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2019年1月24日 (木)

東京地検が目指すゴーン前日産会長の逮捕容疑は資金洗浄か

カルロス・ゴーン前日産会長が逮捕された昨年11月19日からゴーン氏側の2回目の保釈申請が東京地裁によって却下された1月22日までの経緯を時系列で追っていくと行くと以下のようになる。
11月19日 東京地検特捜部が、10~14年までの役員報酬を有価証券報告書に虚偽記載したことによる【金融証券取引法(金証法)】違反容疑で、カルロス・ゴーン日産代表取締役兼最高経営責任者(CEO)を逮捕
11月21日 東京地裁が11月30日までの勾留を決定。
11月30日 特捜部が申請した拘留延長を東京地裁が認め、12月10日まで勾留延長決定。
12月10日 特捜部が【金証法違反容疑】で起訴。さらに特捜部は15~17年の役員報酬虚偽記載による金証法違反容疑で再逮捕。
12月11日 東京地裁は12月20日まで再逮捕容疑での勾留を決定。
12月20日 特捜部が申請した拘留延長を東京地裁が却下。
12月21日 特捜部が会社法違反(特別背任罪)の容疑でゴーン氏を再逮捕。
12月23日 東京地裁は1月1日まで拘留を決定。
12月31日 特捜部が申請した拘留延長を認め、1月11日まで拘留延長決定。
1月8日 ゴーン氏が東京地裁に出廷し、勾留理由の開示を請求。弁護士は東京地裁に拘留取り消しを請求
1月9日 弁護士の拘留取り消し請求を東京地裁が却下。
1月11日 ゴーン氏が特別背任容疑で追起訴。
1月15日 ゴーン氏側の保釈申請を東京地裁が却下。           
1月22日 ゴーン氏側の保釈申請を東京地裁が2回目の却下起訴。
この逮捕劇のターニングポイントとなったのが昨年の12月21日の会社法違反(特別背任罪)容疑での再逮捕である。ゴーン氏は【新生銀行】との間で金融派生商品(通貨スワップ取引)で個人資産を運用していたが2018年9月15日に発生したリーマンショックの影響で約18億5000万円の評価損の損失を出した。そのため評価損の出た個人資産の【金融派生商品】を10月には日産に移転している。筆者の想像にしか過ぎないがゴーン氏は日産の資金を個人的に流用して個人資産を運用していたと思われる。
しかし、日産資金の流用を隠蔽するためか09年2月に日産に移転した資産をゴーン氏自身の個人資産に再移転した。その際、【新生銀行】はゴーン氏に追加担保を要求した。担保を提供できないゴーン氏に救いの手を差し伸べたのがゴーン氏の友人でサウジアラビアの実業家のハリド・ジュファリ氏である。ジュファリ氏は【金(カネ)の取引】に利用する約30億円の信用状(SBL/C)(スタンドバイL/C)を外資系銀行から【新生銀行】へ送り、ゴーン氏の追加担保とした。
【信用状】(L/C Letter of Credit)は銀行が発効する支払い保証書であるが【SBL/C(スタンドバイL/C)】は支払い保証書と証券の性格を帯び、リースや売買が可能。リース料は手数料を含め9.5%程度。
ゴーン氏はジュファリ氏の協力に対して日産からの30億円の融資をゴーン氏が主導して計画したが日産の同意を得られなかったという。
しかし,09年6月~12年3月の間に、ゴーン氏は自らの判断で使うことのできる【CEO予備費】から【販売促進費】の名目で、ジュファリ氏が経営するBMWやメルセデスの輸入代理店(日産車も含む)に1470万ドル(現在のレートで16億円)を振り込んだ
司法取引に応じた日産の関係者によればジュファリ氏の会社で「販売促進」が行われてはいないと証言しているので送金された1470万ドルは追加担保への謝礼と目されている。
【スタンドバイL/C】は企業間の決裁で利用されるものであり個人の資産の決済に使用されるのは違法である。この観点からジュファリ氏から新生銀行に送られた【SBL/C】はマネーロンダリング(資金洗浄)疑惑がもたれることになる。ゴーン氏とジュファリ氏の取引は国際社会を舞台にした日本では空前のスケールの金融事件に発展する可能性を秘めている。
一部マスコミは東京地検特捜部は十分な証拠を入手できず焦燥感に駆られていると報じているが【司法取引】の実態を理解していないのである。焦燥感に駆られているのは証拠隠滅を図れないゴーン氏である。再三ににわたってゴーン氏の勾留取り消しを申請しているのはその証である。   (おわり)

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