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2019年1月

2019年1月30日 (水)

中国の悪行が国際社会で白日の下に晒されるのか

米国の司法省は1月28日、記者会見を開き、中国の通信機器製造大手の【華為技術(ファーウェイ)】の副会長兼兼財務最高責任者(CFO)の孟晩舟(モンワンチョウ)被告を、米国のイラン制裁を回避しようとして米国の金融機関に虚偽の説明をしたとして【詐欺罪】など13の罪状で起訴した発表した。
米国司法当局は近々カナダ司法当局にカナダのバンクーバーの自宅に滞在中の孟被告の身柄引き渡しを要請する見通しである。
孟氏は中国共産党の諜報部門を担う【人民解放軍】の諜報機関の幹部の肩書を持ち、諜報活動のために世界を舞台に暗躍しているとされる。孟氏の身柄が米国に引き渡され、中国の諜報活動の一端が米国に把握されるような事態になれば中国は国際社会で孤立する状況に陥る可能性があるので中国は孟氏の身柄引き渡しに強く反発しているのである。
さらに米司法当局は法人としての【ファーウェイ】、同社の米国の関連会社【ファーウェイデバイスUSA】、ファーウェイのイランの関連会社【スカイコム】の3社も起訴した。一方で、米司法当局はイラン制裁違反とは別にファーウェイの2つの関連会社を米携帯電話大手の【Tモバイル】から企業秘密を盗んだなどの10の罪状で起訴した。
企業秘密の盗用に関してFBI(連邦連邦捜査局)のレイ長官は「ファーウェイは意図的にアメリカ企業の知的財産を盗もうとしていた」と発言している。
起訴された関連2会社は競合他社の秘密情報入手に躍起になり、重要な情報を盗み出した社員には特別報酬を支給していたと指摘されている。まさに企業ぐるみの犯罪に【ファーウェイ】は手を染めていたことになる。
米国が【ファーウェイ】に対して危機感を抱いていたのは2012年からである。米国の【議会下院・特別委員会】はこの年に調査報告書を作成して公表している。報告書の内容は要約すれば、中国通信機器製造大手の【ファーウェイ】と【ZTE(中興通訊)】を名指しで「両社の製品は『強力なスパイ活動の道具になりうる。』し『安全保障上の脅威になりかけない』」と警告しているものであった。
両社が製造しているIT機器にはインターネット連結部分にあたる【ルーター】や基地局の設備でその世界シェアは50%を超えていた。別の表現をすれば世界のサイバー空間の過半を支配していたことになる。
ファーウェイなどの製品は価格の安さから米国はじめ世界主要国の政府関連機関で採用されたために各国政府の機密情報が中国に流れていたということになる。
今回の米政府の告発によって中国は各国政府の機密情報を入手することが困難になったことになる。中国のことであるから別の手立てを考え出すであろうが。
カナダ政府が米国の要請に応じて孟晩舟被告の身柄を引き渡せば中国政府の悪行が暴かれ、中国に対する国際社会の警戒感は沸点に達することになる可能性が高い。
もっとも中国政府はあらゆる手段を講じて孟被告の身柄引き渡しを阻止するであろう。   (おわり)

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2019年1月24日 (木)

