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2019年1月 4日 (金)

2019年は米中冷戦の始まりか(3)

トランプ米大統領が昨年の8月13日、【国防権限法】(NDAA)に署名したことによって2019年会計年度(2018年10月1日~2019年9月30日)の国防予算の枠組みを決める総額7160億ドル(薬79兆円)の同法は成立した。
同法では米国政府機関及びその取引企業に対し、中国情報通信大手で民間企業の【華為技術】(ファーウェイ)や国有企業の【中興通訊】(ZTE)の通信機器のを使用することを禁止している。
米国のFBIなどの情報機関は2016年から中国のサイバー攻撃に関して調査を進めていたが上記の2つの企業の通信機器がサイバー攻撃に使用されていたことを特定できたからこそ2社の通信機器の使用を【NDAA】は禁止したのである。
中国のサイバー攻撃に実行部隊を指揮していたのは技術部門では昨年の12月5日にサンフランシスコで自殺(他殺の可能性も取り沙汰されている)した米国西部の名門大学スタンフォード大学物理学終身教授の張首晟氏であると言われている。張教授はFBIの捜査によってサイバー攻撃に深く関わっていたとお言う疑惑を持たれ逮捕寸前であったとされる。
サイバー攻撃の実行部隊は人民解放軍の情報機関の疑いが強く、習近平国家主席の密命や人民解放軍の指令を実行部隊に伝える役割を担っていたのが昨年の12月5日にカナダのバンクーバーで逮捕された【ファーウェイ】の副会長兼CFO(最高財務責任者)の孟晩舟氏とされる。孟氏は人民解放軍の情報機関の幹部の肩書を持ち、数種類の偽造パスポートを駆使して中国共産党の指令を実行部隊に伝達するために世界中を飛び回っていたのである。
中国政府としては孟氏の身柄がカナダの司法当局から米国に引き渡されるのを阻止するためにカナダの3人の外交官の身柄を拘束しているのである。
米国は第2次世界大戦終了後から共産主義国家のソビエト連邦(現ロシア)と軍備拡張競争を繰り広げながら西欧を中心とする民主主義国家の主導的役割を担ってきた。一方、ソビエト連邦は、米国に対峙して東欧や中国などの共産主義あるいは社会主義国家のリーダーの役割を果たしてきた。、しかしながら、ソビエト連邦は、米国との軍備拡張競争のために経済が破綻して1991年に崩壊し、69年間の国家としての存在に終止符を打った。それ以降、米国は圧倒的な経済力と軍事力を背景に世界の覇権を掌握した。
米国一強の時代が20年以上続いた2010年代に入ると急激に経済大国に成長した中国は米国の力の源泉である軍事技術や軍事情報を米国から盗用し始め、2010年の後半にはIT技術を駆使してサイバー攻撃を米国に仕掛け、水面下で兵器を使用しない【米中戦争】に突入していたのである。
米国は対抗策として中国の経済力を殺ぐために貿易戦争を仕掛け、サイバー攻撃をはねのけるために中国の大手通信情報会社の【ファーウェイ】と【ZTE】の通信機器を米国政府機関とその取引企業が購入することを禁止したのである。米国の要請によって【Five Eyes】と呼ばれる英国やオーストラリアなどアングロサクソン系の5カ国の政府機関も【ファーウェイ】と【ZTE】の製品の購入禁止を表明している。日本政府もそれに同調した。
顕在化した【米中戦争】の行方はトランプ大統領が2020年の大統領選挙で再選されるか否かに左右される。再選されれば米中戦争は現時点では短期間(5年程度)で米国の勝利で決着がつく可能性が高い。   (おわり)


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