« 2019年は米中冷戦の始まりか(3) | トップページ | 栃木県の県民一人当たりの県民所得全国4位が続く »

2019年1月 5日 (土)

自由貿易の拡大を図る日本

米国抜きの11カ国による自由貿易協定の【TPP11】(環太平洋連携協定)が昨年の12月30日に6カ国で発効した。
【TPP11】は参加国(11カ国)の過半数の6カ国の国内手続き終了後の60日後に発効するという取り決めがある。昨年の10月31日に【オーストラリア】がTPP11の事務局を務めるニュージーランド(NZ)に事内手続きの終了を通知してきた。それ以前にメキシコ、日本、シンガポール、NZ、カナダの5カ国が既に国内手続きを完了していたのでオーストラリアは6カ国目となり60日後の12月30日に【TPP11】は6カ国で船出したのである。残りの5カ国(ベトナム、ペルー、チリ、ブルネイ、マレーシアも手続きを完了する予定である。
【TPP11】は世界のGDPの13%(11.3兆米ドル)を占める巨大自由貿易圏で域内人口は5億人を超える。IMF(国債通貨基金)の試算によれば、2023年にはGDPは2018年比で23%増の14.3兆米ドルになる見通しである。
【TPP11】にはタイや英国など参加希望国が多く、タイや英国とは3月頃から交渉協議に入る予定であるという。
【TPP11】や【日EU・EPA】などの自由貿易協定のメリットは関税ゼロを目指している点である。日本が牛肉とワインを輸入する場合【TPP11]】では牛肉の現行の関税税38.5%が16年目に9%になる。ワインの場合、現行の関税は15%か1リットル当たり125円であるが8年目にはゼロになる。国民にとって農産品や野菜の値段が下がるというメリットがある。
自動車の輸出の場合、ベトナム向けの輸出は現行の関税は70%であるが10年目もしくは13年目にゼロになる。カナダ向けの輸出の場合は現行の6.1%が5年目にはゼロになる。日本の自動車メーカーにとって輸出関税が年々下がり続け、最終的に0%になることは輸出競争力が向上し、大歓迎であろう。
もう一つの自由貿易協定の【日EU・EPA】(日EU経済連携協定)は2月1日に発効する。これによって世界のGDPの約3割を占める世界最大級の自由貿易経済圏が誕生することになる。
工業製品に関しては100%の関税撤廃となる。日本にとっての最大の関心事である乗用車の現行10%の関税は8年目に撤廃される。自動車部品は90%以上の関税が即時撤廃される。これによって日本の自動車メーカの乗用車は競争力が高まり、販売台数が増える可能性が増大した。
農林水産品に関しては、牛肉,茶,水産物等の輸出重点品目を含め,ほぼ全品目で関税が撤廃(ほとんどが即時撤廃)される。日本ワインの輸入規制の撤廃(醸造方法の容認,業者による自己証明の導入)。酒類の全ての関税が即時撤廃され、自由な流通が可能となる。日本の消費者にとっては価格が下がり歓迎すべき事態であろう。
ところで、自由貿易拡大を目指す日本にとっての今年の最大の懸念材料は米国との2国間交渉となった貿易協定の先行きである。米国には安易に妥協しないと交渉担当の責任者の茂木敏充経済再生担当相は発言しているが額面通りには受け取れない。   (おわり)

|

« 2019年は米中冷戦の始まりか(3) | トップページ | 栃木県の県民一人当たりの県民所得全国4位が続く »

13国際経済」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 自由貿易の拡大を図る日本:

« 2019年は米中冷戦の始まりか(3) | トップページ | 栃木県の県民一人当たりの県民所得全国4位が続く »