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2018年11月13日 (火)

日本の製造業は品質検査不正に歯止めをかけられないのか

2017年秋に入って【日産自動車】の複数の工場で無資格者が完成車検査を行っていた事実が発覚。その後、【監督官庁】の国土交通省の通達を受けて自動車メーカー各社が社内チェックを行った結果、【SUBARU(スバル)】(旧社名富士重工)でも同様の不正が確認された。
さらに、公的規格あるいは顧客の仕様を満たさない製品を、製品検査の結果の改竄や捏造などによって「仕様を満たしたもの」として出荷していた神戸製鋼所。これらの事件の余波はいまも続いている。
但し、これらの不正は30年以上も前から行われており、これらの不正によってリコール(無料修理)は起こっていないという事実がある。つまり、製品の品質に問題があったわけではない。
自動車メーカーの【完成車検査】は戦後間もない1951年(昭和26年)に制定された【道路運送車両法】で定められた検査を公的機関が行わずにメーカー自身が行っていた。【完成車検査】は法律が施行された当初から形骸化していたのである。
現在、日本の自動車メーカーの自動車組み立てラインの全工程で綿密な検査が実施されており、完成時の検査に合格しないような不良車は事実上存在しない。【完成車検査】は無意味なのかもしれない。
【日産】と【スバル】ではこの完成検査を無資格者が行い、有資格者の検査合格印を無資格者が捺印していたことが問題となった。完成車検査の資格者の認定はこれまた各メーカーが行っている。この代理捺印が問題とされるとしたら自動車メーカーが各社が有資格者の養成に積極的に取り組まなかったことであろう。
同じ不正でも問題なのは、車の性能届け出値に関する【燃費不正問題】であろう。【三菱自動車】が行った【燃費不正】は、新型車の届け出燃費を改竄・粉飾によってよく見せた不正である。
今年の8月には【マツダ】,【スズキ】、【ヤマハ発動機】の【排出ガス抜き取り検査の不正】が発覚した。【燃費不正】と【排出ガス不正】はメーカーが責任をもって根絶すべき問題である。
2017年10月に発覚した神戸製鋼所をきっかけに三菱マテリアル、東レなどと続いた日本企業の品質管理データ改ざん問題は、弁護士らによる社外調査委員会の調査により事件の核心が解明されてきた。事件の原因は品質に関する現場の過信と、サラリーマンなら従わざるを得ない社内の生産至上主義や永年にわたる悪しき慣習にあったとされる。
【川崎製鋼】や【三菱マテリアル】、【東レ】といった【素材メーカー】には共通項として「受注の獲得と納期の達成を至上命題とする風土」があり、長期間の部品メーカーとの取引を通じて「仕様を逸脱しても一定程度なら安全性の問題はないため出荷しても構わない」という誤った考え方が醸成されていったのである。
品質管理データの改竄を撲滅するには経営トップの【強い意思】が必要である。そして経営とトップの「データの改竄をしない」という意思を生産現場に徹底させる努力を怠ってはならない。   (おわり)

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