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2018年12月

2018年12月29日 (土)

米中貿易戦争によって自動車購入意欲が減退した中国市場

世界の【GDP】ベスト4の米国、中国、日本、ドイツの製造業の牽引役は自動車産業である。しかしながら米国、日本、ドイツの自動車産業は国内では成熟期を迎え、大きな成長は望めない。
唯一の例外は中国であるがその中国も2018年後期に入って自動車販売台数の不振が顕著になり、18年の新車販売台数は17年の2887万9000台を下回る見通しとなってきた。販売台数が前年を下回るのは1990年以降、28年ぶりである。
2018年上半期の中国新車販売台数は【春節(旧正月)休暇】のあった2月以外の新車販売台数は前年同月比でプラスであったが【米中貿易戦争】が勃発した7月以降はマイナスに転じた。
7月の販売台数は前年同月比4.02%減の188万9100台、8月が3..7%減の210万3400台、9月が11..55%減の259万3400台。10月が11..55%238万0100台、11月が13..86%減の254万7800台で前年同月比の販売減の比率は拡大している。
2018年1~11月の累計新車販売台数は2541万9700台である。昨年の販売台数は2887万8900台であるから12月の販売台数が345万9200台を超えなければ前年の販売台数に及ばない。12月の過去最高の販売台数は昨年の306万0300台であるから345万9200台を超えるのは不可能に近い。
ところで、今年の中国市場で販売台数が昨年の販売台数を上回っているのはトヨタ、日産とドイツのVW3社のみである。
【トヨタ】は1~11月の累計販売台数で前年同期比14..5%増の135万台で昨年の年間販売台数129万台を既に6万台上回った。【日産】は前年同期比で3.9%増であるが下半期では前年の販売台数を下回っている。
中国に進出している米国系の【フォード】、【フィアット・クライスラー連合】、、フランスの【PSA】(プジョー株式会社)の販売台数の落ち込みは深刻である。その結果、これらのメーカーは在庫調整を余儀なくされ、中国の生産拠点の稼働率を下げている。下半期の販売減が著しい【日産】も12月から大連工場(遼寧省)や鄭州工場(河南省)など主力3工場で2割程度の減産を始めた。
韓国の【現代】は16年に生産設備を拡大したが17年の【THAAD】配備が中国政府の逆鱗に触れ、販売台数が激減し、今年も工場稼働率は6割程度である。【フォード】も一部工場では稼働率が50%前後と言われている。
中国の新車販売減の最大の要因は、大都市の交通渋滞対策や大気汚染の拡散防止のために【自動車のナンバープレート】の発給制限をしていることである。ナンバープレートを入手できなければ車両の運転はできないからだ。 
  (おわり)   

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2018年12月23日 (日)

返済不要な給付型奨学金の限度額年間約91万円で決定の見込み

12月7日に14業種で外国人の単純労働者の受け入れが可能になる法律【改正出入国管理法】(改正入管法)が成立したことにより日本の労働市場は大きな変革の波が押し寄せると思われる。
外国人が日本に滞在中、生活したり、働いたりするためには【在留資格】という資格が必要である。現在は[在留資格は【技能実習】や【家族滞在】など28種類あり、それぞれの資格ごとに、日本で行える活動や滞在できる期間が定められている。
新たに成立した【改正入管法】では2つの【在留資格】が新設された。【特定技能1号】と【特定技能2号】である。【特定技能1号】を取得できる業種は、①建設業、②造船および舶用工業、③介護業、④農業、⑤宿泊業、⑥ビルのクリーニング業、⑦素形材産業、⑧産業機械製造、⑨電気および電子機器関連産業、⑩自動車整備業、⑪航空業,⑫漁業、⑬飲食料品製造業、⑭外食産業の14業種である。
これらの14業種は2016年に導入された【技能実習制度】を利用して外国人技能実習生という名目で低賃金の外国人労働者を既に受け入れている。技能実習生の実態は日本で高度な技能を習得するために来日しているのではなく、一部の実習生を除いて大半が出稼ぎに来ているのである。
実習生たちは実習生を送り出す国の機関と受け入れる側の日本の受け入れ機関に多額の手数料を徴収され、渡航費は自己負担のため多額の借金をして来日している。日本の受け入れ企業が悪質な企業であれば賃金の未払いなどで実習生は悲惨な状況に追い込まれているという現実がある。
【厚労省】は深刻な地方の中小企業の人手不足を解消する目的で【技能実習制度】を活用して新たな在留資格【特定技能1号】と【特定技能2号】を新設した。
外国人技能実習制度の研修を修了した技能実習生は簡単な日本語の試験などに合格すれば、【特定技能1号】( 最長5年の滞在が可能だが家族の帯同は不可 )という【在留資格】を取得できる。
【特定技能2号】( 家族を帯同でき条件を満たせば永住可能 )は建設業と介護業の2業種に限定されている。
【特定技能1号】の在留資格を持つ労働者はいずれ単純労働者として日本人との結婚などによって永住するようになる可能性が高い。既にドイツの先例がある。
日本人労働者は単純労働の分野から締め出されることになる。それを促進するのは外国人労働者とロボットやAIである。日本の若者が失業しないためには高等教育を受けて、高度の技能を理解できる知識を習得することが不可欠なのだ。
【文科省】は2020年4月から所得の低い家庭(住民税非課税】の大学や短大の学生や専門学校の生徒に返済の必要のない【給付型奨学金】制度を開始することを決定した。
自宅通学の国公立大学の学生には年額約35万円、自宅外通学生には約80万円、自宅通学の私立大生には約46万円、自宅外通学の私立大学生には約91万円である。この制度が始まれば高等教育を受けられる生徒が増えることになる。朗報である。   (おわり)