東京地検が目指すゴーン前日産会長の逮捕容疑は資金洗浄か

カルロス・ゴーン前日産会長が逮捕された昨年11月19日からゴーン氏側の2回目の保釈申請が東京地裁によって却下された1月22日までの経緯を時系列で追っていくと行くと以下のようになる。
11月19日 東京地検特捜部が、10~14年までの役員報酬を有価証券報告書に虚偽記載したことによる【金融証券取引法(金証法)】違反容疑で、カルロス・ゴーン日産代表取締役兼最高経営責任者(CEO)を逮捕
11月21日 東京地裁が11月30日までの勾留を決定。
11月30日 特捜部が申請した拘留延長を東京地裁が認め、12月10日まで勾留延長決定。
12月10日 特捜部が【金証法違反容疑】で起訴。さらに特捜部は15~17年の役員報酬虚偽記載による金証法違反容疑で再逮捕。
12月11日 東京地裁は12月20日まで再逮捕容疑での勾留を決定。
12月20日 特捜部が申請した拘留延長を東京地裁が却下。
12月21日 特捜部が会社法違反(特別背任罪)の容疑でゴーン氏を再逮捕。
12月23日 東京地裁は1月1日まで拘留を決定。
12月31日 特捜部が申請した拘留延長を認め、1月11日まで拘留延長決定。
1月8日 ゴーン氏が東京地裁に出廷し、勾留理由の開示を請求。弁護士は東京地裁に拘留取り消しを請求
1月9日 弁護士の拘留取り消し請求を東京地裁が却下。
1月11日 ゴーン氏が特別背任容疑で追起訴。
1月15日 ゴーン氏側の保釈申請を東京地裁が却下。           
1月22日 ゴーン氏側の保釈申請を東京地裁が2回目の却下起訴。
この逮捕劇のターニングポイントとなったのが昨年の12月21日の会社法違反(特別背任罪)容疑での再逮捕である。ゴーン氏は【新生銀行】との間で金融派生商品(通貨スワップ取引)で個人資産を運用していたが2018年9月15日に発生したリーマンショックの影響で約18億5000万円の評価損の損失を出した。そのため評価損の出た個人資産の【金融派生商品】を10月には日産に移転している。筆者の想像にしか過ぎないがゴーン氏は日産の資金を個人的に流用して個人資産を運用していたと思われる。
しかし、日産資金の流用を隠蔽するためか09年2月に日産に移転した資産をゴーン氏自身の個人資産に再移転した。その際、【新生銀行】はゴーン氏に追加担保を要求した。担保を提供できないゴーン氏に救いの手を差し伸べたのがゴーン氏の友人でサウジアラビアの実業家のハリド・ジュファリ氏である。ジュファリ氏は【金(カネ)の取引】に利用する約30億円の信用状(SBL/C)(スタンドバイL/C)を外資系銀行から【新生銀行】へ送り、ゴーン氏の追加担保とした。
【信用状】(L/C Letter of Credit)は銀行が発効する支払い保証書であるが【SBL/C(スタンドバイL/C)】は支払い保証書と証券の性格を帯び、リースや売買が可能。リース料は手数料を含め9.5%程度。
ゴーン氏はジュファリ氏の協力に対して日産からの30億円の融資をゴーン氏が主導して計画したが日産の同意を得られなかったという。
しかし,09年6月~12年3月の間に、ゴーン氏は自らの判断で使うことのできる【CEO予備費】から【販売促進費】の名目で、ジュファリ氏が経営するBMWやメルセデスの輸入代理店(日産車も含む)に1470万ドル(現在のレートで16億円)を振り込んだ
司法取引に応じた日産の関係者によればジュファリ氏の会社で「販売促進」が行われてはいないと証言しているので送金された1470万ドルは追加担保への謝礼と目されている。
【スタンドバイL/C】は企業間の決裁で利用されるものであり個人の資産の決済に使用されるのは違法である。この観点からジュファリ氏から新生銀行に送られた【SBL/C】はマネーロンダリング(資金洗浄)疑惑がもたれることになる。ゴーン氏とジュファリ氏の取引は国際社会を舞台にした日本では空前のスケールの金融事件に発展する可能性を秘めている。
一部マスコミは東京地検特捜部は十分な証拠を入手できず焦燥感に駆られていると報じているが【司法取引】の実態を理解していないのである。焦燥感に駆られているのは証拠隠滅を図れないゴーン氏である。再三ににわたってゴーン氏の勾留取り消しを申請しているのはその証である。   (おわり)

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2019年1月22日 (火)

火器管制レーダー照射事件は東アジアの安全保障の崩壊の序曲

韓国海軍の駆逐艦【広開土王】(クァンゲトデワン 排水量約4000トン)が昨年の12月20日に能登半島沖370キロの日本の【排他的経済水域】(EEZ)内の大和堆(やまとたい)で海上自衛隊のP!哨戒機に射撃用管制レーダーを照射するという事件が発生した。
交戦権を認めている普通の国家の軍用機であれば直ちに韓国の駆逐艦【広開土王】を銃撃したであろうが日本は専守防衛の国是を掲げる国家であるから攻撃を先に仕掛けることはない。それを理解しているがゆえに韓国駆逐艦はレーダー照射をしてP!哨戒機を現場海域から追い払ったのである。
【大和堆】は日本海中央部にある海底山脈で最も浅い箇所は238mである。甘エビやスルメイカの好漁場として知られている。照射事件が発生した時、現場にいた船舶は北朝鮮の漁船と思われる木造船と韓国海軍の駆逐艦【広開土王】と韓国海洋警察の最新で最大の警備艇参峰号(排水量約6300トン)で、木造船は駆逐艦と警備艇に挟まれていた。
木造船はシーズン最盛期の【スルメイカ漁】をしていたのかあるいは密輸取引をしていたのか詳細は不明であるが北朝鮮問題に精通しているあるジャーナリストの見解では木造船は燃料切れで本国に救助を求めたが経済制裁を受けて原油や重油、軽油が不足している北朝鮮の船舶は救助に向かうことができず北朝鮮当局の要請によって韓国海軍と韓国海洋警察が救助に駆け付けたということである。
たまたまその海域を航行中の韓国の民間の船舶が救助するのであれば違和感はないが韓国海軍の軍艦や海洋警察の警備艇が救助したというのは異常である。文在寅大統領の登場によって韓国と北朝鮮は朝鮮半島の統一に向けて共同歩調を取り出したということなのであろう。
文大統領の誕生以降、慰安婦財団の解散、徴用工裁判、今回のレーダー照射問題と韓国は日本に対して強硬姿勢を採り続けている。経済音痴の文大統領は支持層の労働者の人気取りのために実体経済を無視した【最低賃金の大幅引き上げ】によって韓国経済は急速に減速し、文大統領の支持率は急降下している。歴代の韓国大統領が用いた常套手段である【苦しい時の神頼み】ではないが【苦しい時の反日】の旗色を鮮明にせざるを得なくなったのであろう。
ところで、日本にとって米国と韓国の最高権力者であるトランプ大統領と文大統領の存在は厄介である。2人の大統領は権力の座を維持するために支持勢力の頸木から逃れられないからだ。
1970年代から歴史認識をめぐる日韓の確執を東京やソウルで取材してきた米主要紙ベテランジャーナリストは日韓の大ゲンカをこう見ている。
「そもそも文在寅大統領を支えてきたのは左翼労組や知識人、草の根リベラル勢力。筋金入りの反日インテリと心情的な嫌日の連合軍だ」
「ちょうどドナルド・トランプ米大統領を支えているのが極右や草の根保守、キリスト教原理主義者たちなのと似ている」
「左右の違いはあるが、両大統領はこれらの声には逆らえない」
「支持勢力が両者ののど元に突きつけている刃は、文大統領にとっては『反日』であり、トランプ大統領にとっては反移民・難民、反非白人を唱えるホワイトアメリカ」(JBプレス 高濱賛「レーダー照射:日本に軍配を上げる米国】より引用)
安全保障の素人のトランプ大統領は韓国からの米国駐留軍の撤退が東アジアの安全保障体制の崩壊につながるリスクを理解していない。米国が世界のリーダーの地位を維持しているのは軍事力という強大な武器を保有しているからである。
在韓米軍が撤退すれば東アジアの安全保障体制は崩壊し、国際社会は混乱期に突入することになるであろう。   (おわり)

