« 2019年5月 | トップページ | 2019年7月 »

2019年6月

2019年6月30日 (日)

米中貿易戦争トランプ大統領の譲歩により一時休戦

6月28~29日に大阪で開催された【G20首脳会議】の期間中の6月29日に米国のドナルド・トランプ大統領と中国の習近平国家主席の1時間強の首脳会談後の記者会見でトランプ大統領は「当面は中国製品の関税引き上げを見送る。ファーウェイに米国製品を売ることを認めていきたい。」と述べた。この発言は中国に対して譲歩をしたことを意味する。。

習近平国家主席の【G20首脳会議】への出席は【G20首脳会議】開催直前まで公表されなかった。来年の大統領選挙に向けた実績作りに焦るトランプ大統領の弱みを中国は巧みに利用したとも言える。

昨年の7月以来、米国は3度にわたり総額2500億ドルの課税引き上げを実施してきた。それに対して中國も報復関税でそれに応じていた。トランプ大統領は【G20首脳会議】開催前には中国からの譲歩を引き出すために新たな3000億ドルの中国製品に対する関税引き上げを明言していたが第4弾の関税引き上げは期限を明白にすることもなく先送りされた。第4弾の関税引き上げに関しては米国経済界の反対も根強かったという事情にトランプ大統領も配慮したのであろう。

中国が米中貿易戦争の長期化を決断したのは来年の米大統領選挙の民主党の指名候補選での勝利が最有力視されているバイデン前副大統領の今年の5月初旬の「中国人は悪い人たちではなく、競争相手でもない」という発言が発端とされる。中国はトランプ大統領の再選を何としても阻止するためにバイデン氏に資金提供などの水面下での協力に血道を上げると思われる。トランプ大統領に敗れたヒラリー・クリントン氏を水面下で応援したように。

自由主義国の政治的指導者は【民意】を最重要視せざるを得ないが一党独裁国家の中国は民意をさほど気にする必要はない。そうした国情の違いが今回の首脳会では色濃く反映されたのである。

トランプ大統領は中国製品に対する関税引き上げに関して「関税を負担するのは中国である」と虚言を発信し続けていた。関税を負担するのは輸入された中国製品を購入した米国民である。次期大統領選挙では米国民の見識が問われることになる。   (おわり)

| | コメント (0)

2019年6月26日 (水)

昨年度の税収バブル最盛期の税収60兆1000億円を3000億円上回るが景気の本格的な回復を意味しない

政府は2018年の一般会計の税収を当初59兆9000億円台と見込んでいたが精査した結果60兆4000億円台であることが判明した。この税収額はバブル最盛期の1990年の一般会計の税収60兆1000億円を約3000億円上回り、史上最高となった。これは所得税の税収が増えたことに起因すると思われる。

バブル最盛期の1990年の税収は60兆1000億円であったがその税収の3本柱の【所得税】が約26兆円で前年比で4兆6000億円増え、【法人税】は18兆3800億円で前年の19兆円から4000億円減り、消費税は4兆6200億円で前年より1兆3500億円増えていた。昨年の税収の内訳は公表されていないので2017年の税収と比較すると、2017年の【所得税】は18兆8800億円、【法人税】は12兆円、【消費税】は17兆5100億円で、【所得税】は1990年に比べると7兆1200億円の減収、【法人税】は6兆3800億円の減収、【消費税】は12兆8900億円増収である。つまり所得税と法人税の減収分13t兆5000億円をほぼ【消費税】の増収分で補ったということになる。

【所得税】と【法人税】の大幅な減収には明白な理由がある。バブル期の所得税の最高税率は70%であったが現在では45%に引き下げられている。【所得税】の課税対象となる日本の所得はほぼ250兆円であるが各種の控除額を差し引くと課税対象となる所得は約110兆円である。【法人税】の税率はバブル期は約40%であったが現行の税率は23.2%にまで引き下げられている。高率の法人税率では日本の企業は国際競争力を失うために税率を引き下げたのである。【消費税】の増収もまた税率が深く関係している。バブル最盛期の消費税率は3%であったが2014年以降は税率は8%に引き上げられている。税率5%の差は大きいのである。

景気の回復のバロメーターは個人の消費の伸びでそれを反映するのは【消費税収】の伸びである。【消費税率】が8%になった翌年の2015年の【消費税収】は17兆4263億円、16年が17兆2282億円、17年が17兆5139億円と3年間で876億円しか増えていないのである。個人の消費が伸びない以上景気が回復したとは言い難いであろう。

個人消費が伸びない原因は日本は【非正規労働者】の比率が37%台と国際的に高いのである。日本は終身雇用制度にメスを入れる時期が来たのであろう。   (おわり)

 

 

| | コメント (0)

2019年6月24日 (月)

参院選与党圧勝か

マスメディアの2019年6月の【内閣支持率】と【政党支持利率】は、【NHK】の【内閣支持率】は48%(48%)、【内閣不支持率】は32%(32%)、【政党支持率】は自民党36.7%(35.2%)、【立憲民主党】5.1%(4.8%)、【国民民主党】1.2%(0.7%)、【公明党】3.1%(3.1%)、【共産党】2.5%(3.2%)、【日本維新の会】2.6%(2.9%)、【支持政党なし】41.2%(40.2%),【わからない】7.2%(8.8%)である。 (   )内の数字は5月分。

