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2019年2月 9日 (土)

米中貿易戦争は短期間では解決しない

経済がグローバル化した現在において【貿易】という概念が20世紀とは変化している。20世紀においては【貿易】とは自国産の材料・素材や部品を使用して製品を仕上げそれを他国に輸出することを意味していた。
ところが21世に入ってからは人件費が高騰した先進国の製造業者は人件費の安価な主として中国に生産拠点を移転させ、本国から材料・素材や部品を中国に輸出(送り)し、製品化した商品を本国に輸出(送り返す)という形態をとり始めた。
中国に送った材料・素材や部品の価格より本国に送り返された製品化された商品の価格が高額であることから米国にしろ日本にしろ対中貿易収支は慢性的に赤字になるのは必然なのである。中国の人件費が高騰すると先進国の製造業者は人件費の安価な東南アジアの諸国(タイ、ベトナムなど)に生産拠点を移転させている。
トランプ大統領は対中貿易赤字が膨大で慢性化していることを理由に中国や日本に貿易赤字の是正を強硬に要求している。だがその要求の真の矛先は中国政府ではなく生産拠点を中国に移転した米国の大手メーカーに生産拠点の本国回帰を要求しているのである。
米国自動車最大手の【GM(ゼネラルモーター)】でさえ中国で製造した乗用車を本国に輸出している。米国内で製造していては人件費が高く価格競争力で他国のメーカーに太刀打ちできない。2020年までには【GM】が国内で製造する車種は高級車のキャデラックや【SUV】だけになるであろう。トランプ大統領が圧力をかけようがGMの乗用車部門の国内回帰は経済合理性からあり得ないのである。
【半導体】の世界最大手の【インテル】も中国政府が半導体製造に本格的に乗り出したので中国メーカーと合弁で【NAND】型半導体メモリ―製造に1900億円を投資する。
スポーツシューズ最大手の【ナイキ】は米国の雇用には貢献しないためにトランプ大統領の攻撃の対象となっているが米国本土に生産拠点を移す可能性は低い。現在、【ナイキ】は【ベトナム】で37%、【インドネシア】と【中国】でそれぞれ19%委託製造している。
トランプ大統領が2月7日に米中首脳会談を通商協議期限の3月1日まで行わない意向を示したことを受けて7日のニューヨーク株式市場の【ダウ平均株価】は220.77ドル(0.87%)値を下げた。東京株式市場もその流れを受けて【日経平均株価】は前日より418.11円値下がりした。
米国政府が最も警戒しているのは米中貿易摩擦ではなく、通信分野での覇権を中国に掌握され、米国の軍事情報が中国に盗用されることである。通信分野の覇権を奪還するために【ファーウェイ(華為技術)】を破滅に追い込むために先進国に圧力をかけ、【ファーウェイ】の営業妨害をしている。
米国が通信分野で中国を凌駕しない限り【米中貿易戦争】の解決はあり得ないということであろう。    (おわり)  


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