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2019年3月27日 (水)

東南アジアの賃金上昇、訪日外国人の旺盛な購買意欲、円安が日本企業の国内回帰や国内の生産力増強を招いた

2012年11月16日に衆議院が解散された時点の円相場は1ドル=80円であったが約2年9カ月後の2015年8月12日の円相場は1ドル=125円で、45円の円安の状況が生まれた。この大幅な円安の時期に日本の家電メーカーの最大手の【パナソニック】(大阪府門真市)は家庭用【LED照明】を日本向けに輸出していた【パナソニック】のインドネシアの西ジャワ州の工場を閉鎖して三重県伊賀市の伊賀工場に全面移転した。円安の状況下では自社製品を輸入すれば利益が減るからである。【パナソニック】はインドネシアの東ジャワ州でも工場を稼働させているが西ジャワ州は首都ジャカルタの都市圏で物価が高く生産コストが東ジャワ工場より高いために閉鎖を決断したということになる。

その後、中国の労働者の人件費が高騰したことにより中国に進出していた日本企業はより人件費が廉価な東南アジア諸国に生産拠点を新たに設ける動きを加速させてきた。その動きと同時並行的に【訪日外国人客数】が急増して日本国内で日本の家電製品や日用雑貨品、化粧品などの売り上げ高が急増している。

【訪日外国人客数】は円安に方向転換した2013年が初の1000万人超えの1036.4万人、14年が1341.3万人、2015年が1973.7万人、2016年が2403.9万人、2017年が2869.1万人、2018年が3119.2万人と推移してきた。16年以降、【訪日外国人客数】の増加数に陰りが出てきているが訪日外国人の買い物金額は増え続けている。【訪日外国人】の購買意欲に対応するために関連する企業は日本国内の生産力増強のために工場の新設や既存の工場での生産力の増強がが相次いでいる、

【コーセー】(化粧品)は群馬県伊勢崎市の既存の工場内に新生産棟を稼働させ、中国の生産子会社を売却した。新生産棟ではスキンケア製品(化粧水や乳液)とコーセーの催告救貧ブランドの【コスメタリー】の製品を生産する。伊勢崎工場は本社機能を持ち、製品開発の拠点となるマザー工場となる。                                                      【ネスレ日本】(食品)は兵庫県姫路市の既存工場内にヒット商品のチョコレート菓子【キットカット】の新工場を17年8月に稼働させた。【東レ】は滋賀県大津市に紙おむつ用の不織布を開発する拠点17年10月に新設している。【ホンダ】は17年10月に二輪車の【スーパーカブ】を熊本県の大津町の工場で生産を再開させた。2016年4月の熊本地震で大津工場の一部が被害を受けたために一時的に中国で生産していたがそれを移管したのである。

【キャノン】は宮崎県高鍋町にデジタルカメラ用の新工場を建設し、19年中に稼働させる予定である。【資生堂】は栃木県大田原市と福岡県久留米市に新工場を建設し、19年と21年に稼働させる予定。

昨年の第3四半期から中国経済の減速が顕著になってきた。その影響で訪日中国人の増加率が鈍化してきたのが目立つ。さらに悪材料として中国政府は昨年末から中国人の海外での商品の代理購入を禁止する措置を講じ出した。今年から中国人の日本での買い物金額は減少することになることは確実であろう。もっともインターネット―通販が普及しているので売上高は減らないかもしれない。但し、企業の積極策が裏目に出る可能性はなきにしもあらずである。   (おわり)

 

 

 

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