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2018年12月20日 (木)

トランプ大統領は弾劾されるのか

ニューヨーク州南部連邦地裁は12月12日、ドナルド・トランプ大統領の顧問弁護士であったマイケル・コーエン被告に禁固3年の判決を申し渡した。コーエン被告は8月に脱税や選挙資金法違反などで有罪が確定していたので実刑判決が出されることは予測されていた。
コーエン氏は司法取引をしての3年の実刑であるから至宝取引をしなければ刑期はもっと長期に及んだことは間違いない。コーエン被告の有罪判決によってトランプ大統領は【ロシア疑惑】で一歩追い詰められたことになる。
ところで、【ロシア疑惑】を捜査しているロバート・モラー特別検察官はコーエン被告の罪状と量刑について記した文書を同連邦地裁に提出したがその文書には同被告が2017年9月5日の下院情報特別委員会での証言で偽証を行ったという内容が含まれているとされる。
コーエン被告の偽証は、ロシアでのトランプタワー建設計画(モスクワプロジェクト)に関して同委員会で証言をした際にいくつかの嘘をついたことである。
さらに同文書には2016年の米大統領選挙中にロシア側とトランプ側で複数のやりとりがあったと記述されているという。コーエン氏は逮捕された後、モラー特別検察官と司法取引をして議会での偽証を認め、その後、捜査に協力した。
トランプ氏の選挙中の側近の一人で、トランプ氏の外交顧問であったジョージ・パパドプロス被告は司法取引をして2週間の禁固刑の判決を受け、服役して既に出所している。パパドプロス氏は司法取引後に「モスクワプロジェクトを推進することでトランプ氏側に多額の利益がもたらされる予定であった」と証言した。
トランプ氏の側近で、選挙対策本部委員長だったポール・マナフォード被告の判決はこれからであるが刑期はコーエン氏より長期に及ぶとみられている。トランプ大統領は着実に一歩一歩追い詰められている。
モラー氏は2017年5月に捜査に着手し、間もなく最終報告書を提出する予定である。最終報告書の内容がマスメディアを通して報じられればその内容如何によってはトランプ大統領弾劾問題が再燃することになる。
米国大統領は【起訴免除】という免責を持つと言われている。米国では大統領が起訴される可能性は低いと思われているが全くないわけではない。1997年、当時のビルクリントン大統領はある女性からセクハラ訴訟を起こされた。地裁では原告は敗訴したが控訴し、最高裁までいき、クリントン大統領が85万ドルを支払って和解した。
コーエン被告の判決が出る2日前、44人の超党派の元上院議員が連名で「国家権力(トランプ政権)によって法の支配と憲法が脅かされているので民主主義を擁護する必要がある」という主旨の記事をワシントンポスト紙に投稿した。
米国の下院議会は民主党が過半数を掌握している。民主党下院議員がトランプ大統領弾劾に立ち上がるのか現時点では予測は難しい。一般有権者は【大統領弾劾】に否定的だからだ。民主党下院は民意の反応を見極めて判断することになるであろう。   (おわり)

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2018年12月18日 (火)