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2019年1月21日 (月)

政府閉鎖を意に介さないトランプ大統領

トランプ大統領の人気公約である移民排除のために【メキシコ国境に壁を建設する】は米国下院議会の過半数を制している野党民主党の反対によって【壁建設費】(57億ドル・6200億円)を含む暫定予算が成立せず一部政府機関が閉鎖された状態が昨年の12月22日から続いている。
【政府機関の閉鎖】は、ビル・クリントンとバラク・オバマという2人の民主党大統領の政権下でも起こっている。この時は【小さな政府】を標榜する野党共和党が予算削減という抽象的な財政規律をを求めたのに対して与党民主党がこれに応じなかったことが原因で【政府機関の閉鎖】が起こった。
ところが今回の【政府機関閉鎖】は野党民主党がメキシコ国境の壁建設費という具体的な予算費用を認めないことが原因である。民主党やメディアが【壁建設予算】に反対している理由はトランプ大統領の壁建設の論拠が3転4転していることと財源に関する説明が選挙期間中と一変していることさらに【政府機関の閉鎖】をトランプ大統領が全く意に介さず「(政府機関を)数カ月いや数年閉鎖してもいい」とまで発言していることである。その理由をトランプ大統領は「政府職員の多くは(16年の大統領)選挙で(対抗馬の)ヒラリー(クリントン氏に)入れた連中だからだ」と米国大統領にはあるまじき発言をしている。
トランプ大統領は選挙期間中に【壁建設の理由】を「メキシコ国境から入ってくる不法移民は犯罪者だ」と主張していたが不法移民の犯罪率が低いことが判明すると主張をトーンダウンさせた。その後は、「イスラム原理主義のテロリストがメキシコ国境から入って来る」や「多くのアメリカ人の命を奪っているヘロインがメキシコ国境経由で密輸されている」などと虚偽の情報をトランプ大統領は流していた。
【壁建設費の財源】に関してはトランプ大統領は選挙期間中は終始一貫して「メキシコ政府に負担させる」と主張していたがメキシコ政府に負担を拒否されると「北米自由貿易協定(NAFTA)の改訂でアメリカに有利になるように条件を変更したので『メキシコは間接的に壁の建設費を負担している』」と無理筋の主張をトランプ大統領はするようになった。
大統領の2年間の任期終了が目前になった19年1月に入っても【政府機関閉鎖】問題が解決しないので米国メディアは世論調査を実施し、その結果を公表した。
【ワシントン・ポスト紙】が1月13日に発表した世論調査の結果では、【壁建設】を支持する人がこの1年で8ポイント増えて42%、反対は9ポイント減って54%であった。
【ABCテレ】が1月8~11日に実施した電話による世論調査では、暫定予算執行に伴う【政府機関の一部閉鎖】については53%がトランプ大統領と共和党に非があると回答し、民主党に非があるの29%を大きく上回った。
【CNNテレビ】が13日に公表した世論調査ではトランプ大統領の支持率は37%で横ばい。不支持率は5ポイント上がって57%であった。世論調査の結果は、トランプ大統領も民主党をも勇気づける内容を含んでいる。
トランプ大統領にとって再選を果たすためには【メキシコ国境の壁建設】の実現が不可欠である。これが実現できなければ再選の道は遠のくであろう。【政府機関の閉鎖】は当面続くことになりそうだ。この問題の解決の長期化がトランプ大統領と共和党を利するのか民主党を利するのかは神のみぞ知るであろう。   (おわり)

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2019年1月16日 (水)