【朝日新聞】の【内閣支持率】は48%(48%)、【内閣不支持率】が33%(32%)、【政党支持率】は【自民党】37%(34%)、【立憲民主党】5%(5%)、【国民民主党】1%(1%)、【公明党】3%(4%)、共産党3%(2%)、【日本維新の会】2%(3%)、【支持政党なし】38%(37%)、【言えない・わからない】10%(12%)。

【産経新聞・FNN】の内閣支持率】は47.3%(50.7%)、【不支持率】36.5%(34.9%)、【政党支持率】は【自民党】35.9%(41.0%)、【立憲民主党】6.8%(7.4%)、【国民民主党】0.5%(1.1%)、【公明党】3.9%(3.6%)、【共産党】4.2%(3.2%)、【日本維新の会】4.5%、【4.9%】、【支持政党なし】40.6%(35.4%)。

【内閣支持李】と【不支持率】との差が【NHK】では16ポイント、【朝日新聞】では12ポイント、【産経・FNN】では10.8ポイントいずれも支持率が不支持率を10ポイント以上上回っている。【政党支持率】でも反自民が鮮明な野党の支持率を合計しても10~12%で自民党の3分の1である。【朝日】の参院選での比例区の投票先の調査では【自民党】が40%、【立憲民主党】13%、【国民民主党】3%、【公明党】6%、【共産党】5%、【日本維新の会】6%、【社民党】1%、【れぃわ維新】1%。

参院選の勝敗のカギを握るのは地方区の32の【1人区】の勝敗である。反自民の野党は32区の1人区全区で野党統一候補の擁立を決定しているが比例区の投票先から判断して反自民は23%それに対して与党(自民・公明)は46%であるから野党の支持層は与党の半分である。野党が1人区で頼みとするのは約40%の【支持政党なし】の無党派層とならざるを得ない。前々回の参院選の投票率は史上最低の52.6%、前回が54.7%である。現時点で参院選の争点は明白ではないので無党派層が動く可能性は少ない。つまり投票率は50%台前半に落ち着くと思われる。

今後、参院選前に安倍内閣を直撃するような重大な事態が起こらない限り与党の過半数獲得は揺るがないであろう。   (おわり)

| | コメント (0)

2019年6月21日 (金)

日米物品貿易協議で米国の要求を呑む以外に選択肢がない日本政府

日米物品貿易協議の閣僚級会合は茂木敏充経済再生相とロバート・ライトハイザー米通商代表部代表との間で数回行われているが日本のマスメディアの報道を散見する限り進展はない印象である。

今回の物品貿易協議の重要品目は【自動車】と【農産物】である。米国側の非公式の要求は2017年の対日貿易赤字約7兆円のうちおおよそ65%を占める輸出額4兆5600億円の自動車の輸出量(174万台)の削減と米国内での現地生産台数を増やすことであると言われている。

日本の米国への自動車輸出台数は2015年が160万台、16年が173万5000台、17年が約174万台、18年が172万台である。それに対して米国での現地生産台数は、2015年が384万7500台、16年が396万6400台、17年が376万5300台であった。初めて現地生産を開始した1985年の生産台数が29万6500台であったから12.5倍増えたことになる。

2016年から輸出台数が増加しているがSUVの販売が好調で現地生産が販売量に追い付かず輸出で急場を凌いでいるのが現状である。米国は自動車関税を現行の2.5%を10倍の25%に引き上げると日本を恫喝して米国の要求を貫徹する意向である。一応180日間関税引き上げを猶予するとは言っているが。日本政府には有効な対抗措置を用意できないので現地生産台数の増加を受け入れることになる可能性が高い。

経済産業省は自動車関連税制を改正して国内の自動車メーカーの税負担を軽くし、それを中国と同じように値引きの原資に充当させようという意図がある。高額の関税を負担するのは米国の日本車購入者であるからだ。

もう一つの【農産品】に関しては米国はTPP11の関税率と同等の税率の適用で決着される腹積もりであろう。トランプ大統領は国内向けにTPP11以下の関税率を要求しているが日本はTPP11の税率以下の税率の引き下げに応じることはあり得ない。米国を優遇してTPP11以下の税率を米国に対して容認すればTPP11は崩壊しかねないからだ。

米国は昨年、日本への牛肉輸出国のトップとなったが昨年末にTPP!!が発効したことによって今年はオーストラリアにその座を奪われる危機に瀕している。輸出1位の座を維持するにはTPP11の税率と同等の税率を米国は日本に認めさせる必要がある。税率引き下げ交渉が長引けば長引くほど米国産冷凍牛肉は日本で売れなくなる。日本政府は米国のこの弱みを突いて交渉を引き延ばし、自動車の輸出台数の削減数を最小に抑えるべきであろう。日本の雇用を守るために。   (おわり)

 

 

 

 

 

 

| | コメント (0)

2019年6月19日 (水)

米中2大経済大国の間で揺れ動く韓国経済

昨年の下半期から韓国経済は【米中貿易戦争】の影響を受けて明らかに変調をきたしている。韓国経済の特徴は【輸出依存度】(輸出額÷GDP)が2017年は37.49%と世界4位の高さで、韓国よりも輸出依存度が高いのは香港、タイ、ドイツだけである。