2019年予算案の一般会計予算史上最大の101兆円超え

例年、12月中旬から下旬にかけて来年度予算編成の最終段階を迎える。今年は各省庁の来年度の予算額を決定する最後のセレモニーである【大臣折衝】が麻生太郎財務大臣と各省庁の大臣との間で行われ、18日の午前中に終了した。
来年度一般会計の予算総額は史上最大の101兆4600億円で、18年度予算総額の97兆7128億円を約3兆8500億円上回ることになる。
ところで、2019年度予算の【歳出】(支出)の裏付けとなる【歳入】(収入)の内訳は、【税収】は18度予算当初(59兆0790億円)比で約3.4%増えて62.5兆円を見込んでいる。税収増の根拠は、19年10月から始まる消費税率2%引き上げに伴う消費税収の増加と企業業績の拡大に伴う法人税の伸びを想定している。
【税外収入】は政府が一部出資している認可法人【預金保険機構】の資金繰り入れなどで18年の4兆9416億円より約1.4兆円増えて6.3兆円。
財源不足を補うための新規国債発行額は18年の予算当初の33兆6922億円(赤字国債27兆5982億円、建設国債6兆0940億円)より約1兆円減少して約32兆6600億円。
一般の行政費用には該当しない過去に発行した国債の返済や利払いに充てる【国債費】は18年の23兆3020億円より約2000億円増えて23兆5000億円である。2017年度末の国債発行残高は1097兆円であるがそのうちの約4割を占める449兆円分の国債は日銀が保有している。日銀は政府の子会社なので日銀が保有する国債に関しては政府は返済してはいない。国債の償還期間が過ぎれば日銀はその国債を廃棄処分にしている。つまり国債費の約4割は支払われることはない。余った国債費は恐らく補正予算などの財源となるのであろう。
予算の中で最も比率が高い支出は【社会保障費】で19年度予算の【社会保障費】の総額は18年予算の32兆9732億円から約1兆円増えて34兆円である。ネーミングを変えるのが好きな安倍内閣は幼児と学生向けの社会保障費を拡大するために2018年予算の目玉政策として【人づくり革命】と名付けて【保育受け皿拡大】、【保育士の処遇改善】、【幼児教育の段階的無料化】、【給付型奨学金の拡充】の予算を確保した。
12月7日に【改正出入国管理法】が成立して日本は試算であるが5年間で34万人の外国人単純労働者を受け入れることとなった。在留資格【特定1号】を取得して単純労働者として日本に在留した外国人が在留期間終了で母国に帰るとは思えない。
母国の賃金の数倍を稼げる日本に滞在するために日本人と結婚して永住する人が増えるに違いない。その結果、単純労働から資格を持たない日本の若者は締め出される可能性が高まる。そうした失業のリスクを回避するには日本の若者は高等教育を受ける道を選択すべきであろう。それを可能にするのは返済の必要がない【給付型奨学金の拡充】であろう。   (おわり)

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2018年12月17日 (月)

米中貿易戦争の本格的な影響により中国経済の減速が顕在化

米国の中国に対する制裁関税が発動される前の前倒し発注によって中国の2018年第3四半期(7~9月)の貿易黒字は7月が281億ドル(薬3兆1000億円)、8月が311億ドル(約3兆4500億円)、9月が341億ドル(約兆8000億円)の合計933億ドルの過去最高となった。
貿易黒字拡大の原因は輸出が前倒し発注によって拡大する一方で大豆を中心に米国産農産品の輸入が激減したためである。貿易黒字拡大の流れは第4四半期(10~12月)に入っても衰えを見せず、10月は317億ドル(約3兆5170億円)、11月は355億ドル(約4兆円)である。
来年1月には制裁関税がさらに課されるので中国の対米輸出は激減すると思われる。対米輸出は好調であるが、欧州やアジア向けの輸出は減少しており、中国の国内消費は低迷している、その結果、中国経済の減速は顕在化している。
12月14日発表された2018年11月の小売売上高の伸びは15年半ぶりの低水準で、【工業生産】も実質10年ぶりの低い伸びにとどまっている。貿易戦争の影響は工業生産と雇用に波及しつつある。、失業の懸念などの先行き不安から消費が低迷し、自動車やスマホの販売減少から生産台数も減少している。
【鉱業生産】の伸び率は10月が前年同月比で5.9%、11月が5.4%と0.5ポイント下がった。
自動車の新車販売台数は、7月以降、毎月、前年同月比でマイナスに落ち込んでいる。中国車の販売台数も7月以降前年同月比でマイナスとなり、月を経るにつれてマイナス幅は拡大し、11月は23.29%のマイナスである。
【小売売上高】も、消費減税やネット通販セールにもかかわらず伸び率は10月の8.6%から11月は8.1%に減少した。物価の上昇率を考量すれば小売店の売り上げは実質的にマイナスと思われる。
【輸出】も米国向けは前倒しの発注で好調であるがこの状況は今年で終了するであろう。一方、欧州やアジア向けの輸出は失速している。その結果、伸び率は10月の15.6%から11月は5.4%と大幅に下落した。
こうした【鉱業生産】、【小売売上高】、【輸出】の先行き不安は雇用に影響を及ぼしている。中国の雇用統計は信憑性に欠けると言われているが11月の失業率は4.8%と10月より0.1ポイント下落したと中国当局は発表している。
11月30日~12月1日にアルゼンチンのブエノスアイレスで開催されたG20首脳会談に合わせて開催された米中首脳会談で、中国は米国製品の輸入拡大を約束するなど譲歩したが、米中貿易戦争の余波で貿易関連の中小企業の倒産が増大したためにさらなる倒産を避けるべく米国に譲歩した」というのが真相らしい。。中国【人事社会保障省】の張義珍次官も12月5日の記者会見で「米中貿易摩擦の直接・間接の影響が雇用に波及してきた」と認めた。
中国のネット上でも雇用減少が話題になっているという。ネットの求人広告は4月の285万件から9月には83万件に激減したと中国の大手証券会社の雇用担当者は述べている。中国経済の減速は隠しようがなくなったということなのであろう。   (おわり)

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2018年12月15日 (土)