東京地検とゴーン前日産会長の法廷闘争は長期化の見通し

【東京地検特捜部】は18年11月19日、ルノー・日産・三菱自動車の会長を兼務するカルロス・ゴーン容疑者を【金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載】容疑で逮捕した。ゴーン氏逮捕の報道は世界中を駆け巡り、世界中に衝撃を与えた。
世界を代表する大手自動車メーカーの一つの【ルノー・日産連合】の代表取締役会長のゴーン氏の逮捕に【東京地検特捜部】が踏み切れたのは、容疑を裏付ける供述をする代わりに、罪を減免する司法取引が日本でも18年6月から施行されることになからであり、ゴーン氏逮捕は日本における【司法取引】の第1号となった。
【東京地検特捜部】が【金融商品取引法違反】(有価証券報告書の虚偽記載)という形式犯の違反容疑でゴーン氏を逮捕したのは日本の国内捜査の範囲内で裁判に勝てると判断したためと言われている。
【有価証券報告書】は投資家の投資判断の材料となる企業の毎年の財務状況や役員情報を記載したもので虚偽の記載は禁じられている。役員情報の一環である役員報酬の個別開示は、09年度の決算から1億円以上の役員報酬の開示が義務付けられた。ゴーン氏の逮捕容疑の【有価証券の虚偽記載】は株式市場に対する重大な裏切り行為である。
【金融商品取引法違反】は10年以下の懲役か1000万円以下の罰金であり、決して軽い罪ではない。
【東京地検】は18年12月20日にゴーン容疑者の10日間の勾留延長を【東京地裁】に求めたが地裁は地検の請求を却下した。地裁の【勾留申請却下】は東京地検にとっては想定外であった。これまでの例では勾留延長がみとめられていたからだ。
この勾留申請却下は容疑者の長期勾留を認める日本の司法制度に対する国際的な非難に東京地裁が配慮した結果と思われる。ゴーン容疑者が短期間で保釈となれば司法取引に応じて東京地検特捜部の捜査に協力した日産の役員や社員が態度を翻すことを恐れた【東京地検】は21日にゴーン容疑者を会社法違反(特別背任)容疑で再逮捕した。
ゴーン容疑者の逮捕容疑が市場への裏切り行為から日産への裏切り行為へ力点が移ったことによってフランスのマスコミの論調に変化が表れ出した。19年1月15日、フランスの夕刊紙で国際的な評価の高い【ル・モンド】は論説委員の「ゴーン氏をルノーのCEO(経営最高責任者)から解任すべき」と主張する記事を掲載した。
この記事に呼応するかのように16日にはフランスで最も古い歴史を持つ日刊紙【フィガロ】は、 【ルノー】が20日の取締役会で新しいCEOに現在暫定CEOのティエリー・ボロレ氏、会長にフランス・タイヤ大手ミシュランCEOのジャンドミニク・セナール氏を選任する可能性があると報じた。また、経済紙【レゼコー】はトヨタ自動車のディディエ・ルロワ副社長が新たなCEOとして浮上していると報道。ゴーン被告が保釈されないことを受け、ルノー側が日産との提携関係を強化する戦略に舵を切ったと思われる。
いずれにしろ日産とゴーン氏の法廷闘争は長期化することは必定であろう。   (おわり)


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2019年1月12日 (土)

度重なる不祥事を繰り返す厚生労働省

【厚生労働省設置法第3条第1項】によれば略称【厚労省】の責務は、「国民生活の保障及び向上を図り、並びに経済の発展に寄与するため、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進並びに労働条件その他の労働者の働く環境の整備及び職業の確保を図ること」と規定されている。
【厚労省】は、【健康・医療】、【子ども・子育て】、【福祉・介護】、【雇用・労働】、【年金】と幅広い分野に関する政策分野を所管するため、2001年1月6日の中央省庁再編により厚生省と労働省を廃止・統合して誕生した。
2018年の一般会計における【厚労省所管】の歳出予算は31兆7430億1315万7000円で歳出予算全体(97兆7122億6941万1000円)のおよそ3割を占め、国の行政機関の中で最大である。
2018年7月1日現在で一般職の在職者は3万0504人で、そのうち厚生労働本省の職員は3290人(特別職19人)、最大の職員を抱えているのは都道府県労働局で1万2173人人である。巨大官庁であるがゆえに慢性的な人手不足の状態で不祥事が頻発している。
最も世間の耳目を集めたのが【年金記録問題】で、2007年2月以降、厚労省の外局【社会保険庁】のオンライン化したデータ(コンピューター入力した年金記録)に誤りや不備が多いことが発覚しして、第21回参院選(2007年7月)で与野党逆転を招き、2009年8月の【政権交代】の原因となったと言われている。
昨年末の12月28日に【厚労省】が毎月実施している【毎月勤労統計調査】のデータの誤りがまたまた発覚した。
【TBSニュース】は1月8日夕刻、【毎月勤労統計調査】のデーターミスに関して「賃金や労働時間などの変動を調査する目的で行われている「毎月勤労統計」について、厚生労働省は「全数調査」すべきところを、東京都分については一部の事業所だけ「抽出調査」していたと誤りを公表しました。根本大臣は、なぜ誤りがあったのか、原因や発覚時期などについては「全体を調査してから回答する」として、具体的な内容は一切話しませんでした。」と報じた。
【毎月勤労統計調査】のデータミスは1996年から続いていたと一部マスメディアは報じているので意図的にデータミスを繰り返していたことになる。
【厚労省】が賃金や労働時間に関する調査を不適切な手法で行っていた問題の影響で、雇用保険や労災保険が本来より少なく支給されたなどの理由で支給の対象になる人は延べおよそ2000万人に上り、金額は合わせて500億円を超える可能性があることが、政府関係者への取材で判明しているという。
【厚労省】はこれまでも不祥事を繰り返し起こしてきたが一向に自浄作用が働かない。慢性的な人手不足を理由に不祥事発生の言い訳にしてきたが【厚労省】の組織自体を抜本的に改革しない限り【不祥事隠蔽体質】を払拭できないであろう。厚生行政と労働行政を一つの省が管轄するのは無理筋なのである。【厚労省】は分割する時期に差し掛かっているのであろう。   (おわり)