【貿易戦争】が勃発した翌月の2018年8月の韓国の【貿易黒字額】は68.3億ドル、輸出が前年同月比で8.7%増に対して輸入が9.4%増で輸入の増加幅が輸出を上回っているので【貿易黒字額】は前年同月比で減少している。9月の【貿易黒字額】は96.2億ドル。輸出が前年同月比で8.1%減で、輸出が大幅に減ったので【貿易黒字額】は前年比で減少している。10月の【貿易黒字額】は64.1億ドル、輸出は前年比で3.8%増、輸出が11.4%増で輸入の増加幅が輸出の増加幅を上回っているので【貿易黒字】は前年同月比で減少。11月の【貿易黒字額】は47.7億ドルで輸出が前年比で3.8%増、それに対して輸入が11.4%増で輸入の割合が輸出の割合を上回っているので【貿易黒字額】は前年よりも減っている。12月の【貿易黒字額】は43.4億ドルで輸入は前年同月比で1.3%減少、輸入は19.3%と大幅に増えているので【貿易黒字額】は前年同月比で減少している。

2018年10~12月(第4四半期の【貿易黒字】の大幅な減少は韓国を代表する【サムスン電子】、【現代自動車】、【LGエレクトロニクス】という3つの企業の同期の決算内容によっても裏付けられる。【サムスン電子】の2018年第4四半期の売上高は前年同期比で10.2%減の59兆2650ウォン、営業利益が26.7%減少の10兆8000億ウォン、純利益は31.0%マイナスの8兆4600億ウォン、【現代自動車】の同期の売上高は前年同期比4.8%増の25兆6700億ウォン、【営業利益】は35.4%減の5010億ウオン、【純利益】115.8%減少の20130億ウォンの赤字であった。つまり増収でありながら減益となった。【LGエレクトロニクス】の売上高は前年同期比で7.0%減の15兆4270億ウォン、【営業利益】は79.4%減少の5010億ウォンの赤字、【純利益】は144.2%マイナスの8070億ウォンの赤字であった。

「貿易黒字」減少の流れは今年に入っても好転せず、第1四半期(1~3月)の輸出総額は前年同期比8.5%減の1327億2900万ドル。輸入は6.8%減の1234億1000万ドルで【貿易黒字額】は前年同期の126億3000万ドルから93億1900万ドルと33億1100万ドル減少し、貿易黒字の減少によって韓国の第1四半期のGDPは0.4%のマイナス成長となった。

4月の【貿易黒字】も84億7000万ドルと前同期比6%の減少である。韓国経済の低迷は長期化する可能性が高まってきた。経済悪化に起因する文大統領への国民の不満が鬱積しているので対日強硬路線に一定の配慮を文大統領はせざるを得なくなるであろう。   (おわり)

| | コメント (0)

2019年6月17日 (月)

金融機関の金融商品販売にお墨付きを与えた金融庁金融審議会の報告書

金融庁の諮問機関である【金融審議会】は6月3日、【高齢社会における資産形成・管理】と題する「金融審議会市場ワーキング・報告書』を発表した。この報告書で問題視されたのは「高齢者夫婦無職世帯の平均的な姿で見ると、毎月の赤字額は5万円となっている」と「30年で約2000万円の取り崩しとなる」である。

【高齢者夫婦無職世帯】の家計の支出が毎月約5万円赤字になるという根拠になる資料は2017年の総務省の【家計調査】だ。【収入】は19万1880円の社会保障給与(厚生年金)とその他収入9041円の合計20万9198円、実支出は26万3718円で赤字額は厳密には5万4520円である。【高齢者夫婦無職世帯】の平均総貯蓄額は2484万円であるから現在の生活水準を落とさずに30年間生活をできることに数字の上ではなっている。但し物価の上昇率を無視しているので疑問は残るが。その上、現時点で95歳まで生きる高齢者はそれほど多いとは思えないので報告書はあくまで参考程度と考えるべきであろう、

この報告書の受け取りを麻生財務相兼金融担当相は拒否した。何とも腑に落ちないので調べてみると内閣総理大臣や金融庁長官、財務相の諮問を受け、【金融審議会】が開かれたわけではないので【高齢社会における資産形成・管理】と題する報告書は正規な報告書とは言えず麻生財務相がこの報告書を受け取るいわれはないということが判明した。

金融庁の諮問機関である【金融審議会】は金融庁設置法に基づいて設置され、その役割は【内閣総理大臣、長官又は財務大臣の諮問に応じ、国内金融に関する制度等の改善に関する事項その他の国内金融等に関する重要事項を調査審議し」と規定されている。

それにしてもこの時期に唐突に正規な手続きを踏んでいない【金融審議会】を開催して【年金問題】に関する報告者を作成して公表したのであろうか。筆者の独断であるが消費税率引き上げ問題と密接に絡んでいると思われるのである。現時点では10月1日からの消費税率の10%への引き上げは9月中旬まで様子見をすべきだと筆者は考えている。米中貿易戦争の行方が判然としないからだ。米中貿易戦争が長引けば中国と表裏一体の関係にある日本の自動車以外の製造業は大打撃を受け、日本の経済成長率をマイナスにする可能性すら浮上する。

