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2019年3月10日 (日)

国内半導体大手ルネサス在庫調整のため一時操業停止

日用品の家電から大型輸送機の航空機まで現代の機器類は半導体が組み込まれていない機器は存在しないと言っても過言ではない。。それ故、【半導体】は産業の【コメ】とも呼ばれている。
【半導体】は1990年代に入ってから飛躍的な進化を遂げているがその主導的な役割を果たしたのが1968年に米国カリフォルニアでベンチャー企業として創業した【インテル】である。i【インテル】はコンピューターの中枢であるCPU(中央演算装置)製造に拘り続け、世界のCPU市場の80%のシェアを誇り、1992年から2016年までの25年間の売上高は世界No1であった。
しかしながら、半導体の用途はコンピューター以外の分野で拡大し、低価格の汎用半導体に活路を見出した【サムスン電子】が売上高を伸ばし、2017年の売上高は【サムスン】が612億1500万ドル(約6兆9050億円)に対して【インテル】の売上高は577億1200万ドルと【インテル】は25年ぶりに首位の座を明け渡した。2018年の売上高で【サムスン】と【インテル】の差は拡大している。
ところで、2018年後半から中国市場で自動車の販売台数が減少に転じ、2018年の販売台数は前年比2.7%減の2808.06万台で、台数にして79万8600台減った。
スマホの出荷台数も前年比15.5%減の3億9600台であった。中国の消費の低迷で日本からの半導体の輸出は減少し、その傾向は2019年に入っても続いている。
中国の半導体輸入の減少により日本の半導体メーカーの業績は悪化している。日本の半導体の大手メーカーの【ルネサスエレクトロニクス】は2019年3月5日、日本国内の6工場の最大で2カ月の稼働停止を発表した。半導体の在庫が積み上がっていることが理由である。
【ルネサス】は【日立製作所】と【三菱電機】から分社化した【ルネサステクノロジー】とNECから分社化していた【NECエレクトロニクス】が経営統合して2010年4月に設立された企業であるが日本の大企業の病弊というべきなのか管理部門の余剰人員を削減することなしに新会社をスタートさせてしまった。
その後、2013年初頭から始まった円安の恩恵で業績が回復基調にあったが政府の要請と人手不足が原因で【半導体】各社は従業員の賃上げを受け入れざるを得ない状況となった。【ルネサス】も例外でなかったが発足して間もない同社にとって人件費の増大は経営を圧迫する大きな要因となった。その打開策として【ルネサス】は昨年従業員20000万人の5%に該当する1000人の希望退職者を募った。対象者は非生産部門の従業員である。
それに加えて、在庫調整のために顧客の生産に悪影響が及ばない連休の多い5月と8月に工場を一時停止する。
停止の対象となる工場は半導体㋨前工程を手掛けている【那珂工場】(茨城県ひたちなか市)、【高崎工場】(群馬県高崎市)、【滋賀工場】(滋賀県大津市)、【西条工場】(愛媛県西条市)、【山口工場】(山口県宇部市)、【川尻工場】(熊本市南区)の6工場である。ここでも人件費の削減を図る。
現在の半導体業界は【質】(特定分野に特化した高付加価値の半導体)と【量】(価格の安い用途の広い汎用半導体)の戦いであると言われている。人件費の高い日欧米の企業は【質】に販路を求めざるを得ないので厳しい状況下にある。日本の半導体トップの東芝と日立製作所の売上高はサムスンの6分の1程度である。日本の半導体業界は厳しい状況に追い込まれているがその中でも【ルネサス】は一段と厳しい状況下にある。   (おわり)

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