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2019年5月 7日 (火)

英国統一地方選で与党保守党惨敗、EU離脱の是非を巡る再度の国民投票となるのか

英国議会は【EU離脱】(ブレグジット)実施に関して与野党の対立が激化し、3月29日のブレグジット実施に踏み切れず、テリーズ・メイ首相はEU首脳との協議でブレグジットの実施を11月1日まで延期するという時間稼ぎに成功した。しかしながら国民の眼から見れば議会の混迷ぶりは目を覆いたくなるような惨状で国民の怒りの矛先は今年に入ってからは英国の2大政党の与党【保守党】と野党第一党の【労働党】に向けられていた。

そうした状況下で4年に一度の英国の統一地方選挙が5月2日に実施された。今回の改選の対象となったのは保守党の牙城の【イングランド】地方の248の地方議会と6自治体の首長、【アイルランド】地方の11の地方議会で、合計259の地方議会の改選議席数は約8900であった。イングランドの地方議会はその誕生の歴史から日本の地方議会とは異なり、強い自治権を保有し、中央政党と直結している。公明党と共産党、立憲民主党以外の日本の地方議員の多くが選挙対策上、政党色を薄めれるために無所属を便宜的に標榜するが、英国の地方議員はそうした姑息な手法は駆使しない。

今回の統一地方選挙では【ブレグジット】に関しては、保守党はブレグジットの実現、労働党は曖昧、野党第二党の【自由民主党】は親EU派であることから再度の国民投票の実施(ブレグジットの見直し)、環境政党の【緑の党】も再度の国民投票を主張していた。労働党が【ブレグジット】に対して曖昧な態度を取り続けているのは、ジェレミー・コービン党首の本音は【ブレグジット】であるが党内の多数派がEU残留を支持しているからだ。

選挙結果は、、保守党が改選前の議席の25%をに該当する1330議席を失うという大惨敗を喫し、獲得議席は3542議席であった。【ブレグジット】に優柔不断の姿勢を変えなかった【労働党】は84議席減の2021議席、EU残留派の【自由民主党】は再度の国民投票を選挙戦で訴え、704議席増の1351議席を獲得し、議席を倍増させた。【緑の党】も選挙戦で再度の国民投票を主張し、議席を194議席増やして、これまた議席を改選前より倍増させた。

英国の世論は2年前とは明らかに変化したのである。2年前には国民の過半数は英国の自治の回復を望んで【ブレグジット】を選択したのであるが、ブレグジットのもたらすデメリットに気付いた有権者の大半は【再度の国民投票】を選択したことになる。

この有権者の選択に対して【保守党】のブレグジット強硬派はどのような対応をするのであろうか。5月23~26日に行われる【欧州議会選挙】の結果が強硬派に影響を与えるに違いない。世論調査では反EU派が議席の3分の一を占める可能性が高いという結果が出ている。世論調査の結果通りとなればブレグジット強硬派は、統一地方選で示された民意を無視して合意なきブレグジットに突き進むかもしれない。

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