そのことを理解している財務省は金融庁と結託して年金問題で国民の不安を煽り年金問題の解決には消費増税が不可欠という国民世論を醸成したいのであろう。さらに金融機関の監督官庁の【金融庁】は年金の不安を煽って金融機関の金融商品の販売拡大を支援しようとしているのである。   (おわり)

 

 

| | コメント (0)

2019年6月14日 (金)

ホルムズ海峡入り口のオマーン湾で起こったタンカー襲撃事件の犯人は誰なのか

中東産原油輸送の最重要拠点であるホルムズ海峡入り口付近のオマーン湾で日本関連の積荷を積んだ2隻のタンカーが昨日(6月13日)午前11時45分頃砲撃された。砲撃された2隻のうち詳細が判明している1隻のケミカルタンカータンカーは【三菱ガス化学】が50%出資している海運会社【国華産業】(東京都千代田区)が運行しているパナマ船籍の【コクカ・クレージャス】である。最初の砲撃で【コクカ・クレージャス】は船体左側後部のエンジンルームに被弾して火災が発生、二酸化炭素を注入して消火に成功したが3時間後に船体左側中央部に再び被弾したために船長は身の危険を察知して乗組員全員(船長を含め21人全員がフィリピン人)に退船を命じ、救命ボートで脱出したという。その後、乗組員全員がオランダからUAE(アラブ首長国連邦)に向かう船に救出された。

可燃性のメタノール2万5000トンを積載していたケ【コクカ・クレージャス】はッ可燃性のメタノールに引火すれば爆発の危険性があることから船長は退船を決断したのである、【コクカ・クレージャス】は6月10日にサウジアラビアを出港し、タイを経由してシンガポールに到着予定であった。

この砲撃事件に関してボルドン米大統領補佐官はほぼ確実にイランだ」と指摘してイランを非難しているがボルドン補佐官は根拠を示していない。イランは事件への関与を否定している。国連の経済制裁を受けているイランが安倍首相がイランを訪問している時期に砲撃事件に関与するとは考えにくい。さらなる経済制裁を課されることが想定できるからである。

今回の砲撃事件に関してイランの対テロ作戦などを担当している【イラン革命防衛隊】のホセイン元司令官は産経新聞の取材に対して「安倍晋三首相のイラン訪問を反イラン宣伝に利用する狙いで行われたものでテロ組織が関与した」可能性があるという見解を示した。さらに米・イランの軍事的緊張を高める目的でイラン南東部の反政府組織【ジェイシ・アドリやその他イランと敵対関係にあるイスラム教スンニ派過激派組織【イスラム国】や国際的テロ組織【アルカイーダ】系の関与の可能性も指摘した。

いずれにしろ今回の日本タンカー砲撃事件は米国が国連に対して更なるイランへの経済制裁を提案する口実を与えたことになる。その上、原油価格の高騰という願ってもない副産物を米国は手に入れた。

しかしながら砲撃事件の真相はまだ解明されていない。   (おわり)

| | コメント (0)

2019年6月12日 (水)

水面下で継続していたルノーとFCAの統合協議

フランス政府が筆頭株主でフランス自動車メーカー大手【ルノー】と欧米自動車メーカー大手の【FCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)】の統合協議は6月7日、【FCA】が協議打ち切りを宣言したことによって統合協議は終了したと思われたいた。だが、これは【ルノー】と【FCA】がそれぞれ統合協議の主導権を握ろうとする駆け引きであることがフランのルメール経済・財政相の発言で判明した。

この統合案が【FCA】から【ルノー】に提案された際に欧米のマスメディアは【弱者連合】と揶揄している。【ルノー】の昨年の世界販売台数は388万台であるが主力市場の欧州市場での販売台数は164万1156台、そのうち【ルノー】ブランドの販売台数は前年比3.9%減の110万5778台、傘下のルーマニアのメーカーの低価格車【ダチア】ブランドの販売台数が52万8249台、残りの7139台は一昨年に買収したばかりのロシアメーカー【ラーダ】ブランドであった。

世界の2大市場である米国と中国市場での販売台数は【ルノー】自体が詳細を発表しないので定かでないが米国では5000台にも満たず、中国はアジア太平洋地区の販売台数に含まれ、推測であるが5万台にも満たないと思われる。

一方、【FCA】の世界販売台数は484万台とルノーを96万台上回っているが乗用車部門では苦戦を強いられている。【フィアット】の本拠地・欧州市場での販売台数は102万102万1311台で【フィアット】ブランドの販売台数は71万1285台、クライスラーの【ジープブランド】が16万台。【クライスラー】の本拠地米国では【フィアット】ブランドはほとんど売れず米国から撤退する計画が持ち上がっている。【クライスラー】の昨年販売台数は前年比8.5%増の223万5204台であったがこれは【ジープ】とSUVの【ラム】の販売が好調であったことによる。今年の1~5月の累計販売では前年同期比で2.5%減の89万台である。【クライスラー】の乗用車は米国以外では売れないので【クライスラー】の乗用車販売は米国に限定することになる。

今後、何らかの大改革をしない限り「ルノー】も【FCA】も単独では生き延びられないのである。そうした状況に追い込まれているからこそ統合を行わざるを得ない。しかし、統合に関しては自社に有利は統合条件を引き出すために駆け引きをしている。