単純労働者受け入れ法の実態が明確になった改正出入国管理法

来年4月の施行のために今国会での成立を急いだ【 出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律】が第197国会(臨時会)で12月8日に成立し,同月14日に公布された。
深刻な人手不足に悩む建設業、介護事業、外食産業などが水面下で単純労働に従事する外国人労働者の受け入れを政府・自民党に働きかけていたために従来は単純労働に従事する外国人の受け入れは禁じられていたが外国人労働者の受け入れを可能にする【改正出入国管理法】を政府は成立させたのである。法案の段階では詳細は規定せずに「法務省令によって詳細は決定する」という文言を法案に盛り込んで国会審議の場では政府答弁はこの文言を盾にして詳細に関しては不明のままに法案成立に漕ぎつけた。法律成立後に詳細がマスメディアによって小出しに報じられている。
まず、【改正出入国管理法】のポイントは新たな2種類の【特定1号】と【特定2号】とい在留資格を設けたことだ。「特定1号」の資格は単純労働に従事する外国人の受け入れに道を開いた。だが実態はこの資格を取得するための一番手っ取り早い方法は既に2016年から導入されている【技能実習制度】を利用して実習生として来日すればいいのである。1~2年間の技能実習期間を修了後に簡単な試験を受ければ実習生は【特定1号】の資格を取得でき、最長で5年間は日本で単純労働者として働き、賃金を得られる。実習生自体が低賃金で働かされている単純労働者であるからだ。
この【技能実習制度】は実に評判が悪い制度である。というのは実習生を送り出す国の機関との日本の実習生を受け入れる機関の2つの機関に実習生は手数料を搾取され、日本では低賃金で受け入れ先の企業でされるからだ。日本側の実習生を受け入れる悪質な企業は賃金の不払いなどによって実習生からさらに搾取している。
評判が悪いにも関わらすこの制度が今後も存続するのは,【実習生制度】には【公益財団法人国際研修協力機構】が関与しているためである。この公益財団法人が外務省と法務省の官僚の天下り先のためこの制度を廃止するわけにはいかないという事情がある。
実習生を受け入れることができるのは以下の14業種である:「建設,外食、介護、農業、宿泊、ビルクリーニング、漁業、印象料製造、素形材産業、産業機械製造、電気・電子・情報関連産業、造船・船舶用工業、自動車整備、航空」
【特定2号】の資格取得が認められるのは建設と造船業の2業種だけであるが【特定2号】の資格を日本で取得できるような人材は本国において優遇されるので実際にはこの資格取得者は現れないと思われる。
つまりこの外国人受け入れ法は【単純労働者】を受け入れるための法律というのが実態なのである。【改正出入国管理法】は人手不足によって賃金が高騰して収益が低下している企業を支援するために成立したという側面がある。   (おわり)

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2018年12月12日 (水)

日本の自動車大手3社中国への投資を加速させる

【中国汽車工業会】は12月11日、2018年11月の自動車生産・販売データを発表した。
2018年11月の自動車生産・販売の前月比はいずれもやや増加したが、前年同月比の減少幅は依然として顕著であった。1-11月の自動車生産・販売の前年同期比は引き続き減少し、減少幅は1-10月に比べて拡大している。その結果、自動車販売台数の1~11月の累計台数は前年同期比1.7%減の2552万台であった。通年の販売台数は昨年の過去最高2888万台を下回る可能性が高くなった。
米国の民間自動車産業調査会社【マークラインズ】によれば米国の1~11月の新車販売台数の累計は前年同期比0.1%増の1563万台であったが7月以降の販売台数が前年同月比で減少幅が拡大しているので2018年の販売台数は2017年通年の販売台数1723万台を割り込む可能性が出てきた。
ところで、日本の3大自動車メーカーの【トヨタ】、【日産】、【ホンダ】は世界の自動車の2大市場中国と米国で2017年には100万台以上販売している。
【トヨタ】の2017年の販売台数は中国では129万台、米国では243万4500台、中国の18年の1~11月の累計販売台数は135万台であるから目標の140万台を大きく超えて150万台に手が届く可能性すらある。米国の1~11月の累計販売台数は前年同期比0.3%減の243万4500であるから最終的には241万台前後と思われる。
【日産】の2017年の販売台数は、中国が前年比12.2%増の152万台、米国が前年比1.9%増の159万3000台であった。2018年1~11月の累計販売台数は中国が前年同期比3.9%増の138万8000台、最終的には前年より2万台程度増えて154万台前後と思われる。米国では1~11月の累計販売台数は前年同期比7.6%減の134万5000台であるから通年では150万台前後。
【ホンダ】の2017年の販売台数は、中国が前年比15.5%増の144万1000台、米国の販売台数が前年比0.2%増の164万1000台であった。18年の1~11月の累計販売台数は、中国が前年同期比5.6%減の124万台であるから通年では138万台前後、米国の1~11月の累計販売台数は前年比2.8%減の145万台であるから通年では159万台前後と思われる。
今年こそ中国の新車販売台数は減少する見通しであるが市場としての将来性は米国は足元にも及ばないであろう。中国市場の将来性を評価した結果、日本の大手3社は来年以降中国への投資を加速される決断を下したのである。
【トヨタ】の中国での生産能力は115万台と言われているがこれを数年後には1300億円を投資いて170万台にまで生産能力を増強する計画である。
【日産】は稼ぎ頭の米国市場は縮小に転じ、欧州も英国の欧州連合(EU)離脱などで先行きが見通し難いために中国に完成車の新工場を建設する。2020年を目標に乗用車の生産能力を3割増強する。投資総額は約1000億円。
【ホンダ】は、中国内陸部の湖北省武漢市に2019年前半の稼働を目指し、新工場を建設すると発表している。新工場の生産能力は当初12万台。この新工場が完成すれば【ホンダ】の中国での生産能力は113万台となる。   (おわり)

