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2019年2月12日 (火)

戦後日本の官庁が手を染めた最大の不正は財務省の国民借金説

ここ数年日本の官僚機構の退廃は目を覆いたくなるような惨状を呈している。
2014年5月に各省庁の審議官以上の幹部職員の人事権を握る【内閣人事局】が内閣府の中に新設された。これが官僚機構退廃の最大のげんいんであろう。これまでの各省庁の人事権は各省庁が掌握していて各省庁のトップである大臣にさえ幹部職員の人事に例外はあったが嘴(くちばし)を挟ませなかった。
各省庁は政策を実現させるために政策の基となる資料の数値の水増しなどの不正を日常茶飯事のように実行していた。全ては【省益】のためであったと言われている。
だが14年の6月以降から各省庁の人事権が【内閣人事局】に移譲されたことによって各省庁の個人的なスキャンダル以外の不正行為は【安倍内閣】に迎合するために(【忖度】と呼ばれている。)実行されるようになった。高級官僚は人事権を【内閣人事局】に握られ、内閣に逆らえなくなったためである。
審議官以上の幹部職員が内閣の方針に【異】を唱えれば昇進が停止し、左遷か事務次官争いから脱落し、退職(天下り)を余儀なくされるからだ。一方、【忖度】によって内閣人事局に評価された官僚は出世をすることになる。
これまで一枚岩と思われていた各省庁は一枚岩ではなくなり、上昇志向の異常に強い一部の幹部職員は【内閣】に迎合して省益を無視する行為を平然と行うようになった。その典型的な例が財務省の理財局長であった佐川氏の【森友学園】への国有地売却に関連する文書の改竄の指示である。佐川氏は財務省の財務畑や理財畑出身の官僚の最高位の国税庁長官の座を射止めた。
【森友学園】と【加計学園】の問題が国民の反発を買って2016年と17年には安倍内閣の支持率が下がったこともあり、昨年はさすがに新たな官僚機構の不祥事は発覚しないと思っていたが年末の12月になって【厚労省】の継続して行われている【毎月勤労統計】の不正が火を噴いた。 【毎月勤労統計】とは、賃金の動向等を調査し、景気の分析や労働保険の給付金等の算定に用いられる重要な統計である。
【毎月勤労統計】の不正は、本来ならば東京都の常用労働者数500人以上の事業所を全て調査すべきところを、2004年からサンプル調査で手抜きし、3分の1の事業所しか調査してこなかったのである。
東京都の勤労所得は全国で一番高い。ところが調査では東京都の企業数のが少なかったことにより賃金の水準が実勢賃金を下回ることになり、賃金の統計値は実際より低くなった。
手抜き調査の実態に気付いた【厚労省】は2018年1月に調査方法を改善した。その結果、賃金水準は高くなった。ところが、2017年までの調査の統計数値は改めなかったので2018年になって賃金の上昇率が高くなったのである。賃金の伸びが高く見えるような修正が18年に安倍政権の下で行われた。これは【厚労省】の統計担当部門の安倍内閣に対する【忖度】ということになるのであろう。
ただこの問題は今国会で騒いでいるが真相は解明されることはないであろう。証拠となる文書が存在する可能性は極めて低いからだ。
これまでの最悪の不正というか国民を騙した行為は財務省が発表する日本政府の債務問題である。財務省は2018年5月10日、2018年3月31日時点での日本政府の債務残高は1087兆8130億円で、そのうち国債残高が959兆円1413億円と発表した。この発表を受けて【日本経済新聞】は同日に配信した記事の中で「国民一人当たりの借金は859万円」と記している。
借金をしているのは日本政府であって、日本国民ではない。その証拠に日本政府が発行した国債はメガバンクを中心に金融機関が購入し、金融機関は購入した国債をその金融機関の預金者などに売却している。国債を購入した一般国民は毎年、1%にも満たない国債の利息を得ている。利息を得ている人が借金主であるはずがない。
日本国債は財政赤字を埋め合わせするために発行される赤字国債(普通国債あるいは特例国債)と財政投融資債に分かれていて政府が返済の義務のある国債は厳密に言えば赤字国債分だけで2018年3月末の赤字国債残高は約864兆で残りの約95兆は財政投融資債であるからこれらは特別会計で処理されていて日本政府の借金ではない。
残りの128兆円の国債は90%以上は短期国債で、短期国債は米国債などの外国債の購入に使われているので借金とは言い難い。日本政府の借金は約864兆円というのが正しい。さらに日本政府は650兆円を超える資産を保有している。そのうちすぐに換金できる金融資産(独立行政法人などへの出資金、NTTやJT、日本郵政の株式など)が300兆円を超えている。864兆円から300兆円を差し引くと564兆円程度となる。
日本政府の子会社の日本銀行は2018年3月末の時点で国債445兆9000億円を保有している。国債には財政投融資債が含まれているので日銀保有の普通国債は440兆円程度となる。政府は子会社日本銀行の保有する国債に利息を払っていないし、満期が来ても元金を返済もしない。日銀保有の普通国債約440兆円は実質的には債務とならないので日本政府の実質的な債務残高は124兆円程度となり、日本政府は世界一の健全な財政状況を維持していることになる。
財務省も日本のマスコミも長年、嘘をつき続けたので今さら真実を公表できないのである。   (おわり)


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