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2019年1月10日 (木)

消費税率10%への引き上げは予定通り実施されるのか

菅義偉官房長官は1月3日放送の文化放送のラジオ番組で、今年10月1日に予定されている消費税率10%への引き上げを最終的に判断する時期について、増税対策を盛り込んだ2019年度予算案の成立後になるとの見解を示した。菅氏は消費税率の引き上げを予定通り実施するのかあるいは3回目の先送りを決断するのかの判断には「そんなに時間はかけられない。(予算成立が)一つの区切りではないか」と述べた。
【消費税率の引き上げ】と【その実施時期】は、民主党政権時代の2012年8月に民主党、自民党、公明党の3党合意によって成立した【社会保障・税一体改革関連法】で決まっていた。
2015年10月に消費税率を10%に引き上げることは上記の法に明記されたていたが2014年11月に安倍首相は実施予定を2017年4月に先送りした。先送りした原因は1か月後の12月に実施された第47回衆院選を有利に戦うためであった。
さらに安倍首相は16年6月に17年4月に先送りした消費税率引き上げを再度19年10月に先送りすると表明した。この先送りも7月に実施された第24回参院選を有利に闘うためであった。その後、安倍首相は昨年の10月15日に消費税率の10%への再引き上げは予定通り19年10月に実施すると言明した。しかし、今年の6月には第25回参院選が行われるので3回目の先送りが行われると一部のマスメディアは予測する。
【消費税率の引き上げ】は安定した社会保障の財源を確保するという目的があり、三度目の先送りは参院選を前にして国民の信頼を失うリスクを伴う。さらに【財政収支】の是正を目論む財務省の反発を受ける可能性も否定でき倍。
安倍内閣は森友学園と加計学園問題で財務省に犠牲を強いてきた。3度目の先送りは財務省の反乱を招きかねないリスクが生じる。但し、参院選直前の世論調査で連立与党が過半数割れを起こすような調査結果が出れば3回目の【消費税率引き上げ】の時期を先送りするという決断を安倍首相がする可能性も否定できない。
2014年4月に消費税率を5%から8%に引き上げた折に駆け込み需要の反動で2014年第2四半期(4~6月)と第3四半期(7~9月)の成長率が前期比で2期連続でマイナス成長となり、2014年の成長率は前年比0.38%と低迷した。ちなみに2013年の成長率は2.00%であった。
こうした悪しき前例がトラウマとなって安倍首相は消費税率再引き上げには慎重であるという側面がある。しかしながら14年の消費税率の引き上げ率は3%であったのに対して今回の引き上げ率は2%でであり、しかも食料品に関しては今回の税率引き上げの対象にはなっていない。それ故、今回の消費税率引き上げの影響は軽微であると予測する向きもある
。いずれにしても2019年度予算の成立時点での決断は難しいのではなかろうか。米中貿易戦争の影響や世界の経済情勢の変化を読み切ることは至難の業であるからである。   (おわり)

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2019年1月 7日 (月)

