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2019年4月24日 (水)

設置企業の真剣度が問われる企業主導型保育所

東京都の23の特別区をはじめとして人口が増え続けている大都市圏では【待機児童】問題は行政が解決すべき喫緊の課題であった。その【待機児童問題】の解決の切り札として政策化されたのが【企業主導型保育所】の設置である。この【企業主導型保育所】は地方自治体にとっては【待機児童】の解消に寄与するし、設置する企業にとっては従業員の確保を容易にし、定着率を高め、従業員の福利厚生の充実に役立つ。さらに保育児童を抱える保護者にとっても深夜時間や短時間の託児が可能などという利点があった。この制度がうまく機能すればであったが。

【企業主導型保育所】の事業費は2016~18年度の3年間で約3800億円が【施設整備費】や【運営費】名目の助成金として【企業主導型保育所】に支払われている。2018年1月31日の時点で新設された施設は2190施設で定員は50万0091人分であったが11月30日の時点では407施設増えて2597施設となった。助成金の支払額の一例を挙げれば東京都の23区内で新設する場合、定員12人、保育士比率50%以上で【施設整備費】が8000万円、【運営費】が2600万円である。

【企業主導型保育所】が3年間で約2600も新設された原因は都道府県の監督を受けることなく、申請すれば施設の設置を認められたこと、認可保育園より人員(保育士)の配置基準が緩和されたこと、助成金を支給する権限を与えられた内閣府管轄の公益財団法人【児童育成協会】が施設数を増やすことと事業費を消化することを優先させたためチェックが厳しくなかったことなどが挙げられる。

施設の【質】より【量】を追求した結果、【企業主導型保育所】は多くの問題が噴出し、国会でも取り上げられることとなった。国の税金の使途を精査する【会計検査院】が【全国200の企業主導型保育所】を調査した結果、開所から1年以上経過しても定員の半数以下の施設が72カ所と3割を超え、定員が20%未満という施設は27施設で国の助成金などの効果が表れていないことが判明した。この調査結果を受けて会計検査院は内閣府に改善を要請した。

企業側は施設を作りはしたがその運営を【パソナ】などの保育施設運営業者に運営を委託したために、委託業者は利用者の要望を優先することなく利益を優先したために、保育士の待遇は悪く、保育士不足に陥り、利用者からはそっぽを向かれたのである。設置企業自らが運営に携わることなくして定員の充足率の向上はない。   (おわり)

 

 

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