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2018年11月15日 (木)

トランプ政権輸入車への関税を当面先送りか

中間選挙で民主党が下院の過半数を制した事実が早くもトランプ政権の政策への抑止力としての効果を発揮し出したようである。
米【ブルームバーグ通信】は11月14日午前、【U.S. Said to Hold Off on Trump’s Car Tariffs After Trade Meeting(米国、トレードミーテイングの後、トランプの自動車関税引き下げ)】と題する下記の記事を配信した。
「この問題に精通している二人の関係者によれば、国家安全保障への影響に関する報告書の改訂について、最高幹部が重視しているため、トランプ政権は自動車輸入に新たな関税を課すことになっている。
ドナルド・トランプ大統領は、ホワイトハウスで、自動車輸入の影響に関する商務省の調査草案の草案について議論するため、火曜日に最高貿易顧問と会談した。会談が公表されなかったことで匿名を条件に話した人々は、同政権は関税を執行する準備ができておらず、報告書はさらに変更される可能性があると述べた。」。
米国では1940年以来、共和党は【自由貿易】を支持する政党、民主党は【保護貿易】を支持する政党というレッテルを貼られてきた。しかし、経済のグローバル化によって米国の主要産業であった自動車などの製造業は疲弊し、製造業のブルーカラーの支持政党は従来の民主党から古き良き時代の米国の繁栄を懐かしむ保守政党【共和党】へと変化した。
【民主党】は労働組合に基盤を置く労働者の政党であったが製造業の崩壊によって失業したり、転職を余儀なくされたブルーカラーに見限られた、その象徴が2016年の大統領選においてかつての民主党の票田であった【ラストベルト地帯】(錆び付いた工業地帯)を形成する【イリノイ州】、【インディアナ州】、【ミシガン州】、【オハイオ州】、【ペンシルベニア州】、【ウイスコンシン州】でトランプ大統領候補は民主党のヒラリー・クリントン候補を破った。これら諸州の勝利がトランプ大統領誕生の原動力となった。
中間選挙で野党民主党が与党共和党に勝利するには政策の対立軸を明確にすることである。共和党はトランプ大統領が【保護貿易】政策を推進している以上、共和党の伝統的な主張【自由貿易】を反故にせざるを得なかった。
一方、民主党の伝統的な主張は【保護貿易】であったが中間選挙で勝利するためには従来とは真逆な主張【自由貿易】に舵を切らざるを得ない必要性が生じ、7月中旬から【自由貿易】に政策を転換した。
今や民主党の支持者は大学卒の都市部かその郊外に住む自由貿易や資本の移動の自由の恩恵を受けている人たちやトランプ大統領の女性蔑視の発言に反発している女性たちである。ある世論調査の結果によれば民主党支持者や民主党シンパ㋨63%は【自由貿易】を支持している。それに対して【共和党】支持者では【自由貿易】を支持しているのは41%にすぎないt。
トランプ大統領最大の関心事は2020年の大統領選挙で再選されることである。【保護貿易】の象徴の【関税】を課すことをトランプ大統領が断念したとは考え難いが、民主党との対立を一時的に避けるためと米国の自動車産業へ輸入車への関税の影響が「吉と出るか凶と出るか」を見極めるためにトランプ大統領は輸入自動車への高率関税の決定を先送りしたのであろう。   (おわり)

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