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2018年12月11日 (火)

トランプ大統領が仕掛けた米中貿易戦争米国の旗色が悪い

米国商務省が12月6日に発表した2018年10月の【貿易収支統計】によると、10月の財とサービスを合わせた【貿易赤字は10年ぶりの高水準で、1-10月の累計は前年同期比で11%余り拡大した。10月は対中国で過去最大の赤字を記録。米商務省の統計によると、1-10月の米国の対中輸出額は1025億ドルで、前年同期に比べ約10億ドル減少した。これに対し、中国からの輸入額は約350億ドル増の4470億ドルだった。1~10月の米国の対中国貿易赤字額は3445億ドルである。
今年の対中国【貿易赤字額】が拡大し始めたのは6月からで6月の対中国貿易赤字額(財のみ)は前月比15億ドル増の335億ドル、7月は前月比33億ドル増の368億ドルで過去最高。8月の対中国の貿易赤字額(財・サービス)は前月比4.7%増の385億7000万ドル(約4兆4000億円)で、単月として過去最大を2か月連続で更新した。8月の貿易赤字額拡大の原因は米国の輸出が減少し、輸入が増加したからである
9月の【貿易赤字額】(財のみ)は前月比8.8%増の374億4500万ドルで拡大の一途を辿っている。9月の赤字拡大の原因は、9月24日に2000億ドル分の中国製品に10%の追加関税を課す第3弾となる制裁関税を発動したために駆け込み需要が増大したことによる。
駆け込み需要の張本人は米小売大手のウォルマートとネット通販大手のアマゾンである。両社は米国が制裁関税を発動する前に中国からの輸入を前倒しして発注することで、エスカレートを続ける貿易戦争による損失を減らそうとしたのだ。
さらに駆け込み需要に貢献したのは【通信機器】である。通信機器は米国の対中赤字の最大の要因であり、米国政府が貿易戦争で集中的に標的にしている業界でもある。【米中貿易戦争】の拡大に伴い、米国の通信企業は政策リスクを回避するため、中国からの通信機器の輸入を前倒ししたのである。。
こうした米国の対中国貿易赤字増大の勢いが続けば、米国の通年の貿易赤字は史上初めて6000億ドル(約67兆7000億円)に達する可能性が出てきた。。トランプ氏が大統領に就任した2017年1月から2018年12月の2年間で米国の対中国貿易赤字は1000億ドル(11兆円)以上増加することになる。
米国の対中国貿易赤字拡大の真の原因は米国の経済成長率が今年に入って4%台を維持し、米国の需要が堅調なことである。需要が堅調であるから輸入が増え続けている。輸入増を後押ししているのはドル高・人民元安という為替相場ということになる。ドル高になれば輸入品に対して米国の消費者は割安感を抱くからである。
貿易赤字は輸入金額が輸出金額を上回っている状態を指す。トランプ政権が中国に対して制裁関税を課したことによって中国は大豆の輸入先を米国からブラジルやアルゼンチンに変更した。輸入先変更によって米国の大豆輸出は激減した。輸入が増え、輸出が減れば【貿易赤字】が拡大するのは自明の理である。
トランプ大統領の関税政策は失敗し、米中貿易戦争は現時点では米国は旗色が悪い。   (おわり)


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2018年12月10日 (月)

