【フリート販売】は販売増の特効薬であるがその副作用も大きい。タクシー会社などに納車した車両は1年後には購入代金と同額で買い戻すというのが業界の常識と言われている。結局買い戻した車両は中古車となり、それを売却することによって最終的には赤字の取引になる。これを多用して販売台数1位の座を約30年間維持してきたGMも昨年、過酷な条件を突き付けられるフリート販売から足を洗った。

2017年の【日産】の世界販売台数は577万台と過去最高となり、2017年の売上高は11兆9512億円純利益は7469億円となったが米国の減税と円安の恩恵を被った面もある。2018年の決算では【販売奨励金】を減額したことなどから世界販売台数は551万6000台と前年比25万4000台の減少となり、売上高は前年比で8770億円減の11兆5742億円となった。さらに悲惨だったのは純利益が前年比57.5%減の3182億となったことである。

【日産】も【トヨタ】を見習って純益を犠牲にしてまでの販売増を追い求めないことである。【トヨタ】の2018年の世界販売台数は954万台で、【日産】とは400万台の差がついている。純益では約1兆9000億円の開きができた。グループ販売台数ではドイツの【VW】が世界一であるが単体ではトヨタは【VW]】を320万台引き離し、純利益でも【トヨタ】は【VW】の追従を許さない。

【日産】は販売台数増の罠から抜け出すべきなのである。   (おわり)

 

 

 

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