« 度重なる不祥事を繰り返す厚生労働省 | トップページ | 政府閉鎖を意に介さないトランプ大統領 »

2019年1月16日 (水)

東京地検とゴーン前日産会長の法廷闘争は長期化の見通し

【東京地検特捜部】は18年11月19日、ルノー・日産・三菱自動車の会長を兼務するカルロス・ゴーン容疑者を【金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載】容疑で逮捕した。ゴーン氏逮捕の報道は世界中を駆け巡り、世界中に衝撃を与えた。
世界を代表する大手自動車メーカーの一つの【ルノー・日産連合】の代表取締役会長のゴーン氏の逮捕に【東京地検特捜部】が踏み切れたのは、容疑を裏付ける供述をする代わりに、罪を減免する司法取引が日本でも18年6月から施行されることになからであり、ゴーン氏逮捕は日本における【司法取引】の第1号となった。
【東京地検特捜部】が【金融商品取引法違反】(有価証券報告書の虚偽記載)という形式犯の違反容疑でゴーン氏を逮捕したのは日本の国内捜査の範囲内で裁判に勝てると判断したためと言われている。
【有価証券報告書】は投資家の投資判断の材料となる企業の毎年の財務状況や役員情報を記載したもので虚偽の記載は禁じられている。役員情報の一環である役員報酬の個別開示は、09年度の決算から1億円以上の役員報酬の開示が義務付けられた。ゴーン氏の逮捕容疑の【有価証券の虚偽記載】は株式市場に対する重大な裏切り行為である。
【金融商品取引法違反】は10年以下の懲役か1000万円以下の罰金であり、決して軽い罪ではない。
【東京地検】は18年12月20日にゴーン容疑者の10日間の勾留延長を【東京地裁】に求めたが地裁は地検の請求を却下した。地裁の【勾留申請却下】は東京地検にとっては想定外であった。これまでの例では勾留延長がみとめられていたからだ。
この勾留申請却下は容疑者の長期勾留を認める日本の司法制度に対する国際的な非難に東京地裁が配慮した結果と思われる。ゴーン容疑者が短期間で保釈となれば司法取引に応じて東京地検特捜部の捜査に協力した日産の役員や社員が態度を翻すことを恐れた【東京地検】は21日にゴーン容疑者を会社法違反(特別背任)容疑で再逮捕した。
ゴーン容疑者の逮捕容疑が市場への裏切り行為から日産への裏切り行為へ力点が移ったことによってフランスのマスコミの論調に変化が表れ出した。19年1月15日、フランスの夕刊紙で国際的な評価の高い【ル・モンド】は論説委員の「ゴーン氏をルノーのCEO(経営最高責任者)から解任すべき」と主張する記事を掲載した。
この記事に呼応するかのように16日にはフランスで最も古い歴史を持つ日刊紙【フィガロ】は、 【ルノー】が20日の取締役会で新しいCEOに現在暫定CEOのティエリー・ボロレ氏、会長にフランス・タイヤ大手ミシュランCEOのジャンドミニク・セナール氏を選任する可能性があると報じた。また、経済紙【レゼコー】はトヨタ自動車のディディエ・ルロワ副社長が新たなCEOとして浮上していると報道。ゴーン被告が保釈されないことを受け、ルノー側が日産との提携関係を強化する戦略に舵を切ったと思われる。
いずれにしろ日産とゴーン氏の法廷闘争は長期化することは必定であろう。   (おわり)


|

« 度重なる不祥事を繰り返す厚生労働省 | トップページ | 政府閉鎖を意に介さないトランプ大統領 »

6国政を斬る」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 東京地検とゴーン前日産会長の法廷闘争は長期化の見通し:

« 度重なる不祥事を繰り返す厚生労働省 | トップページ | 政府閉鎖を意に介さないトランプ大統領 »