日本への移民の道を開く可能性のある改正出入国管理法

12月8日未明、政府・与党が今国会の最重要法案と位置づけてきた【改正出入国管理法】(外国人材拡大法)が参院本会議で自民、公明両党などの賛成多数で可決、成立した。
外国人が日本国内で働くためには【在留資格】という資格を取得する必要がある。建設現場などの深刻な人手不足に対応するため、新たに成立した【改正出入国管理法」では2つの在留資格を新設し、外国人労働者の受け入れを拡大する。【改正出入国管理法】は従来、日本では認めてこなかった単純労働分野への外国人労働者の受け入れに道を開き、日本の外国人労働者政策の転換点となると言われている。
これまで日本は外国人の単純労働者を受け入れてこなかったとされるが2016年に導入された外国人【技能実習生制度】を利用して来日した実習生は実質的には低賃金の単純労働者である。技能実習を受けながら10万円程度の報酬を受け取っていたからだ。但し、不心得な実習生受け入れ企業や受け入れ団体が契約通りの報酬を実習生に支払わなかった事例が少なからずあったことが社会問題となったが。
成立した新法で新設された【在留資格】が【特定技能1号】と【特定技能2号】である。【特定技能1号】は「相当程度の知識又は経験を要する技能」を持つ外国人に与えられる。既に来日して【技能実習】を受けていいる実習生は最長5年の実習を修了するか、技能と日本語能力の試験に合格すれば【特定技能1号】が得られる。【特定技能1号】の取得者の約半数は実習生出身者が占めると厚労省も想定しているという。
【特定技能1号】の取得者は在留期間は通算5年で、妻子の帯同は認められない。しかし日本在留中に日本人女性と結婚すれば永住が認められ、【移民】となる。中東からドイツになだれ込んだ難民はドイツで現地のドイツ国籍を持つ人と結婚して【移民】となっている事例が多い。
【特定技能2号】取得者は1~3年ごとなどの期間の更新ができる。更新時の審査を通過すれば更新回数に制限はなく、事実上の永住も可能となる。配偶者や子どもなどの家族の帯同も認める。【特定技能2号】の取得者は実質的な【移民】となる。
【改正出入国刈法案】の国会審議が盛り上がらなかった原因は、この法案には大枠だけが盛り込まれ、具体的な内容が盛り込まれていないために政府側の答弁は具体性に欠け、野党側議員の質問には誠実に答えていないよう印象を与えたからである。
2019年4月からこの法律は施行されるが【特定技能1号】の在留資格を取得するであろう外国人実習生の待遇を改善することが何より肝要であろう。実習生を受け入れる日本側の一部の管理団体の悪徳ぶりは国連でも問題視されているからだ。   (おわり)

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2018年12月 6日 (木)

中国スマホ製造大手華為科技幹部逮捕で米中貿易摩擦再燃か

カナダ政府は12月5日、中国スマートフォンメーカー、華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)の創業者でCEO(最高経営責任者)の任正非氏の娘の孟晩舟最高財務責任者(CFO)兼副会長を逮捕したと発表した。
カナダ司法省報道官のイアン・マクラウド氏は声明の中で、孟晩舟容疑者を今月1日にバンクーバーで逮捕したと述べ、米国から身柄の引き渡しを求められていることを明らかにした。米司法省は4月、イランへの輸出に対する米国の制裁にもかかわらず、華為技術が同国に製品を販売したかどうかについて捜査を始めていたとされる。
孟氏逮捕の背景にあるのは米国政府・議会が急ぐ中国の通信・監視カメラなどハイテク機器の製造企業を排除する動きである。
米上下両院は2018年8月、中国の通信大手の【華為技術】(ファーウェイ)と【中興通訊】(ZTE)、監視カメラ大手の【杭州海康威視数字技術】(ハイクビジョン)、【浙江大華技術】(ダーファ・テクノロジー)、【海能達通信】(ハイテラ)の計5社を標的に締め付けを大幅に強化することを盛り込んだ「2019年度米国防権限法(NDAA2019)」を超党派議員の賛成で可決した。その後、8月13日にトランプ大統領が署名し成立した。
同法は、2019年8月13日以降、米政府機関(連邦政府、軍、独立行政組織、政府所有企業)が5社の製品(サーバー、パソコン、スマートフォンなど)や、5社が製造した部品を組み込む他社製品を調達することを禁止している。5社以外でも「中国政府が所有・関係している」と米国防総省や連邦捜査局(FBI)などがみなす企業(今後発表予定)の通信機器の調達も禁止する。
孟氏の逮捕に中国は反発しており、重要な局面に入ったばかりの米中通商協議が一段と複雑になる可能性がある。6日の東京株式市場は、米中の貿易協議の先行きに対する懸念と為替相場で円ドル/円相場は一時1ドル=112円58銭と円高位に振れたことによって【日経平均株価】は売り注文が殺到して、全面安となり、日経平均株価は一時611円まで下げ幅を拡大した。
日本時間6日の米S&P500種株価指数先物は下落、アジア株も中国上海総合指数が一時1.8%安、香港ハンセン指数が2.9%安など全面安となった。
中国政府は【米中貿易摩擦】によって第4四半期(9~12月)の対米輸出が減少し、中国経済への影響が顕著になり出したことから米国へ歩み寄る姿勢を打ち出し始め、政府備蓄用の米国産の大豆や液化天然ガスの輸入再開の指令を当局に出したところであったが孟氏逮捕によって輸入再開の指令を撤回すると思われる。
米中貿易摩擦の行方は見通せなくなった。   (おわり)


  

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2018年12月 5日 (水)