栃木県の県民一人当たりの県民所得全国4位が続く

【内閣府】は毎年、日本のGDP(国内総生産)の算出のための資料として47都道府県の総生産高や総人口、都道府県民所得などを公表している。最新版でも2015年度の資料なので直近の経済情勢の分析には役立たない。
ところで、日本の経済は【東京の一極集中】が叫ばれて久しいが、2014年度と2015年度の【県民経済計算】を読む限り,その傾向は和らいでいる。
都道府県の総生産高ランクキングの1位は東京都で、総生産額は2014年が102兆3410億円、15年が104兆4339億円で14年比の成長率は2.0%、2位は愛知県で、2014年の総生産高は38兆4830億円、15年が39兆5590億円、成長率は2.8%、3位が大阪府で、総生産高は2014年が38兆1940億円、15年が39兆1070億円で成長率は2.4%であった。東京都の総生産高を押し上げた原因は金融とサービス業それに訪日外国人客の旅行消費である。愛知県はトヨタの業績が好調であったことが主たる要因である。大阪府の生産高増は外国人旅行者の旅行消費である。但し3都県とも成長率は2%台と経済活動は鈍化している。
【県内総生産】成長率の上位5県は①長崎県 7.6%、②福井県 6.5%、③岡山 5.9%、④長野県5.8%,⑤栃木県 5.7%である。栃木県が5位にランクインした要素は宇都宮市の新築住宅着工件数が急増したことと、これまで【県民経済計算】に加算されなかった芳賀町のホンダ技術研究所の【研究開発費】(R&D)が2015年から【県民経済計算】に加算されたことによる。
【県民経済計算】のもう一つの重要項目は【都道府県民一人当たりの所得】である。上位10の都道府県は①東京都537万8000円、②愛知県 367万7000円、③三重県 358万6000円、④栃木県 348万1000円、⑤富山県 337万3000円、⑥静岡県 331万6000円、⑦福井県319万6000円、⑧群馬県 314万5000円、⑨大阪府 312万7000円、⑩茨城県 307万9000円。
東京都の群を抜いた所得額は大手企業の本社が東京の23特別区内に集中しているからである。愛知県にはトヨタの本社工場はじめ系列の部品メーカーが集積していて2014年と15年はトヨタの世界販売台数は世界一でトヨタ社員は我が世の春を謳歌していたためである。
三重県の四日市には石油、化学の大手メーカが進出していて業績が好調であったためである。栃木県には自動車、電機を中心に大手企業が進出しいることと首都圏では不動産価格が高騰して土地の取得が困難になりつつある。そこで新幹線で通勤可能な栃木県の小山市や宇都宮市に土地を求め、住宅を投資を兼ねて建設する若いサラリーマンが増えている。その結果、宇都宮市を中心に土地バブルが発生している。
静岡県や群馬県も大手製造業の主力工場の稼働率が高いので地域経済の牽引役となっている。群馬県太田市には【スバル】の工場が立地して年間30万台以上の車両を米国へ輸出している。
2019年は米国と中国の新車販売台数が減少する可能性が高いので愛知や三重、静岡、栃木、群馬の総生産高が減少する可能性がある。   (おわり)

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2019年1月 5日 (土)

自由貿易の拡大を図る日本

米国抜きの11カ国による自由貿易協定の【TPP11】(環太平洋連携協定)が昨年の12月30日に6カ国で発効した。
【TPP11】は参加国(11カ国)の過半数の6カ国の国内手続き終了後の60日後に発効するという取り決めがある。昨年の10月31日に【オーストラリア】がTPP11の事務局を務めるニュージーランド(NZ)に事内手続きの終了を通知してきた。それ以前にメキシコ、日本、シンガポール、NZ、カナダの5カ国が既に国内手続きを完了していたのでオーストラリアは6カ国目となり60日後の12月30日に【TPP11】は6カ国で船出したのである。残りの5カ国(ベトナム、ペルー、チリ、ブルネイ、マレーシアも手続きを完了する予定である。
【TPP11】は世界のGDPの13%(11.3兆米ドル)を占める巨大自由貿易圏で域内人口は5億人を超える。IMF(国債通貨基金)の試算によれば、2023年にはGDPは2018年比で23%増の14.3兆米ドルになる見通しである。
【TPP11】にはタイや英国など参加希望国が多く、タイや英国とは3月頃から交渉協議に入る予定であるという。
【TPP11】や【日EU・EPA】などの自由貿易協定のメリットは関税ゼロを目指している点である。日本が牛肉とワインを輸入する場合【TPP11]】では牛肉の現行の関税税38.5%が16年目に9%になる。ワインの場合、現行の関税は15%か1リットル当たり125円であるが8年目にはゼロになる。国民にとって農産品や野菜の値段が下がるというメリットがある。
自動車の輸出の場合、ベトナム向けの輸出は現行の関税は70%であるが10年目もしくは13年目にゼロになる。カナダ向けの輸出の場合は現行の6.1%が5年目にはゼロになる。日本の自動車メーカーにとって輸出関税が年々下がり続け、最終的に0%になることは輸出競争力が向上し、大歓迎であろう。
もう一つの自由貿易協定の【日EU・EPA】(日EU経済連携協定)は2月1日に発効する。これによって世界のGDPの約3割を占める世界最大級の自由貿易経済圏が誕生することになる。
工業製品に関しては100%の関税撤廃となる。日本にとっての最大の関心事である乗用車の現行10%の関税は8年目に撤廃される。自動車部品は90%以上の関税が即時撤廃される。これによって日本の自動車メーカの乗用車は競争力が高まり、販売台数が増える可能性が増大した。
農林水産品に関しては、牛肉,茶,水産物等の輸出重点品目を含め,ほぼ全品目で関税が撤廃(ほとんどが即時撤廃)される。日本ワインの輸入規制の撤廃(醸造方法の容認,業者による自己証明の導入)。酒類の全ての関税が即時撤廃され、自由な流通が可能となる。日本の消費者にとっては価格が下がり歓迎すべき事態であろう。
ところで、自由貿易拡大を目指す日本にとっての今年の最大の懸念材料は米国との2国間交渉となった貿易協定の先行きである。米国には安易に妥協しないと交渉担当の責任者の茂木敏充経済再生担当相は発言しているが額面通りには受け取れない。   (おわり)

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2019年1月 4日 (金)

2019年は米中冷戦の始まりか(3)

