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2019年1月21日 (月)

政府閉鎖を意に介さないトランプ大統領

トランプ大統領の人気公約である移民排除のために【メキシコ国境に壁を建設する】は米国下院議会の過半数を制している野党民主党の反対によって【壁建設費】(57億ドル・6200億円)を含む暫定予算が成立せず一部政府機関が閉鎖された状態が昨年の12月22日から続いている。
【政府機関の閉鎖】は、ビル・クリントンとバラク・オバマという2人の民主党大統領の政権下でも起こっている。この時は【小さな政府】を標榜する野党共和党が予算削減という抽象的な財政規律をを求めたのに対して与党民主党がこれに応じなかったことが原因で【政府機関の閉鎖】が起こった。
ところが今回の【政府機関閉鎖】は野党民主党がメキシコ国境の壁建設費という具体的な予算費用を認めないことが原因である。民主党やメディアが【壁建設予算】に反対している理由はトランプ大統領の壁建設の論拠が3転4転していることと財源に関する説明が選挙期間中と一変していることさらに【政府機関の閉鎖】をトランプ大統領が全く意に介さず「(政府機関を)数カ月いや数年閉鎖してもいい」とまで発言していることである。その理由をトランプ大統領は「政府職員の多くは(16年の大統領)選挙で(対抗馬の)ヒラリー(クリントン氏に)入れた連中だからだ」と米国大統領にはあるまじき発言をしている。
トランプ大統領は選挙期間中に【壁建設の理由】を「メキシコ国境から入ってくる不法移民は犯罪者だ」と主張していたが不法移民の犯罪率が低いことが判明すると主張をトーンダウンさせた。その後は、「イスラム原理主義のテロリストがメキシコ国境から入って来る」や「多くのアメリカ人の命を奪っているヘロインがメキシコ国境経由で密輸されている」などと虚偽の情報をトランプ大統領は流していた。
【壁建設費の財源】に関してはトランプ大統領は選挙期間中は終始一貫して「メキシコ政府に負担させる」と主張していたがメキシコ政府に負担を拒否されると「北米自由貿易協定(NAFTA)の改訂でアメリカに有利になるように条件を変更したので『メキシコは間接的に壁の建設費を負担している』」と無理筋の主張をトランプ大統領はするようになった。
大統領の2年間の任期終了が目前になった19年1月に入っても【政府機関閉鎖】問題が解決しないので米国メディアは世論調査を実施し、その結果を公表した。
【ワシントン・ポスト紙】が1月13日に発表した世論調査の結果では、【壁建設】を支持する人がこの1年で8ポイント増えて42%、反対は9ポイント減って54%であった。
【ABCテレ】が1月8~11日に実施した電話による世論調査では、暫定予算執行に伴う【政府機関の一部閉鎖】については53%がトランプ大統領と共和党に非があると回答し、民主党に非があるの29%を大きく上回った。
【CNNテレビ】が13日に公表した世論調査ではトランプ大統領の支持率は37%で横ばい。不支持率は5ポイント上がって57%であった。世論調査の結果は、トランプ大統領も民主党をも勇気づける内容を含んでいる。
トランプ大統領にとって再選を果たすためには【メキシコ国境の壁建設】の実現が不可欠である。これが実現できなければ再選の道は遠のくであろう。【政府機関の閉鎖】は当面続くことになりそうだ。この問題の解決の長期化がトランプ大統領と共和党を利するのか民主党を利するのかは神のみぞ知るであろう。   (おわり)

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