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2019年2月22日 (金)

ホンダ欧州市場の販売不振のため英国工場を2021年に閉鎖

【ホンダ】は2月19日、2021年に英国イングランド地方南部のウィルトシャー州スウィンドンの生産工場を閉鎖すると発表した。
【ホンダ】は英国工場の閉鎖に関して世界の自動車産業を取り巻く急激な環境変化と、急激なEV(電気自動車)生産の加速に対応するために生産体制の再構築の必要があると説明している。
【ホンダ】のスウィンドン工場は、1985年2月に設立以来30年間で計300万台以上の車(主としてシビック)を生産してきた。現在は3500人の従業員が勤務する。中型車シビックを年間約15万台生産し、70カ国以上に輸出している。ホンダが欧州連合(EU)圏内に持つ唯一の生産拠点である。
EU圏内の唯一の生産拠点の閉鎖を【ホンダ】が決断したのはEU市場でホンダ車が売れないからである。2016年のホンダの販売台数は15万9126台、2017年は前年比13%減の13万8323台であった。それに対してトヨタは2017年が67万7796台(レクサスを含まず)、2018年が76万0069台(レクサスを含む)である。【ホンダ】はEU市場で【トヨタ】に大きな差をつけられてしまった。
欧州市場で日本車が苦戦している原因は日本の外国車に対する輸入関税が0%であるのに対してEUの日本車に対する輸入関税は10%と関税率が高い。日欧EPA(経済連携協定)が2月1日から発効したが日本車に対する輸入関税が0%になるのは9年後である。
【ホンダ】のシビックは英国工場からEUに出荷してもこれまでは関税は0%であったが英国がEUから離脱すれば関税が課される可能性が高まる。それでは英国工場を稼働させる利点は亡くなる。ところが英国にとってホンダの英国からの撤退は英国経済に深刻な影響を与えることになる。英国政府は日本の自動車メーカーを何とか英国内に繋ぎ止めておきたいのである。
【ホンダ】の工場閉鎖発表に先立つこと16日前の2月3日、【日産】は英政府と合意していた日産の英国中部のサンダーランド工場で計画していた、スポーツタイプ多目的車(SUV)【エクストレイル】の次期モデル生産を取りやめると発表した。欧州向けの【エクストレイル】は日産の国内工場の福岡県苅田(かんだ)町の工場で製造するとみられる。
【日産】の英工場での【エクストレイル】の次期モデルの生産取り止めを受けて、英国政府は2月4日、日産自動車が英工場での主力車種の生産計画を取りやめたことを受け、英政府は4日、2016年に【エクストレイル】の英国生産と引き換えに日産への支援を提案していた同社宛ての文書を公開した。英国政府はEU離脱の対策を講じていたという英国国民へのアリバイ作りの一環であろう。
クラーク英ビジネス・エネルギー・産業戦略相は4日、「日産が政府の資金支援を受けるためには再申請が必要になる」と指摘。支援策を事実上撤回する意向を示した。
2月4日に英国政府が公表した文書には、英国政府が欧州連合(EU)離脱を決めた国民投票の約4カ月後の2016年10月21日付が入っていた。英国内での主力車種となるスポーツ用多目的車(SUV)【エクストレイル」】の次期モデルなどの現地生産を条件に最大で約8千万ポンド(約115億円)の支援を英国政府は提案していた。支援策はその後、6100万ポンド(87億円)に決定していた。
英国に進出している外資系企業にとって英国がEUを離脱すれば英国に留まるメリットは消失してしまうのである。EU離脱を選択した誇り高い英国民にはバラ色の未来が約束されているのであろうか。   (おわり)

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