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2019年3月 1日 (金)

米政府高官の予測通り物別れに終わった米朝首脳会談

北朝鮮にとって【核兵器の保有】は国家が国際社会で存続するための命綱であり、金正恩朝鮮労働党委員長にとっては自らの生命を担保するものであるが故に北朝鮮が【核兵器の廃棄】に応じるはずはないのである。この事実を知悉している安全保障担当の政府高官の一人は2月27~28日両日にベトナムのハノイで開催予定の2回目の【米朝首脳会談】前から【米朝首脳会談】の決裂を予言していた。
2日間の【米朝首脳会談】で、北朝鮮の【核兵器の廃棄】や【核施設の廃棄】という【非核化】の進め方をめぐり合意文書を作成できなかった理由について、トランプ大統領は2月28日の首脳会談終了後に、北朝鮮が制裁の全面解除を要求したためだと主張した。
2回目の【米朝首脳会談】で、北朝鮮の【非核化】を推進する方法に関して米朝間で合意に至らなかった理由についてアメリカ国務省の高官はトランプ大統領の主張を補足するために、北朝鮮側が首都平壌(ピョンヤン)の北約80kmにある寧辺(ニョンビョン)の核施設の一部の廃棄に応じる代わりに事実上、武器を除くすべての制裁の解除を要求してきたためだと説明した。
寧辺の核施設には北朝鮮最初の原子炉が稼働しており、2006年以降に北朝鮮が行った各十店で使用した核物質を生産していた。施設の一部は老朽化しており、廃棄しても北朝鮮の核開発には影響がないことから施設の廃棄に応じる姿勢を見せているのであろう。
トランプ大統領の主張に対し、、北朝鮮のリ・ヨンホ外相は1日未明に記者会見し、ニョンビョンにあるすべての核施設の廃棄と引き換えに、国民生活に影響が及ぶ一部の制裁の解除だけを求めたと反論している。
現時点では真相は藪の中であるが昨年の中間選挙でトランプ大統領を支える与党共和党が議会下院で過半数を失ったことにより、トランプ大統領は内政では失点を重ねている。こうした状況を打開するためにトランプ大統領は北朝鮮問題で得点を挙げようとして準備不足のまま【米朝首脳会談】に臨んでしまったのである。
トランプ大統領は米国が世界の主導権を握っている理由を理解していないようである。米国の力の源泉は強大な軍事力である。軍事力に裏打ちされた安全保障体制を構築しているために米国は経済的な繁栄を享受していることになる。トランプ大統領はその点に思いが及ばず、安全保障体制の維持にかかる経費は無駄であると思い込んでいるのであろう。
首脳会談に同行した米国政府高官は3月1日、同行記者団に「北朝鮮はいまのところ大量破壊兵器の計画を完全に凍結する気がなく、制裁の解除で多額の資金を与えることは大量破壊兵器の開発を助けることにつながる」と述べて、非核化の前に制裁の解除を要求してくること自体が受け入れられないという認識を示した。
こうした米国の根強い北朝鮮に対する不信感を払しょくしない限り米朝関係に進展はない。北朝鮮はこれまで米国を騙し続けてきた。米国の不信感を取り除く努力をしない限り北朝鮮の国民は救われない。   (おわり)

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