問題は【ルノー】と提携している【日産】である。昨年は米国での販売不振が原因で昨年の純利益は前年比で47%減の1100億円台となった。今年度は1~5月の販売台数は米国と中国でともに前年度割れを起こしている。統合話が持ち上がったのは日産の利益に【FCA】が目を付けたのである。今後、自動車産業は【CASE】と呼ばれている技術革新時代に突入する。【CASE】とは【Connected】(インタートと常時繋がる)、【Autonomous】(自動運転)、【Shared】(シェアリング、共有と共用)、【Electric】(電動化)の頭文字をつないだものである。

この技術革新の費用を捻出できない【ルノー】と【FCA】は言葉は悪いが【日産】に集(たか)ろうとしているのだ。もし【日産】が今年度米中での販売の減少で赤字に転落したらこの統合話はどうなるのであろうか。   (おわり)

 

| | コメント (0)

2019年6月10日 (月)

具体的な成果がなかった20か国財務大臣・中央銀行総裁会議

福岡市で6月8~9日に開かれた【G20財務大臣・中央銀行総裁会議】の終了後に【共同声明】が発表された。声明の冒頭部分の今年度の下半期の世界経済成長の見通しについて「世界経済の成長は、足元で安定化の兆しを示しており、総じて、本年度の後半及び2020年に向けて、緩やかに上向く見通しである。この回復は緩和的な金融環境が継続すること、幾つかの国々で景気刺激策の効果が発現すること、一時的要因が解消することによってもたらされる。しかしながら、成長は低位であり続けており、リスクは依然として下方に傾いている。何よりも、貿易と地政を巡る緊張は増大してきた。これらのリスクに対処し続けるとともに更なる行動をとる用意がある。」と曖昧な表現を多用して世界の株式市場への負の影響を回避している。

福岡市が【G20財務大臣・中央銀行総裁会議】の会場に選ばれたのは地方都市の中で福岡市のここ10年ほどの経済発展が目覚ましいことと麻生財務大臣の地元であることから麻生大臣の引退の花道を用意したという意味合いが強いのでであろう。

現在、世界の関心事は【米中貿易戦争】の行方である。この世界最大の懸案事項の解決の一翼を【財務大臣・中央銀行総裁会議】が担うがその役割りは脇役であり、主役は6月下旬に大阪で開催される【G20首脳会合】で、その真打を務めるのは米中貿易戦争の当事国の最高権力者ドナルド・トランプ大統領と習近平国家主席である。そうした観点に立てば【G20財務大臣・中央銀行総裁会議】で具体的な合意が形成されなかったことは予定の行動であったのであろう。

現時点でトランプ大統領も習近平国家主席も【G20首脳会合】に出席の予定であるが米中首脳会談が行われる予定はない。米中首脳会談が開かれたとしても貿易戦争が終結する可能性は極めて低い。米中貿易戦争が長期化した場合、中国の経済の減速は一層顕著になり、中国経済と表裏一体の関係にある日本経済も経済成長率がマイナスになるリスクが高まる。

中国国内で生産された製品は米国に輸出すれば25%の追加関税を課されるが中国企業が中国国外で生産した製品には25%の関税は課されない。この盲点を利用するために中国企業は輸出品の生産拠点を隣国のべトナムやその他の東南アジア諸国に移転を開始している。中国に進出している約4割の米国企業も米国への輸出品に限って東南アジアなどに生産拠点を移している。中国からまだ生産拠点を移動させていない米国企業の4割も中国を離れる予定であるという。

米中貿易戦争が終結しない限り中国は失業率が上昇し、個人消費が減少し、中国の経済成長率は目標に届かなくなる可能性が極めて高くなる。中国では天候不順による品不足と高率の輸入関税の影響で食料品(野菜、果物、豚肉など)の価格が高騰し、一般庶民の食料品購買意欲が低下している。

一方、米国では中国への農産物の輸出が激減したことにより、トランプ大統領誕生の原動力になった米国中西部の農家は大打撃を受けトランプ大統領への支持が揺らいでいる。米国は米国産の中国への自動車輸出が激減し、米国メーカーの中国産の自動車は不買運動という非関税障壁に阻まれて販売台数を激減させ、米国の経常収支を悪化させている。だが現在は【米中貿易交渉】の着地点は模索中である。   (おわり)

 

 

 

 

 

| | コメント (0)

2019年6月 9日 (日)

日本は日米物品貿易交渉協議の早期の解決を先送りすべきだ

【日米物品貿易交渉協議】の3回目の閣僚級会合が6月13日にワシントンで開かれる。出席者は日本側は茂木敏充経済再生担当相、米国側はロバート・ライトハイザー米通商代表部代表である。

米国のトランプ大統領は膨大な貿易赤字解消の切り札として昨年、米国への輸出が多い国・地域や商品に追加の輸入関税を課した。【追加関税】の導入の理由としてトランプ大統領は米国の安全保障を脅かすことを理由に挙げ、米国民に対しては関税を負担するのは輸出国であるという【フェイクニュース】流した。関税は輸入品の価格を押し上げるので輸入品を購入する米国民もその一部を負担せざるを得ないのである。

