« 国家非常事態宣言という暴挙に出たトランプ大統領 | トップページ | ホンダ欧州市場の販売不振のため英国工場を2021年に閉鎖 »

2019年2月21日 (木)

中国経済の減速を反映している日本の2019年1月の貿易統計

財務省は2月20日、2019年1月の【貿易統計】を発表した。
【輸出】は船舶(前年同月比37.4%減)、【半導体等製造装置】(27.8%減と鉄鋼(13.7%減))が大幅に減少したことにより【輸出金額】は前年同期比8.4%減の5兆5247億円となり、2カ月連続のマイナスとなった。
一方、【輸入】は天然ガスが前年同月比15.3%増と大きく増えたものの【原油】(前年同月比10.3%減)、【石油製品】(17.9%)、【非鉄金属鉱】(18.3%)の減少により、【輸入金額】は前年同月比0.6%減の6兆9895億円で2019年1月の【貿易収支】は差し引き1兆4152億円の赤字となり、昨年12月の567億円の赤字から約1兆3500億円の増加となり、2カ月連続の赤字であった。
貿易収支の赤字拡大の最大の原因は中国貿易である。中国経済の減速により対中国輸出品目では【電気回路等の機器(前年同月比38.9%の減少)、【プラスチック】(27.5%の減少)、【半導体等製造装置】(24.8%の減少)が大幅に減り、輸出額は前年同月比17.4%減の9581億円、で2カ月連続の減少。輸入額は前年同月比5.56%増の1兆8378億円で2カ月ぶりの増加であった。輸入増の原因は【電算機類】(前年同月比15.0%増)、音響映像機器(18.1%増)、【衣類・同付属品】(4.1%増)である。
対中国貿易の赤字は前年同月比51.8%増の8797億円で10カ月連続となった。2019年1月の貿易赤字の62%は対中国貿易赤字が占めている。このことは換言すれば中国経済が減速した結果、日本からの原材料品の輸入が減ったことを意味する。中国は基本的には原材料を輸入してそれを組み立てたり、加工して製品を輸出する加工貿易の国である。
ところで、中国経済の減速を象徴する数値がいくつか存在する。まず、世界最大の自動車市場と化した中国の2018年の新車販売台数は、2017年の販売台数の2887万9000台から約80万台減って2808万0600台であった。販売減の傾向は2019年に入っても続き、1月の販売台数は前年同月比15.8%減の236.7万台であった。中国最大の自動車メーカー【吉利(ジーリー)汽車】の1月の販売台数は前年比5.3%減の150万台である。
スマホの販売台数も2017年から減少している。17年は前年比4%減、18年のスマホ出荷台数は中国工業情報省傘下ののシンクタンク【中国信息通信研究院】によれば前年比で15.5%減の3億9000万台である。米市場調査会社【カリナス】によれば2018年のスマホ出荷数は前年同月比12%減であった。
中国4大ポータルサイトの一つ【網易(ネットイージー】は2018年10月18日に「今期の上半期(2018年1~6月)の国内の504万社が倒産し、失業者は200万人を超えた。中国電商の最大手アリババ集団、通信大手【ファーウェイ】など大企業は人員削減を検討している」という記事を配信したが、すぐに削除された。影響の大きさを考慮して国家当局が介入したのであろう。
2019年1月の貿易統計の貿易赤字の拡大は、米中貿易摩擦と中国経済の減速が日本の貿易収支に悪影響を及ぼし始めた結果であろう。   (おわり)

|

« 国家非常事態宣言という暴挙に出たトランプ大統領 | トップページ | ホンダ欧州市場の販売不振のため英国工場を2021年に閉鎖 »

13国際経済」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 中国経済の減速を反映している日本の2019年1月の貿易統計:

« 国家非常事態宣言という暴挙に出たトランプ大統領 | トップページ | ホンダ欧州市場の販売不振のため英国工場を2021年に閉鎖 »