トランプ米大統領が昨年の8月13日、【国防権限法】(NDAA)に署名したことによって2019年会計年度(2018年10月1日~2019年9月30日)の国防予算の枠組みを決める総額7160億ドル(薬79兆円)の同法は成立した。
同法では米国政府機関及びその取引企業に対し、中国情報通信大手で民間企業の【華為技術】(ファーウェイ)や国有企業の【中興通訊】(ZTE)の通信機器のを使用することを禁止している。
米国のFBIなどの情報機関は2016年から中国のサイバー攻撃に関して調査を進めていたが上記の2つの企業の通信機器がサイバー攻撃に使用されていたことを特定できたからこそ2社の通信機器の使用を【NDAA】は禁止したのである。
中国のサイバー攻撃に実行部隊を指揮していたのは技術部門では昨年の12月5日にサンフランシスコで自殺(他殺の可能性も取り沙汰されている)した米国西部の名門大学スタンフォード大学物理学終身教授の張首晟氏であると言われている。張教授はFBIの捜査によってサイバー攻撃に深く関わっていたとお言う疑惑を持たれ逮捕寸前であったとされる。
サイバー攻撃の実行部隊は人民解放軍の情報機関の疑いが強く、習近平国家主席の密命や人民解放軍の指令を実行部隊に伝える役割を担っていたのが昨年の12月5日にカナダのバンクーバーで逮捕された【ファーウェイ】の副会長兼CFO(最高財務責任者)の孟晩舟氏とされる。孟氏は人民解放軍の情報機関の幹部の肩書を持ち、数種類の偽造パスポートを駆使して中国共産党の指令を実行部隊に伝達するために世界中を飛び回っていたのである。
中国政府としては孟氏の身柄がカナダの司法当局から米国に引き渡されるのを阻止するためにカナダの3人の外交官の身柄を拘束しているのである。
米国は第2次世界大戦終了後から共産主義国家のソビエト連邦(現ロシア)と軍備拡張競争を繰り広げながら西欧を中心とする民主主義国家の主導的役割を担ってきた。一方、ソビエト連邦は、米国に対峙して東欧や中国などの共産主義あるいは社会主義国家のリーダーの役割を果たしてきた。、しかしながら、ソビエト連邦は、米国との軍備拡張競争のために経済が破綻して1991年に崩壊し、69年間の国家としての存在に終止符を打った。それ以降、米国は圧倒的な経済力と軍事力を背景に世界の覇権を掌握した。
米国一強の時代が20年以上続いた2010年代に入ると急激に経済大国に成長した中国は米国の力の源泉である軍事技術や軍事情報を米国から盗用し始め、2010年の後半にはIT技術を駆使してサイバー攻撃を米国に仕掛け、水面下で兵器を使用しない【米中戦争】に突入していたのである。
米国は対抗策として中国の経済力を殺ぐために貿易戦争を仕掛け、サイバー攻撃をはねのけるために中国の大手通信情報会社の【ファーウェイ】と【ZTE】の通信機器を米国政府機関とその取引企業が購入することを禁止したのである。米国の要請によって【Five Eyes】と呼ばれる英国やオーストラリアなどアングロサクソン系の5カ国の政府機関も【ファーウェイ】と【ZTE】の製品の購入禁止を表明している。日本政府もそれに同調した。
顕在化した【米中戦争】の行方はトランプ大統領が2020年の大統領選挙で再選されるか否かに左右される。再選されれば米中戦争は現時点では短期間(5年程度)で米国の勝利で決着がつく可能性が高い。   (おわり)


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2019年1月 3日 (木)

2019年は米中冷戦の始まりか(2)

