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2019年5月27日 (月)

ルノーは欧米連合【FCA(フィアット・クライスラー・オートモビールズ)】の統合の提案を受け入れるのか

【日本経済新聞】が2015年7月に買収した英国の日刊有力経済紙【FT(フィナンシャル・タイムズ)】は5月25日、欧米連合の自動車グループ【FCA】(フィアット・クライスラー・オートモビールズ)がフランスの大手自動車メーカーで販売台数世界2位の自動車グループ【ルノー・日産・三菱連合】の盟主【ルノー】に統合を提案したと報じた。

【FCA】は、2014年に設立された登記上の本社をオランダのアムステルダムに置く持ち株会社で、傘下にイタリアの自動車メーカー【フィアット】、米国の【クライスラー】、イタリアの高級車メーカー【アルファロメオ】や【マセラッティ】を持つ。2014年通期の世界販売台数は461万台、設立当時の5年計画で2018年には世界販売台数700万台を目標に掲げていたが2018年の販売台数は484万台,で目標を大幅に下回った。目標未達の要因の一つは中国での販売不振である。中国市場での2018年の販売台数の目標は85万台であったが実際には販売台数は前年比で17.4%減の22万台にしか過ぎなかった。

【FCA】の2018年通期の売上高は14兆3640億円、純利益は約4500億円であった。これでは研究開発費や投資の資金が不足することになる。【FCA】は生き残るためには規模の拡大が必要不可欠と判断して【ルノー・日産・三菱連合】に統合を提案したのであろう。

統合を持ち掛けられた【ルノー・日産・三菱連合】の2018年の世界販売台数は、【ルノー】が前年比3.2%増の388万台、【日産】が2.8%減の565万台、【三菱】が18.4%増の122万台で1075万台で【VW】とは8万台の差で世界販売台数2位となった。【日産】は販売台数の目標必達のため米国市場では系列のディーラーに【販売奨励金】という名目で値引きの原資を提供していた。18年には【販売奨励金】の額を減らしたために販売台数が減ったのである。

【日産】の2018年通期の販売台数の減少は純利益の減少と直結し、2018年通期の【純利益】は前年比57.3%減の3182億円となった。【日産】の大幅な減益は【日産】の株式の43%を保有する【ルノー】にも伝播し、【ルノー】の2018年通期の純地益は前年比36.6%減の4312億円となった。

【日産】の今年1~4月の米国販売台数は前年比で4万2000台減少し、中国の同期の販売台数は昨年比で0.9%という微増で通年では減少に転じる可能性を否定できない。【日産】の販売台数が2年連続で減少すれば【ルノー・日産・三菱連合】の世界販売台数第2位の地位も危うくなる。

【ルノー】が【FCA】の提案を受け入れても米国市場で昨年253万台を販売した【FCA】と149万台を販売した【日産】は競合することになる。競合の結果社とも販売台数を減らすリスクさえある。統合が成功した2つの例と言われる【FCA】と【ルノー・日産連合】の統合が成功するという保証はどこにもない。【ルノー】と【日産】の関係が微妙な時期であるから提案の受け入れは先送りすべきではなかろうか。   (おわり)

 

 

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