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2019年3月 1日 (金)

TPP発効効果が表れた参加国からの牛肉輸入量の激増

【環太平洋経済連携協定】(TPP)は昨年末の12月30日に発効した。筆者は【TPP】の発効後の経済効果に注目していたが財務省が2月27日に発表した2019年1月の【貿易統計】によれば【牛肉輸入量】は前年同月の3万5631トンを42%上回った5万0574トンであったことが判明し、1月単月では過去10年では最も多い輸入量となった。
19年1月の輸入量だけで判断するのは早計であるるが【TPP】発効の効果は早くも表れたとみるべきであろう。
オーストラリアやカナダ、メキシコ、ニュージーランド(NZ)のTPP参加4カ国からの輸入は前年同月比56%増の3万2953トン。このうち冷蔵肉は18%増の1万0279トン、冷凍肉は82%増の2万2674トンであった。
輸入量増大の原因は関税削減で、冷凍肉・冷蔵肉がともに増えて日本国内では低価格の輸入肉がシェアを拡大している。カナダとNZの輸入関税はTPP発効前の38.5%から27.5%と11%下がった。その影響でカナダからの輸入量は前年同月比で5倍の2715トン、NZからの輸入量は3倍の2319トンと激増した。
既に日本と経済連携協定(EPA)を結んでいたオーストラリアとメキシコの輸入関税削減率は冷蔵品のみ現行の32.5%から30.5%とわずか2%であったがオーストラリア産の牛肉の輸入量は全体で前年同月比40%増の2万6737トン、メキシコ産は44%増の1182トンであった。
現行の輸入関税率が38.5%と一番高い米国産牛肉の輸入も21%増えて1万7547トンである。その内訳は日本国内で在庫が増えている冷蔵肉が5%減って9395トン、冷凍肉は76%増えて8152トンであった。
2月に入ってもTPP参加国からの輸入量は増加幅こそ1月に比較すれば縮小したが増え続けている。財務省は2月28日、TPP参加国からの2月中旬までの牛肉輸入量を発表したが2月1~20日までの20日間で牛肉輸入量は1万6439トンと前年2月分の輸入量の74%に達した。
ところで、【日欧・EPA】(日欧・経済連携協定)が2月1日に発効したが昨年の欧州(EU)からの2月1日から2月20日までの牛肉輸入量は7トンであったが今年は関税率が低下したために94トンと13.3倍に増えた。
海外からの輸入が増えればその影響は日本の枝肉生産量の減少に及ぶがそれとともに米国産の牛肉輸入量も減少すると思われる。商社などの輸入業者はオーストラリア産以外のTPP参加国の牛肉を低価格の牛肉を販売を手掛けるスーパーに売り込みをかけているという。
米国産の牛肉の関税率が下がらなければ米国産牛肉の日本でのシェアは下がり続けることになり、トランプ大統領は米国の牛肉生産農家の恨みを買うことになるであろう。トランプ大統領の再選は前途多難である。   (おわり)

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