最初に関税を課された商品は鉄鋼とアルミニュウㇺで、追加関税率は10%であった。【追加関税】措置の恩恵を受けたのは鉄鋼価格が上昇した米国の鉄鋼メーカーである。一芳、鉄鋼を大量に使用する自動車は鉄鋼価格の高騰によって製造原価が上昇し、さらに米国の【追加関税】に対して中国は米国からの自動車などの一部の輸入品に報復関税25%を課したために米国産の自動車には中国の現行の輸入関税15%に25%が上乗せされたために40%になった。

ドイツの高級車メーカーの【ダイムラー】(メルセデス・ベンツを製造)と【BMW】は米国内で製造した車を中国に輸出しているために40%の関税と鉄鋼価格の上昇によって製造原価が14%上がったことから中国での販売価格は54%上昇した。それに対してトヨタの高級車【レクサス】は日本国内で製造して中国に輸出したので製造原価は据え置き、輸入関税は15%なので米国産のドイツの高級車とは39%の開きが出た。その結果ドイツの【ダイムラー】や【BMW】は中国向けの車の製造は米国以外での製造に切り替えた。

中国に製造拠点を設ている【GM】や【フォード】、【クライスラー】も米国から送られる部品に関税が25%課されるので製造原価が上昇し、さらに米中貿易戦争の影響で米国車は中国ではボイコットされ販売台数が大幅に減少した。その結果、米国の【GM】や【フォード】は雇用の削減を発表している。トランプ大統領の追加関税策は裏目に出たのである。その上、鉄鋼製品への【追加関税】は米国への輸出が多いカナダ、メキシコ、EUの反発を呼び、米国産の農産品に報復関税が課されることになった。米国産の農産品は競争力を低下させ、輸出が減少して米国の農家は大きな打撃を受けた。

自動車産業と農業の生産が盛んな地域は米国の中西部と呼ばれる地域で【ラストベルト】(錆び付いた工業地帯】と【コーンベルト】(農業地帯)が重複している地域でもある。この地域でトランプ大統領は大統領選で勝利を収めたことによって当選したのである。関税政策をこのまま続行すればトランプ大統領の再選は覚束なくなるのでトランプ大統領は5月17日にカナダとメキシコに対する【鉄鋼・アルミニュウㇺ】の関税引き上げを停止した。さらに翌18日には【EU】と【日本】に対する【自動車関税引き上げ】の判断を180日先送りにした。つまりトランプ大統領は通商政策を転換したのである。

【日米物品貿易交渉協議】で日本の弱点は【自動車関税率の引き上げ】をブラフの材料にされることである。その懸念がなくなった以上米国産の農産品の輸入関税率を【TPP11】と同水準の税率以下に引き下げることを要求する米国に【ノー】を言える立場になった。現在、米国産牛肉の輸入関税は38.5%であり、【TPP11】加盟国のカナダ、オーストラリア、ニュージーランド、その他【EU]からの輸入牛肉の関税は26.6%であるから10%以上の開きがある。この状態が長引けば米国産牛肉は日本への輸出量は減少することになる。そのためにトランプ大統領は焦っている。交渉の主導権は日本が掌握したのである。日本は安易な妥協をする必要はない。   (おわり)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| | コメント (0)

2019年6月 7日 (金)

【FCA】(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)ルノーとの統合案を白紙に戻す

5月27日、イタリア最大の自動車メーカー【フィアット】と米国のビッグスリーの一角を占める【クライスラー】を傘下に持つ持ち株会社【FCA】は、フランス政府が筆頭株主であるフランスの大手自動車メーカー【ルノー】の取締役会に株式比率が一対一の対等統合(合併)を提案する文書を送付したと発表した。

世界の自動車メーカーを震撼させたこの報道は世界を駆け巡った。というのはこの対等合併が成功すれば世界販売台数1560万台の巨大な自動メーカーが誕生するからである。【ルノー】はその傘下にルーマニアのメーカー【ダチア】とロシアの【ラーダ】を有し、2018年の世界販売台数は388万台である。それに対して合併を提案した【FCA】の2018年の世界販売台数は484万台である。両社が合併すれば販売台数870万台のドイツの【VW】(販売台数1083万台)、【トヨタ】(1059万台)に次ぐ世界第3位の自動車メーカーが誕生する。さらに【ルノー】は【日産】と【三菱】と連合を組んでいるので【ルノー・日産・三菱】連合の2018年の世界販売台数は1076万台であったことから【新会社・日産・三菱】の販売台数は1560万台というとてつもない巨大自動車連合が誕生することになり、世界の自動車業界の地図を塗り替える可能性が高まったのである。

この【FCA】の合併案に危機感を抱いたのがフランス政府である。株式比率一対一の新会社が誕生すればフランス政府の新会社への影響力は著しく弱まるのである。フランス政府は【ルノー】の株式を15%所有しているがフランス政府は強引に法律を改正してフランス政府が保有するルノー株式の議決権を2倍にし、同じく15%の【ルノー】株式を持つ日産の議決権をゼロにした。つまりフラン政府は日産の株式から議決権を奪い取ってフランス政府のモノにして【ルノー】をフランス政府の完全管理下に置いたということになる。フランス政府はこの現状を維持したかったのである。

