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2019年1月 3日 (木)

2019年は米中冷戦の始まりか(2)

中国は1978年に【改革開放】路線を打ち出して以降、対外的に開放政策を採り、社会主義市場経済に舵を切った。1980年から順次、広東省の深セン、福建省アモイなどに【経済特区】、上海、天津、広州、大連などの沿岸都市に【経済技術解放区】を設置して日欧米の資本を積極的に導入した。その結果、1992年以降、中国は著しい経済発展を遂げ始めている。
中国の驚異的な経済発展が加速するのは21世紀に入ってからである。胡錦濤が国家主席に就任した翌年の2003年から2007年まで【IMF】(国際通貨基金)の資料によれば経済成長率は10,.00%、10..10%、11..30%、12..70%、14.20%と驚異的な10%台が続いた。
2008年に100年に1度の金融危機と言われた【リーマンショック】が起こり、経済成長率は9..60%と10%を割り込んだ。2009年にはリーマンショックの影響が表れ、成長率は9.20%とさらに落ち込んだ。2010年は約80兆円の財政出動によって経済成長率は再び10..61%と10%台に戻っている。
2010年の中国の【GDP】は米ドル換算で6066億3500万ドルで、日本の5700億1000万ドルを抜いて中国は世界第2位の経済大国に躍り出た。
財政出動の効果は11年の後半から薄れ、成長率は9..50%と経済の減速が顕著となり、習近平が国家主席に就任した12年には成長率は7..90%、13年が7.80%、14年が7..30%、15年が6.90%とさらに減速が鮮明となった。
中国のGDPは信憑性に欠けるというのが欧米の中国専門家の間では常識となっているがそれを決定づけたのが現在の国務院総理(日本の首相に該当)李克強が遼寧省のトップ(遼寧省共産党委員会書記)時代(2007年)に当時のアメリカ駐中国大使に「「遼寧省のGDP成長率など信頼できません。私は省の経済状況をみるために、省内の鉄道貨物輸送量、銀行融資残高、電力消費の推移を見ています」と語ったとされることに由来する。
2007年当時とは中国の産業構造が変化しているので李克強指数(鉄道貨物輸送量、銀行融資残高、電力消費)だけで現在の中国経済を判断できないという説が最近では有力視されている。鉄道輸送量は貨物郵送料の8%程度で貨物輸送の主力はトラック輸送であることが一つの根拠となっている。
中国国家統計局(NBSC)の資料によれば【電力消費】は2011年後半から増加率は下降を続け、2015年には増加率のマイナスの月が増えている。【鉄道貨物の輸送量】も12年には増加はなくなり、14年以降は減少に転じている。11年以降中国経済の成長率は鈍化しているのは明白である。
習近平が国家主席の座に就いてから中国の経済状況は悪化し、日本ではあまり報じられないが一般大衆の暴動が頻発している。2018年には中小企業の倒産件数は502万社に達し、失業者は700万人を超えたと中国メディアは報じている。
民衆の不満が増大した時には国民の眼を外に向けさせるのが古来から為政者の常套手段である。中国公船による頻発する尖閣諸島周辺の領海侵犯、南シナ海の南沙諸島の軍事基地化、一帯一路計画、アジアインフラ投資銀行設立など習国家主席は国民の不満を外に向けさせようと必死である。これら一連の対外政策から透けて見えるのは世界の覇権を米国から奪取するという野望である。中国を増長させたのはオバマ大統領の優柔不断さであった。   (つづく)

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