トランプ支持に疑念を抱きだしたラストベルト地帯のトランプファン

米国の【乗用車】とSUV(スポーツ用多目的車)を含む【小型トラック】の販売台数は、2012年が【乗用車】741万4282台、【小型トラック】707万7591台、13年が【乗用車】778万0710台に対して【小型トラック】781万9439台と初めて【小型トラック】の販売台数が【乗用車】の販売台数を上回った。この原因はSUVの人気が沸騰したからだ。【SUV]人気を支えたのはシェールオイル由来の原油の生産が増大し、原油価格が下落したからである。
2014年の【乗用車】の販売台数は791万8601台に対して【小型トラック】の販売台数は860万3399台、15年は774万0912台と972万9587台と【小型トラック】の販売台数と【乗用車】の販売台数の差は拡大する一方であった。2018年11月の時点で【小型トラック】の販売台数は前年比8.1%増の1062万0977台、一方、【乗用車】の販売台数は前年比13.4%減の502万5790台とその差はダブルスコア以上に離れている。
2015年の【乗用車】の【小型トラック】に対する販売比率は48%であったが2018年には32%にまで下がっている。こうした乗用車の大幅販売台数減に対応してフォードとクライスラーは北米では乗用車生産の比率を下げ、小型トラック生産を中心とする工場を1カ所だけ稼働させている。
米国の自動車販売台数のピークは20016年の1755万台、昨年は32万台減って1723万台で今年は11月の時点で販売台数(!~11月の累計)は前年同期比0.1%増の1564万6767台である。
米国市場で年間100万台以上販売している日米のメーカー6社のうち今年11月の時点で販売台数が昨年を上回っているのは昨年同期比で8.0%増の【クライスラー】だけで、GMが前年同期比1.4%減、フォードが2.9%減、トヨタが0.1%減、ホンダが2.8%減、日産が7.6%減である。この結果、米国メーカーのGMとフォードは昨年からリストラに着手している。。
【フォード】は昨年5月にリストラ策を発表して9月末には国内工場で1400人を削減した。さらに今年の9月5日には110億ドル(約1兆2500億円)の経費削減策を発表している。その内容はメディアの推測であるが販売不振が続く欧州を中心に20万2000人の従業員の12%にあたる2万4000人を解雇するという計画である。
米国自動車メーカー最大手の【GM】も11月26日にリストラ策を発表した。その内容は2019年末までに月給制スタッフや工場労働者1万4000人余りを削減し、米国内外の7カ所の工場を閉鎖するというものだ。
米国内で閉鎖される完成車工場はラストベルト地帯に含まれるミシガン州とオハイオ州の工場である。オハイオ州ローズタウンの工場は昨年は3000人が解雇され、来年3月末にはさらに1500人が解雇される予定で、【GM】の労働者の間では動揺が広がっている。
トランプ大統領は選挙戦中に【ラストベルト地帯】の製造業の雇用を取り戻すと主張していたがGMのミシガン工場とオハイオ工場は【ラストベルト地帯】にある。トランプ氏の言葉に淡い期待をかけてトランプ氏に一票を投じたラストベルト地帯の労働者の間でトランプ大統領に対する【このままトランプ大統領を信じ続けていいのか】と不安感が広がっているという。トランプ再選への障害がまた一つ増えたことになる。   (おわり)

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2018年12月 3日 (月)

日産のゴーン氏追放の狙いはルノーからの独立

東京地検特捜部は11月19日夕刻、カルロス・ゴーン日産自動車代表取締役兼会長を金融商品取締法違反(有価証券虚偽記載)容疑で逮捕した。この逮捕を受けて【日産】は22日午後に開いた臨時取締役会でゴーン会長の会長職と代表取締役を解任した。27日には日産の子会社【三菱自動車】もゴーン氏を解任した。一連の解任劇によってゴーン氏は日本の経済界から実質的に追放された。
【日産】はゴーン氏を日産と三菱自動車から追放したことによって初期の目的は達成したことになる。ゴーン氏が司法の手によって有罪となるか無罪になるかは【日産】にとってはそれほど問題ではない。
今だからこそ言えるがゴーン氏の凋落の端緒は2014年9月にフランスで成立した雇用維持のための【フロランジュ法】である。この法律の成立に深く関わったのが当時経済相であったマクロン大統領である。マクロン経済相は2015年5月に【フロランジュ法】を悪用して日産の親会社の【ルノー】の株式の19.74%を保有する筆頭株主であった【フランス政府】の保有株式の4.74%を売却して15%%に減らしたうえでフランス政府の株式の議決権を2倍にした。
【ルノー】の議決権の30%を掌握したことによって【フランス政府】は【ルノー】を意のままに支配できるようになった。【フランス政府】の【ルノー】支配が強化されたことに危機感を抱いたのが【日産】の日本人取締役4人と日本の【経済産業省】であった。
【日産】と【ルノー】は互いに株式を持ち合っていて、【ルノー】は日産の株式の43.4%を保有し、【日産】は【ルノー】の株式の15%を保有しているが日産のルノー株には議決権がない。つまり【ルノー】は日産の経営に多大な影響力を行使できるが日産はルノーの経営に何ら影響力を持たないのである。【日産】と【ルノー】の関係は歪な関係に陥っている。
2017年の【ルノーグループ】(ルノー、ルーマニアの【ダチア】、ロシア㋨【ラーダ】、韓国の【ルノー・サムスン】)の世界販売台数が376万台に対して【日産グループ】(日産、三菱)の世界販売台数は684万台、2017年度の【ルノー】の純利益は51億1400万ユーロ(約6392億円)、【日産】の純利益は7469億円。ルノーの純利益の約6392億円のうち約2944億円は【日産】から得た配当金。ルノーは日産に支えられている状況なのである。
【ルノー】は世界の3大市場のうち米国市場での販売台数は数千台、中国市場での販売台数は2~30万台程度で、ホームグランドの欧州市場でも68万台でトヨタを2万台程度上回っているにすぎない。ルノー単体ではいつ経営不振に陥ってしまうか不安定な状態である。
経済相としてルノーに実態を知悉しているマクロン氏は大統領就任後、雇用の拡大のために【ルノー】を活用することを思いついた。【ルノー・日産・三菱連合】を【ルノー】の旗印の下に統合するのである。この計画を実現するためにマクロン大統領はルノーのCEO(最高経営責任者)のゴーン氏の2018年末に切れるCEOの任期を22年まで延長することを条件に【ルノー連合】を【ルノー統合体】に組織改革することをゴーン氏に認めさせたと言われている。
ゴーン氏の裏切りに気付いた【日産】の4人の日本人取締役はゴーン氏に反旗を翻した。
【ルノー統合体】が完成すれば最悪の場合、日産の日本の生産拠点はフランスに移転しまうことになりかねない。【日産】を日本国内に残すために暗躍したのが経産省である。今年の6月に経産省のNO2のポストの経済産業審議官経験者の豊田正和氏が日産の社外取締役に就任した。さらに9月には【ルネサスエレクトロニクス】や【ジャパンディスプレイ】などを再生させた経産省管轄の官民出資の投資ファンド【産業革新再生機構】を改組して新たに【産業革新投資機構】(JIC)を誕生させた。
【日産】は【ルノー】の【クビキ】を逃れるためにルノー株を10%以上買い増ししてルノー株の保有割合を25%以上に高め、【ルノー】が保有する日産株式の議決権を無効にする作戦に打って出ると思われる。ルノー株の買い増し資金はJICからの調達資金で賄う可能性が高い。   (おわり)