新会社ではフランス政府の株式保有率は半減して7.5%となり、それに伴い30%あった議決権も7.5%と大幅に減少する。このような合併案を了承しては【ルノー】をフランス政府はコントロールできなくなるのでフランス政府は合併案を阻止しようと【FCA】に難題を持ち掛けたのである。フランス政府が【FCA】に要求した事項は①「長期的にルノー出身者を合併新会社の要職に就けること、②運営上の新会社にはフランス政府からの役員の派遣を認めること」であったという。フランス政府の干渉が強すぎることに嫌気がさした【FCA】は合併案を白紙に戻してしまった。世界を震撼させた合併騒動は10日間で呆気なく幕を下ろした。

フランス政府の不条理な介入を目の当たりにして【日産】は【ルノー】との関係を見直す選択をすることになるであろう。【日産】は【ルノー】との間で【改定アライアンス基本合意書】(RAMA)を作成している。【RAMA】はフランス政府が【日産】に不当な介入をした場合には【日産】が【ルノー】株式の買い増しをすることを容認している。日産が【ルノー】株を買い増しして【日産】の【ルノー】株式の保有比率が25%を超えれば、日本の【会社法】の規定により【ルノー】の保有する日産株式の議決権は消滅する。【日産】は【ルノー】議決権を奪う行動に打って出る可能性が高まったことになる。

【日産】は今後、フランス政府との消耗戦に突入することになるであろう。   (おわり)

 

 

 

| | コメント (0)

2019年6月 5日 (水)

FCAとルノーの統合協議開始をフランス政府は容認するのか

米国の自動車メーカーの【クライスラー】を傘下に持つ【FCA】(フィアット・クライスラー・オートモビールズ)(登記上の本社、オランダ・アムスレルダム)は5月27日、一対一の株式比率による両社の事業統合を提案する、法的拘束力を持たない、意向表明書をルノー取締役会の送付したと発表した。

【FCA】は欧米市場を主力市場とするメーカーで、2017年の世界販売台数は474万台、そのうち北米(カナダとメキシコを含む)では前年比7.2%減の240万1000台、欧州及び中東は136万5000台であった。2018年の世界販売台数は前年比2.2%増の484万台出、北米市場は前年比5.1%増の253万4000台、欧州・中東・アフリカ市場で前年比4%減の142万8000台であった。

一方、統合の提案を受けた【ルノー】(ルーマニアのメーカー・ダチアとロシアのラーダを含む)の2017年の世界販売台数は、前年比8.5%増の376万台であったがロシアメーカーの【ラーダ】を傘下に収めた結果の販売増で【ルノー】の自体の販売が増えたわけではない。2018年の世界販売台数は前年比3.2%増の388万台であったがこれも【ラーダ】の販売台数が前年比で18.5%増えたことが主たる原因である。

【FCA】は【ルノー】に対して具体的には完全な合併によって合計販売台数870万台となる世界第3位の自動車メーカーとなることを提案した。販売台数870万台は【VWグループ】(ドイツ)の1083万台、【トヨタ】(ダイハツと日野を含む)の1059万4000台に次いで3位となる。自動車メーカー単体では【VW】の2017年の世界販売台数は623万台、【トヨタ】は938万台であるから【VW】は【トヨタ】の壁を超えるのはかなり難しい。しかも【VW】は中国で400万台を販売しているが中国メーカーとの合弁会社なのでその利益は折半となり、純益の面でも【トヨタ】超えは難しい。規模を追うメリットは当然存在するがその反面デメリットも大きいのである。

【FCA】の提案は株式の一対一の合併であることから新会社が設立された時点で【ルノー】の株式を15%保有するフランス政府の株式は新会社では株式保有比率は7.5%となり、フランス政府の議決権も半減する。【日産】は15%のルノー株式を保有しているが議決権が付与されていないので【ルノー】の経営に関与できず【日産】にとっては大きな不満の種であった。新会社では【日産】に7.5%の議決権が与えられるという。

フランス政府は新会社では議決権は7.5%しか与えられないので従来のような影響力を行使できないし、配当も半減する。そのような条件をフランス政府が受け入れられるのかは非常に疑問である。【ルノー】は6月4日の取締役会議で【FCA】と協議を開始するか否かの決定をする予定であったとされるが決定を先送りした。フランス政府との協議が難航しているであろうことは容易に推測がつく。民営化された企業に対してフランス政府がいつまでも影響力を行使し続けるのは国際的には非常識であろう。   (おわり)

| | コメント (0)

2019年6月 4日 (火)

販売台数拡大の【つけ】は大きかった日産自動車

【日産自動車】は1990年代後半には有利子負債2兆円を抱えていたことから自主再建は困難と判断して1999年フランスの大手自動車メーカー【ルノー】の傘下に入った。この年の【日産】の世界販売台数は253万台で改革が始まった2000年の世界販売台数は263万3000台と10万台増えた。ライバルの【トヨタ】の20世紀末の2000年の世界販売台数は338万2800台であったからその差は75万台であった。

