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2019年5月28日 (火)

トランプ大統領の日米貿易協議関する発言はアメリカ選挙民に対する発言にしか過ぎない

【令和時代】の初の国賓として来日したドナルド・トランプ大統領は4日間の日程を終えて5月28日午後1時過ぎに大統領専用機で帰国の途に就いた。

トランプ大統領は5月27日の日米首脳会談後の共同記者会見で【日米貿易協議】に関して「日本とアメリカは公正と互恵を原則として、経済関係の改善に向けて努力している。現在、われわれは双方にとって利益のある貿易協定の合意に向け、交渉を進めている。アメリカの目標は日本との間の貿易赤字を削減すること、アメリカからの輸出を促進するために貿易障壁を取り除くことだ。貿易交渉についてはまもなく何らかの発表ができるだろう」と述べた。

貿易協議の課題の一つ米国産の農産物に対して日本市場を開放することについて「TPPで合意した上限か」という共同記者会見に出席した一人の記者の質問に対してトランプ大統領は「TPPは私とは全く関係がない。アメリカはTPPに拘束されない。」と応えた。トランプ大統領はTPP離脱を決断したのであるから当然と言えば当然の発言である。

トランプ大統領にとって農産物の生産者は大切な支持母体である。昨年7月に始まった米中貿易戦争によって中国は報復措置として米国産大豆に25%の報復関税を課した。米国の大豆輸出量の3分の一を輸入する中国は例年の米国産大豆の輸入量を半減させた。約1600万トンの米国産大豆は輸出先を失い、在庫が積み上がり、その結果、米国産大豆価格は年初の1ブッシェル=10ドルから8ドルに値下がりして大豆生産農家は大きな被害を被り、倒産したり、廃業したりという農家が続出した。2016年の大統領選でトランプ大統領に投票した中西部のコーンベルト(穀倉地帯)の農家の間には「このままトランプ大統領支持を続けてもいいのか」という動揺が走っていると言われている。

こうした農家の支持を繋ぎ止めるためにはトランプ大統領はすでに発効している【TPP11】加盟国の関税率よりも低い関税率を日本から獲得したいのである。しかしながら米国を特別待遇することになる【TPP11】の税率よりも低い税率を米国に適用することには日本は簡単には応じられない。日本が主導的な役割を演じて【TPP11]を発足させたので国際信義に反するからだ。

トランプ大統領は「8月には(貿易協議に関して)何らかの発表ができる」と発言しているが日本側はこの発言に関しては何の反応も示していない。発言できるようなことは何もないからだ。換言すれば現時点では何も決まっていないということであろう、来年の大統領選のために選挙運動開始期間に突入する10月までにトランプ大統領は日米貿易協議の成果が欲しいので焦っているのであろう。   (おわり)

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