中国は1978年に【改革開放】路線を打ち出して以降、対外的に開放政策を採り、社会主義市場経済に舵を切った。1980年から順次、広東省の深セン、福建省アモイなどに【経済特区】、上海、天津、広州、大連などの沿岸都市に【経済技術解放区】を設置して日欧米の資本を積極的に導入した。その結果、1992年以降、中国は著しい経済発展を遂げ始めている。
中国の驚異的な経済発展が加速するのは21世紀に入ってからである。胡錦濤が国家主席に就任した翌年の2003年から2007年まで【IMF】(国際通貨基金)の資料によれば経済成長率は10,.00%、10..10%、11..30%、12..70%、14.20%と驚異的な10%台が続いた。
2008年に100年に1度の金融危機と言われた【リーマンショック】が起こり、経済成長率は9..60%と10%を割り込んだ。2009年にはリーマンショックの影響が表れ、成長率は9.20%とさらに落ち込んだ。2010年は約80兆円の財政出動によって経済成長率は再び10..61%と10%台に戻っている。
2010年の中国の【GDP】は米ドル換算で6066億3500万ドルで、日本の5700億1000万ドルを抜いて中国は世界第2位の経済大国に躍り出た。
財政出動の効果は11年の後半から薄れ、成長率は9..50%と経済の減速が顕著となり、習近平が国家主席に就任した12年には成長率は7..90%、13年が7.80%、14年が7..30%、15年が6.90%とさらに減速が鮮明となった。
中国のGDPは信憑性に欠けるというのが欧米の中国専門家の間では常識となっているがそれを決定づけたのが現在の国務院総理(日本の首相に該当)李克強が遼寧省のトップ(遼寧省共産党委員会書記)時代(2007年)に当時のアメリカ駐中国大使に「「遼寧省のGDP成長率など信頼できません。私は省の経済状況をみるために、省内の鉄道貨物輸送量、銀行融資残高、電力消費の推移を見ています」と語ったとされることに由来する。
2007年当時とは中国の産業構造が変化しているので李克強指数(鉄道貨物輸送量、銀行融資残高、電力消費)だけで現在の中国経済を判断できないという説が最近では有力視されている。鉄道輸送量は貨物郵送料の8%程度で貨物輸送の主力はトラック輸送であることが一つの根拠となっている。
中国国家統計局(NBSC)の資料によれば【電力消費】は2011年後半から増加率は下降を続け、2015年には増加率のマイナスの月が増えている。【鉄道貨物の輸送量】も12年には増加はなくなり、14年以降は減少に転じている。11年以降中国経済の成長率は鈍化しているのは明白である。
習近平が国家主席の座に就いてから中国の経済状況は悪化し、日本ではあまり報じられないが一般大衆の暴動が頻発している。2018年には中小企業の倒産件数は502万社に達し、失業者は700万人を超えたと中国メディアは報じている。
民衆の不満が増大した時には国民の眼を外に向けさせるのが古来から為政者の常套手段である。中国公船による頻発する尖閣諸島周辺の領海侵犯、南シナ海の南沙諸島の軍事基地化、一帯一路計画、アジアインフラ投資銀行設立など習国家主席は国民の不満を外に向けさせようと必死である。これら一連の対外政策から透けて見えるのは世界の覇権を米国から奪取するという野望である。中国を増長させたのはオバマ大統領の優柔不断さであった。   (つづく)

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2019年1月 1日 (火)

2019年は米中冷戦の始まりか(1)

カナダ司法省は米国司法当局の要請を受けて12月5日、中国通信機器大手【華為技術】(ファーウェイ)の副会長兼CFO(最高財務責任者)の孟晩舟(メン・ワンツォウ)氏を逮捕したと発表した。逮捕容疑は【ファーウェイ】が米国のイラン制裁に違反したという容疑である。
【ファーウェイ】が米国製品をイランなどへ輸出して米国の【輸出・制裁関連法】に違反した疑いがあるとしてニューヨーク連邦検察当局が中心になって2016年から孟氏を捜査していたとされる。米国司法当局はカナダ政府に孟氏の身柄引き渡しを要求していたがカナダの裁判所は12月11日、孟氏の保釈を認める決定をした。保釈金は85億円である。
中国は12月11日、13日、16日に親中国派とされるカナダの外交官の身柄を拘束して孟氏を米国に引き渡さないように圧力をかけている。孟氏が米国側に引き渡されることを中国政府はあらゆる手段を講じて阻止する必要があるのである。
孟氏の表向きの肩書は【ファーウェイのCFO】であるが実態は中国共産党の特務機関の有力メンバーで4種類とも言われる偽造パスポートを任務の内容に合わせて使い分けて世界中を飛び回っていたのである。孟氏は米国の軍事機密や半導体技術の盗用、軍事技術や半導体関連企業の買収などを孟氏が逮捕された当日に自殺したとされる米国スタンフォード大学物理学終身教授の張首晟氏(55)とともに手掛けていたのである。張氏には米国のFBIの捜査の手が伸びていたとされる、自殺と報じられたが中国によるトカゲの尻尾切りという疑惑も浮上している。
張氏は15歳で上海の名門大学【復旦大学】の物理系学科に入学し、30歳でスタンフォード大学物理学教授に就任している。学者としてはトポロジカル絶縁体と量子スピンホール効果の研究で偉大な業績を上げて、将来のノーベル物理学賞候補と称えられていた。中国は惜しい人材を喪失したものである。
この2人の活動を資金面で支えていたのがアリババの創設者馬雲氏(ジャック・マー)(54)である。米国司法当局の捜査が身辺に及んだのを察知した馬氏は昨年の9月13日に突如、引退を表明している。
もし、孟氏が米国側に身柄を拘束されれば孟氏と張氏の悪行とそれを指示した中国共産党の悪行が白日の下に晒され、中国は国際社会で孤立無援の状態に陥ることになる。
今回の孟氏の別件逮捕は単なる【ファーウェイ】という中国の大手通信機器メーカーの危機で終わる問題ではない。
今後の孟氏の逮捕の影響がどこまで波及するかは【神のみぞ知る】であるが中国に未曽有の危機をもたらす可能性を生み出した張本人は習近平国家主席である。習国家主席は、偉大な中国の皇帝になることを妄想し、正当な対価を払わずに窃盗行為に共産党の一部党員を駆り立て、米国との全面戦争状態に中国を追い込んだのであるから。
米中の緊張関係は日本にも飛び火するのは不可避であろう。【ファーウェイ】の業績悪化は同社に部品を供給している日本のパナソニック、、京セラ、村田製作所に影響を及ぼすし、アリババとの深い関係からソフトバンクグループも無傷ではいられないであろう。関西経済圏にも激震が走る可能性すらある。   (おわり)

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