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2019年2月13日 (水)

暗雲が立ち込めた日産の拡大路線

昨年の11月19日に東京地検特捜部に逮捕され堕ちた偶像となりつつあるカルロス・ゴーン前日産自動車代表取締役兼最高経営責任者(CEO)の経営スタイルは20年間に及ぶ経営実績から【20世紀最高の経営者】として持て囃されたジャック・ウェルチ【GE】(ゼネラル・エレクトリック)社CEOの2番煎じだと私は思ってきた。
ジャック・ウェルチ氏の経営の2本の柱は①「【リストラ】や【ダウンサイジング】と呼ばれる大規模な整理解雇による資本力の再建と②企業の合併・買収(M&A)と国際化の推進」である。
さらに、ジャック・ウェルチ氏は人材を育成するために部下に敢えて過大なノルマを課してそれを達成させ、業績を伸ばし人材を育てるという手法を駆使した。しかしながら、ウェルチ氏自身は企業を成長させるために従業員を犠牲にする自らの手法に満足していたわけではない。ウェルチ氏が高く評価していた経営者はGEと業務提携をしていた【横河電機】の美川英二元社長であった。美川氏は終身雇用を貫くために企業規模は2000人が限度という信念の下に規模の拡大を追求しなかった。
ゴーン氏は日産の再建請負人としてフランスの【ルノー】から日産に送り込まれ、短期間でその使命を果たし、「コストカッター」という異名を与えられ、カリスマ経営者として国際的な評価も定着し、2009年以降、必達の数値を設定し、規模の拡大を追求し始めた。過大なノルマを課されれば多くの従業員は偽装工作をするようになる。
自動車メーカーの規模の拡大は販売台数を伸ばすことだ。高額商品である自動車の販売台数を拡大させるには販売を委託しているディラー(自動車販売会社)に報奨金という名目で資金を提供する。報奨金はディーラ―の値引きの原資となる。高額の報奨金をディーラ―に提供すれば販売台数は増えるがメーカーの利益は減少する。販売台数の増大路線に突入した日産はこの自己矛盾に陥ったのである。
2月12日、日産自動車は2018年度 第3四半期決算を発表した。第3四半期の直近3か月(2018年10月~12月)の売上高は前年同期(2兆8755億円)比で5.9%増となる3兆457億円、営業利益は同(824億円)25.4%増の1033億円、当期純利益は同(3016億円)比で76.7%減の704億円。また、第3四半期累計3か月のグローバル販売台数は同(137万5000台)2.6%減の134万台とした。
2018年度 第3四半期累計9か月(2018年4月~12月)では、売上高は前年同期(8兆5280億円)比で0.6%増となる8兆5784億円、営業利益は同(3642億円)13.9%減の3137億円、営業利益率は同0.6%減の3.7%、当期純利益は同(5781億円)45.2%減の3167億円。また、第3四半期累計9カ月のグローバル販売台数は同(410万9000台)2.1%減の402万3000台となっている。
日産の減益の最大の要因は昨年まで日産の稼ぎ頭であったアメリカ市場での販売不振である。2017年度の3四半期(2017年4~12月)の累計販売台数は117万6673台に対して2018年の3四半期の累計販売台数は107万7874台で前年同期より販売台数が9万9799台減った。
日産の2017年暦年の世界販売台数は581万6278台であったが2018年は米国とメキシコの販売が不振で前年より16万2695台減らした。それに対してトヨタは単独で17年が938万4000台、18年が954万2000台で前年より15万8000台増えている。中国市場で2018年は前年より18万4500台販売台数が増えたためである。
日産は規模の追求路線から利益率重視の路線に転換すべき時期に来たのである。   (おわり)

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