【トヨタ】はその後、順調に販売台数を伸ばし、米国の住宅バブルのピークの2007年には世界販売台数(海外622万9300台、国内169万2200台)は842万万9000台となり、400万台に届かなかった【日産】に大きな差をつけた。リーマンショックの影響が顕著になった2009年の【トヨタ】の販売台数は697万9500台でリーマンショック前後の販売台数の落差は146万台となった。それに対して【日産】の2007年の世界販売台数は358万5000台、2009年は351万5000台であるからトヨタに比較すれば販売台数減は軽微であった。但し【日産】も主力市場の米国では07年の106万8000台から09年には77万台と29万8000台という大激減に見舞われた。

日産にとっての主力市場の一つ米国市場の立て直しが急務となり、販売台数の増加を図るために値引きの原資となる系列の販売会社への販売促進費(販売奨励金)を増額し、車両を大量に購入するタクシー会社やレンターカー会社への売り込み(フリート販売)合戦に参戦した。その結果、2009年の77万台から2017年には159万台と販売台数は2倍以上となった。

だが「好事魔多し」で【販売奨励金】の急増とフリート販売は【日産】の純益を著しく低下させる結果となった。【フリート販売】は販売増の特効薬であるがその副作用も大きい。タクシー会社などに納車した車両は1年後には購入代金と同額で買い戻すというのが業界の常識と言われている。結局買い戻した車両は中古車となり、それを売却することによって最終的には赤字の取引になる。これを多用して販売台数1位の座を約30年間維持してきたGMも昨年、過酷な条件を突き付けられるフリート販売から足を洗った。

2017年の【日産】の世界販売台数は577万台と過去最高となり、2017年の売上高は11兆9512億円純利益は7469億円となったが米国の減税と円安の恩恵を被った面もある。2018年の決算では【販売奨励金】を減額したことなどから世界販売台数は551万6000台と前年比25万4000台の減少となり、売上高は前年比で8770億円減の11兆5742億円となった。さらに悲惨だったのは純利益が前年比57.5%減の3182億となったことである。

【日産】も【トヨタ】を見習って純益を犠牲にしてまでの販売増を追い求めないことである。【トヨタ】の2018年の世界販売台数は954万台で、【日産】とは400万台の差がついている。純益では約1兆9000億円の開きができた。グループ販売台数ではドイツの【VW】が世界一であるが単体ではトヨタは【VW]】を320万台引き離し、純利益でも【トヨタ】は【VW】の追従を許さない。

【日産】は販売台数増の罠から抜け出すべきなのである。   (おわり)

 

 

 

| | コメント (0)

2019年6月 2日 (日)

メキシコ国境に壁建設という選挙公約実現のためにへのメキシコに対し追加関税課すという危険な賭けに出たトランプ大統領

本年2月にトランプ大統領は、【非常事態宣言】をし、連邦議会の承認なしに【国境の壁建設費】を捻出するという奇策に出た。それに対して、カリフォルニア州など16州(15州が民主党知事、1州が共和党知事)が【非常事態宣言】に基づく【大統領権限行使】の差し止めを求める訴えを2月18日に起こした。5月24日、カリフォルニア州の連邦地方裁判所は一部差し止め命令を出した。【壁建設差し止め請求】は全米20州にまで拡大し、2020年の大統領選までには壁建設の選挙公約は実現が困難な見通しとなった。

窮状を打開するためトランプ大統領は5月30日、米国の脅威となる非常事態に備えるために商業活動を規制する【国際緊急経済権限法】を根拠としてメキシコからの輸入品全てに5%の追加関税を課すと宣言した。中米のホンジュラスやグアテマラからの不法移民がメキシコ経由で米国になだれ込むことに対してメキシコの不法移民阻止の対策が生ぬるいとトランプ大統領が不満を抱いていたからである。今年4月のメキシコ国境での米国当局の拘束者の数は4月単月で約10万人と昨年同月の2.6倍に達しているという。

トランプ大統領は【非常事態宣言】の理由として中米からの犯罪者の増加や違法薬物が大量に流れ込み米国人の生活に深刻な影響を及ぼしていると主張しているがトランプ大統領の主張は実態とはかけ離れているというのが実情らしい。

メキシコは現在では中国に次いで米国への輸出額が多い。昨年の輸出額は約3465億ドル(約38兆円)で、輸出品は自動車の完成車や部品、家電製品、食料品でそのうち自動車関連の製品の輸出額は約4割を占めている。メキシコには米国の3大メーカ―(GM、フォード、クライスラー)ばかりでなく日本の3大メーカー(トヨタ、日産、ホンダ)など世界の主要メーカーの生産拠点が存在している。新NAFTA(北米自由貿易協定)の条件をクリア―していれば米国への輸出品には関税は0%であるからだ。

メキシコがアメリカの要請に応じなければ6月10日に5%の追加関税が発動され、メキシコがそれでも対策を怠れば毎月関税率は5%づづ上乗せされ最終的には10月1日には25%となる。しかしながら不法移民問題を絡めた一歩的な追加関税はWTO(世界貿易機構)の取り決めに違反する可能性があり、米国は世界を敵にする可能性がある。

自らの権力を維持する(大統領再選)ためにトランプ大統領が世界経済を混乱に陥れるリスクを冒すことを許してはならないであろう。米国民がトランプ大統領に鉄槌を下すのを他国民は傍観するほかないのであるが。   (おわり)

 

 

 

| | コメント (0)

« 2019年5月 | トップページ | 2019年7月 »