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2018年12月 2日 (日)

2019年2月1日に世界最大級の日・EU自由貿易圏誕生

日・EU(28カ国の欧州連合))の【経済連携協定(EPA)】の承認案が11月29日の衆院本会議で可決された。これによって今国会で【日欧EPA】が成立することが確実視され、日欧がめざす2019年2月1日の発効へ大きく前進した。関税分野では農林水産品と鉱工業品を合わせ日本側が約94%、EU側が約99%の関税を撤廃する。但し、日本にとって最大の関心事の日本製自動車のEU側の現行の10%の輸入関税が撤廃されるのは8年後である。【EU】にとっての関心事のワインは、日本の現行の輸入関税(125円/1リットルか15%)は即時撤廃される。カマンベールやモッツァレラチーズなどのソフトチーズは現行の関税は29.8%であるが3.1万トンまでの関税が完全撤廃されるのは16年後である。
【日欧EPA】は日欧が国内手続きを終えた翌々月に発効するという規定がある。国内手続きを完了するには日本の国会とEU議会の批准が必要であるが日本では12月10日までに、EUは12月中に議会で採決する方針ガ決定している。その結果、【日欧EPA】は19年2月1日に発効する。
【日欧EPA】が発効すれば世界の総人口の8.3%に該当する6億4千万人(日本1億2675万人、欧州5億1000万人)、【GDP]が世界のGDPの27.8%に相当する22.2兆ドル(日本4.9兆ドル。欧州21.7兆ドル)、【貿易額】が世界の36.9%の13.1兆ドル(日本1.4兆ドル、欧州11.7兆ドル)の世界最大級の自由貿易圏が誕生する。
ところで2014年以降の【日欧貿易額】は14年が15兆7541億円、15年が16兆6101億円、16年が16兆1335億円、17年が17兆4135億円であった。日本の輸出と輸入額はほぼ拮抗していて2015年の日本のEUへの輸出額は597億7000万ユーロに対して輸入は565億8500万ユーロと31億8500万ユーロの黒字であったが2017年は輸出が8.7兆円に対して輸入が8.8兆円で1000億円の赤字となった。
欧州連合の中で日本の最大の貿易のパートナーはドイツで、日独の貿易額は14年が4兆5694億円、15年が4兆4190億円、16年が4兆3116億円、17年が4兆7518億円となっている。
対欧州への輸出の内訳は、【輸送用機器】(自動車、自動車の部品、2輪車、船舶など)が26.4%、一般機器(原動機、建設用機械など)が24.0%、電気機器(カラーテレビ、半導体など)が10.3%。
欧州からの輸入の内訳は、【科学製品】(有機化合物など)が28.3%、【医薬品】が16.5%、【輸送用機器】(自動車12.2%など)が15.6%、【一般機械】が11.6%、食料品(チーズ、ワインなど)が15.6%、【肉類】(豚肉など)が2.3%。
日本にとって【日欧EPA】の効果が顕著に表れるのは【自動車関税】が撤廃される8年後からであろう。ワイン愛好家にとっては1000円の低価格ワインが900円に値下がりするので欧州ワインの輸入量が増えることになるかもしれない。当面日本にとってのメリットは水産品や農産品の輸出がふえることであろう。   (おわり)

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