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2018年11月19日 (月)

深刻な人手不足を反映する19年春卒業の大学生の就職内定率

文部科学省と厚生労働省はバブル崩壊後の新卒大学生の就職が困難となった【就職氷河期(1993~2005年)】と呼ばれた時代に突入して4年目の1996年に大学卒業予定者の【就職内定率】の調査を開始した。両省は11月16日に公表した【大学等卒業予定者の就職内定状況調査】によれば、2019年春に卒業予定の大学生の就職内定率が10月1日時点で77.0%と前年同期より1.8ポイント上昇し、過去最高となったと発表した。上昇は3年連続。文科省は「景気回復が続き企業の採用意欲が高まっており、求人数も増えていることが要因」としている。
【就職内定率】とは就職希望者に占める内定取得者の割合である。
調査を開始した初年度の1996年と翌年の【就職内定率】は69.9%であった。消費税率が2%上がり5%となったのは97年4月1日からであるがその影響が日本経済に顕著に表れ出したのは98年以降である。消費税率2%アップの影響が大学生の就職戦線に表れ出したのは99年からで実体経済と就職内定率には1年間のタイムラグが見て取れる。
日本経済のバブルは1986~1991年であるがその間バブルの恩恵を被った銀行、不動産、建設、自動車や電機などの製造業界は大量の大学の新卒者を雇用したがバブル崩壊後の92年から3年間は各業界は新卒の採用を極端に手控えている。だが企業の将来を考えれば新しい人材の採用を長期間抑えるわけにはいかず、98年には【就職内定率】は前年比で2.7%増の73.6%に上がった。
しかし、翌99年には消費増税の影響が顕在化し、99年の名目GDPは2年間で24兆4909億円減少し、企業業績が悪化した結果、99年の【就職内定率】は前年比で6.1%減の67.5%となった。それ以降は60%台前半で推移し、2004年には60.2%にまで下落した。
しかしながら、05年以降は米国の住宅バブルの好景気に支えられて日本の自動車や電機産業などの輸出主導型産業の業績が好調でリーマーンショックの影響を受けながらも09年の【就職内定率】は69.9%にまで回復した。だが11年には東日本大震災が起こりーマンショックの影響が本格化したこともあって、11年の【就職内定率】は過去最低の57.6%となった。
それ以降、就職活動解禁日の変更のあった15年を除いて【就職内定率】は上昇を続け、昨年は史上最高の77%にまで上昇した。内定率の上昇は人手不足を反映していることを意味する。
【日本経済新聞】がまとめた主要企業952社の大学院卒を含む19年春の大学卒業予定者の内定者数は、10月1日時点で【製造業】が430社で前年比4.1%増の4万1035人、【非製造業】】が522社で前年比0.1%増の7万9164人である。
製造業の業種別の内定者数は【紙・パルプ】が前年比15..8%減の208人、【医薬品】が8.5%減の986人、鉄鋼が5..3%減の1242人、【石油が11.9%増の300人、【窯業】が25.6%増の461人、【印刷】が14.4%増の605人。
【非製造業】の【銀行】が前年比16.1%減の10006人、【【保険】が12.9%減の4162人、【空運】21.9%増の1660人、レジャ―】が20.4%増の136人である。
前年の内定者数を下回っている業種は学生に人気がないということであろうし、さらに言えば短期的な企業の業績見通しが明るくないということであろう。
前年の内定者数を上回っている業種は学生に人気があり、ここ数年の企業業績が住宅・マンション建設の好調さや訪日外国人数の増加で好調ということなのである。   (おわり)

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