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2018年11月11日 (日)

曲がり角に来た外国人技能実習生制度

【法務省】によれば2017年12月末時点での日本在留の外国人実習生は27万4233人で、その数は茨城県の県庁所在地の水戸市(27万0289人 2018年10月1日)に匹敵するまでに増え、【外国人実習生】が日本の生産、加工、サービスの現場を支えている。
ところで、【外国人実習生制度】は1982年の「出入国管理及び難民認定法改正」によって【企業単独型】による外国人研修生の受け入れに端を発している。
経済のグローバル化の波が日本にも押し寄せ、日本企業が安価な労働力を求めて発展途上国に進出する際に現地従業員を採用しても研修の場がないために一時的に日本国内の工場などで研修を行うケースが大半であった。この場合研修が終了すれば研修生は帰国していた。
この流れが激変したのがバブル崩壊の前年の1990年に【団体管理型】による外国人研究生の受け入れを開始し、1993年に2年間の【研修・技能実習の在留】を認める【技能実習制度】を施行してからである。
日本は1995年に円高不況を克服すると日本経済は未曽有の好景気【バブル経済】を迎え、3K(汚い、危険、きつい)と呼ばれる職場である製造業は若年労働者に敬遠され、深刻な人手不足に陥った。産業界は人手不足解消のための苦肉の策として【外国人労働者受け入れ】を政府に要請した。
しかしながら1990年代前半という時期には【外国人労働者の受け入れ】は多くの国民の理解を得られなかった。そこで政府が産業界と国民の相克の矛盾の解消のために考え出した便法が【外国人技能実習制度】であった。【外国人労働者】は労働者でありながら労働者ではないという奇妙な存在になったということになる。
この制度の欠陥を巧みに利用したのが日本の暴力団であり、外国人犯罪組織であった、【外国人実習生】はこれらの組織の搾取の対象とされたのである。
【外国人実習生】を受け入れている企業の中には【実習生】は労働者ではないから労働に対する正当な対価を支払う意思のない企業が多く、その結果、賃金の未払いや最低賃金以下の支払いという不正行為に手を染めている。
一方、【技能研修生】という名目で来日した外国人労働者の大半は出稼ぎである。そのために賃金を契約通りに受け入れ企業が支払わなければその対抗措置として【失踪】という手段に訴えることになる。失踪を手引きするブローカーが存在するからだ。
【外国人技能実習生】の失踪件数は年々増え続けている。2011年は1000人弱であったが、12年には2005人、13年が3566人、14年が4867人、15年が5803人、2016年には前年を下回って508人、17年は7089人である。これはもう社会問題である。
政府も失踪した不法在留外国人の増加を看過しえなくなって2017年11月に新たな【実習制度】が施工され、【外国人技能実習機構】が創設された。この機構は実習生の受け入れ機関の審査や認可の厳格化、受け入れ機関の不正行為によって苦しむ実習生の保護などを行う。
日本は今後、アジアの国家として生きていかなければならない。そのためには日本に【技能実習生】を送り出している中国、ベトナム、インドネシア、カンボジア、ミャンマーなどの東アジアと東南アジアの国民の信頼を失ってはならないのである。   (おわり)

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